2019年3月26日18時3分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日正午前、高知市にあるとさでん交通の朝倉電停で、下りの電車が上りの電車の到着を待たずに単線区間に進入し、双方の電車は37mの距離まで接近して停止した。
乗客あわせて12人にけがはなかった。
国の運輸安全委員会は、事故になりかねない重大インシデントと認定し、26日午後、鉄道事故調査官2人を現地に派遣し、本格的な調査を始めた。
とさでん交通によると、この電停では、電車が行き違う際に通票と呼ばれる金属のしるしを運転士どうしが受け渡す決まりになっていたが、下り電車の運転士は「受け取るのを忘れた」と話しているという。
この電停では3年前にも同様のケースがあり、運輸安全委員会から信号の設置を検討するようコメントされていたが、予算の都合で実現できていないという。
国の運輸安全委員会の小池鉄道事故調査官は、「一歩間違えれば大惨事となり、危険な事例だ。3年前の再発防止策をどのように生かしてきたのか検証したい」と話していた。
【とさでん交通の対応は】
通常、朝倉電停では、電車が確実に行き違ったことを確認するため、上りの電車の運転士から下りの電車の運転士に通票と呼ばれる金属のしるしが手渡されることになっている。
今回の一件を受けて、とさでん交通では、朝倉電停に新たに社員を配置し、運転士の間での通票の受け渡しの確認にあたる対応を、当面の間、続けることにしている。
朝倉電停では、3年前にも、通票の受け渡しを忘れた電車が単線区間に誤って進入していて、その後、とさでん交通は、通票を受け取った運転士は近くの電停に無線で連絡し、進入の指示を受けることを新たに定めたほか、通票の受け渡しの確認の徹底を求める看板を電停に設置するなどして、再発防止に向けて取り組んできたという。
出典
『路面電車誤進入 調査始まる』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20190326/8010004675.html
3月26日8時40分に高知新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
伊野線は、鏡川橋(高知市)~伊野(吾川郡いの町)間が単線区間。
朝倉電停以東は信号で管理しているが、朝倉~伊野間は、衝突を避けるため、対向車両同士が「通票」と呼ばれる通行手形を受け渡して、通票を受け取った車両だけが進入できる。
同社によると、伊野行きの運転士は朝倉電停で通票の受け取りを失念したまま発車。
前方の交差点で停車している対向車両に気付いて停車した。
その後、対向車両が近づいてきて、最終的に車両同士は約37mまで接近した。
この後、同社は鏡川橋~伊野間を一時運休し、代替バスを運行。
午後3時35分ごろ、電車の運行を再開したという。
出典
『とさでん交通 対向電車37メートルまで接近 単線で手続き忘れ 16年もミス』
https://www.kochinews.co.jp/article/264139/
※以下は、3年前の同様事例。
(2016年11月17日 毎日新聞高知版)
17日午前9時ごろ、高知市曙町の「とさでん交通」伊野線朝倉停留場~朝倉駅前停留場間で、必要な手続きを怠った路面電車が、単線区間で対向車両と向き合う形で停車するトラブルがあった。
けが人はなかった。
国交省運輸安全委員会は同日、正面衝突につながる恐れのある「重大インシデント」として調査官2人を派遣。
調査を始めた。
とさでん交通や国交省によると、トラブルがあったのは文珠通発伊野行き下り電車(1両、乗客約70人)で、40代の男性運転士が運転していた。
車両の行き違いが可能な朝倉停留場に停車していた電車は、停留場に到着した対向車両の運転士から「通票」を受け取らないと単線区間に進入できないのに、対向車両の到着前に出発した。
男性運転士は通票を持っていないことに気付いてすぐ徐行し、停留場から約150m先で対向車両を確認して停止した。
対向車両との距離は約60mだったという。
出典
『とさでん交通 路面電車が単線に進入ミス 高知』
https://mainichi.jp/articles/20161118/k00/00m/040/143000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。