忍者ブログ
                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
 ブログ内検索 Site Search 
キーワードに合致した記事を検索できます(複数キーワード検索可)
 最新記事 Latest Articles 
(03/28)
(03/28)
(03/28)
(03/27)
(03/27)
(03/27)
(03/26)
(03/26)
(03/25)
(03/25)
(03/25)
(03/24)
(03/24)
(03/24)
(03/23)
(03/23)
(03/23)
(03/22)
(03/22)
(03/21)
(03/21)
(03/21)
(03/20)
(03/20)
(03/19)
 最古記事 Oldest Article 
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/10)
(04/10)
(04/10)
(04/10)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)

2011年10月12日20時19分に、東京新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京電力は12日、福島第1原発2号機の格納容器内のガスを引き出して浄化するシステムを接続するため、格納容器につながる配管内の水素濃度を測定したところ、6・5%だったと発表した。
東電は「火気を使用する予定はなく、爆発の恐れはない」としている。

同様のシステム接続を計画中の1号機の配管では、60%を超える高濃度の水素が検出されたため、窒素を注入した上で配管を切断した。

2号機では配管の切断は不要のため窒素は注入せず、システムを接続して処理する。
 

出典URL■■■


ちなみに、1号機の状況については、2011年10月9日20時50分に毎日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

1号機の原子炉格納容器につながる配管から高濃度の水素が検出されている問題で、東電は9日、水素爆発の懸念はなくなったと発表した。
窒素の注入作業を続けたことで、水素濃度が爆発の可能性がある4%を継続的に下回ったため。

これを受け、東電は配管の切断作業を実施。
今後、格納容器内の放射性物質をフィルターで除去する「格納容器ガス管理システム」の設置工事を本格化させる。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

水素の爆発範囲は4~75%。
よって爆発防止のため、1号機は爆発下限濃度の4%を下回るまで窒素パージし、その後、火気工事した。
しかし、2号機は爆発下限濃度以上の6.5%なのに爆発の恐れはないと評価している。
なぜか?火気工事がないからだという説明だけでは説得力に欠ける。

東電評価内容の詳細は不明だが、ブログ者であれば、6.5%水素の爆発危険性を以下のようなシナリオで評価する。

□水素の最小着火エネルギーは0.016mjと非常に小さい。静電気放電の中の最も微弱なコロナ放電でさえ着火源となり得るほどだ。

□しかし、この最小着火エネルギーなるもの、ガスの濃度によって大きく変わる。 水素の0.016mjなど文献に記載された値は、最も着火しやすい濃度で測定したものだ。
そして、最小着火エネルギーは、その値を最下点として、ガス濃度が低くなる、あるいは高くなるにつれ、二次曲線的に上昇する。

□水素の場合、濃度6.5%は爆発下限濃度に近く、その濃度の水素を着火させようとすれば、かなり多大のエネルギーが必要になる。

□ここで、2号機のガスを「格納容器ガス管理システム」に通す場合の着火源について考えると、溶断などの火気を除けば、静電気しか考えられない。

□そこで静電気放電の様々なパターンについて検討し、水素濃度6.5%のガスを爆発させるだけの着火エネルギーを持つ静電気放電が、この「格納容器ガス管理システム」内で発生し得るものかどうか、その可能性を検討する。



読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[0回]

PR
2011年5月24日に、市川市のビル解体現場で酸素ボンベが爆発したという記事を本ブログに掲載した。
ブログ者は、高濃度酸素が爆発的燃焼を引き起こすこと、条件次第では鉄も燃えることは知っていたが、酸素ボンベが爆発することなど、考えたことはなかった。そこで、酸素ボンベ、高濃度酸素の爆発危険性について改めて調査した。
結果、ネットで入手した主要4情報を、以下のとおりに転載する。
 
 
①函館酸素㈱ホームページ(写真や図は転載省略)
 
1.アセチレン切断用バーナー

アセチレンは酸素と燃焼させることにより、3300℃という高温を得ることが出来ます。
この温度はほかのプロパンやブタンなどでは容易に得ることの出来ない温度です。 このアセチレンの高い燃焼温度により鉄を効率よく切断することが出来ます。
では、アセチレンバーナーはどのような仕掛けで硬い鋼鉄を切断するのでしょうか。
「酸素-アセチレン炎」で鉄を溶かして切断すると思っている人が多いのですが、これは誤解です。
以下にどのようにして鋼材を切断するのか説明します。

写真1はバーナーの全体図です。
図1は酸素とアセチレンがどのようにバーナーの中を流れるのかを示します。(図1をクリックすると拡大ページが表示されます。)
図1をみると、アセチレンと酸素が混合されて流れるルートと、酸素だけ流れるルートに分かれているのが判ります。
鋼材を切断する時は、まずアセチレンと酸素の混合ガスを燃焼させて、切断しようとする鋼鉄を予熱します。
図1の酸素とアセチレンの混合ガスの流れる茶色のルートです。
茶色ルートの混合ガスを燃焼させて、対象となる鉄を加熱します(業界では予熱といいます)。
鉄の発火温度900℃くらいまで十分予熱が出来たころ、酸素切断バルブを一気に開いて、バーナーの酸素専用のルート(図1の青のルート)に高圧酸素を流します。 これにより急激な鋼材の酸化反応が起きて、赤熱された鋼は吹き飛ぶように切断が進行します。
 
http://www.hakosan.co.jp/
 
 
②㈱泉産業ホームページ(図は転載省略)
 
酸素-アセチレンを使用する場合、通常2本のボンベを並べて使用します。台車に積んで使用する或いは、置き場に固定して使用する。その場合に注意しなければならないことがあります。それはアセチレンボンベの安全弁、バルブの安全弁、バルブのガス出口を酸素ボンベに向けないことです。万一、アセチレンボンベが火災にあったり、溶断の火花等で着火した場合は安全弁から猛烈な勢いで火炎が噴出します。この火炎(約1,100℃)が酸素ボンベに直接あたると酸素ボンベが爆発する危険性があります。

下図のようにアセチレンを右側、酸素を左側に置くと万一火が噴いた場合でも酸素ボンベに火炎はあたりません。あるいは、間仕切り板(遮へい板)を間にはさんでいただければより一層安全です。
 
③東京消防庁ホームページ(写真は転載省略)
 
解体工事中に重機による酸素ボンベ爆発火災が発生しています!
酸素の取り扱いには十分に注意してください
※ 酸素自体は燃えませんが、可燃物の燃焼を支える性質があります。
※ 酸素濃度が高くなると可燃物は激しく燃焼し、不燃物と考えられている固状の鉄(ボンベ)も燃焼します。

ボンベは重機で扱わず、手で扱うことを徹底してください!
◆重機で扱うと酸素ボンベが破裂して燃えることがあり、ボンベ本体が溶けて広範囲に飛散し大
変危険です!
出火事例
 建物解体作業中、操作を誤ってペンチャーをボンベに激突させた際、ペンチャーが振動するほどの轟音と共に酸素ボンベが爆発、隣接建物2階の高さまで火炎が噴出しました。

 
④医療安全推進者ネットワーク
 
酸素ボンベのバルブ開放時、酸素と一緒に火が流れて、患者さんが火傷をしたということがありました。これは「断熱圧縮」という現象によるものです。ボンベから出た酸素が、流量計までの間にある空気を急激に圧縮すると、圧縮された空気が高熱(通常約400度、場合によっては1000度近く)を発し、配管内にゴミがあると、そのゴミが起燃物となり火がつくことがあるのです。
 酸素ボンベには「ゆっくり開けましょう」と書いてあります。これは、圧を徐々にかけていって急激な断熱圧縮を起こさないためにということです。しかし、「火がつくかもしれないから」ということまでは書いてありません。なぜ、ゆっくり開ける必要があるのか、そのしくみを理解していないと、咄嗟の場合、勢いよく開けてしまう恐れがあります。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
酸素ボンベがどのようなメカニズムで爆発するのか、肝心な点について説明された記事は発見できなかった。
そこで、上記情報などをもとに、今回調査の発端となった市川ビル解体現場での酸素ボンベ爆発原因について、以下のとおりに考察した。
ただ、このシナリオが正しいかどうかは不明。正しい知見をお持ちの方がいれば、ぜひとも御教示いただきたい。
 
1.溶けた鉄の塊が、報道によれば酸素ホース上に落ちた。
2.ホースは溶け、そこから純酸素が噴き出した。
3.ホースはレギュレーター下流につき、吹き出し圧力はそう高くはなかったが、それでも、酸素ボンベ周辺は高濃度酸素雰囲気になった。
4.酸素ホースは可燃性につき、溶けた鉄の塊が着火源になってホースが燃えだした。
5.ただ、空気中だとメラメラ燃えるだけのホースであっても、高濃度酸素雰囲気になっていたので爆発的に燃え、燃焼熱を一気に放出した。
6.その大量の燃焼熱によって、酸素ボンベの温度が急上昇した。
7.酸素ボンベ温度の急上昇にともない、内部の酸素ガスは急激に膨張した。また鉄板溶断の原理で、酸素ボンベ内部では鉄が燃え始め、燃えることにより燃焼熱を発生して、加速度的に温度が上昇した。
8.内部圧力の上昇と鉄の燃焼によるボンベ肉厚減少とがあいまって、ボンベ破裂に至った。
9.東京消防庁ホームページの「ペンチャーを酸素ボンベに激突させたところ爆発した」という事例から考えると、酸素ボンベが局部的に高温になった時点で、このような反応が急激に連鎖していったのかもしれない。
 
 

読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[1回]

2010722日 旧ブログ掲載記事)

 

ベビコンを含めた空気圧縮機には、給油式タイプと無給油式タイプの2種類あります。
そのうち、給油式タイプのものを使用している場合には、おそらくは取扱説明書に記載されていると思いますが、定期的な清掃、点検が必要です。

なぜなら、長時間使用しているうちに潤滑油の劣化物が配管の内側に膜状にこびりつき、そこに静電気とか断熱圧縮あるいは自然発火など何らかの着火源が発生した時に、爆発する恐れがあるからです。
これはフィルムデトネーションと呼ばれる現象であり、機械の損傷はもちろんのこと、配管が噴破するなどして人身事故につながることもあります。

 

一方、爆発はしなくても、圧縮時に温度が上がるなどして潤滑油が一部不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生する可能性もあります。

それゆえ、空気呼吸器用の空気供給源として給油式圧縮機を使用することは避けたほうがよいでしょう。

もし避けられないなら、一酸化炭素濃度警報などの対策をとっておいたほうがよいでしょう。

 

 

読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[0回]

(2010年12月2日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年9月から11月までの間、自然発火が原因とみられる火災事例が3件、報道された。
 
自然発火は、産業現場でもしばしば発生する現象で、以下の2つの条件が揃った後、数時間あるいは数日経ってから発火するという特徴がある。
特に外気温の高い夏場に多い現象であるが、冬場に起きても不思議ではない。
 
[条件1] 油など、酸素と結合する可能性のある二重結合を有する物質が、布や紙、保温材などの多孔質物体に浸み込んで、空気と大きな表面積で接している。
[条件2] そういった多孔質物体が積み重なった状態になっていて、内部で発生した熱が逃げ難くなっている。
 
11月27日の事例など、「アロマオイルが化学反応で発火した可能性が高い」と報道されているが、おそらくはアロマオイルが浸み込んだタオルなどをドサッと容器などに入れっ放しにしておいたため、内部で蓄熱し、発火に至ったものだろう。
思い込みはよくないとは知りつつも、以下に、11月27日の事例が自然発火に至ったであろうシナリオを考えてみた。大体の自然発火は、このようなプロセスを辿るものである。
①アロマオイルが浸み込んだタオルを何枚も積み重ねた状態で保管箱に放り込んだまま、帰宅した。
②タオルが積み重なった奥の方で、アロマオイルが酸化し始める。
③酸化の進行に伴い熱が発生するが、奥の方ゆえ熱は外に逃げていかず、その場所に蓄積され、当該部分の温度がゆるやかに上昇していった。
  ※店の人としては、いつも通りの行動だったかもしれないが、この日たまたま、オイルの付き具合やタオルの積み重なり具合などが、蓄熱に適した状態になっていたのだろう。いつもにもまして二重結合の多いオイルを使っていたかもしれないし・・・。
④温度の上昇とともに酸化反応は促進され、それまでは緩やかな温度上昇カーブを描いていたものが、ある時点を境に急上昇し始め、ついには発火に至った。
(一般に、多孔質物質に浸み込んだ油などは、通常の発火温度よりも、かなり低い温度で発火する)

こういった事例から得られる教訓として、油が浸み込んだ多孔質物体を保管する場合は、まずは水で濡らしておくこと。そして乾燥を防ぐため、蓋の付いた金属製バケツ等の中に入れておくといった対策が必要だ。
 
以下は、2010年9月~11月にネット配信された記事3件。
事例2は、揚げカスの酸化熱が原因だろう。ゴミ箱の中で揚げカスが積み重なっていたため、酸化熱が蓄積されたものと考えられる。
事例3は、フード内にビッシリこびりついていたスス状の物質が、内部で発生した食用油の酸化熱を閉じ込めてしまったものと思われる。
 
事例1)
アロマオイルが化学反応、発火?セラピー店ぼや
 (2010年11月28日12時18分 読売新聞)
27日午前2時半頃、富山市婦中町田島の木造2階アパートに入居しているアロマセラピー店「ドージング・アロマ」(山口智子さん経営)から出火し、火災警報器に気付いた男性住民が110番した。
店内にあったタオルなどを焼いたが、けが人はなかった。
 富山西署の発表によると、アパートは1、2階を合わせて1室となるメゾネットタイプ。店内は無人で、施錠されていた。タオルはアロマ成分が含まれており、同署は、アロマオイルが化学反応して発火した可能性が高いとみて調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101128-OYT1T00308.htm

(2011年1月5日 修正1; 追記)
2011年1月5日付の毎日新聞東京版朝刊に、下記趣旨の記事が掲載されていた。またネットでも配信されていた。
美容オイルのしみこんだタオルが自然発火する事故が相次いでいる。オイルが酸化することで発生した熱が逃げ場をなくすと高温になるためで、経済産業省などが注意を呼び掛けている。
 富山のアロマセラピー店では、床に重ねて置かれたタオルから出火したとみられる。従業員によると、タオルは美容オイルでマッサージする際に使い、26日午後5時半ごろ洗濯・乾燥を済ませた。警察は、タオルを乾燥機にかけた際、しみついたオイルが酸化反応によって発熱し、取り出し後に重ねて置いたため熱がこもり発火した可能性が高いと結論づけた。
独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)などによると、美容オイルなどの植物性油は酸化しやすい「不飽和脂肪酸」を多く含むという。機構の実験では、美容オイルが付いた衣類を洗濯・乾燥機にかけ、かごに重ねて置いたところ、かご内は最高427℃に達し、約2時間15分後に発火した。植物性の食用油や機械油でも同じことが起こるという。
 機構のまとめでは、油のついたタオルが自然発火したとみられる火災は05年4月以降39件あり、うち21件は美容オイルが原因。大半がエステティックサロンやアロマセラピー店で、住宅やホテルでも発生。08年12月には、福島県いわき市の老人介護施設で2人が死亡、3人が重軽傷を負う火事があり、マッサージ用の美容オイルを拭き取ったタオルが原因とされた。機構の担当者は「ぼや程度なら報告されないこともある」とし、実際の件数はさらに多いとみている。
 油分は洗濯しても完全には除去できないため、機構や経産省は美容オイル類が付いた衣類は自然乾燥させるよう呼び掛けている。
 
事例2)民家火災:揚げかすで発火、ごみ箱内で高温に 
 (毎日新聞 2010年9月21日 香川版)
 20日午前4時10分ごろ、三豊市の男性(57)方から出火。木造平屋の住宅約100平方メートルのうち、約40平方メートルを半焼した。天ぷらの揚げかすが原因で発火したと見られ、三観広域消防本部は「揚げかすの温度を下げてから適切に処理してほしい」としている。
 三豊署によると、午前0時半ごろ、男性の妻(56)が天ぷらを揚げ終え、台所のごみ箱に揚げかすを捨てたといい、揚げかすの熱で、ごみ箱内の紙くずなどが燃え上がったとみている。同消防本部によると、揚げた直後の揚げかすは100~200度。油には熱をためる性質があり、ごみ箱内でさらに高温になる場合がある。このため紙など燃えやすいものがあれば発火するおそれがあり、同様の原因の火事は同本部管内でも年に数件あるという。
 同本部は「トレイなどで揚げかすを一度広く伸ばせば、温度はすぐ下がる」と話している。


事例3) 酸化発熱:台所の換気扇、付着の油が自然発火
 (毎日新聞 2010年9月14日 愛知版)
 豊田市内で今年になって、食用油が付着した台所の換気扇のフード部から自然発火し、大きな火災になる寸前に住民が消し止めていたことが分かった。市南消防署によると、付着していた食用油が空気中の酸素と結合して発熱する「酸化発熱」が原因とみられるという。同署は、使用開始から時間がたった換気扇は「こまめに掃除を」と呼び掛けている。
 同署によると、出火騒動があったのは市南部の集合住宅。1階の部屋から煙が出ているのを2階の住民が気付いた。1階の部屋は留守で、2階の住民がたまたま開いていた窓から消火器で消し止めた。けが人はなかった。
 同署が調べたところ、換気扇のフィルターなどフード部に付着した食用油の酸化が進んでおり、自然発火したらしい。
 付着した食用油は、周辺にほこりがたまっていたり、密閉状態だと熱が蓄積されやすいとされる。過去には、換気扇近くのガスコンロを使用後、30分~2時間後に自然発火した例が報告されているが、「同市内では珍しいケースではないか」(署員)という。
 同署は「予想もしなかった原因で発生した火事を紹介して、市民に注意を呼び掛けたい」と今月から市のホームページで事例の紹介を始めた。同署は、他地域で発生した同種の酸化発熱の例として、油をふき取り、ゴミ箱に入れていたペーパータオルから出火したり、機械油が付着した作業着を洗濯、乾燥後、たたんでおいたところ自然発火した例を挙げている。
 
読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[0回]

(2010年7月27日 旧ブログ掲載記事)


現場で取扱っている可燃性ガスや粉じんが、どの程度爆発しやすいものであるかを知っておくことは、安全対策上、非常に大切なことです。
ここでは、そういった爆発のしやすさを知るための指標の一つである「爆発範囲」について説明します。
 
爆発範囲、それは、空気(酸素)中に可燃性ガスあるいは粉じんが何%含まれていれば爆発するか、という濃度の範囲のことです。
具体例で説明しますと、私たちが普段使用しているLPガスには、ガス漏れ検知のため、わざと臭いを付けていますが、ちょっとガス臭いかな?と感じる程度の薄い濃度では爆発しません。それが、非常にガス臭いと感じるほどの濃い濃度になれば、爆発します。そして濃さが更に増していき、ある濃度以上になると、今度は燃えるために必要な酸素が足りなくなるので、爆発しなくなります。
 
このように、可燃性ガスや粉じんが燃えるためには、空気と薄すぎもせず濃すぎもせず、ある範囲の濃度で混じりあっている必要があるのです。その濃度の幅が爆発範囲と呼ばれるものであり、可燃性ガスや粉じんの種類によって固有の値です。ただし、温度や圧力が変わったり、また空気中か酸素雰囲気かといった環境の違いによって、その値は違ってきますので、注意が必要です。
 
爆発範囲の中の一番下の濃度は爆発下限濃度、一番上の濃度は爆発上限濃度と呼ばれていますが、可燃性ガスや粉じんの爆発しやすさは下限濃度で評価します。つまり、下限濃度が低いものほど燃えやすい、と評価するわけです。
 
ちなみに、工場、あるいは家庭においても、可燃性ガスが漏れる恐れのある場所にはガス漏れ警報器が設置されていますが、その警報値としては、ガスの爆発下限濃度に、いくばくかの安全率を見込んだ値が採用されています。よって、警報が鳴ったといっても、すぐに爆発するような状況になっているとは限らないのです。しかし、それは警報器設置場所付近の話であって、漏れ箇所付近には必ず爆発範囲に入っているエリアがあることを忘れてはいけません。
 
警報が鳴った後、緊急避難する、あるいは現場に行って洩れ箇所を確認するといった対応処置は、その時々の状況に応じて判断するしかありませんが、複数の警報器が一斉に鳴った時などは大量漏洩の疑いが濃厚ですので、現場には行かないほうが無難でしょう。
読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[0回]


 (2010年7月5日 旧ブログ掲載記事)

 
火災とは「モノが燃える」ということですが、モノがあるからといって、めったやたらに燃えるものではありません。
燃えるには、
 ①そのモノが可燃物であること
 ②燃えるモノの周りに支燃物があること 
 ③火をつけるための着火源があること
という「燃焼の3要素」の全てが揃っている必要があります。
どれか一つでも欠けていたら、モノは燃えないのです。
 
の可燃物ですが、産業現場には、固体、液体、粉体、ガスなど、いろんなカタチでモノが存在しています。よって、いま取扱っているモノが燃えるものか?燃えないものか?・・・燃えるものであれば、燃えやすいものか?燃えにくいものか?・・・を把握しておくことが、火災防止を図る上での第一歩となります。
事故が起きた後、そんなに燃えやすいものだとは知らなかった・・・・というのでは、遅いのです。
取扱っている物質について過去に安全性を確認したことがなかったなら、再度、MSDSに目を通し、あるいはメーカーに問合わせるなどして、確認しておいたほうがよいでしょう。
神奈川県環境科学センターの化学物質安全情報提供システム(kis-net)などを利用するといった方法もあります。
 
の支燃物は、モノを燃やすために必要なものであり、その代表が酸素です。
酸素は空気中に21%存在していますので、われわれが日ごろ、現場で可燃物を取扱う場合には、必然的に「燃焼3要素」のうちの2つまでが揃っていることになります。
したがって、一般的にいえば、火災事故を起こさないようにするには着火源を管理すること、それしか方法はありません。
 
ただ、タンクなどの密閉された空間において、着火源となり得るようなことが起きる可能性がある、たとえば静電気放電が起きる恐れがある、といった場所については、当該空間の酸素濃度を限界酸素濃度未満に下げて管理する、という方法がとられることがあります。これは、「燃焼3要素」のうちの支燃物という要素を排除することで、爆発を防ぐ方法です。
  ※「限界酸素濃度」 密閉空間で酸素濃度を下げていくと、だんだん火がつき難くなり、ついには、どんなに強力な着火源をもってしても、火がつかなくなります。そのようになる時の酸素濃度が限界酸素濃度であり、物質によって、その値は異なります。ちなみに、普通の可燃性ガスであれば、8%程度というケースが多いようです。
 
③の着火源については、多種多様
マッチ、ライター、溶接火花といった移動可能なものから、電気器具のスイッチ火花や高温熱面といった固定されたもの、また静電気や自然発火といった、何時どこで起きるか予測困難なものなどがあります。
 
移動可能な火気については、使用場所を制限する、周囲に可燃性ガスが存在しないことを確認してから使用するなど、日常的にしっかりと管理しておくことが大切です。
固定された着火源については、いかなる事態になっても、その周辺に可燃性ガスや蒸気が流れ込んでこないことを確認しておく必要があります。もし流れ込んでくる可能性がゼロでない場合は、その可能性の大小に応じ、設備対応などの対策をとっておくことが望まれます。
 
静電気など予測が困難な現象については、過去の自社あるいは他社の事故事例から発生危険場所を予測する、そういった現象について従業員に教育する、危険な場所がないか一斉点検する、といった対策が考えられます。
 
読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[1回]

 通信欄 
問合せなどあれば記事末尾の読者通信欄に名前(匿名可)とメルアドを記入し ①確認ボタンをクリック ②記入欄に用件記入   ③確認ボタンをクリック ④内容がOKであれば送信ボタンをクリック    してください。     ちなみに「ご送信ありがとうございました」との返信がありますが。それは通信欄会社からの自動メッセージですので、ご留意ください。
 カテゴリー Category 
 最新コメント Latest Comments 
[06/09 ※無記名]
[06/01 ※無記名]
[02/08 ※無記名]
[02/08 ※無記名]
[01/20 ※無記名]
[08/31 ガーゴイル]
[09/27 三浦]
[03/02 南方英則]
[11/20 山城守]
[07/20 記事内容について訂正をお願いします。]
[07/16 神戸ファン]
[04/21 Rawi]
[08/12 山田晴通]
[04/24 道産子]
[04/15 道産子]
[04/15 道産子]
[04/05 道産子]
[04/02 道産子]
[04/01 道産子]
[02/27 道産子]
[02/26 愛読者]
[01/10 愛読者]
[11/07 愛読者]
[10/12 愛読者]
[08/24 愛読者]
 ツイッターなどへの接続 
 製造業ブログランキングへの接続 
下記をクリックすれば、2種類の製造業ブログランキングにつながります
にほんブログ村 企業ブログ 製造業へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
 最新トラックバック 
 バーコード 
 カウンター 
 アクセス解析 
 プロフィール Profile 
HN:
魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]