2022年1月4日19時20分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月28日、JR山陽本線を走行していた貨物列車が脱線し、広島市安芸区の安芸中野駅と東広島市の西条駅の間の上下線が3日間にわたって運転を見合わせ、帰省客などおよそ10万人に影響が出ました。
JR貨物が脱線した列車の複数のコンテナについて調べたところ、積み荷が偏り、コンテナの左右の重さのバランスが崩れ、安全を確保するために内規で定められた数値の上限を超えていたことがわかりました。
JR貨物は、この積み荷の偏りが事故の原因かどうかはわからないとしていて、国の運輸安全委員会などが調査を進めています。
JR貨物は今後、積荷の偏りが起きないよう、運送事業者が提出する積荷のバランスについての書類の確認を徹底するとともに、左右の車輪の重さを計測出来る装置の導入を検討するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20220104/4000015736.html
12月30日7時33分に中国新聞からは、25両編成の12両目が脱線したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島市安芸区上瀬野町のJR山陽線八本松―瀬野間で28日夜に発生した貨物列車の脱線事故で、30日早朝、現場から車両の撤去が完了した。
今後、レールのゆがみを直すなどの復旧作業に取りかかる。
列車は25両編成で、12両目が脱線。
先頭から11両目までは29日夜に東京貨物ターミナル駅(品川区)へ向けて出発している。
JR西日本広島支社によると、12両目以降は30日午前5時20分ごろ、広島貨物ターミナル駅(広島市南区)に向けて時速5キロの徐行で出発した。
JR西は30日も、西条―安芸中野間で運転を見合わせる。
同区間でのバスの代行輸送と山陽新幹線三原―広島間の代替輸送を実施する。
山陽線三原―西条間、安芸中野―岩国間での列車の減便も継続する。
31日以降の運行予定は未定としている
JR貨物によると、脱線した車両のコンテナに、許容値を上回る積み荷の偏りが見つかったという。
積み荷は紙製品で、脱線した車両に載っていた5つのコンテナ全てが、進行方向右側に偏っていた。
一方、事故原因については国の運輸安全委員会が調査を進めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7cd20751417a5c5b23ddbc349be233c5ff60a688
(2023年4月2日 修正1 ;追記)
2023年3月30日14時16分にNHK広島からは、事故報告書が公表された、荷主や積み込み会社などの間で情報が共有されていなかったこと、積み込み終了後の偏り確認体制が不十分だったことなどが原因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故について、国の運輸安全委員会は30日、調査報告書を公表しました。
それによりますと、複数のコンテナの積み荷が目標の数値を超えるほど片方に偏っていたため、車両のバランスが悪くなり、カーブを曲がる際に外側の車輪にかかる重みが減ってレールに乗り上げ、脱線した可能性が高いということです。
左右のバランスに偏りが生じた理由については、運送事業者や荷主、積み込み会社など、関係する会社の間で情報が共有されておらず、コンテナに積み込んだあとで偏りを確認する体制が不十分だったことなどが原因だと考えられると指摘しています。
事故のあと、JR貨物などは再発防止策を講じたということです。
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20230330/4000021765.html
(ブログ者コメント)
情報が共有されていなかったという件、事故報告書には以下のように記されていた。
(p58/85)
3.5.1偏積の認識に関する分析
2.6.2 に記述したように、JR貨物は、江差線列車脱線事故の教訓として偏積の防止等のガイドラインを発行し、通運連盟を通じて利用運送事業者である日通本社に、その周知及び偏積防止の要請をしていた。
しかしながら、
(1) 2.6.2 に記述したように、日通本社は偏積防止について社内で定期的に教育を実施してきたが、日通大竹支店を含む各支店に対して、関係会社に周知徹底するようには要請していなかったこと
(2) 2.6.5 に記述したように、日通大竹支店は、定期的に情報を共有できる荷傷会議という場があったにもかかわらず、2.6.2 に記述したように、積込会社である大竹運送等の関係会社はガイドラインの存在を知らなかったこと、
(3) 2.6.5 に記述したように、JR貨物は荷傷会議に参加し、偏積防止に関する資料を配付し説明したとのことであるが、出席した関係会社は、会議を通じて偏積に関する話題はなかったと認識していること
から、ガイドラインの内容が、利用運送事業者である日通大竹支店から日物中国営業部、日本製紙大竹工場及び大竹運送へ伝わっていなかった可能性があるものと考えられる。
そのため、日通大竹支店以外の関係会社は偏積に関する認識が低かったと考えられる。
https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2023-3-1.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。