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2016年11月12日に掲載した元記事(第2報)がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6381/
(2/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6380/
(3/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6379/
第2報は下記参照
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6460/
(2017年3月24日 修正2 ;追記)
2017年3月16日14時46分にNHK埼玉から、絶縁体部分に銅などが染み出し変質したことが漏電の原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、第1報第2報ともどもタイトルも修正した)
東京電力は、現場のケーブルの状況から、接続部が何らかの原因で破損して漏電が発生し出火したみて調べていたが、詳しく分析した結果、ケーブルの中心部にある銅線を覆う絶縁体の部分に銅や硫黄などの物質がしみ出し、変質してかたまりになっていた部分があったという。
こうした状態から、このほどまとめた最終報告書では、ケーブルが長期間使用するうちに劣化し、内部の物質がしみ出して変質したことが漏電を引き起こし、出火の原因になったとしている。
東京電力によると、過去に起きたケーブルの漏電の多くは施工の不具合が原因で、今回のようなケースはまれだとしている。
東京電力は、再発防止策として、すでに実施している古いケーブルの接続部を延焼を防ぐシートで覆う対策に加え、絶縁体の成分から劣化を感知する装置や、異常な放電が起きていないか常時監視するシステムを一部で試験的に導入し、有効性を確かめたうえで、さらに拡大するとしている。
出典
『送電施設火災はケーブル劣化』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/1106057451.html
3月16日19時37分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
火災の原因について東京電力が16日午後、会見を行った。
火災が起きたケーブルの接続部分がたわみ、ケーブルに巻かれた絶縁紙に隙間ができたという。
その隙間にたまった絶縁用の油に金属の化合物がたまり、電気が流れる放電が発生。
ケーブルが劣化して、火災につながったとみられるという。
同様のケーブルを東電が調べたところ、金属の化合物がたまる現象はほとんど確認できず、「極めてまれな現象」だったと結論づけた。
出典
『都内59万軒が停電 ケーブル火災原因は?』
http://www.news24.jp/articles/2017/03/16/06356660.html
3月16日18時32分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
「東京電力パワーグリッド」は16日、出火原因や再発防止策をまとめた最終報告を公表した。
報告書などによると、出火したケーブル接続部の内部では、電線を絶縁状態にするため、油紙が何重にも巻かれている。
この紙と紙の隙間が長期間の通電で拡大し、漏電を誘発したという。
同社は、ケーブルに防火シートを巻くなどの対策を進めているほか、今後30年で、燃えにくいポリエチレン製の樹脂を使ったケーブルに交換する。
出典
『送電ケーブル火災、東電子会社が原因の最終報告』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170316-OYT1T50133.html?from=ycont_top_txt
3月16日22時29分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東電によると、火元は、延長のためケーブル同士をつなぐ「接続部」。
内部に生じた隙間が、熱による伸縮などで拡大。
この隙間に、絶縁のためケーブル内を満たしている油中の成分がたまり、部分放電が起きたとみられるという。
部分放電が繰り返されると、漏電しやすくなる。
ケーブルが設置されたのは約35年前で、東電は、長時間かけて劣化が進み、漏電して火花が生じ、出火したとみている。
出典
『送電線火災、劣化で漏電とほぼ断定 10月の大規模停電』
http://www.asahi.com/articles/ASK3J5J76K3JUTIL033.html
(ブログ者コメント)
3月16日付で東電パワーグリッド社からプレスリリースされた文書の冒頭は下記。
今回の火災事故が発生した原因については、城北線3番黒相のケーブルコア※1と補強絶縁紙※2との間にあった油隙(ゆげき)※3が、ケーブルを使用するにしたがって拡大し、絶縁紙が黒色変化※4したことで部分放電が生じ、その結果、絶縁破壊により火災に至ったものと推定しております。
過去に同様の絶縁破壊プロセスの例は無く、極めて稀な事象であり、他接続部で発生している可能性は低いと考えておりますが、当社は、今後、本事例を踏まえた再発防止策を徹底して行うことで、二度と同様の事故が発生しないよう、電気の安定供給に努めてまいります。
http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2017/1392601_8686.html
また別紙2中、絶縁破壊プロセス(推定)が下記趣旨で記されている。
①ケーブルコアに補強絶縁紙を巻き付ける際に隙間が生じ、その隙間に油がたまった。
②通電によりケーブルコアは下にたわむが、補強絶縁紙は曲がりにくいため、隙間が拡大した。
③拡大した隙間に酸化スラッジなどが生成し、部分放電が起きだした。
④その後の課電ストレスや東日本大震災によって隙間が拡大。部分放電が進展して絶縁破壊に至った。
2017年3月16日13時32分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし1月31日、越前市と南越前町、池田町を管轄する南越消防組合で、命に関わる急病や火災などに対応する119番通報が50分間、受信できなかった。
これを受けて、システムの保守点検を担当する東京の電気通信工事会社が詳しく調べた結果、119番通報を受け付ける回線と通報した人の位置を特定するシステムとをつなぐ電子回路が正常に作動しなかったことが原因だとわかった。
南越消防組合では、緊急用のバックアップシステムも配備していたが、トラブルが起きた電子回路はバックアップシステムともつながっていたため、119番通報をまったく受信できなかったという。
しかし、電子回路でなぜトラブルが起きたのか、詳しい原因は特定できなかったという。
南越消防組合消防本部は、「今後、二度と同じようなトラブルが起きないよう、再発防止を徹底したい」とコメントしている。
出典
『119番不通は電子回路トラブル』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3054774141.html
(ブログ者コメント)
詳細原因が不明な状態で、再発防止の徹底はできないような気もするが・・・。
それはともかく、以下はトラブル発生当時の状況が報じられた記事。
(2017年2月1日7時10分 福井新聞)
南越消防組合(福井県)は31日、管内の越前市、南越前町、池田町からの119番が同日午前10時38分から50分間、受信できないトラブルが発生したと発表した。
緊急通報受信システム(指令制御装置)に不具合が生じたのが原因。
119番がつながらず、同組合の代表番号に救急搬送を要請する電話が1件あった。
同組合によると、同システムの異常を知らせるアラームが鳴り、同11時28分に仮復旧した。
この50分間は、119番の受信障害を知らせる音声ガイダンスが流れていたという。
代表番号への搬送要請は越前市内の民家からで、80代男性が呼吸不全を訴えているとして、家族が電話した。
男性は市内の病院に搬送され入院したが、重症ではないという。
ほかに119番通報があったかどうかは不明。
この時間帯の前後に、同市内の5救急指定病院に直接来院した救急患者はいなかったという。
指令制御装置内の回線の電子基板と予備基板が、同時に故障した。
同装置は、昨年2月に入れ替えたばかりだった。
同時に故障するケースはほとんど例がなく、同組合は、製造したNECに原因究明を要請した。
同組合消防本部の北川消防長は、「住民の皆さま、関係者の皆さまに対し深くおわびを申し上げます。再発防止に万全を期したいと考えております」とのコメントを発表した。
出典
『南越消防119番が50分間不通 代表番号へ救急搬送要請1件』
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/114245.html
2017年3月16日17時59分にNHK宇都宮から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月17日付で下野新聞から、3月19日13時36分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午後2時半ごろ、宇都宮市大通り2丁目にある10階建てビルの外壁の補修工事の現場で、足場を設置する作業をしていた足利市のSさん(男性、31歳)とベトナム国籍の技能実習生(36歳)の2人が、ビルの4階にあたる、およそ11mの高さから地面に転落した。
2人は病院に運ばれたが、2人とも全身を強く打っていて、病院で死亡が確認された。
死因は、Sさんが頭蓋内および胸腔内臓器損傷、実習生が頭蓋内損傷だった。
警察によると、2人は16日午前から、同僚と合わせて4人で足場の設置作業を行っていたという。
2人が転落した際、別の1人は近くの鉄パイプにつかまり、もう1人も転落を免れた。
2人が倒れていた場所の近くには、足場に使われる板が数枚落ちていたということで、警察は、何らかの原因で板が外れた可能性もあると見て、2人が転落した当時の状況を調べている。
現場は、JR宇都宮駅から西におよそ500m離れた大通り沿いで、会社の事務所が入るビルなどが建ち並ぶ地域。
ビル内にいた会社員女性(30)は、「窓の方からガラガラガラという大きな音が10数秒間も聞こえ続けた」と話した。
出典
『工事現場で転落 男性2人死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/1094783031.html
『作業員転落、2人死亡 外壁に足場設置中 宇都宮』
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20170317/2632550
『転落死の2人、頭蓋内損傷 栃木県警発表』」
http://www.sankei.com/affairs/news/170319/afr1703190009-n1.html
2017年3月15日付でBBC NEWS JAPANから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月15日19時37分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
オーストラリアの運輸安全当局は15日、旅客機内で女性が使用していた電池式ヘッドフォンが爆発したと発表し、注意喚起した。
豪ABC放送によると、事故は2月19日に発生。
豪運輸安全局(ATSB)によると、北京発メルボルン行の旅客機で、ヘッドフォンをしたままうとうとと眠っていた女性が、爆発音で目を覚ました。
急ぎ外したヘッドフォンは火花を散らせて発火し、溶け始めていたという。
爆発のせいで女性は手にやけどをし、顔は煤で黒くなった。
女性はATSBに、音楽を聴いていたと話したという。
ATSBは女性を匿名のまま、事実関係を公表した。
ATSBによると女性は、「自分の顔をパッとつかんだせいで、ヘッドフォンが首の周りにぐるりと回ってしまった。焼けている感じが続いたので、ヘッドフォンをつかんで床に投げ捨てた。火花を散らしていて、少し炎も上がっていた」と話した。
複数の乗務員が助けに駆け寄り、最終的には、ヘッドフォンにバケツの水をかけて火を消した。
その時点で電池とプラスチックの表面はすでに溶けて、床に張り付いていたという。
「飛行機が目的地に着くまで、乗客は溶けたプラスチックや焼けた電子部品、焼けた髪の毛の臭いに耐えなくてはならなかった」とATSBは報告書で説明。
どの会社のヘッドフォンかは明らかにしていないが、おそらくリチウムイオン電池の問題が原因ではないかとATSBは指摘している。
ATSBは、電池や電池パックの安全な携行についてガイドラインを発表し、「電池を使う製品の種類が増えるに伴い、機内で問題が起きる可能性も増える」と指摘している。
近年では、リチウムイオン電池を原因とした機内トラブルが相次いでいる。
昨年はシドニーで、離陸直前の機内手荷物から煙が出ていたため、出発が中止されたこともある。
手荷物内のリチウムイオン電池が発火したのが原因だった。
ATSBによると、動く座席の下でつぶされた電子端末から煙が出たという米国の事例もあるという。
昨年9月には,サムスン製「ギャラクシーノート7」の発火報告が相次ぎ、これも電池に問題があると判明。
サムスンは結局、製造を打ち切った。
出典
『機内でうとうとしていたら……女性の電池式ヘッドフォン「爆発」』
http://www.bbc.com/japanese/39276265
『旅客機内で睡眠中、ヘッドホン出火…女性やけど』
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170315-OYT1T50116.html?from=y10
(ブログ者コメント)
BBCの写真を見ると、白人女性の左頬から唇付近にかけて、広い範囲が黒くなっている。
報道では煤で黒くなったということだが、唇付近は腫れているようにも見える。
2016年11月24日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6503/
(2017年3月23日 修正2 ;追記)
2017年3月14日付で読売新聞九州版から、県企業局が検証報告書を公表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月15日付で山口新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
工事を発注した県企業局は14日、受注した建設会社「S社」(山口市)が厚労省の「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」の留意事項をほとんど実施していなかったとする検証報告書を明らかにした。
厚労省の指針では、作業中は継続的にCO濃度を測定し、送風機の風量を使用前に確認するよう定めている。
報告書は、建設会社の現場代理人が指針の存在を知らず、濃度測定や送風機の風速測定などを怠ったと指摘し、送風機の管がトンネル内に届いていないなど、換気効果が不十分だったことが、事故の一因になったと結論づけた。
また、作業中は発電機などCOが発生する機械が使われていたが、事故が発生した場合の避難や連絡に関しての作業員への説明もなかったという。
事故当時のトンネル内のCO濃度は最大500ppmだったとみられるが、COが充満したことについて、「当時の換気効果は、本来の30%程度しかなかったと推定できる」と指摘。
送風機の換気能力が不十分だったことなどを原因にあげた。
再発防止策としては、設計、施工計画、作業時の各段階で指針が守られているかどうかを県が業者に確認し、山口労働局と連携して安全講習を実施することなどを挙げた。
出典
『受注会社「CO中毒予防指針守らず」、下松トンネル事故で県が検証報告書』
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20170314-OYS1T50060.html
『国の予防指針、守られず 下松トンネル事故、県企業局が報告書』
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2017/0315/4.html
3月15日14時1分に産経新聞westからは、下記表現の記事がネット配信されていた。
県企業局が検証報告書をまとめたことが、15日、分かった。
工事を受注した建設会社が、厚労省の指針にある留意事項を実施していなかったなどとする内容。
県企業局の聞き取り調査に、業者側は、現場監督も指針を知らなかったと回答したという。
出典
『山口のトンネル一酸化炭素中毒、業者が指針順守せず』
http://www.sankei.com/west/news/170315/wst1703150065-n1.html
(ブログ者コメント)
厚労省のガイドラインは下記参照。
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/hor/hombun/hor1-39/hor1-39-11-1-0.htm
県企業局の報告書は下記参照。
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a40100/kohsui/tokuyamajiko/jikohoukoku.html
報告書(本編)の記載ポイントは以下のとおり。
〇CO濃度測定器は車に置いたままで、1度も測定せず。(22ページ)
〇事前計算結果、700m3/分の換気量が必要と判明。それには送風機2台が必要。
しかし工事時に送風機1台分のダクトが間に合わなかったため、300m3/分の1台のみで換気。(22ページ)
〇そうしたのは、3年前に同じトンネルを工事した際、300m3/分の1台で10km区間を換気して問題なく、今回の区間は1.5kmだったから。
〇トンネル内では、工事区間外の部分と吸気ダクト挿入口をブルーシートで目張りし、送風機1台でトンネル内の空気を吸引。図では、ダクトは奥までは入っていない。(5ページ図解)
〇ブルーシートは構造物に設置された釘などに掛け、下部を土のうで押さえてある程度。
坑内の密閉性は高くなく、計画通りの換気効果が得られなかったと考えられる。(35ページ)
〇会社は、工事ごと該当するガイドラインを徹底している。(22ページ)
〇会社として、この工事は4回目。3年前の工事ではCOなど測定している。
今回の現場代理人は、その時、サブとして配置していたので、大丈夫と思っていた。(22ページ)
〇施工計画書ではCOとO2濃度を午前と午後に測定し記録するとなっていたが、事故当時は測定も記録もされていない。(40ページ)
〇CO濃度が上昇するという認識が低かった。(主語不明、22ページ)
〇今回の工事は過去の工事と工事内容が異なるため、これまでよりも多くの発電機やエンジンコンプレッサーを使用していた。(41ページ)
〇事後検証として、風速1m/分から0m/分まで何ケースかに分け、トンネル内CO濃度の経時変化を計算している。(45ページから)
2013年11月8日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正4として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3358/
第2報は下記参照
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3409/
(2017年3月22日 修正4 ;追記)
2017年3月14日20時27分に毎日新聞から、容疑不十分で院長が不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月14日22時24分に毎日新聞からも同趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡地検は14日、業務上過失致死傷容疑で書類送検された男性院長(49)を、容疑不十分で不起訴処分とした。
地検は、「起訴に足る証拠はなかった」としている。
適正な防火措置を取っていても被害は食い止められなかったと判断した。
火災では、設置が義務づけられた防火扉のうち複数が正常に機能せず、避難訓練もしていないなど、防火管理上の不備が指摘された。
福岡県警は15年2月、防火扉の管理など安全対策を怠って両親を除く13人を死傷させたとして、院長を業務上過失致死傷容疑で書類送検していた。
地検は、防火管理上の不備と患者が死傷したことの因果関係について慎重に捜査。
煙の回り方を調べた実験結果などから、防火扉が正常に機能していても煙が広がるのを止めることは難しかった上、夜間当直1人では初期消火や避難誘導をするのは困難で、死傷者が出ることは避けられなかったと結論づけた。
不起訴を受け、院長は「亡くなった患者様とご遺族の方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。私にできることは、被害に遭われた方々のことを思い続け、地域医療に身をささげるとともに、再発防止のための活動に微力を注ぐよりほかないと考えています」とのコメントを発表。
代理人弁護士によると、両親を除く死亡者の遺族全員との示談が成立しているという。
火災後、有床診療所のスプリンクラー設置基準は、原則、ベッド数4床以上の診療所に拡大された。
ただ、経営難や後継者不足により、現在も全国の約7割の診療所で未設置とみられる。
一方、院長に刑事罰を科さないよう求める嘆願署名は約16万人分が集まり、近隣住民からは不起訴処分に安堵の声も上がった。
嘆願署名約1800人分を集めたという同市博多区のビル管理人の松本さん(57)は、「行き場のない高齢者を受け入れるなど、地域医療に役立っていた」と振り返り、現在は近くでクリニックを開いている院長について、「いずれは元の場所で再開してもらいたい」と話した。
出典
『福岡10人死亡火災 男性院長を容疑不十分で不起訴処分』
http://mainichi.jp/articles/20170315/k00/00m/040/111000c
『福岡10人死亡火災 遺族「再発防止に…」 院長不起訴に』
http://mainichi.jp/articles/20170315/k00/00m/040/116000c
3月14日19時24分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県警は送検時、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けていたが、地検は「起訴に足りる証拠がなかった」と判断した。
県警は、防火扉の一部が作動しないようになっていたために、煙が一気に充満して被害を拡大させたと判断。
扉の不備を放置し、避難訓練などもしていなかったとして、院長を15年2月に書類送検した。
だが地検は、実験の結果などから、扉が仮に機能していたとしても「煙の回りが早く、患者を避難させることはできず、結果を回避できなかった」とし、過失は問えないと結論づけた。
出典
『10人死亡の整形外科火災、院長を不起訴 福岡』
http://www.asahi.com/articles/ASK3G3RHHK3GTIPE00F.html
2017年3月9日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正4として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6801/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6800/
第2報は下記参照
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6867/
(2017年3月22日 修正4 ;追記)
2017年3月14日付で埼玉新聞から、防火シャッターの一部が完全に閉まっていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月17日付で朝日新聞埼玉版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
倉庫に設置されていた防火シャッターの一部が、物品が挟まるなどして作動していなかったことが、14日、総務省消防庁と国交省の防火対策や消火活動の在り方を議論する第1回の検討会で明らかになった。
会議資料などによると、防火シャッターは火災発生時、自動的に床まで下りて延焼を防ぐ仕組みになっていたが、倉庫火災では、一部のシャッターが正常に作動していなかった。
コンベヤーにぶつかったり、物品に阻まれて閉まりきっていないシャッターもあった。
また、消火活動で消防隊員が2階から2カ所の屋内階段を使って3階に上がろうとしたところ、3階のドアはいずれも施錠されており、進入できなかったことも判明。
電子ロックがかかっており、関係者からカードキーを借りる必要があったという。
一方、屋内に61基、屋外に10基設置されていた消火栓は、初期消火時、ほとんど使用された形跡がなかったという。
アスクルは、防火シャッターやスプリンクラーなどの防火設備について、消防法や建築基準法に則って整備したと説明。
今月9日の会見で、「防火シャッターの点検は半年に1回、出火前は昨年11月に実施している」としていた。
出典
『<アスクル火災>物挟まり防火シャッター動かず 消火栓も使用されず』
http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/03/15/01_.html
3月14日7時55分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
倉庫の2階では、防火シャッターの一部が全く動いていなかったほか、一部はベルトコンベヤーのつなぎ目が障害となって閉まりきっていなかったことが、関係者への取材でわかった。
火災が起きると、ベルトコンベヤーのつなぎ目が自動的に折りたたまれて、防火シャッターが床まで降りる仕組みになっているが、今回の火災では、こうした仕組みが機能していなかったと見られるという。
出典
『アスクル倉庫火災 防火シャッターの一部作動せず』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170314/k10010910121000.html
3月16日18時17分にNHK首都圏NEWS WEBからは、初期消火時に一部の消火栓で水が出なかった、消防法で倉庫にはスプリンクラー設置義務なしなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
その後の調べで、出火当時、従業員2人が屋外にある消火栓を使って初期消火を試みたものの、一部の消火栓で水が出なかったことが消防への取材でわかった。
・・・・・
消火設備の設置基準などを定めた消防法では、人の出入りが多い商業施設や病院などと異なり、倉庫にはスプリンクラーを設置する義務がなく、今回、火災が起きたアスクルの倉庫でも、燃え方が激しかった2階と3階にはスプリンクラーがなかった。
大型の物流倉庫は、インターネット通販の拡大などに伴って増加しているほか、商品の保管だけでなく、荷さばきや仕分け作業を行う機能も備えるなど、人が出入りすることが多い施設に変化していて、アスクルの倉庫にも出火当時、400人あまりが働いていた。
東京消防庁のOBで市民防災研究所の坂口隆夫事務局長は、「これまでの倉庫は、作業をする人が少なく、人命が危険にさらされる可能性が低かったため、法律の規制も緩やかだったが、今後は、スプリンクラーのような設備を義務づけることを検討すべきだ」と述べ、法律の見直しも検討すべきだと指摘している。
出典
『アスクル倉庫 消火栓の水出ず』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170316/4581201.html
3月17日8時46分に毎日新聞からは、段ボール置き場以外の1階はほとんど燃えていないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日に開かれた総務省消防庁と国土交通省の「三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策などに関する検討会」では、今回の火災の鎮火に要した時間が同規模施設で過去最長だったことも明らかになり、巨大化する物流倉庫の防災対策に一石を投じた。
検討会の資料などによると、火災は2月16日朝に3階建て倉庫1階の廃段ボール置き場で発生。
1階の他の場所はほとんど燃えていないことから、火は、この部屋の天井部分にあった「排出口」から2階に燃え広がったとみられる。
出火当時、従業員2人が初期消火を試みたが、屋外消火栓のポンプが作動せず、水が出なかったことも判明した。
・・・・・
消防庁の資料では、延べ床面積1万m2以上の倉庫火災について、発生から鎮火までの時間は、これまで、14年に愛知県蟹江町であった倉庫(約2万5000m2)火災が45時間で最長だった。
今回の火災は、その6.5倍に当たる296時間を要した。
5万m2以上に及ぶ「大規模倉庫」は昨年度時点で全国に150施設あり、10年前の約3倍に増加している。
アスクル側は、三芳町の倉庫について、「(防災面で)法令上、適切に設計されていた」と説明しているが、検討会の座長で火災科学を専門とする小林恭一・東京理科大総合研究院教授は、「(三芳町の倉庫は)大勢の従業員がいてロボットやコンベヤーなど複雑な設備を備えており、倉庫の一般的イメージとは異なる施設だった。このような施設に対応するため、規制など制度的な見直しを考える必要がある」と話した。
出典
『アスクル火災 鎮火まで過去最長 同規模施設で』
http://mainichi.jp/articles/20170317/k00/00e/040/164000c
2017年3月15日7時40分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後1時35分頃、兵庫県宝塚市のJR福知山線・宝塚駅北西約200mの線路脇で、改修工事中のビル(3階)の外壁に組まれた足場が倒れ、線路上の電線に接触した。
けが人はなかった。
この影響で、同線は塚口(兵庫県尼崎市)~新三田(同三田市)間の上下線で約6時間運転を見合わせ、98本が運休。4万3000人に影響した。
警察の発表では、足場(長さ約30m、高さ約20m)のうち、上部の約5mが折れ曲がり、架線の近くを通る雷対策用の電線に接触した。
市消防本部によると、宝塚市内で当時、風速10m前後の風が吹いていたといい、足場の表面に張られたメッシュシートが風であおられた可能性があるという。
警察は、過失往来危険の疑いもあるとみて、工事業者に事情を聞く。
警察によると、「工事の足場が風にあおられ、線路に倒れかかっている。電車を止めてほしい」と、工事中のビルの警備員から110番通報があったという。
出典
『線路脇の足場倒れ電線に接触、6時間運転できず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170315-OYT1T50026.html
『JR宝塚線が一時運転見合わせ 足場が線路に倒れる危険』
http://www.asahi.com/articles/ASK3G4SM0K3GPTIL016.html
2017年3月14日11時55分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前8時ごろ、大阪市淀川区野中北のレンタルフォトスタジオ「Sスタジオ」でスプレー缶が破裂し、出火。
鉄筋2階建てのスタジオ延べ計約420m2のうち、1階の約50m2が焼けた。
この火災で、スタジオ代表の男性(40)=大阪府東大阪市=が顔や手にやけどを負って重傷。
警察などによると、当時、男性は1階の作業場で1人で作業中。
座椅子の背もたれを倒した際にスプレー缶が落下し、ストーブに引火したという。
現場は阪急宝塚線の西隣。
阪急によると、運行への影響はなかった。
出典
『レンタルフォトスタジオでスプレー缶爆発、男性がやけど 大阪・淀川』
http://www.sankei.com/west/news/170314/wst1703140039-n1.html
(ブログ者コメント)
スプレー缶が落ちたぐらいで引火し、火災になるものだろうか?
ブログ者には、ちと考えにくい。
可能性があるとすれば、満タン状態の重たいスプレー缶がノズル部分を下にして落下し、床に当たった際にノズルが押され、瞬間出たガスに引火して近くのカーテンか何か燃えやすいものに燃え移った・・・ということぐらいだが?
なにはともあれ、輻射熱の問題もあり、ストーブなどの火源のそばには、スプレー缶は置かないほうがよさそうだ。
2017年3月13日20時36分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪経済法科大(大阪府八尾市)の校舎解体工事で重機を操作して作業中、4階の足場付近にいたとび職の男性を落下させ重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた大阪市の会社員の男性被告(43)に対し、大阪地裁は13日、無罪(求刑罰金30万円)の判決を言い渡した。
検察側は、外壁を引き倒す前に、足場との連結部分を外していたとび職の男性の位置を確認する注意義務を怠ったと主張。
伊藤裁判長は、判決理由で、被告が取り外し作業完了の合図を受けていたと指摘し、「一般的な解体手順では、その後にとび職が現場付近に戻るとは想定できない」として、注意義務違反を認めなかった。
判決によると、とび職の男性は足場に上る合図をしておらず、安全帯は着用していなかった。
被告は、平成26年3月9日、ショベルカーで外壁を取り壊す際、とび職の20代男性を地上に落下させ、右腕骨折などのけがを負わせたとして、27年12月に在宅起訴された。
出典
『校舎解体のとび職転落事故で、重機の作業員に無罪 大阪地裁「注意義務ない」』
http://www.sankei.com/west/news/170313/wst1703130065-n1.html
2015年2月22日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4636/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4637/
(2017年3月21日 修正2 ;追記)
2017年3月13日20時10分にNHK北海道NEWS WEBから、副店長に有罪判決という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月13日13時53分に読売新聞から、3月13日14時28分に共同通信から、3月14日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
安全管理を怠ったとして業務上過失傷害の罪に問われている実質的な店の責任者である副店長に対し、札幌地裁は13日、罰金40万円の判決を言い渡した。
金子裁判長は、「施設管理や安全確保は被告の業務の一環で、事故の直前に看板と同じ色の部品が看板の真下の歩道に落ちているのを確認しており、看板からさらに部品が落ちる可能性を十分予測できた。歩行者に危険が及ばないよう注意喚起していれば事故は避けられた」と指摘した。
その上で、「被害者は非常に重いけがを負い、被告の落ち度は重大であるが、今後、被害者やその家族に謝罪し、誠意ある対応をすると約束している」として、副店長に罰金40万円の判決を言い渡した。
弁護側は、最初の部品の落下後、目視点検をしたが、看板の一部と認識することは難しく、事故は予見できなかった点や、看板設置工事の欠陥が事故原因、副店長は看板の維持管理の責任者でないなどと主張し、無罪を求めていた。
判決を受け、弁護側は13日午後、札幌市内で記者会見し、「事故の予見可能性を広く捉え過ぎている」と批判した。
関係者によると、部品が頭に当たり重傷を負った女性は、現在も意識不明の状態が続いている。
この事故のあとも、ビルの外壁や看板などが落下する事故は全国であとを絶たず、歩行者などがけがをするケースも少なくない。
このうち仙台市青葉区では、去年4月、ビルの屋上に設置された金属製の板が風にあおられて落下し、通りかかった男性が頭にけがをした。
長崎県時津町でも、去年4月、ビルの2階部分の外壁にかかっていた美容室の看板が風に飛ばされ、バスを待っていた女性が軽いけがをした。
札幌市でも、おととし4月、ススキノの雑居ビルから金属片が落下し、70代の男性が軽いけがをした。
事故をきっかけに、札幌市は対策を強化したが、課題も残っている。
札幌市では、事故の前から、屋外に設置した看板は3年に1度、所有者が定期的に点検を行い、鉄骨の腐食や変形、ボルトのゆるみなど、18の検査項目で異常がないかを市に報告するよう、義務づけていた。
しかし、検査の方法については具体的に定められておらず、今回落下した看板も、事故の3年前の点検で地上から目視を行っただけで、すべての項目で「異常なし」とされていた。
このため、札幌市では看板の状態を正確に把握するため、点検結果の報告の際に所有者に対し、看板の接続部や看板を支える部分などの写真を添付し、どのような点検を行ったかを具体的に記載させるなど、対策を強化した。
このうち、繁華街ススキノを抱え、看板の数が道内一多い札幌市中央区では、規制が強化されたあと、およそ500件分の看板について点検報告が寄せられ、区の担当者が内容を精査した結果、5件の看板で落下のおそれがあるとして、所有者に改善を求めたという。
しかし、中央区によると、規制が強化された去年1月以降、提出期限を迎えながら点検報告が行われていない看板が200件あまりと、全体のおよそ3件に1件に上っていて、対策には課題も残っている。
出典
『看板落下 罰金40万円の判決』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170313/4350881.html
『看板落下で重体、副店長に罰金40万…札幌地裁』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170313-OYT1T50113.html
『看板落下で重傷、罰金40万円 飲食店責任者に札幌地裁』
https://this.kiji.is/213881703571015163?c=39546741839462401
『札幌・看板落下 女性重体 「予見できた」 かに店副店長に有罪 地裁判決』
http://mainichi.jp/articles/20170314/ddm/041/040/141000c
3月13日23時28分にNHK北海道NEWS WEB新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
判決によると、被告は事故の約2時間前、歩道上に鉄製部品があることを通行人に指摘された。
金子裁判長は、「鉄製部品は真上にある看板と色合いや質感が似ていた。そのことは歩道上から目視で把握でき、看板からさらに別の部品が落下する恐れがあることは想定できた」と予見可能性を認め、「店内に備えていたコーン標識などで歩行者に注意喚起すれば、事故を回避できた」と判断した。
事故原因については、「看板の部品や支柱の接続部分の強度が著しく劣化し、一部は固定すらされていなかったことにある」と認定。
「看板の維持管理に当たっていた(本社の)担当者らの落ち度も重大」とし、被告の罰金額を求刑よりも減らした。
出典
『S店、看板落下事故 罰金40万円 「副店長、予測可能」』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0378314.html
2017年3月13日付で日経ビジネスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
いつ誰がかかってもおかしくない「身近な病」である認知症。
認知症が進行すると判断能力に支障をきたすため、仮に経営者が認知症を患えば、意思決定や契約作業に支障が出て、会社が傾くことにもなりかねない。
そんな“事件”が後を絶たない。
《認知症事件簿1》
数年前、東証1部上場のあるメーカーで異変が起きた。
高齢になった経営トップの言動に、明らかな事実誤認が増えてきた。
勘違いから他社の人間に対しても激高するといったトラブルが増えてきたのだ。
同社幹部は、「『天皇』と呼ばれるようなトップに、病院に行くことを勧められるわけもなかった」と顔を伏せる。
結局、同社は、本人の「体調不良」がひどくなり入院するまで、同トップに振り回され続ける羽目になった。
《認知症事件簿2》
ある機械メーカーの事実上の創業トップは、数年前から記憶違いや物忘れが目立つようになった。
見かねた長男が説得し、トップの座を退いた。
《認知症事件簿3》
ある部品メーカーのトップは、取締役会をドタキャンするなど、重要な予定をすっぽかすことが増えた。
高齢で出張もままならなくなっており、周囲から退任を迫られ抵抗したものの、最終的に辞任を受け入れた。
認知症で最も多いアルツハイマー型の場合、初期に主に記憶障害が現れる。
記憶障害が起きると、自分の行動そのものを忘れてしまうため、失敗したことを自覚できず、時として、人のせいにしたり、うそをついてごまかそうとする。
「認知症の経営トップによるトラブルでよくあるのは、ついこの間、得意先から物を納めてもらったり寄付金を受けたりしたものの、その記憶がまったくなくて、『お宅からはまだもらっていない』などと平気で言ってしまうこと」。
こう話すのは、東京女子医科大学の岩田誠名誉教授。
信用問題となり、場合によっては相手とけんかになって縁が切れてしまった事例などに、多数遭遇してきたという。
企業でも、幹部社員でなければ社会的に大きな問題にならないが、責任ある立場の上の人がこうした行動を取ると、会社全体が危機にさらされることになる。
さらに岩田氏は、「とくに怖いのは、経営トップの判断力の衰えに乗じて、よからぬ企みをする人々がいることだ」と加える。
実際、こんな事例があった。
ある学校法人で、そこの学長を決めるのに、学校法人を乗っ取る計画のある人物を新学長に据えようとする動きが秘密裏にあった。
それを気付いた人が阻止したからよかったけれど、認知症を発症していた理事長には、事態を判断する能力がなかった。
「そういう例はいくらでもある」と岩田氏。
「つまり、認知症を患う経営トップは狙われやすい。狙う方は、あの人は認知機能がちょっと落ちてきているという情報をある程度つかんでいて、そこにつけ込んでくる」と話す。
経営トップが認知症のためにもたらされる悲劇。
それを回避するには、どうすればいいのか。
認知症専門の精神科病院「和光病院」(埼玉県和光市)の今井幸充院長は、「トップが変なことを言ったりやったりしたときに、周りの人がきちんとその異変に気づき、専門家による客観的な判断や指示を仰ぎながら、本人に病を自覚してもらうことが極めて重要」と話す。
認知症にはいろいろなパターンがあり、本人が記憶力や判断力が低下していることに気がつく場合もあるが、本人は異常をまったく自覚していないことも少なくない。
高齢になるほど、後者の傾向がより強くなるとも言われており、「経営者自身が異常に気づいていないのだから、周囲の人が言ってあげるしかない」と今井院長は語る。
とはいえ、本人がその団体で実力者の経営トップともなれば、周囲もちょっと変だなと思っても、それをなかなか言い出しにくいもの。
また、うっかり注意すると閑職に追いやられるなど、自分が不当な扱いを受けてしまう恐れもある。
だが今井院長は、「周囲が何もできなければ会社はなくなってしまう。そう肝に銘じて周囲は行動に移すしかない」と言う。
経営者が認知症になれば、もはや第一線での現役続行はかなわない。
混乱が生じないよう、退いてもらう必要がある。
その引導の渡し方も難しいところだが、今井院長は、例えばオーナー経営者に対しては「『この会社をつくり、成長させたのはあなたなんです。それがもしつぶれるようなことになれば、我々は困るし、あなたの名誉もガタ落ちになります』などと正直に伝えてほしい」とアドバイスする。
「認知症の人は、生活する能力は衰えるけれども、初期であれば、相手の感情とかはよくわかる。ましてや、ビジネスで成功してきた人は、損得感情に長けている。だからこそ、認知機能の低下に伴う経営リスクを具体的に挙げ、情に訴えれば、納得してくれる場合が多い」と今井院長は言う。
岩田教授も、本人の認知症の兆候に周囲がいち早く気づき、本人に対し病への自覚を促してできる限りスムーズな引退につなげることの重要性を説く。
本人への進言にあたっては、「トップが長年腹を割って話し合ってきたような人物で、直接利害関係のない先輩に当たる人がベスト」と言う。
認知症になると猜疑心も強くなりがちで、かつ、一般に、高齢になるほど、自分を認めてくれて、自分が認めた相手の言うことしか聞く耳を持たなくなるとの理由からだ。
もちろん家族でも構わないが、既に聞く耳を持っていないケースが多いという。
また、岩田教授は引退勧告の仕方について、「いろいろ工夫を凝らしてみることも大切」と話す。
岩田教授の親戚は、ある会社を興した人物で、80歳過ぎのころから、かなりはっきりしたアルツハイマーの症状が出るようになっていた。
そのときは息子が社長で、本人は会長を務めていた。
会長職だから会議に来てある程度の発言もする。
その際、せっかく決まりかけていたことを元に戻してしまうなどの弊害が生じてしまっており、社長である息子から岩田教授は相談を受けていた。
どうすべきか対応を考えていたところ、景気の低迷により、会社は業績悪化でリストラせざるを得ない状況に陥っていた。
ならばそれを使おうと思い立ち、岩田教授から本人に対し、「業績も悪くなったし、ここで会社は社員をリストラしなければいけない。ついては範を垂れてくださいませんか」と伝えた。
本人にとっては、自分が作った会社だから、会社に対する愛着はあるし、会社の業績が悪化して危機になっていることも認識できる。そのため、大事な社員の首を切るということなら、「わかった」と言って辞めてくれたという。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
認知症の経営者によるトラブルを避けるには、認知症を発症する前から経営トップが心がけて置くべきことも当然ある。
岩田教授、今井院長ともども、それは「風通しのいい組織つくり」と口をそろえる。
周囲が認知症の兆候にいち早く気づいて適切な診断につなげていくことが重要とはいえ、カリスマ性のあるワンマン経営者の場合、明らかな異変が見られたとしても、周囲はやはり言い出しにくい。
もともと、ワンマン経営者の周囲にはイエスマンしかいないことが多いため、自己否定されることに慣れていない。
ましてや、意見を言える人もいない。
そこに加齢が加わり、暴走に歯止めがかからなくなれば、悲惨な末路が待ち受けるばかりだ。
もちろん、本人があらかじめ認知症に対する正しい知識を持っておくことも欠かせない。
正しい知識を得たら、周りの役員などに「こんな兆候が現れたら病院に連れて行ってくれとか、私の言動にストップかけてくれとかを伝えておける」(今井院長)からだ。
今井院長の師匠に当たるドクターは、「僕がおかしいと思ったらいつでもおかしいと言え。僕は気づかないから」と言っていたという。
当初は笑い話ぐらいにしか受け止めていなかったが、実際、師匠はその後、どんな患者に対しても同じ診断名をつけるようになった。
そこで、これはおかしいと思った今井院長はもう一人の師匠に相談したところ、彼から本人に話をしてくれた。
するとその翌日、「わかった。では、私はあとは若い人に任せるから辞める。医師としての診断ができないので」とすんなり身を引いたそうだ。
「経営トップは、認知症になったらどう若い人に受け継いでいくかということを、自分の中で、また若い人と相談しながら決めておくべきだろう」と今井院長。
「少子高齢化の中、年配の方は自分のお墓のことなどは、結構考えている。それと同じにように、企業のトップは自らの引き際を考えて、格好良く終わらせてほしい。今は認知症が大きく取り沙汰され、世間の関心も集まっている。だからこそ今の経営者は自分が認知症になったときにどうすべきかというのを考えていかないと、これからの企業は成り立たないのではないか」と投げかける。
認知症はいつなるか、誰がなるか分からない病だからこそ、健康なうちに備えておく必要がある。
出典
『あなたを襲う認知症 経営が止まる 社会が揺れる 経営トップが認知症となった「悲劇」 2人の著名医師が語る現実と事態打開の処方せん』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/031000124/031000002/?P=1
2017年3月13日3時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中国からの渡航者が日本に持ち込もうとして没収された鳥肉から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されていたことが、農水省動物検疫所などへの取材でわかった。
人に感染する可能性は低いが、野鳥などを介してニワトリなどの家禽に感染する恐れがある。
検疫で没収される畜産物は全体の一部とみられ、専門家は、対策強化の必要性を訴える。
調査は、世界的に鳥インフルの流行が近年続いていることから、動物検疫所と北海道大学が共同で初めて実施。
2015年6月~今年2月に羽田空港など全国9カ所の空港や港で渡航者の荷物から没収されたニワトリやアヒルの肉や卵など228検体を調べた。
その結果、中国の上海、アモイ、香港から成田、中部の各空港に持ち込まれたニワトリとアヒルの生肉3点から、高病原性鳥インフルエンザのH5N1亜型とH5N6亜型のウイルスが見つかった。
両ウイルスは中国などで人への感染が確認され、死者も出ているが、死んだニワトリなどに濃厚接触したことが原因とみられている。
また、中国や台湾、ベトナムから成田、羽田、関西、中部の4空港に持ち込まれたニワトリやアヒルの生肉9点からも、低病原性のウイルスが検出された。
検出されたH5N6とH5N1のウイルスをニワトリとアヒルに感染させると、約9割のニワトリが3日目までに死亡。
死んだニワトリの血液を調べると、全身でウイルスが増殖しており、強毒性と確かめられた。
遺伝子解析により、中国で流行するウイルスと近縁であることがわかった。
海外からの肉類の持ち込みは、家畜伝染病予防法に基づき、検査証明書がない限り認められていないが、日本で生活する人が帰省した際に本国から持ち帰ったり、土産で持ち込まれたりすることがあるという。
さらに日本は、現在、中国やベトナム、台湾など、鳥インフルの発生が報告される国・地域からの家禽の肉、卵などの輸入を停止している。
大槻公一・京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長によると、国内で流行する鳥インフルエンザは渡り鳥によって運ばれると考えられており、「携行品で持ち込まれる可能性は想定されていない」と指摘。
持ち込まれた肉が屋外に捨てられ、野鳥が触れたり、生肉に触れた人が農場や動物園に行ったりして感染が広がる恐れがあるという。
一方、海外から渡航者は急増しており、検疫所で没収された畜産物は、中国からを中心に15年は約6万2700件(約83トン)に上り、11年と比べほぼ倍増した。
調査にあたった北大の迫田義博教授(ウイルス学)は、「すべてを検疫で見つけるのは難しく、今回見つかったのは氷山の一角とみられる。季節に限らず常に持ち込まれているという前提で、防疫対策を進める必要がある」と言う。
大槻さんは、「東京五輪に向けて訪日客が増えることが予想されており、水際対策は重要性を増している。厳しい手荷物検査や探知犬の拡充など、検疫を徹底すべきだ」と話している。
出典
『中国から持参の生肉、鳥インフル検出 検疫に限界も』
http://www.asahi.com/articles/ASK385VTKK38ULBJ00P.html
3月13日5時0分に朝日新聞からも、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
中国からの渡航者が持ち込もうとした肉から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが見つかった。
空港などの検疫の現場では、犬を使った水際対策などが取られているが、没収できるのはごく一部とみられる。 (1面参照)
3月上旬、羽田空港国際線ターミナルの入国検査場。
上海と北京からの便が到着すると、動物検疫所羽田空港支所の本田・家畜防疫官(33)が、検疫探知犬を連れて回った。
犬が渡航客の荷物をかぎ分けながら進むと、若い男女の荷物を載せたカートの前で止まり、静かに座った。
「発見」の合図だ。
別の防疫官が窓口まで案内し、4つのトランクを開けると、ソーセージや豚肉などが出てきた。
法律で許可のない輸入は禁じられており、その場で没収。
同支所の角田次長は、「トランク一つ分持ち込もうとして没収される人もいる」という。
税関の検査で持ち込みがわかった肉類もあった。
ただ、犬がチェックできるのは一部で、中身のわからないまま通過する荷物が後を絶たない。
すべての便に対応するのは難しく、探知犬を使うのは、鳥インフルが報告される中国など、リスクの高い国からの便が中心。
禁輸品が見つかるのも、中国からの便が最も多いという。
日本で生活している人が帰郷した時に本国から持ち帰ったり、日本にいる家族や友人に土産で持ってきたりするケースのほか、業者が食材として大量に運び込もうとすることもある。
旅行客の荷物から見つかることもあるという。
出典
『追いつかぬ、肉の検疫 鳥インフル検出、水際の空港』
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12838863.html?rm=150
2017年3月13日14時49分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午前7時15分ごろ、東京都中央区銀座の10階建てのビルの6階付近で、窓の清掃をしていた60代の男性が約20m下の地面に転落し、搬送先の病院で死亡した。
男性はヘルメットをつけていたが、安全帯や命綱はつけていなかったといい、警察が業務上過失致死容疑も視野に、関係者から事情を聴いている。
警察によると、男性は当時、ほかの作業員2人とともに窓の清掃作業をしていた。
ビルには窓の周辺に幅30cmほどの足場があり、男性は、清掃を終えた窓から別の窓へ移動しようとした際に転落したとみられる。
出典
『銀座のビルで窓清掃の男性が転落死 安全帯付けず』
http://www.sankei.com/affairs/news/170313/afr1703130022-n1.html
3月13日18時40分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、当時、男性は窓の外側にある幅30cmほどの枠に立って作業していたが、命綱を着けていなかったという。
出典
『命綱なし窓清掃…銀座でビル6階から作業員転落死』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000096360.html
(ブログ者コメント)
テレビ朝日の映像によると、壁一面、窓の外側に5列でオブジェのような円柱状の窪みが取り付けられている。
そして、その窪みの深さは見た目30cm程度。
ビル外壁に足場が映っていない点から推測するに、その窪みを足場に・・・ということだったのかもしれない。
もしそうだったとすれば、そのような場所で命綱なしに別の窓に移動するなど、ブログ者にはとても怖くてできない。
2017年3月12日21時40分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月12日20時32分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時すぎ、京都市伏見区向島大河原の宇治川河川敷で、無線操縦のラジコンヘリが墜落して炎上、アシなどの雑草約22.5ヘクタールが焼けた。
消防車15台と消防ヘリ1機が出動し、近くを通る国道1号の巨椋(おぐら)大橋の南行き車線を一時通行止めにして消火に当たった結果、午後5時17分に鎮圧された。
けが人はなかった。
警察によると、ラジコンヘリは全長約1.6mで、動力源はバッテリー。
愛好者が集まる近くの無線操縦専用の京都模型飛行場で、大阪府の会社員男性(66)が操縦していたという。
目撃した人の話などから、警察は、何らかの原因で回転翼のスピードが弱まって墜落したとみている。
京都市には、事故当時、乾燥注意報が出ていた。
出典
『ラジコンヘリ墜落、河川敷焼く 京都・伏見』
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170312000117
『河川敷に無線操縦ヘリ墜落 23ヘクタール延焼 京都』
http://www.asahi.com/articles/ASK3D5FQ7K3DPLZB00K.html
(ブログ者コメント)
写真を見ると、山焼きと見間違うばかりに火が燃え広がり、広範囲に黒い煙がモクモクと出ていた。
2017年3月12日20時40分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月12日19時44分にNHK和歌山から、3月13日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時15分ごろ、和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で、アジアゾウの体を洗っていたタイ国籍の飼育員マディさん(37)が、ゾウが振り回した鼻に当たり、救急搬送された病院で約1時間後に、脳挫傷による死亡が確認された。
警察が、当時の詳しい状況を調べている。
警察によると、ゾウは40歳の雌のラリー(約3.5トン、高さは3m近い)。
当時、マディさんは開園準備のため、別のタイ人男性飼育員(53)とともに、おりの中でラリーを含む2頭のゾウの体を洗っていたという。
マディさんがラリーの顔付近を洗っていたところ、ラリーが嫌がったため鼻が当たっておりの鉄柵に飛ばされ、たたきつけられた。
ラリーはさらに、マディさんに襲いかかり、鼻で体を押さえつけたため、男性飼育員が救助。
マディさんは病院搬送時、すでに意識がなかったという。
施設は開園前で、客はいなかった。
施設はこの日、通常より5分遅れでオープンしたが、13、14日は臨時休園する。
ラリーは昭和53年の開園当初からこの動物公園で暮らしているが、飼育員にけがをさせたことはなかったという。
亡くなったマディさんはタイで10年以上、ゾウを飼育した経験があり、平成27年から同施設に勤務していた。
出典
『アジアゾウに襲われ、タイ人の男性飼育員が死亡 和歌山・アドベンチャーワールド』
http://www.sankei.com/west/news/170312/wst1703120022-n1.html
『ゾウの鼻にあたり飼育員死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2044663341.html?t=1489348635244
『飼育員死亡 洗体作業中、ゾウにたたかれ 脳挫傷で 和歌山』
http://mainichi.jp/articles/20170313/ddm/041/040/075000c
2人は、体を横たえたラリーに水をかけてブラシで洗っていたが、ラリーが急に立ってマディさんに鼻を当て、金属製のおりの柱(直径約15cm)に押しつけたという。
出典
『象の鼻に当たり飼育員死亡 アドベンチャーワールド』
http://www.asahi.com/articles/ASK3D3TP5K3DPXLB00D.html
3月12日20時22分に同じ産経新聞westから、過去の大型動物をめぐる主な事故のリスト付きで、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
動物園やサファリパークなどで飼育員がライオンやゾウなど大型動物に襲われる事故は、近年、全国的に相次いでいる。
千葉県成田市の動物プロダクションでは、今年1月、飼育員の男女2人が雄の成獣のライオンに襲われ重傷。
翌月には長野県小諸市の市動物園で、20代の女性飼育員が雌ライオンに顔や足をかまれ、大けがを負った。
今回のアドベンチャーワールドと同様、ゾウが絡んだ事故もあり、平成24年にはラオス人の男性飼育員が雌のアジアゾウに胸などを踏まれて死亡。
ゾウは穏やかそうな外見とは対照的に飼育員との事故が多い動物とされ、千葉県市原市の「市原ぞうの国」の広報担当者は、「体が大きく、わずかな動作でも飼育員の大けがにつながりやすい。信頼関係がなければ近づいてはいけないが、人間とのコミュニケーションを求める性格もある」と、飼育の難しさを強調した。
動物の行動に詳しい岩手大学の出口善隆准教授も、「雌ゾウは、発情期や排卵が近づくと、外部との接触を嫌がる傾向にある」と指摘。
その上で、全国的に大型動物の飼育事故が相次いでいることについて、「飼育下の動物でも、野性的な面は完全には排除できない。施設は飼育員の経験に頼るだけではなく、緊急避難の方法など対策を考えていく必要がある」と話した。
出典
『ゾウの飼育員死亡 「飼育下でも野性的な面は排除できない」 専門家が警鐘』
http://www.sankei.com/west/news/170312/wst1703120043-n1.html
3月14日17時50分にNHK和歌山からは、施設は飼育方法を変更するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設では臨時休園して、事故の再発防止策を検討してきた。
その結果、今後は原則として飼育員がゾウと同じスペースに入らずに、柵の外から餌やりや体の洗浄などを行い、掃除の際には前もってゾウを別の場所に移動させることになった。
これを受けて、今月17日から営業を再開するが、来園者がゾウの背中の上に乗ったり餌を与えたりする催しについては引き続き休止し、安全対策の検討を進めるとしている。
日本動物園水族館協会によると、国内では、同じ飼育スペースに入ってゾウの世話を行う施設が多いということだが、アメリカでは、トレーニングを重ねることで、柵の外からでも飼育や健康チェックを行えるようにしている施設が増えているという。
今回の事故を教訓に、誰もが安心できる飼育方法を検討することが、改めて求められている。
出典
『ゾウの事故で飼育方法を変更』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2044710691.html
(ブログ者コメント)
産経新聞westに掲載されている事故リスト中、いくつかの事例は本ブログでも紹介している。
2017年3月10日8時27分にNHK福岡NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州大学の研究グループは、ドイツで開発されたものの、まだ広く普及していない鉄鋼材料が、動物の骨に似たしなやかな構造を持ち、金属疲労に強いことを発見したと発表した。
九州大学大学院の津崎兼彰教授や小山元道助教らのグループは、ドイツの研究所が2008年に発表したものの、まだ広く普及していない鉄鋼材料に注目し、金属疲労の進み具合について実験を繰り返した。
一般的な鉄鋼と比較したところ、比較的弱い負荷をかけた場合は大きな差がなかったのに、強い負荷をかけると、ドイツの鉄鋼材料は10倍以上の強さを示したという。
このため電子顕微鏡で調べたところ、動物の骨に似たしなやかな構造を持ち、金属疲労に特有の亀裂が生じても拡大しない特徴があることがわかったという。
津崎教授は会見で、「この鉄鋼を使えば金属疲労を防ぐことができ、より安全な飛行機や車を開発することが可能だ」と話している。
この研究成果は、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載されたという。
出典
『金属疲労に強い鉄鋼材料を発見』
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20170310/4543481.html
(ブログ者コメント)
九州大学HPに3月10日付で、以下の記事が掲載されていた。
「サイエンス」に金属疲労関係の記事が掲載されるのは珍しいとのこと。
『骨のような壊れ方で、金属疲労に強いミクロ構造を、鉄鋼材料で発見 -安全安心に貢献する金属疲労研究の新展開-』
輸送機器や機械類の破壊事故の約8割は金属疲労が原因とされています。
このため、金属材料と金属部品の疲労特性を正しく理解し評価すること、また疲労特性に優れた金属材料を地道に開発し製造することは、地味な営みではありますが、安全安心な社会基盤の実現にとって重要です。
金属疲労破壊では、一度に加える力は小さくても何度も繰り返して加えることで、材料表面に微小なき裂が発生しそれが拡大伝ぱして次第に大きく広がり最終的な破壊に至ります。
九州大学大学院工学研究院機械工学部門の小山元道助教、野口博司教授、津﨑兼彰教授の研究グループは、この疲労き裂の発生と伝ぱを抑えるために、き裂先端部分での局所的な力学状態と金属ミクロ構造の関係に注目した研究を行いました。
き裂発生の抑制の為にき裂周囲の金属が膨張や硬化する構造、き裂伝ぱ抑制の為にき裂面同士の摩擦が起こる構造に着目して、画期的な疲労特性を示す鉄鋼を見出しました。
特に「層状形態を要素に含む階層性原子集団の金属ミクロ構造」によって、鉄鋼が動物の骨のような粘りのある壊れ方をするため、き裂伝ぱが抑えられて疲労寿命が格段に延びることを明らかにしました。
本成果は、応用面実用面への貢献はもちろん、疲労などの力学特性に優れた金属材料の開発に貢献する金属物理学、また鋭いき裂先端という特殊な力学状態を解析する破壊力学の両学問分野にとっても新展開をもたらすものとして期待されます。
本研究は米国・マサチューセッツ工科大学およびドイツ・マックスプランク鉄鋼研究所と連携して九州大学伊都キャンパスで実施され、その成果は平成29年3月9日(木)午後2時(米国東部時間)に米国科学誌ScienceにREPORT(筆頭著者:小山助教)として掲載されました。
また、本研究は日本学術振興会科学研究費補助金若手研究(B)(15K18235)および基盤研究(S)(16H06365)の支援により遂行されました。
[研究者からひとこと]
構造金属材料の疲労に関する論文がScience誌に掲載されたことは長い間ありませんでした。
本成果はそれほどに金属疲労研究として画期的であり、機械工学と材料科学の研究者がスクラムを組むことで初めて達成できました。
これを安全安心な社会基盤の構築にとって重要な金属疲労研究の活性化と新たな展開に繋げるために、今後も教育研究を続けます。
http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/97
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

