2018年8月9日19時2分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男鹿地区消防本部が、使用しなかった消火剤を処分する際に、産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者に処分を委託していたとして、警察は9日、消防本部の消防長と消防組合を、廃棄物処理法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、男鹿地区消防本部の59歳の消防長と、消防本部を管理する「男鹿地区消防一部事務組合」、それに消火剤の処理を委託された能代市の会社と、この会社の40代の営業部長。
警察によると、男鹿地区消防本部は、ことし3月、古くなった消防ポンプ車を廃棄する際、消火剤およそ1800ℓが入ったままのポンプ車を、消防設備を扱う能代市の会社に引き取らせ、処分を委託した。
しかし、この会社は、消火剤を処分するのに必要な産業廃棄物処理業の許可を得ていなかったという。
ポンプ車は、引き取られてまもなく、秋田市河辺で解体されたが、その際に消火剤が近くの県道に流れ出し、およそ18時間にわたって通行止めになった。
男鹿地区消防本部は、「ポンプ車の処理を委託した担当者は、産業廃棄物処理業の許可がない会社に消火剤の処分を委託することが法律違反だと認識していなかった」としたうえで、「法律を知らなかったことが原因だと考えている。新たにマニュアルを作るなど再発防止に努めている」としている。
出典
『消火剤の処分委託で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20180809/6010001484.html
8月9日19時40分に秋田放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
今年3月、産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者に消火用の薬剤の処分を委託したとして、男鹿地区消防本部の消防長や業務を受託した能代市の会社の社員が書類送検された。
3月下旬、秋田市河辺豊成の県道・秋田御所野雄和線には、およそ30mにわたって泡が流出し、付近が一時通行止めとなった。
この時の泡は、男鹿地区消防本部と能代市の会社の取引が発端となっていた。
廃棄物処理法違反の疑いで書類送検されたのは、男鹿地区消防本部の59歳の男性消防長と法人としての男鹿地区消防一部事務組合。
それに能代市の消防設備販売会社と40代の男性社員。
警察などによると、男性消防長は3月、能代市の会社が産業廃棄物処理業の許可を受けていないにも関わらず、消火用の薬剤およそ1800ℓの処分を委託し、会社側がこれに応じた疑いがもたれている。
県道を塞いだ泡は、能代市の会社から発注を受けた業者が消防車両を解体中に薬剤が漏れ出したことが原因だった。
男性消防長はABSの取材に対し、「認識不足だった。今後は廃棄物の適正な処理に努める」と話している。
出典
『県道に泡が流出…消防長らを書類送検 (秋田県)』
http://www.htv.jp/nnn/news86113969.html
(ブログ者コメント)
2年前、秋田市の消防が消火剤を不法投棄し、川に大量の泡が出たという事例を紹介した。
2016年6月28日掲載
『2016年6月21日 秋田市で解体予定の消防分署の花壇脇に穴を掘り、産廃として処分すべき消火剤860ℓを投棄しため、地下浸透して水路に流れ込み大量の泡が発生 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6057/
メディアでも取り上げられた事例なのに、同じ秋田県の消防が、なぜ、また同じようなトラブルを起こしたのだろうか?
管轄が違えば他人事?
県内の消防同士でヒヤリ事例などを共有するシステムがない?
消火剤は廃掃法に従って処理すべきということは知っていたが、廃棄する消防車の中に消火剤が残っていることにまでは気が回らなかった・・・というのなら、まだわかるのだが・・・。
一方、委託された会社も、消防設備を扱っているのなら、消火剤の処理が廃掃法の規制を受けることぐらいは知っていて当然だと思うのだが・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。