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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(2011年1月29日 旧ブログ掲載記事)
 
2011年1月28日12時48分に、毎日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本県上天草市で09年10月25日午後0時45分ごろ、遊漁船が岩場に激突して釣り客2人が死傷した事故で、運輸安全委員会は、28日、船長(53)の「眠気なき居眠り」が原因とする報告書をまとめた。
船長は眠気の自覚はなかったが、委員会は体内時計の働きなども重視、睡眠の質を総合的に分析し、船長が慢性的な睡眠不足で居眠りしたと結論付けた。慢性的な睡眠不足の場合、自覚症状として眠気を感じず、治療が遅れ、事故に至る危険性が指摘されている。
報告書によると、事故は、船長が2人の釣り客と母港へ戻る時に起きた。船長は、事故前約2分間の記憶がない一方、眠気はなく、熟睡感の不足もなかったと証言。事故9カ月後の脳波検査では重い睡眠時無呼吸症候群(SAS)との確認はできなかった。
しかし、委員会は、
 ①船長は事故約1週間前から、午後11時ごろに就寝し午前4~5時に起床していたが、いびきをかいたり、午前2~3時に頻繁に目覚めるなどSAS特有の症状を家族が証言しており、慢性的な睡眠不足状態だったとみられる。
 ②一般に単調作業の注意力は30分で低下するが、事故当時は穏やかな天候の中、単調な操船が25分程度続いていた。
 ③早朝起床の朝型生活で、体内時計による眠気の生じやすい時間帯が通常(午後2~3時)より早めだった。
などから船長の居眠りと断定した。
 
 
(ブログ者コメント)
 
□運輸安全委員会のホームページを覗いたとこと、以下のとおりに報告書が公表されていた。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/report/MA2011-1-4_2009tk0011.pdf
 
□冒頭、「労働科学研究所慢性疲労研究センターから眠気のメカニズムに関する知見について情報提供を受けた」と記されており、報告書の中で詳細に眠気に関する解析が行われている。
□報告書では、事故は船長の居眠りによって起きたが、居眠りしたのには以下のようなことが複合的に関与した可能性がある、と結論づけている。
 ①慢性的に睡眠の質が低下した状態であった上、事故前の睡眠も不足していた。
 ②風や波が穏やかになって緊張感が薄れ、単調な操船を続けていた。
 ③概半日リズムによる眠気の生じやすい時間帯であった。
  (概半日リズムについては、報告書14ページ参照)
□海難事故については、このような、事故当時の状況や原因解析に関する詳細な報告書が作成され、かつ公表されている。これは、再発防止に非常に大切なことだ。
産業事故を統括する経済産業省、自治省なども、国土交通省のこういった姿勢を見習い、是非とも過去に遡って調査報告書を公表してもらいたいものだ。
 
 

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(2010年10月26日 旧ブログ掲載記事)
 
記憶というものは曖昧なものです。思い出そうとしている時に、「こうではなかったですか?」などと誘導されると、実際はそうでないのに、「そうそう!そうなのですよ!」などと答えてしまう・・・・・そういったことが、ままあります。
 
たとえば、車がモノにぶつかった時の映像を見せ、その車のスピードを推定してもらうのに、「車がモノに接触した時のスピードは?」と聞くのと「車がモノに激突した時のスピードは?」と聞くのとでは、回答者の答えは、後者のほうが大きなスピードになる傾向があるそうです。
また、時計とも蟹とも見える曖昧図形を見せ、数時間後に、先ほど見せた時計の絵を思い出して描いてくださいなどと仕向けると、いかにも時計らしい絵を描く人が出るそうです。私も、安全教育の一環としてこの話をした時に試してみたことがありますが、数10人の中で、数人に、そのような傾向がみられました。
 
自分の記憶に頼るだけでなく、現場現物を確認することが大切だと言われているのには、こういったことも関係しているのでしょう。
また、重要な判断を下す場合、周りから、記憶を変化させるような余計なこと、誘導尋問的なことは言わないように注意する、といったことも必要なのでしょう。
 

 
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(2010年10月22日 旧ブログ掲載記事)
 
なぜ忘れるのか・・・、なぜ覚え間違いするのか・・・、そのメカニズムについて考える場合、それは記憶検索が失敗したからだ、という説明も可能です。
 
 脳の長期貯蔵庫の中には、記憶のネットワークが張り巡らされており、思い出すということは、キーワードを手掛かりとして、そのネットワークの中の、大きなジャンルから中ジャンル、小ジャンルへと検索していき、最後に目的とする記憶にたどりつく、ということです。このような仕組みから考えれば、忘れるということは、この検索ルートが途中で遮断されること、記憶違いということは、検索中に誤って別のルートを辿ってしまうことだという説明が可能でしょう。
 
しかしながら、こういった現象は、われわれが意識しないうちに脳の中で起きてしまうものですので、いかんともし難いところがあります。
それゆえ、記憶だけに頼ることなく、忘れてならないことはメモしておく、あるいは指示を受けた人に確認してから実行する、といったことが大切になるのでしょう。
 

(記憶検索の失敗例;2011年5月18日追記)
 
5月15日放映の「笑点」で、司会の歌丸さんが小遊三さんに向かい「小円遊さん」と呼び掛け、座を大いに沸かせていた。歌丸さんいわく、「先ほどまで楽屋で小円遊さんの話をしていたもので・・・」。
これは、記憶検索失敗の典型的な例だ。
小遊三さんの名前を思い出すのに、顔を頼りに記憶ネットワークの中で「落語家」→「三遊亭」とジャンルを絞り込んでいき、最後に「小」で始まる名前を検索中に、間違って「小円遊」のほうに行くルートをたどってしまった。
これは、さきほどまで楽屋で検索していた「小円遊」ルート上に、まだ当時検索した際の香りが残っていたので、つい、そちらのルートに導かれたためだと説明できる。


 
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(2010年10月13日 旧ブログ掲載記事)
 
記憶は、時間の経過によって薄れてきます。その理由を説明する学説としては、時間とともに記憶の痕跡が薄れてくるからだという減衰説や、他の記憶痕跡によって邪魔されるからだという干渉説などがあります。
 
忘れるまでの時間には、当然、個人差がありますが、覚えておこうとする努力を一切しない場合、1時間で5割程度、8時間で6割程度は忘れるという実験結果(下図に示すエビングハウスの忘却曲線など)がありますので、おそらくは、その程度なのでしょう。

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口頭で指示を受けている時は分かったつもりになっていても、いざ、実行という段になると忘れてしまっている・・・。そこには、こういったメカニズムが関係しているのかもわかりません。
 
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(2010年10月3日 旧ブログ掲載記事)
 
事故原因に占めるヒューマンエラーの割合はかなり大きく、間接原因も含め、突き詰めて考えると、全ての事故の原因はヒューマンエラーだと言っても、過言ではないでしょう。
そういったヒューマンエラーはなぜ起きるのか、それを、認識、記憶といった切り口から研究しているのが、認知心理学という学問です。
したがって、認知心理学に関する知識を持っておけば、今後の事故防止に役立つかもしれないとの思いで、産業安全に関係ありそうな部分を抜粋して紹介します。
 
まずは、短期記憶と長期記憶についての話しから。
 
われわれは、3つの記憶貯蔵庫を持っています。
その第1は、眼や耳といった感覚器官です。
外部からの情報は、まず最初に感覚器官に入ってきて、そこに一時的に蓄えられます。具体例で説明すれば、コマ送りの画像が、あたかも連続して動いているように見えること、つまり残像は、眼の中に一時的に記憶が残っているために起きる現象なのです。
ただ、感覚器官に貯蔵されるのは、ごく短時間。眼の場合で50ミリ秒程度、耳の場合で5秒程度という研究報告がありますので、ここは、記憶力を司る場所ではありません。
 
第2は、脳の中にある短期貯蔵庫です。
外部からの情報は、感覚器官を経て、この短期貯蔵庫に送られてきます。この短期貯蔵庫は、最近、脳サイエンスなどと銘打ったテレビ番組で「海馬」として紹介されている部位であり、無数に入ってくる情報のどれを記憶するか選別する器官です。つまり記憶と言うものは、この「海馬」という短期貯蔵庫で作られているのです。
しかし、この短期貯蔵庫は容量に制限がありますので多くの情報を溜めておくことはできません。また長く溜めておくこともできません。具体的には、ここでの貯蔵可能量は5~9チャンク程度(チャンクとは情報のかたまり)、貯蔵期間は数10秒程度といわれています。よって、とても、次から次へと入ってくる大量の情報を溜めておくことはできず、ここも、記憶力を司る場所ではありません。
 
第3は、脳の中にある長期貯蔵庫です。
一旦、短期貯蔵庫に入った情報は、そこで、覚えておくべき情報と、そうでない情報とに仕分けされ、必要な情報のみ長期貯蔵庫に移されます。そして、そこに長い間、保管されることになります。つまり、この長期貯蔵庫こそが、記憶力を司る場所なのです。
したがって、外部からの情報を記憶として長く留め置くには、長期貯蔵庫に移すための仕掛けが必要。何も努力しないと記憶としては残りません。
 
仕掛ける方法にはいくつかありますが、代表的なものが「リハーサル」、つまり、同じことを何度も繰り返して覚える方法です。受験の時、覚えにくい英単語を何回も繰り返して覚えた人も多いでしょう。そういった覚え方が「リハーサル」です。
また、「コーディング」といって、何かに関連づけて覚えておく方法もあります。たとえば、初対面の人の顔を覚えておくのに、俳優のA氏に似ていた人と覚えておくと、忘れにくくなるでしょう。そういった覚え方が「コーディング」です。
 
産業現場では、「復唱復命」という安全活動が行われることがあります。その第一の目的は、指示したことを相手が正しく理解しているか、指示した側が確認することですが、それ以外、指示された側に対し、指示したことを口に出させることで頭の中に「リハーサル」状態を作り、もって情報を長期貯蔵庫に移しやすくする、という目的も持っているのです。
 
しかし、リハーサルあるいはコーディングを行っても、それで万全ということはありません。そのようにして当座は覚えたつもりになっていても、ちょっと時間が経つと忘れてしまう・・・・、そういったことが、多々あります。
したがって、どうしても忘れてならないことは、メモするなど、自分の記憶だけに頼らない方法で記録しておくことが大切です。
 
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(2010年9月30日 旧ブログ掲載記事)
 
下の図を見てください。どのように見えますか?

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ほぼ全ての人が、円の上に四角が重なった状態に見えるでしょう。 
しかし、実際は、下図のように、扇型と四角とが組み合わさっているのかもしれません。

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これは、ゲシュタルト心理学でいうところの補完と分節という現象です。
つまり、上側の図では、四角で円の4分の1の部分が隠されてしまっていると認識し、隠された部分を補完して、円が存在するように見えてしまうのです。
下側の図のように分節された状態に見えることは、まず、ないでしょう。
 
このような現象が生じるのは、われわれは、円形のモノが四角形のモノの後ろに隠れることは、日常的によく目にすることですが、扇型と四角形の組み合わせは、滅多に見ることがないからです。つまり、目で見て、ある形をとらえた場合、脳の中で、それが一般的にいってどんな形であるか、数多くあるパターンの中から選んでいるための現象だと考えられています。
 
ヒューマンエラーの一つである「思い込み」も、ブログ者は、この補完の一形態ではないかと思っています。
例えば、扇型に相当する作業手順書を、自分の経験という四角形の立場を重ね合わせて見た場合、どうも書かれていない部分がありそうなので、そこは、こうしたほうがいいだろうなどと自分勝手に思い込んでやってしまう・・・・。あまりよい喩えは浮かびませんでしたが、そんなこともありそうな話しです
 
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(2010年8月14日 旧ブログ掲載記事)


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上の図は、サッチャーさんの顔写真を上下反対にしたものです。
ですが、よく見てください。右側の写真はサッチャーさんそのものですが、左側の写真はなんとなくおかしく見えませんか?
それでも、サッチャーさんみたいだ、と思う人は多いでしょう。
 
ところが、この写真を上下逆転してみると、下の図のようになります。
上の図では何となくサッチャーさんらしいと認識した写真ですが、下の図になるとサッチャーさんだと認識する人は、まず、いないでしょう。形相すさまじく、まったくの別人です。

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形相すさまじいほうは、実は、サッチャーさんの目や口といったパーツを逆向きにした合成写真なのです。
したがって、上側の図では、髪型や顔の輪郭は逆になっているものの、目や口は普段見慣れたサッチャーさんのものなので、なんとなくサッチャーさんに見えたのです。
普段見慣れている、聞き慣れているものが、なんとなく違って感じられる・・・・。
そんなことがあったら、それは、その部分の秩序が狂い始めているというシグナルかもわかりません。気のせいだと放っておかず、確認してみることも、また、安全確保の第一歩になろうかと思います。


 
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(2010年8月12日 旧ブログ掲載記事)

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上の図は、錯覚図形の代表的なもので、ミュラーリヤー錯視と呼ばれています。
同じ長さの横線であると分かってはいても、誰しも、下のほうが長く見えることでしょう。

それには以下の2つの理由があります。
理由下のほうの図形は、矢印の長さが加わった分、全体が長くなり、それに影響されて横線も長く見えてしまう。
理由②部屋にたとえると、上の図形は出っ張った角、下の図形は奥まった隅。人は、遠くにあるモノを大きく見ようとする性向があるため、奥まったところにあるかのように見える下の図の横線のほうが長いと認識してしまう。
 
このように、人間の目というものは、周囲の状況(この場合は矢印)に惑わされやすいものです。
自分の目で見たから絶対だ、と思っていても、間違っていることがあるのです。
大事な場面では念には念を入れて確認する、ひと呼吸おいて確認する、複数の目で確認する、といったことが、事故防止を図るうえで大切です。
 
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2010810日 旧ブログ掲載記事)
 
北斗七星状に並んだ点を見て、ひしゃく以外の形に見える人はいないと思います。
これは、人間というもの、近くにあるモノ同士を関連付けて認識するという性向があるためです。
したがって、たとえば、A機とB機の2つのポンプがあって、A機の吐出バルブがB機の直近に配置されているような場合には、いつか、B機の吐出バルブを開けようとしてA機のバルブを開けてしまう、そういったトラブルが起きる可能性があります。
そのようなところがあれば、修正しておくにこしたことはありませんが、予算やスペースの関係など、事情が許さない場合は、せめて、「間違えるな、これはA機のバルブだ」といった、具体的な注意表示をしておいたほうがよいでしょう。


 
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201088日 旧ブログ掲載記事)
 
あなたは、街で見かけた人が知人かどうか、どのようにして判別していますか?
目、鼻、口など、各パーツを一個一個確認しているでしょうか?おそらくは否。顔全体をパッと見て瞬時に判別していることと思います。
ゲシュタルト心理学とは、このように、モノを見る場合、われわれの脳は、対象となるモノを、いろんなパーツの組み合わせとしてではなく、一つの全体像として認識する仕組みになっている、ということを研究している学問です。
そして、このような仕組みがあるがゆえに、その必然として、人は間違いを犯す可能性を有しているのです。
ここでは、そういった仕組みの中の「図と地」について説明します。
 
下の図を見てください。白黒まだら模様の中に何かが見えませんか?よく見ると、頭を垂れた左向きの犬がいることに気がつくでしょう。そして、一旦、犬が見えると、犬だけが目立ち、周囲の白黒模様は、周りの風景として後退して、目立たなくなってしまいます。
このような場合、目立って見えるものを「図」、「図」の後ろに後退して目立たなくなるものを「地」と呼びます。


たとえば、ベルトにひっかかったゴミをとろうとして、回転しているローラーに手を挟まれる事故が起きたとします。そこには、不注意とか、ローラーが10°の視角範囲から外れていたということだけでなく、ひょっとしたら、「図」となったゴミにだけ注意が向けられたためローラーは「地」となってしまい、眼の網膜には両方とも映っていたものの、ローラーを認識することができなかった・・・という理由が隠れているのかもしれません。



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(2010年8月3日 旧ブログ掲載記事)
 
ヒューマンエラー、それは人間である限り、誰もが間違いを起こす可能性がある、ということです。
換言すれば、間違いは、人間であるがゆえの必然なのです。
 
広い世間には、「全ての事故は防ぐことができる」という立派なポリシーを掲げている会社もありますが、私が考えるに、それはポリシーの域を出るものではなく、現実問題、ヒューマンエラーによる事故を完全にゼロにすることは不可能だと思います。
私たちにできることといえば、事故発生確率を可能な限りゼロに近づける、ということだけでしょう。
 
これまで、産業現場では、ヒューマンエラーを起こさせないための対策とか、万一、ヒューマンエラーを起こした場合でも被害を最小限に食い止めるための対策などを工夫し、また実践してきました。たとえば、危険予知活動や指差呼称運動などのソフト対応、識別表示の徹底、インターロックシステムの構築などのハード対応が、それに当たります。
しかしながら、どの方策も一長一短あり、これさえ実施していればヒューマンエラーによる事故を防げる、といった特効薬はありません。
 
これまで編み出された様々な対策を、自職場の実状に合わせ、組合わせて実施すること、かつ、それらの活動をマンネリ化させないことが、ヒューマンエラーによる事故を防ぐ上でのポイントであろうと思っています。
マンネリ化・・・・。そうです。「慣れ」ほど怖いものはありません。
同じことを何の工夫もなく毎日のように行っていると、それが習慣となり、惰性化して、本来の目的とする効果を発揮できなくなる恐れがあります。したがって、同じ安全活動を十年一日の如く続けるのではなく、ある程度時間が経てば少し目先を変えてみる、ということが必要でしょう。
それは、別に新たな安全活動を始めるというのではなく、複数ある活動のいづれかに対し強調月間を設けることでもいいのです。要は、安全活動に変化を与えることです。
 
しかし、そうはいっても、できることなら新しい安全活動に取り組んだほうが、気持ちもフレッシュになり、緊張感を持続しやすいでしょう。
そういった意味で、何か目新しいネタがないかと探した結果、従来とは少し違った切り口からヒューマンエラーについて考える材料がありました。
それはゲシュタルト心理学と認知心理学というもので、錯覚とか記憶について研究している学問です。
内容的には日を改めて掲載しますが、人間は間違うようにできている、その点を作業員一人ひとりがしっかりと理解していれば、それが心の中で一つの歯止めとなり、ヒューマンエラーの防止に役立つのではないかと思っています。
 
 

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HN:
魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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