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2011年11月16日2時7分に、msn産経ニュース大阪から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
府内で今年9月以降、労災死亡事故が急増していることから、大阪労働局は15日、管内の労基署長を集めた緊急対策会議を開き、集中的な立ち入りや個別指導の徹底を指示した。
労働局によると、10日現在、労災事故による府内の死者数は前年同期比5人増の47人。
業種別の内訳をみると、建設業が16人と最多で、次いで製造業が13人だった。
事故の形態別では、足場などから転落したケースが17人と最も多く、交通事故が12人、工作機械などによる挟まれ事故が10人-などと続いた。
今年は9月以降に事故が急増しており、局長は会議の中で「局と監督署が主体的に動いてインパクトのある対策の浸透を図ることが重要」と訓示。 例年事故が年末に増えることを踏まえ、「実情に応じた効果的な対策を実施してほしい」と指示した。
出典URL■■■
2011年11月16日付の神奈川新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付でネット配信されていた。
横浜市港北区で5月、道路を横断中の女性(当時59)が乗用車にはねられ死亡した事故を受け、警察などが、現場となった県道の中央分離帯に横断防止用の柵を設けた。
事故後も歩行者の横断が絶えず、再発の危険性が高いと判断したためだ。
しかし、設置後も無謀な横断が続いている。
事故が起きたのは、綱島東4丁目の県道と東横線の高架に沿った細い道路が交わる地点。
5月28日午前7時40分ごろ、女性が県道を横断中、左から直進の乗用車にはねられ、全身を強く打つなどして亡くなった。歩行者用の横断歩道のない場所だった。
事故当時、県道中央には約16mにわたり、高さ約30cmのコンクリートの土台に高さ約65cmのゴム製ポールを立てた分離帯が設けられていた。
乗用車は転回や横断ができない構造だが、歩行者は別だった。
約80m離れた歩行者用の信号と横断歩道のある交差点に回れば安全だが、歩行者にとって綱島駅に向かうのは、こちらが近道。無理な横断が続いていた。
死亡事故から約1カ月が経った6月。朝の通勤通学時間帯に現場を訪れると、約1km先の綱島駅に向かうためか、現場と同じ場所を渡る歩行者らの姿が目に付いた。 「駅に行くのに便利」。そう言って足早に横切っていく。
警察の調査によると、事故後も現場の横断者は午前7時から同8時半までの間、1日平均9.3人に上ったという。
警察などが対応を協議し、新しい中央分離帯の設置を決めた。
コンクリートの土台の長さを約34mに延長、その上に高さ80cmの金属製の防護柵を新たに設けた。約110万円をかけ、約1カ月の工事を経て9月中旬に完成した。
現場近くを自転車で通行していた男子学生(21)は「以前は横断していたが、柵ができてからは渡りにくくなった」。一方で、近くの主婦(40)は「柵をまたぐなどして横断する人は今も絶えない」と話す。
11月の朝、再び現場を訪れた。柵設置で少なくはなったものの、まだ横断者がいる。交通インフラは変われどマナーの悪さは変わらない。
柵が切れた部分から、行き交う車が途絶える瞬間に小走りで渡った男性会社員(30)は「急いでいるときは構わず渡っている。柵ができて煩わしくなった」。そう言い、駅に向かっていった。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
事故防止のためのソフト対応には限界がある。場合によってはハード対応が必要だ。
この道路、横断禁止表示などのソフト対応では効果がなかったのでポールを設け、それでもダメだったので柵を設置したのだろうか?
しかし、乗り越えられる高さの柵だったため、完全に事故を防止することはできないようだ。
考えてみれば、乗り越えること自体にも危険がある。柵を作ったことで、横断の危険プラス、逆に危険が増したのかもしれない。
しかし、そんなことはお構いなしに、急いでいるからという理由で柵を乗り越えていく人が後を絶たない。
ことほどさように人間というもの、多少の危険は承知の上で、近道行為をしたくなるものだ(このケースは、本当の「近道」だが) 。
この道路で横断中の事故ゼロを狙うなら、乗り越えることのできないほど高い柵を設置するしかないのだろう。
報道どおりの状態だとすると、仮に信号をつけたとしても意味はないと思われる。
2011年11月15日21時31分に、msn産経ニュース東京から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都職員ら約1000人が参加した自衛消防と防災の訓練が15日、都庁で行われた。
火災発生の想定で、自衛消防隊が初期消火した後、庁舎内から新宿区の広域避難場所になっている新宿中央公園に避難した。
また、各局担当者やテナント従業員が消火栓を使った訓練が行われた。
講評で新宿消防署の署長は「訓練とはいえ、来庁者に誰も声をかけず、ヘルメットを着用していなかったり、サンダル履きの職員もいた。訓練は本番のつもりでやらなければならない。都職員は都民を守るのが仕事」と厳しく指摘した。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
普通、この手の講評はシャンシャンで終わり、苦言を呈するといっても、付け足し程度の場合が多いが、今回は違ったようだ。
署長が厳しい人だったのか?あまりにもダラけた参加態度だったのか?
いずれにせよ、「本番どおりに」という指摘はもっともなことだ。
2011年11月16日付の朝日新聞長野版、毎日新聞長野版、読売新聞長野版、信濃毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
駒ヶ根市の県立駒ヶ根病院建設現場で大型クレーンが倒れて作業員4人が死傷した事故で、警察は15日、安全管理者や現場のオペレーターの過失が重なって事故を招いたとして、元請けの建設会社「Y社」の統括安全衛生責任者N(46)ら4人を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
下請けの起こした事故で元請けの刑事責任が問われるのは異例で、警察は事故防止の責任を重視した。
他に送検されたのは、下請けのクレーン工事会社「O社」取締役で安全管理責任者のD(46)、クレーンを操縦していた同社社員H(46)、つり荷の掛け外しをしていた孫請けの建築会社員T(67)の3容疑者。
事故は昨年2月22日午後2時35分頃に発生。
クレーンが制限荷重(330kg)の2倍を超す廃材(60本、約850kg)をつり上げる際に2階部分に倒れ、会社員(当時30歳)がアームの下敷きになって死亡し、他の3人も重軽傷を負った。
クレーンの制限荷重は作業半径やアームの長さ、角度で変わる。
事故当時、クレーンは安全性能を超える作業半径で、アームをほぼ最大の57mに伸ばし、限界角度の55°を下回る約41°の状態で大量の廃材をつり上げ、前のめりに倒れたという。
クレーンを操縦したHは制限荷重を超すと自動停止する安全装置を解除し、つり荷担当のTも制限を超える重さの廃材をクレーンにつるした。
警察は、作業していたHとTの過失を認めた上で、現場責任者だったNが、作業計画の確認や適切な指導をせずに作業をさせた過失があると判断。 下請けの安全管理責任者のDも安全装置の解除を黙認したとし、4人の過失の競合が原因とした。
Nは「安全管理義務は果たしていた」と否認し、3人は過失を認めているという。
また、伊那労基署は15日、危険防止を怠ったとして、元請けの「Y社」など3社と、安全管理責任者のN、Dら3人を労安法違反(危険防止措置義務違反)容疑で書類送検した。
Y社側は「元請けの安全管理責任は果たしていた」などとして争う姿勢を見せている。
(解説;朝日新聞)
今回の現場所長の書類送検には、同種事故の再発防止へ全国の元請け業者に警鐘を鳴らすという点で、大きな意味がある。
日本クレーン協会の年鑑によれば、移動式クレーンの転倒事故によって、2005年からの5年間で40人が亡くなっている。
労働安全衛生総合研究所の分析では、死傷者は年間100人前後で、2大原因の一つが「過荷重」だという。
今回の事故もまた、大幅な重量オーバーが原因だった。
クレーンには通常、過負荷防止装置がついている。定格荷重と呼ばれる制限を超えるとアラームが鳴り、自動停止する仕組み。
だが、今回の事故の現場では、切ってあったと認定された。
あるクレーン業界関係者は「車の運転で必ずしも制限速度が守られていないのと同じようなもの」と、装置の解除が常態化している現場の実情を証言する。
県内の元請け業者によれば、現場では作業前に、その日の作業場所での安全な作業半径や定格荷重を確認する。元請け会社も立ち会うか報告を受けるという。
この業者は「明らかな過荷重なら、(元請けの現場所長の)巡視でも見抜ける筈」とし、今回の書類送検について「元請け側の責任が問われるのは厳し過ぎるとは思わない」と話す。
実際、全国的にも、元請け業者の責任を明確化する動きが広がりつつある。
北海道労働局は、08年2月の局長名通達で、クレーン転倒事故の大半は過荷重と過負荷防止装置の解除などが原因と指摘。転倒の恐れがある現場では、下請け業者と共同して危険防止措置を講じることが元請け業者の責務とした。
東京麹町で09年、クレーンが横転して通行人が死亡した事故では、中堅ゼネコンの2人が「死傷事故の発生が予測できたのに、朝礼で安全指導を行い、クレーンの転倒を防ぐ注意義務を怠ったとして、業務上過失致死罪で起訴された。
全国的に同種事故が多発する中、元請け業者にはどの程度の注意義務が課せられるべきなのか。 現場の実情を是正する意味からも、「厳重処分」を求められた検察側が起訴するか不起訴にするかが注目される。
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ちなみに、事故当時の状況を伝える記事は下記。
「2011年2月21日 朝日新聞長野東北信版(聞蔵)」
クレーンが倒れたのは2月22日午後2時40分ごろ。
角材を吊り上げる途中でバランスを崩し、アーム部分から前向きにつんのめるようにして倒れた。
倒れたクレーンは、アームで資材を運ぶ場合は、制限荷重の95%に達した時点で警報音が鳴り、100%で自動的に停止する仕組みになっていたが、関係者によると、安全装置は当時、解除された状態だったという。
アームが倒れ込んできた付近では、16人が作業中だった。このうち、現場の撮影準備をしていた建設会社社員(当時30)がアームの下敷きになって死亡、3人がアームに接触して肩の骨を折るなどの重傷を負った。
現場は病院の新築工事中。隣接する別の棟はまだ使われており、一歩間違えば、入院患者らも巻き込まれるところだった。
警察は、業務上過失致死傷の疑いで捜査を始めた。
捜査の焦点は、元請けの責任まで問われるかどうか。 主なポイントは、以下の2点。
①現場に常駐していた責任者が、無理のある危険な作業(過荷重と安全装置の解除)を認識していたか
②クレーンの選択に問題はなかったか
元請けのY社は、現場全体で5人の責任者を常駐させ、工程管理や安全管理をしていた。 責任者は作業の危険性を認識し、事故の発生を予見することができたのか。
事故直前のクレーンを目撃していた作業員は、警察の調べに「あんなに吊って大丈夫かと思った。自分なら半分しか吊らない」と話したという。
警察は、作業員の証言を、業界の常識や作業員の経験則に照らしても、行き過ぎた過荷重だったことを裏付ける証拠として重視。 現場責任者には、荷重を減らすよう安全指導すべき義務があったのに、それを怠って危険な作業を見過ごし、事故を招いた可能性があるとの見方を強めている。
警察は、クレーンの選択に問題がなかったかについても調べている。
移動式のクレーン(最大荷重65トン)を使っていたこと自体に問題があったのではないかというのだ。
県内の建設業者は、朝日新聞の取材に対し、「安全性の高い設置式のタワークレーンを使うべきだった。移動式でも、65トンより能力の高いクレーンのほうが適していた」と語る。
この業者によると、タワークレーンは現場に設置して使うので安全性が高いが、
・設置や撤去に日数がかかる
・使わない期間もリース代がかかり続ける
・移動させて使えない
といった欠点があるという。
また、最大荷重のより大きな移動式クレーンは、その分、リース代も高くなるという。
「現場に合ったクレーンを選ぶべきだが、入札では価格が重視される。工期の短縮や安くあげることを優先してしまったのかもしれない」。この業者は、そう指摘する。
「2010年2月24日 朝日新聞長野東北信版(聞蔵)」
事故当時、コンクリートを流し込む型枠を支える木材(1辺9cm、長さ約4m)を複数束ね、クレーンを使って建物の外から約30m離れた地点に運んでいた。
クレーンのアームが通過する際、周囲に人がいないことを確認することになっていたが、死傷した4人の作業員のうち、少なくとも3人は、この範囲外にいたという。
(ブログ者コメント)
過去に過負荷防止装置を解除して事故になった事例を調べたところ、以下の2件が見つかった。時間をかければ、もっと見つかるのだろう。
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過負荷防止装置を解除できる権限は監督にのみ与えるようにすれば、過荷重による事故は防止できるだろう。
実際、装置産業では、安全装置に関し、そのようにしている企業も多い。
移動式クレーンで、それができない、できにくいのは何故だろう?
工期重視の建設現場で、ギリギリの条件で吊り上げている途中に過負荷防止装置がしばしば作動し、その都度、監督を呼んでいるようでは仕事にならない、といった事情でもあるのだろうか?
それとも、一次下請け、二次下請け、三次下請けと繋がる、仕事の構造的な問題から、そのような体制はとれないのだろうか?
しかし、一旦、事故が起きてしまえば、工期はあってなきが如しだ。
1日の工期延長を防ごうと無理した結果が、100日の工期延長になるかもしれない。
(2013年7月4日 修正1 ;追記)
2013年7月2日付で信濃毎日新聞から、7月2日12時49分にNHK長野から、7月3日付で読売新聞から、クレーンを操縦していたH被告の初公判で弁護側は事故は過失が競合したために発生したと述べた、元請けの責任者らは不起訴になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死傷の罪に問われたH被告の初公判が2日、長野地裁で開かれ、H被告は起訴内容を認めた上で、「安全装置を外したのは私の判断だが、その時点では事故を予測していなかった」と述べた。
検察側は冒頭陳述で、H被告が操縦していた65トンのクレーンの限界作業半径は40.8mで、つり上げ可能な重さはフックを除いて280kgだったと指摘。
また、運転室のモニター表示で作業半径がクレーンの性能を超えていると認識していたが、より多くの荷をつり上げ、早く作業を終わらせたいという工事関係者の期待に応えたいとの考えなどから、安全装置を解除したまま計852kgの資材をクレーンから限界作業半径を超えた43.5mの距離からつり上げた、これまでの経験から事故を回避できると考えた、と指摘した。
弁護側は冒頭陳述で、事故当時、H被告の目の前には一部完成した病院の壁があり、別の作業員がクレーンにどの程度の資材を取り付けたのかは目視できなかった、と主張。
また、クレーン作業は、フックにつり荷をかける職人と協力して作業するが、事前の打ち合わせ会議にO社の責任者を呼ばないなど、元請け会社のY社が現場の作業員に任せ、安全管理態勢を十分に整えていなかったなどと主張し、「過失が競合して発生したもので、被告一人に帰責するのは相当ではない」と述べた。
また、死傷した4人とは示談が成立しているとした。
別に送検されたY社の当時の統括安全衛生責任者ら3人は、不起訴となった。
出典URL
http://www.shinmai.co.jp/news/20130702/KT130702FSI090003000.php
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagano/1015669481.html?t=1372797354818
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20130702-OYT8T01225.htm2011年11月16日10時36分に、NHK山梨から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後4時前、富士河口湖町の町道で行われていたガス管の埋設工事で、「作業員がトラックにはねられた」と消防に通報があった。
この事故で、建設会社社員の男性(61)が頭を強く打って死亡した。
警察によると、男性は、午前中から同僚の4人とともにガス管の埋設作業を始め、事故の前には、トラックの前で休憩していたという。
警察の調べに対してトラックを運転していた男性は「運転席からは人が前にいることがわからなかった」と話しているということで、警察は、ほかの同僚からも話を聞くなどして事故の詳しい状況を調べている。
出典URL■■■
2011年11月15日18時54分に、NHK福島から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後3時40分ごろ、いわき市の住宅の建設現場で、土木工事会社社長(40)がコンクリートを積んだ大型のポンプ車の「アーム」の下敷きになった。
病院に運ばれたが、全身を強く打っていて、およそ2時間後に死亡したという。
「アーム」はポンプ車からコンクリートを流し込む部分で、警察によると、社長は、他の従業員3人とともに、住宅の新築工事の作業中、アームの先端を持ってコンクリートを流し込んでいる時にアームが倒れてきて下敷きになったという。
警察などで、詳しい状況を調べている。
出典URL■■■
2011年11月16日付で朝日新聞備後版(聞蔵)から、同日2時8分にmsn産経ニュース広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前10時40分ごろ、尾道市因島の船体ブロック製造工場で、会社員の男性(20)が屋根から約15m下の床に転落した。
病院に運ばれたが、全身を強く打ち、約1時間後に死亡した。 警察は労災事故とみて調べている。
警察によると、屋根には穴やヒビがあり、約1週間前から男性が勤務する補修業者が修理していたという。
事故当時は4人で作業していた。 鉄骨が通っていない部分を踏み抜いた可能性が高いという。
出典URL■■■
2011年11月15日付の朝日新聞三田版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
篠山市は14日、同市の泉工業団地内にあるケンミン食品篠山工場内で11日に重油が外部の水路に流出する事故があったと発表した。
11日午後10時ごろ、同社から「発電機用の重油100ℓが流出した」と、市役所宿直に連絡が入った。
連絡を受けた市関係機関や丹波県民局の担当者らが現場に向かい、排水路などにオイルフェンスを張ったりオイルマットを敷いたりして、篠山川への流出を食い止めた。
浄水場も取水を停止し、安全が確認できた12日午前11時に取水を再開したという。
同社によると、発電機を回すディーゼルエンジンの燃料供給施設部分に取り付けてある圧力計が何らかの原因で破損しており、そこから漏れ、工場内の溝から外へ流れ出たとしている。
(ブログ者コメント)
圧力計のどこがどう破損したのか詳細は不明だが、ブログ者には、同種事例の記憶がある。それは昭和60年ごろのことだ。
高圧設備の3/4インチほどのベントバルブが製造不良か何かの原因で破損し、油が風に乗って20~30kmほど遠方まで飛散、家の外壁やら車やらに点々と付着して、ちょっとした騒動になったという事例だ。
ちっぽけなバルブ一つ。そこに製造不良があったとしても、見抜くことは至難の業だ。
対策としては、品質管理のしっかりした会社から購入するということしかないのだろう。
2011年11月15日11時33分に、神戸新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後8時半ごろ、姫路市の「M工業」作業所で、従業員の男性(45)が古畳の裁断機に下半身を巻き込まれているのを別の従業員が見つけ、119番。
救急隊員が駆けつけたが既に死亡していた。
警察によると、裁断機は幅約2.5m、奥行き約1.8mで、ローラーで畳を送り込んで裁断する仕組み。
男性同日午前から1人で作業していたといい、誤って機械に巻き込まれたとみられる。
男性の帰宅が遅いことを不審に思った妻から連絡を受けた従業員が作業所に戻り、発見した。
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2011年11月14日にさいたま市から発表された資料に基づき、15日付で毎日新聞埼玉版から、同日10時10分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
さいたま市は14日、同市の1世帯4人に、水道管の接続を誤り、約1年にわたって工業用水が給水されていたと発表した。
市によると、現時点で住人に健康被害はないという。 また、工業用水には飲料用のような塩素は入っていないが、検査したところ、大腸菌など人体に有害なものは検出されなかった、としている。
市は今後、住民の健康診断や水道料金の払い戻しを行う。
市によると、2010年8月に市の指定業者が民家の給水管を接合する配管工事を行った際、地下に埋設されている上水道管と工業用水(同じ管種、同じ口径)を間違えたという。
また、工事後に市水道局の職員が、工業用水の混入を防ぐために残留塩素をチェックしていたが、検査器具の洗浄が不十分だったため塩素が検出され、水道水と判断していたという。
県企業局が今月12日に施設点検のために工業用水を停止したため、住民から「水が出ない」と通報を受けて判明した。
市は「他に誤接続がないか確認すると共に、再発防止に努めたい」としている。
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(ブログ者コメント)
□工事後の残留塩素検査で誤接続を見抜けなかった、そこが一番の問題だとブログ者は感じている。
見抜けなかった理由について、読売新聞には記載がないが、毎日新聞には「検査器具の洗浄不十分」、市の発表資料には「残留塩素計の取り扱い不注意」とある。
本ブログでは、最も具体的だった毎日新聞の記述を引用した。
□毎日新聞の記述が事実だとすれば、この職員、目的を認識しないまま検査したとか、住民の健康を守る最後の砦だという責任感がなかったと責められても仕方がないだろう。
□ただ、考えてみれば1年も前の検査。よく、そういうことが判ったものだ。
この職員、当時のことを覚えていて、それを正直に告白したということだろうか?
もしそうであれば、原因が明らかになり、次につながることになったので、あまり責めないほうがよいだろう。
もし責め過ぎると、組織内の誰もがミスを犯しても本当の理由を告げ難くなる雰囲気ができてしまい、結果、同じようなことがまた起きるかもしれないということを危惧するからだ。
2011年11月15日付で、朝日新聞福井全県版(聞蔵)から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後3時ごろ、若狭町の道路工事現場で、無限軌道付きダンプカーを運転していた土木会社員の男性(43)が、崖から約20m下に車ごと転落した。
男性は病院に運ばれたが、頭を強く打っており、死亡した。
警察によると、男性は土砂を積んだダンプカーを運転して、幅約7mの作業道を下る途中だったという。
(ブログ者コメント)
「無限軌道付きダンプカー」とはいかなるものか調べたところ、キャタピラー式ということらしい。
ただ、「キャタピラー」は登録商標につき、朝日新聞としては一般名称としての「無限軌道」という言葉を使ったのだと思われる。
以下に、17日朝までに報道された主だった記事の骨子を紹介する。
「事故発生」
2011年11月13日22時08分 読売新聞 (写真付)
13日午後3時25分頃、周南市の総合化学メーカー「東ソー」の南陽事業所から「爆発音があった」と110番があった。
警察などによると、同事業所内のプラント「第2塩ビモノマー」で2度爆発が起き、火災が発生し、従業員1人と連絡が取れなくなっているという。
消火活動にあたった消防団員1人が目に痛みを訴えて病院へ搬送された。
午後10時現在も消火活動が続いている。
同事業所によると、連絡が取れなくなっているのは、塩ビモノマー課第2係長(52)。
13日朝、プラントに不具合が見つかり、従業員10人が停止させて、パイプに残っていた塩ビモノマーなどをタンクに移す作業をしていた。
9人とは連絡が取れ、けがの報告はないという。
爆風で事務所の窓ガラスが割れるなどの被害も出た。
同事業所は「爆発の影響でプラントから、のどや目などに刺激を与える塩化水素が漏れている恐れがある」として、周南、下松市全域で、窓を閉めるよう広報車で注意を呼びかけている。
同事業所がプラント近くの定置測定器で塩化水素ガス濃度を調べたところ、許容濃度5ppmの10分の1以下で、事業所の敷地境界では検知されなかったという。
事業所は住民への注意喚起について「念のための措置」としている。
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「鎮火」
2011年11月14日19時6分 朝日新聞(時事通信)
火災は、14日午後3時半に鎮火した。発生から鎮火まで約24時間かかった。
安全を確認し次第、県警は原因究明のため、炎上したプラントの現場検証を開始する方針。
事業所によると、炎上したプラントは、塩化ビニール樹脂の原料を製造する施設で3階建て。 最も損傷が激しかったのは、2階に設置されていた塩ビ原料を一時的にプールするタンク周辺だった。
同社は、このタンクに亀裂や配管の異常が生じ、静電気などで着火した可能性が高いとみている。
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「市に連絡せず独断で住民に避難を呼びかけたことを東ソーが謝罪」
2011年11月15日 読売新聞
この爆発事故で、市と事業所の災害時の連携不足が浮き彫りになった。
事業所は独断で住民に屋内退避を呼びかけ、市が呼びかけたのは、事故から4時間以上後。 情報が共有されていなかったためで、市と事業所には混乱した市民から苦情や問い合わせが相次いだ。
「市に相談せず、先走った形で広報して混乱させてしまった」。14日午後に記者会見した副所長は、独自に周南、下松市全域を対象に屋内退避の呼びかけを行ったことについて謝罪した。
事業所などによると、爆発が起きた午後3時25分から間もなく、事業所は工場外周の検知器で塩化水素を検知しなかったことから、住民に影響はないと判断。 周南市も午後4時前に事業所で塩化水素の濃度を確認し、市側も影響はないとみていた。
ところが、事業所に「目がぴりぴりする」などと健康被害を訴える電話や、情報が遅いなどとする苦情が寄せられたため、事業所は市に報告せずに午後5時前から屋内退避の呼びかけを始めた。
事業所は午後6時過ぎに行った記者会見で、塩化水素漏出の事実を初めて公表。会見資料でそれを知った市が広報車を出したり、ホームページに掲載したりして屋内退避を呼びかけ始めたのは午後8時過ぎ。事故から4時間以上たっていた。
14日までに、市と事業所には事故の状況や影響についての問い合わせや苦情が、計200件以上あった。
県の石油コンビナート等防災計画では、災害発生時の通報などは規定しているが、広報態勢など情報伝達の在り方は定めていない。
県防災危機管理課は「屋内退避の呼びかけは、共有すべき情報だった」と指摘。市の防災建設部長は「情報の収集や提供の方法を見直さなければならない。もっと大きな事故が起きれば、市民の安全は守れない」と対応の不備を認め、市長も「今回の事例を詳しく分析し、最善の方法を探りたい」と述べた。
事業所に隣接する自治会の会長(65)は「工業地帯は危険と隣り合わせなのに、今回のような対応では、住民が望む情報提供は期待できない」と話した。
知事は14日の定例記者会見で、「塩化水素ガスが住宅に流れ込めば大変なことになった」と指摘。「事故原因を究明し、再発防止に努めていただきたい」と述べた。
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一方、若干ニュアンスの違った記事が、15日22時52分に毎日新聞からネット配信されていた。
事故に伴い有毒ガスが漏出していたことについて、東ソーが周南市に連絡していなかったことが分かった。
市が独自に情報を入手し、住民に注意を呼びかけたのは事故発生から4時間半が経過した後だった。
同社の社長は15日、市長を訪ね、謝罪した。
東ソーによると、事故発生から約2時間半後の13日午後6時ごろ、記者会見を開き、有毒な塩化水素ガスが漏れ出した恐れがあるため、同市と下松市の全域に家の窓を閉め外出を控えるよう要請すると発表した。
しかし、両市にはガスの発生や退避要請について連絡せず、周南市の場合は同午後6時前に事業所に出向いた職員が会見資料で状況を把握。市が広報車で市民に注意を呼びかけたのは午後8時過ぎ、防災メールで登録市民に情報を発信したのは発生から約6時間たった午後9時20分になった。
下松市には午後8時過ぎに同社からファクスで連絡があったという。
社長は市長に「連絡が遅くなってしまったことを反省している」と頭を下げた。
同社と市の間では、事故時に通報するような協定などがなく、市長は「事故発生時の役割分担と体制を改めて見直したい」と述べた。
事故当時、同社には「目がチカチカする」など市民からの訴えが4件あった。 また、市長への謝罪に先立って同事業所で会見した社長は「近隣住民などにご迷惑とご心配をおかけし申し訳ない」と謝罪した。
約7割が焼失した第2塩ビモノマープラント(約2万5000m2)について「100億円単位」をかけて再建する意向を示した。
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「塩ビ樹脂の供給に支障が生じる可能性」
2011年11月15日6時55分 msn産経ニュース
この事故で、塩ビモノマーが原料のプラスチック素材「塩化ビニール樹脂」の供給に支障が生じる可能性が出てきた。
都内で14日、会見した社長は「当面は影響が出る」とした上で、塩ビ樹脂は東日本大震災の復興需要が予想され、「安全を大前提に間に合わせたい」と説明した。
南陽事業所の塩ビモノマーの生産能力は年120万トンで国内全体の3割強。だが、火災で山口県などから停止命令を受けた1基は55万トンで約半分を占める。
東ソーは塩ビ樹脂で国内最大手の大洋塩ビにも出資し、「塩ビ関連で国内最大のメーカー」で、国内外の塩ビ樹脂生産拠点は原料調達で対応を迫られる。
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「事故発生時のやや詳しい状況]
2011年11月16日 中国新聞 (工場レイアウト図付)
塩ビモノマーの重大事故は、企業の厳重な管理もあり、全国的にもほとんど例がない。
現場は大規模爆発で大きく損傷もしており、前例や証拠に乏しい中で捜査は今後どう進むのか。ポイントを整理した。
【事故現場】
爆発場所は3階建ての塩ビモノマー精製工程施設のうち、塩ビモノマーや塩化水素などが入るタンクがある2階部分とみられる。周囲が爆発で激しく損傷していることから東ソーも位置はほぼ特定している。
沸点マイナス13℃の塩ビモノマーは常温で気体となる、火災爆発の危険性が極めて高い物質。
東ソーも最も厳重な管理をしている場所の一つであり、簡単に空気中に漏れ出すとは考えにくい。何かに引火したとみられるが、現場検証で有力な物証が見つかるかどうかが大きな鍵になる。
【直前の状況】
東ソーによると、爆発場所から約100m離れたオキシ反応工程の制御弁補修のため、13日午前6時に稼働を停止。事故で死亡した同事業所塩ビモノマー課第二係長(52)たち10人でプラント内の原料を貯蔵タンクに移す「移液作業」を進めていた。
ところが、作業開始から9時間半後の同午後3時22分に爆発現場近くで塩化水素ガスが大気中に漏れているのを検知。同24分に火災報知機が作動し、それとほぼ同時刻ごろに大爆発が2回起きた。
事故直前に塩化水素ガスが周囲に漏れていたとすれば、塩ビモノマーのタンク内にも通常時より大量の塩化水素が流入していた可能性を否定できない。
その結果、タンク内で塩ビモノマーが過剰反応し、タンクの圧力が想定外に高まって何かの原因で外に漏れ、引火したとも考えられる。
【証言】
亡くなった係長は通常は従業員の管理を受け持つ、現場に出ない立場。その係長が現場に駆け付けて犠牲になった。 東ソー関係者の一人は「移液作業はめったにないこと。(係長が現場で犠牲になったのは)事故直前に相当深刻なトラブルがあったからではないか」とみる。
早朝から続いていた移液作業の過程でトラブルが起き、塩化水素ガス漏れにつながった可能性もあり、事故前後の関係者の証言も大きな手掛かりになる。
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(ブログ者コメント)
コンビナート関係の大事故が久しぶりに起きてしまった。
ガス漏れを検知してほとんど時間をおかず爆発したとみられることから、大量の塩ビモノマーが一気に漏れた可能性がある。
運転停止操作中に、何がどうなったのだろう?
原因解明が待たれるところだ。
(2011年12月1日 修正1 ;追記)
2011年11月23日付で毎日新聞山口東版から、事故による水質汚染に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故による有害物質の二塩化エタン流出問題で、県は22日、同事業所の周辺海域から、環境基本法の環境基準を上回る二塩化エタンを検出したと発表した。
ただちに健康への影響はないという。
県によると、21日に徳山湾の4カ所で海水を採取したところ、同基準(1ℓあたり0.004mg以下)を4カ所とも上回った。
同事業所の排水口に一番近い200mの海域で0.011mg、もっとも遠い3.5kmの海域でも0.01mgを検出した。
21日には排水口でも測定したが、水濁法の基準(1ℓあたり0.04mg以下)を下回る0.009mgだった。
県は「21日までに水濁法の基準を上回る量を排水した可能性が高い。新たに同法の基準を上回る排水が出る可能性は低いが、状況を見守りたい」とし、徳山湾での測定地点を9カ所増やして対応する。
また火災で塩ビモノマーが大量に燃えたため、ダイオキシン類についても調査を進めている。
二塩化エタンの環境基準は、基準の濃度を70年間飲んで100万人に1人に発がんの恐れがあるレベルとされる。
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また、11月30日付で毎日新聞山口東版から、土壌と大気のダイオキシン調査に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、県は29日、土壌と大気でダイオキシン類などの調査をすると発表した。
県によると、大気中に広がったダイオキシン類が地上に落ちるまで約2週間かかるため、30日から調査を実施する。
同事業所から2~6.5kmにある市内の公園6カ所で土壌を採取。
大気では、二塩化エタンやダイオキシン類などを12月1~14日に調査。
結果は同中旬~来年1月中旬に判明するという。
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(2011年12月3日 修正2 ;追記)
2011年12月1日18時20分にNHK山口から、周辺海域の水質が基準を下回ったと、下記趣旨でネット配信されていた。
有毒物質の二塩化エタンを含む排水が海に流出した問題で、県はこれまで2回、周辺の海域で水質を調査し、このうち先月24日の調査では排水口から4.5km以内の13地点のうち3つの地点で国の環境基準を超える二塩化エタンが検出された。
これを受けて県は30日、前回の調査で国の基準を超えた3つの地点を含む5つの地点で水質を調査した。
結果、いずれの地点でも基準を超える二塩化エタンは検出されなかった。
火災のあとの県による水質調査で、基準を超える二塩化エタンが検出されなかったのは今回が初めて。
県では今回の調査結果について「工場から排出される二塩化エタンが減ったことや時間がたったことによって有毒物質が拡散したことが原因ではないか」と話していて、今月9日にもさらに地点を増やして水質調査をすることにしている。
(2012年1月29日 修正3 ;追記)
2012年1月25日7時54分にNHK山口から、この事故で防災計画が修正されることになった旨の記事がネット配信されていた。
この火災を受け、県や市などでつくる協議会は火災や爆発が発生した場合、関係機関が情報を共有できるよう事業所内に「現地連絡室」を設置することなどを盛り込んだ防災計画の見直し案をまとめた。
この火災では、有毒な塩化水素ガスが発生したとして、会社側が周南市と下松市の市民に、屋内待機を呼びかけた際、自治体への連絡が遅れ、混乱を招いた。
これを受けて、県や市、企業などでつくる協議会が防災計画の見直しを進めていたもので、24日見直し案がまとまった。
この中では、今後、コンビナートで火災や爆発が発生した場合、
□関係機関がすばやく情報を共有できるよう事業所内に「現地連絡室」を設置する
ことや、
□自治体ごとに作られていた連絡網を一本化する
ことなどが盛り込まれている。
県では、今回の見直し案をもとに、コンビナートを抱えるほかの地域の意見も踏まえてことし3月中に、防災計画を修正することにしている。
県防災危機管理課は「新たな取り組みを県全体に広めたい」と話していた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4065497701.html
(2012年3月13日 修正4 ;追記)
2012年3月9日付の山口新聞ならびに中国新聞から、事故の原因が下記趣旨でネット配信されていた。
同社の事故調査対策委員会は4回目の会合を終え、8日同事業所で会見した。
委員会によると、事故の約12時間前に塩ビモノマー製造の一部工程で弁の不調があり、工程の1系列が停止したことで他の工程にも影響が及び、原料の塩化水素を取り出す蒸留塔内の温度が低下した。
蒸留塔の温度を調整した際、塔上部の温度をマニュアルで決められている数値より異常に上昇させたことが原因で、上部から取り出される塩化水素に塩ビモノマーが混入したという。
結果、通常だと塔から塩化水素だけを送られる枕タンクに塩ビモノマーが混入し、鉄さびから生じた三塩化鉄を触媒として可燃性化合物である二塩化エタンが生成されたが、現場ではその認識がなく、枕タンクを密閉状態にしていた。
委員会では、枕タンクの中で二塩化エタンの反応速度が上がり、圧力が急上昇して枕タンクが破裂し、漏れた塩ビモノマーや二塩化エタンに何らかの着火源が触れて爆発したと推定している。
委員長は、「基本的な化学知識が十分現場関係者に理解されておらず、会社の教育不足も原因」と話した。
出典URL
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2012/0309/6.html
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201203090050.html
また、3月9日付の朝日新聞(聞蔵)からは、下記趣旨の委員長コメントがネット配信されていた。
「化学反応が起きうることを誰も知らなかった。運転員だけの問題というより、会社全体の問題。長い歴史があり、油断があったのではないか」
(ブログ者コメント)
□おおよその状況はわかったが、不明点も多々ある。
そこで東ソーのHPにアクセスしたが、本件はプレスリリースされていなかった。
情報は早目に公表するが、正式には報告書待ちということだろう。
□塩ビモノマーの性質をkis-netで調べた結果は下記。
結構、反応性に富む物質のようだ。
『熱、火炎、酸化剤に曝されると発火する危険性あり。気体で熱、火炎に曝されると激しい爆発の危険性あり。放置すると空気中で過酸化物を作り爆発することがある。』
(2012年6月21日 修正5 追記;)
2012年6月14日付で中国新聞から、事故調査委員会が報告書を公表したという記事がネット配信されていた。
東ソーの事故調査対策委員会は13日、報告書を公表した。
社内で事故防止に向け、事業所ごとに安全戦略を立てるなどの対策を提言した。
報告書は、プラントの安全管理を製造現場に任せ、プラントの設計などについて運転員の知識も十分でなかったと課題を指摘。
・知識、技術の伝承方法
・専門家による保安活動の定期的な評価
・周辺住民への情報発信
などを検討し、事業所ごとに安全戦略を立てるよう提言した。
委員長は「事故が起きた背景に多くの反省点があった。社内全体で具体的な施策を検討し、一つ一つを実行していきたい」と述べた。
同事業所に3基ある塩ビモノマープラントは事故で全面停止。うち1基は5月に再稼働し、もう1基は7月上旬に再開の予定。第2プラントの復旧は未定。
出典URL
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201206140011.html
以下は、プレスリリースされた報告書。
http://www.tosoh.co.jp/news/pdfs/20120613001.pdf
(ブログ者コメント)
報告書の序文ならびに本文p37に以下の記載があるが、本件、単に東ソーだけの問題ではなく、広く他山の石とすべき内容であろう。
□今回の事故の特徴として、発端事象から爆発までの12時間の間に、複数の直接要因、間接要因が複雑に絡み合っていることが挙げられる。
□・・・事業所、さらに東ソー全体の安全文化や保安を最優先する組織風土の更なる醸成を喚起すべく、この面についても提言する。
□塩ビ製造設備は、これまで大きな事故を起こすこともなく長期間にわたって運転されてきたこと、装置面、運転面からの検討が従来から加えられており技術的には確立されたと信じられてきたことが、安全意識の低下、安全推進体制の緩みに繋がり、今回の爆発火災事故を引き起こしたとも言える。
報告書によれば、事故に至った概略の経緯は下記。
□オキシA系の緊急放出弁が故障して突如「開」状態になったため、インターロックが作動して同系が停止。
□大幅なロードダウンにより、下流にある塩酸塔の運転が変動。
□塩酸塔中段温度が低下したため、加熱器蒸気量を増加、還流量を低減した。
□しかし塔頂、塔底温度の制御を意識しなかったため、塔頂の塩酸系に塩ビモノマーが混入。
□混入が原因でプラント緊急停止。
□塩酸塔還流槽に塩酸と塩ビモノマーが通常より高い液レベルで長時間保持されているうちに、気相部に存在していた、定期修理時にジェット洗浄した際に発生したとみられる鉄錆等が触媒となって、1,1-二塩エタンが生成する発熱反応がはじまった。
□ある時点から急激に反応が進行し、爆発に至った。
塩ビモノマーと塩酸が鉄錆触媒の存在下、発熱反応を起こして1,1-二塩化エタン(EDC)が生成することを誰も知らなかったという点については、以下のように記されている。
p25)塩酸塔還流槽での内容物の異常反応に関して、文献調査、ラボ反応実験を行ったところ、VCMとHClから1,1-EDCが生成する反応については、FeCl3等の触媒存在下では、容易に起こり得る発熱反応であることが判明した。また、鉄錆成分であるFe2O3、Fe3O4がHClと反応すると触媒作用を有するFeCl3を生成することも判明した。
p28)プラント全停止後、部長、課長、係長が、DCS上のトレンドデータにて塩酸塔の塔頂温度異常に気付き、塩酸塔還流槽へのVCM混入の可能性を想定したが、1,1-EDC生成の異常反応に関する知識がなかったため、特別な作業は必要ないと考えた。
分解工程で1,2-EDCを熱分解し、生成したVCMとHClならびに未反応の1,2-EDCの混合物が塩酸塔にフィードされるというプロセスだが、まさか生成した物質同士が反応するとは思ってもみなかったのかもしれない。
反応性の高い物質を取り扱う場合は、あらゆるケースを想定し、検討しておかねばならないという教訓であろう。
(2013年3月16日 修正6 ;追記)
2013年3月15日16時39分にNHK山口から、製造部長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、爆発を防止するのに必要な措置がとられていなかったとして、プラントを監督していた製造部長ら3人を業務上過失致死などの疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、南陽事業所の49歳の塩ビ製造部長と48歳の当時の課長、それに44歳の主席技師の3人。
警察の調べによると、このプラントでは装置が誤作動したことをきっかけにプラント全体を停止させようとしていたところ、塩酸が入ったタンクに誤って塩化ビニールモノマーが流れ込み化学反応を起こして爆発したという。
この際に、タンクの中に塩化ビニールモノマーが流れ込んでいたことが計器などで確認されていたにもかかわらず、タンク内の圧力を下げたり、冷却したりといった爆発を防ぐ措置がとられていなかったという。
このため警察では、当時このプラントを監督し、施設の保安を担当していた製造部長ら3人を業務上過失致死などの疑いで書類送検した。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063216061.html?t=1363381880132
2011年11月15日付の読売新聞と毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都大病院は14日、脳死肝臓移植を受けた50歳代男性が手術後の人工透析治療の際、病院側のミスによって死亡したと発表した。
使用する器具を取り違えたのが原因で、病院は遺族に謝罪、13日に警察に届け出た。
警察は男性の司法解剖を行うとともに、病院から器具やカルテなどの任意提出を受け、業務上過失致死容疑で調べている。
記者会見した院長などによると、男性はC型肝炎による肝硬変に加え、腎不全を併発。今月4日に脳死と判定された男性から肝臓を提供され、5日に移植手術を受けた。
術後の経過は順調で、11日に集中治療室から一般病棟に移り、人工透析の治療を受けていた。
透析治療は、血液中の老廃物を濾過するフィルターを定期的に交換し、24時間連続で行っていた。
ミスが起きたのは12日午後7時30分頃の交換作業。
当直の医師が看護師に新しいフィルターに替えるよう依頼したが、看護師は老廃物濾過用ではなく、誤って血液から血漿を分離するフィルターを用意。 医師は間違いに気づかず、別の医師と透析装置に取り付けたという。
男性は約3時間後に血圧が低下。一時容体は回復したが、翌13日午前9時35分頃に意識を失い、約1時間後に死亡した。
医師らがフィルターの取り違いに気づいたのは、男性の死亡後の正午頃。血液データから誤装着が発覚した。
この2種類のフィルターは、ともに病棟の看護師詰め所の棚に保管。
血漿分離に使うのは長さ29cm、直径42mmでパイプの両端が青く塗られているが、老廃物濾過用は長さ22cm、直径35mmの透明で、区別できるようになっていた。
肝臓移植を担当する肝胆膵移植外科の教授は「準備を頼んだ医師は、透析治療に不慣れだったため、自分で用意しなかったと聞いている。一緒に装置に組み込んだ医師は経験はあったが『大きさに違和感がある』としか思わなかったようだ」としている。
遺族に対しては院長などがミスの経緯を説明。「民事上の責任を負う」と謝罪したが、遺族は納得していない様子だったという。
京大病院では10月にも、脳死肺移植を受けた女性に装着した人工心肺装置の管に空気が混入。女性が意識不明になっている。
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(ブログ者コメント)
□違うフィルターを取り付けてしまったという単純ミス。読売新聞に現物の写真が写っているが、かなり大きく、両端の青色も目立つ代物だ。
何故これで間違ったのだろう?と、ついつい思ってしまうが、間違う時には間違ってしまう。そこがヒューマンエラーの恐ろしいところだ。
□そして看護師が間違え、医師も確認が不足していたという二重のヒューマンエラー。このようなことも、しばしば起こり得る話しだ。
□こういったミスが起きたからといって、他の業種、例えば製造業であれば品質不良とか運転異常になる程度で、人が死ぬようなことは滅多にないが、医療現場では死に直結する可能性が格段に高い。
現場第一線で働く方々が、日々、緊張の連続で激務に当たられていることを思うと頭が下がる。
□最近、医療現場でもヒューマンエラー防止のためのヒヤリハット発掘活動が行われ始めたという情報を本ブログでも何回か紹介したが、コトの重大さから考えると、そのような活動は、製造現場などよりも、むしろ医療現場のほうが先に実施すべきだったのではないだろうか?この事例に接し、そんな考えが頭をよぎった。
2011年11月12日20時31分に、NHK沖縄から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前10時45分ごろ、沖縄市の住宅で、足場を組んで2階の部屋の窓を付け替える作業にあたっていた内装工事会社の59歳の男性作業員が、およそ6m下の地面に転落したと消防に通報があった。
男性は、病院に運ばれたが、頭などを強く打っていて現在意識不明の重体。
現場は嘉手納基地のすぐ近くで、警察などによると、男性は、朝から、ほかの作業員とともに軍用機の騒音対策の防音工事にあたっていたという。
男性は、足場の上に立って、古くなった窓枠を外側からバールで取り外す作業をしていたということで、警察では、男性がバランスを崩して転落したとみて当時の状況を詳しく調べている。
一方、宮古島市の建設現場で今月9日、プレハブの屋根から転落した事故で意識不明の重体となっていた作業員(52)が12日死亡した。
警察で屋根から転落した原因を調べている。
出典URL■■■
2011年11月12日付で、朝日新聞石川全県版(聞蔵)から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年9月、JR金沢駅東口の「もてなしドーム」の屋根ガラス1枚に破損が見つかった問題で、市は11日、「ガラス内部の硫化ニッケルの体積膨張が原因」とする調査結果を、都市整備常任委員会で報告した。
破損ガラスはすでに取り替えられおり、破片などの落下の恐れはないという。
ネタ元と思われる、市の記者会見資料は下記。
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資料中、
「上面ガラスが破損。2008年5月のトラブルと同様な破損状況につき、硫化ニッケルが原因と推定されるが、公的機関で確認する」
などと記されている。
今回のトラブルの様子は、以下の記事参照。 ※9月8日付の同紙(聞蔵)
金沢市は7日、JR金沢駅東口の「もてなしドーム」の屋根ガラス1枚に破損が見つかったと発表した。
ガラス全体にクモの巣状のヒビが入っているが、破片などの落下の恐れはないという。
市によると、6日夕、安全確認のために定期監視していた警備員が破損を見つけた。
ガラスは大きさ約1.5m四方で厚さ8mm。2枚のガラスを中間の膜で張り合わせている。 交
換まで1ケ月ほどかかるため、当面は割れたガラス表面に保護フィルムを装着する。
ドームの屋根ガラスを巡っては、2008年5月にも同様の破損が見つかっている。
一方、2008年に起きたトラブルの様子は、以下のように報道されていた。
2008年10月8日 朝日新聞石川全県版(聞蔵)
市が設置した調査検討委員会は、7日、「破損の原因はガラス内部の硫化ニッケルの体積膨張」とする報告書を市に提出した。
委員会は同日まで3回開かれ、ドーム自体の構造や温度差など、考えられる要因を検討。上からの落下物がなく、構造に変形もなかったが、ガラスの破断部分から硫化ニッケルを検出したことなどから、硫化ニッケルが熱エネルギーを溜めこんで膨張したことが原因と推定されるとした。
硫化ニッケルを含むガラスは約4万枚に1枚とされ、破損は極めて稀という。
2008年5月18日 朝日新聞石川全県版(聞蔵)
金沢市は17日、「もてなしドーム」屋根のガラス1枚に破損が見つかったと発表した。
強化ガラスにクモの巣状にヒビが入っているが、破片が落下する恐れはないという。
同市は事故調査委員会を設置し、ガラスの破損原因を調べる。
同市によると、16日午後2時半ごろ、周辺をパトロールしていた警備員が破損を発見。17日に市職員が屋根に上がって破損を確認した。
屋根は1.5m四方で厚さ8mmの強化ガラス2枚の合わせガラス。破損したのは上部のガラス1枚。ガラスには物が衝突した跡などはなかった。
「もてなしドーム」は2005年3月に完成。06年4月に不純物が原因で側面ガラスが破損したことがある。
ドームの屋根には合わせガラス1234枚が使われており、破損は初めてという。
(ブログ者コメント)
□ガラスが内部不純物の膨張で自然に割れることがあるなど、初耳だ。
そこでネットで調べたところ、事例を含め、硫化ニッケルによるガラスの割れに関する記事が多数見つかった。
どうも業界では常識レベルのことらしい。
以下、平成14年(2002年)に熊本で起きた事例に対する報文が分かりやすかったので紹介する。
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また、下記の記事には09年に三菱商事ビルで、04年に朱鷺メッセで同様な事故が起きたと書かれてある。
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□これだけ知られている現象に対し、「もてなしドーム」の設計者はどう評価を下し、どのように事故防止策を講じていたのだろうか?
事例の活用、再発防止という点で気になるところだ。
(2012年6月29日 修正1 ;追記)
2012年6月25日23時24分にNHK金沢から、またヒビが入ったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
金沢駅東口の「もてなしドーム」の屋根ガラスの1枚にヒビが入っているのが見つかり、金沢市では応急処置をしたうえですみやかにガラスを交換することにしている。
「もてなしドーム」のガラスが破損するのはこれで3回目。
金沢市によると、25日午後1時40分過ぎ、「もてなしドーム」の屋根ガラスにヒビが入っているのを警備員が見つけた。
市の職員が屋根に登って確認したところ、縦・横1.5mのガラス1枚にクモの巣状にヒビが入っているのが確認された。
この屋根ガラスは厚さ8mmの強化ガラス2枚を合わせたもので、ガラスの間には落下を防ぐため粘着力のある膜が張られているため、破損したガラスがただちに落下する危険はないという。
金沢市では26日、ビニール製の保護フィルムを割れたガラスの表面にはって安全をはかるほか、すみやかに破損したガラスを交換することにしている。
もてなしドームでは4年前と去年の9月にもガラスにひび割れが見つかっており、いずれもガラスの中にまれに含まれる「硫化ニッケル」という不純物が膨張したことが原因だったことから、金沢市では今回の破損も同じ原因とみて調べることにしています。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3023092861.html
(2012年7月6日 修正2 ;追記)
2012年7月5日付で毎日新聞石川版から、市はメーカーに対策を要請する方針である旨、ネット配信されていた。
金沢市長は4日の定例会見で、「もてなしドーム」で先月25日に屋根ガラス1枚(縦横1・5m、重さ90kg)がひび割れて破損したことにふれ、「屋根ガラスの確認作業を徹底し、異常を確認した場合はすぐに対応したい」と話した。
同ドームでは既に計3回、ガラスが破損。
市は製造段階でガラス内に混入した不純物が原因とみており、近くメーカーに対策を要請する方針。
出典URL
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20120705ddlk17040666000c.html
2011年11月11日19時18分にmsn産経ニュースから、12日付で毎日新聞多摩版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。また同日付で京王帝都電鉄のホームページに、同トラブルに関するお詫び文が掲載されていた。
11日午前9時50分ごろ、京王線高幡不動2号踏切で遮断機が下りてないのに電車が通過したと、通行人から駅に通報があった。
同社が調べた結果は下記。
①列車が踏切の手前約394mの動作開始地点に到達した際、踏切では通常通り警報が鳴動し、遮断かんの降下が完了した。
②その後、踏切の手前約313mにおいて誤作動が生じ、一旦降下した遮断かんが上昇した。
③列車は誤作動が生じた時点でATCの非常停止信号を受信し、非常ブレーキがかかり、踏切の約171m手前で停車した。
④運転士は運輸指令所へ連絡。運輸指令所は高幡不動駅への進路に列車が存在しないことを確認したので、時速25km以下の速度規制での運転を指示した。
⑤運転士は指示により、約3分後に時速25km以下の速度で運転を再開した。
⑥列車は遮断かんが降下していない踏切に時速25km以下の速度で進入した。
運転士は「踏切で遮断機が下りていなかったことに気付かなかった」と話している。 現状、駅員2人を踏切に配置し、運行を続けている。
ATCで急停車した場合、同社のマニュアルは前方列車の確認を求めているが、遮断機の動作確認については何も記載がない。
同社は「マニュアルの改正を含め、安全対策を徹底する」としている。
同社では遮断機が下りないなどの同様のトラブルが昨年から5件あり、国土交通省関東運輸局から警告文書を2度にわたり受けている。
出典URL■■■
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(ブログ者コメント)
ATCのような緊急停止装置が作動した場合、作動した原因を調べ、対策を講じてからでないと運転を再開してはいけない。それが基本だ。
ブログ者が勤務していた会社でも、会社のルールとして、設備の緊急停止装置が作動した場合には、作動した原因を、場合によってはFTAを構築するなどして追及し、原因を明らかにして対策をとってからでないと、装置の運転再開は許可されなかった。
今回、京王電鉄の説明から推定すると、ATCが作動する条件の一つが「遮断機が下りていない」ことらしい。
それならば、進行方向の遮断機が上がったままになっていないか、調査したと思うのだが、現実問題、調査はされていなかった。
何故だろう?
今回のケースでは、ATC作動から運転再開まで、時間的に、そう長くはかかっていないようだ。
ダイヤの乱れを気にして、さほど原因追及することなく運転を再開したということはなかったか?
はたまた、トラブルがしばしば起きるため、またか・・・といった感じで流し作業になっていなかったか?
もし、そのようなことがあったのなら、大問題だ。
なぜなら、今回はヒヤリレベルで済んだが、そのうち大事故につながる危険性をはらんでいる、ブログ者はそう思うからだ。
そこに一連の報道が何も触れていないのは何故だろう?
その点も気になるところだ。
(2011年12月1日 修正1 ;追記)
2011年11月27日7時6分に東京新聞から、「下りない踏切 通過防げた?」というタイトルで、以下の趣旨の解説記事がネット配信されていた。
このトラブルで、同社による調査・分析が進められている。
発端となった踏切の誤作動の原因は分かっていないが、運転士や運輸指令所が十分に注意していれば防げた可能性があることが分かってきた。
けが人はなかったものの、同社では昨年6月~今年3月、同様のミスが5件発生。一歩間違えば大事故になりかねないだけに、徹底した検証が求められる。
同社は、遮断機が下りていない踏切に電車が進入するミス5件について、国交省から警告を2回受けている。
同省関東運輸局は今回のケースについても「(指令所と運転士が安全確認後)注意して運転していたのに遮断機が上がった踏切に進入した例は聞いたことがない」と驚く。
11日のトラブルで、踏切手前で電車がATCにより非常停止した後、運転を再開した運転士は遮断機が上がったままなことに気付かずに踏切を通過してしまったが、気付くチャンスはあった。
踏切の手前には、遮断機が下りると点灯する踏切遮断表示灯があり、これを見ていれば下りていないことが分かったかもしれない。
ただ表示灯は保守用途で設置されたもので、同社では日常の運行で運転士に確認義務はなく、今回も確認していなかった。
一方、指令所にも踏切の状況が分かるモニターがあり、異常を知ることはできた。 しかし、運行を指示するフロアとは別の場所に設置されており見落としていた。
同社はモニターの確認状況は明らかにしていない。
京王電鉄は再発防止策として、「今回のような事例が起きた場合、運転再開後も踏切の手前ではいったん停止し、遮断機が下りていることを運転士が目視で確かめるよう指示した」としている。
他社はどう対応しているのか。
東急電鉄は、踏切手前に京王と同様の表示灯があり、運転士に通過時の目視確認を定めている。
小田急電鉄は表示灯の確認義務はないが、活用するよう指示し、指令所でも全踏切の状態が確認できる。
JR東日本は、ヒューマンエラーの発生を防ぐという考え方から表示灯は設置しておらず、システム上、二重に安全が確保できる仕組みを採用している。
出典URL■■■
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。