2018年12月24日14時33分に読売新聞から、FF式との使い方比較図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道地震でほぼ全域が停電となる「ブラックアウト」に見舞われた北海道内で、冬季の停電に備えて、乾電池で使えるポータブル型石油ストーブの販売台数が急増している。
ポータブル型石油ストーブは室内の空気を燃焼させるため、窓を開けて換気することが少ない道内の住宅では一酸化炭素(CO)中毒になる恐れがあり、注意が必要だ。
北海道立総合研究機構建築研究本部などによると、道内では1980年代頃から、FF式(強制給排式)ストーブが普及した。
コンセントに接続し、屋外から燃焼用の空気を取り入れ、屋外に燃焼ガスを排気するタイプで、換気は不要。
高断熱高気密な道内の住宅で、広く取り入れられている。
一方、乾電池などで使えるポータブル型石油ストーブは、屋内の空気を燃焼し、屋内に燃焼ガスを排気する。
そのため、換気が不十分だと室内の酸素が減少して、不完全燃焼によるCO中毒になる恐れがある。
メーカー側も、1時間に1、2回程度の換気が必要だとしている。
同研究本部の広田企画課長は、「気密性の高い道内の住宅では、窓を開けて換気することがほとんどない。ポータブル型石油ストーブを使って換気をしないと、CO中毒になる可能性があり、停電に備えて購入が増えていることに危機感を持っている」と話す。
道などと連携し、換気の必要性とCO中毒の危険性を周知していくという。
「うちのストーブは停電になったら使えない。乾電池で使えるストーブを探している」。
札幌市北区の家電量販店「ヨドバシカメラ マルチメディア札幌」で12月中旬、小樽市の主婦(55)は展示されている石油ストーブを吟味していた。
9月の地震直後、大規模停電を経験して、石油ストーブを求める多くの道民が家電量販店やホームセンターなどに駆け込んだ。
一般社団法人「日本ガス石油機器工業会」(東京都)によると、道内に出荷されたポータブル型石油ストーブは、9月だけで約4万5000台に上り、2017年度の出荷台数約3万3000台を上回った。
同店の石油ストーブの売れ行きは、例年9~3月に1日2、3台だったが、今年9月のピーク時には、1日で100台近く売れたという。
1万~2万5000円ほどの機種が人気で、約20機種をそろえていたが、11月までにほとんどの機種で在庫がなくなり、12月中旬、店頭に展示しているのは4機種だけになった。
同店の販売担当者は、「元々、換気の必要性を認識しているのは、購入した方の半分くらいだった」と振り返る。
特に、若い世代は知らない人が多いという。
「購入時に必ず、『換気が必要だ』と説明している。説明書にも書いてあるから大丈夫だと思うが」と不安そうに話した。
出典
『ポータブル型ストーブ、換気必要「認識は半数」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181224-OYT1T50057.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
本件、当たり前のことではあるが、今年、札幌市でマサカの大量スプレー缶ガス抜き爆発事故が起きたことでもあるし、中毒事故が増える恐れは、確かにあるかもしれない。
そういった危険性に対し、前もって警鐘を鳴らす。
このような報道が、もっとあってしかるべしだと、改めて感じた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。