2018年12月23日20時18分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡で22日午後9時半ごろ、津波が発生し、国家災害対策庁は23日、222人の死亡を確認した。
行方不明者は28人、負傷者が843人おり、被害は拡大する可能性がある。
地震の発生はなく、気象当局は、火山噴火による海底の土砂崩れが津波の原因だとしている。
国家災害対策庁によると、被害を受けたのはジャワ島西端バンテン州とスマトラ島南端ランプン州の沿岸部。
ビーチがある観光地で、多数のホテルや住宅が被災した。
地元メディアは、ジャワ島西端のアンニャール海岸では、津波の高さは9mほどで、海岸から約1kmまで被害が及んだとの住民の話を伝えた。
インドネシアは22日から連休中で、被災地は首都ジャカルタからも近く、多くの観光客も津波に巻き込まれた可能性がある。
在インドネシア日本大使館によると、日本人が死傷したとの情報は入っていない。
また、国家災害対策庁は、確認した死亡者の中に外国人はいないとしている。
火山はスンダ海峡に浮かぶクラカタウ山で、気象当局によると、22日午後9時過ぎに噴火が確認された。
ロイター通信によると、噴火による灰は高さ500mに及んだ。
満月の時期で、満潮と干潮の差が大きい「大潮」に当たっていたという。
地元テレビは、暗闇の中で水が建物の下に流れ込んでいる、津波の様子とみられる映像を伝えた。
また、一夜明けた沿岸部では、建物の崩壊によってできたとみられるがれきが散乱し、そこに乗用車が乗り上げている状況が確認できた。
出典
『インドネシア、津波で222人死亡』
https://www.sankei.com/affairs/news/181223/afr1812230007-n1.html
12月24日付でBBC NEWS JAPANからは、より詳しい下記趣旨の記事が、写真や説明図付きでネット配信されていた。
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1927年にクラカタウ島の噴火により形成されたアナククラカタウ島では、ここ数カ月、火山活動の活発化が観測されており、火口付近への立入禁止命令も出ていた。
ヌグロホ報道官は24日、今回の津波で事前に警報が出されなかった理由をツイッターに連続投稿した。
ヌグロホ氏によると、インドネシアの早期警報は地震観測のため設置されたもので、地震と同様に大津波を発生させる原因になり得る海底での地滑りや火山噴火には反応しないという。
ただしヌグロホ氏は、世界の火山の13%がインドネシア1国に集中しているとして、火山活動を観測できるシステムの開発が極めて重要だと付け加えた。
被害が起きた夜に、津波の事前警告システムは存在しなかったとヌグロホ報道官は認めた。
ヌグロホ氏によると、資金不足、観測ブイへの破壊行為、そして技術的故障のため、2012年以降、運用中の津波警告システムはなかったという。
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地震に伴う津波発生時に多く見られる海面の低下が、今回は観測されなかった。
火山近くに観測ブイがあったとしても、警報を出せる時間は限られていただろうと、専門家は語っている。
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火山が大波を作り出すことは、良く知られている。
噴火によって、大量の水が移動するのだ。
22日の津波発生後、最初に撮影された衛星写真は、アナククラカタウ西南西の山腹崩壊を強く示している。
この崩壊により数100万トンの岩くずが海に落下し、全方位に波が押し出されたとみられる。
出典
『インドネシア津波、死者280人超す 火山活動続き新たな津波の恐れも』
https://www.bbc.com/japanese/46669840
12月24日23時45分に毎日新聞からは、日本でも過去に起きたことがある山体崩壊が原因だったらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津波は、火山島のアナククラカタウが噴火に伴って「山体崩壊」を起こしたことが原因とみられる。
大規模に山が海に崩れて津波を発生させたケースは日本でも過去に相次ぎ、専門家は注意を呼びかけている。
中田節也・東京大名誉教授(火山学)によると、同島は数カ月前から噴火を繰り返し、溶岩で海を埋めながら成長していた。
新しく拡大した所は不安定で、大きな噴火で一気に海に崩れ落ちたとみられる。
衛星画像では、山の南西部が大きく消失しているという。
1883年の巨大噴火では島のほとんどが消滅し、最大で40mの高さの津波が発生。
3万6000人以上が死亡したとされ、山体崩壊による津波が知られた火山だった。
日本でも1792年、長崎県島原市の眉山(まゆやま)が火山性地震で山体崩壊し、対岸の天草(熊本県)を大津波が襲った。
約1万5000人が死亡し、「島原大変肥後迷惑」と言われた。
1741年には北海道松前町の渡島(おしま)大島が噴火で崩れ、大津波で対岸の約1500人が犠牲になった。
中田名誉教授は、2013年以降に噴火活動が活発化した小笠原諸島・西之島についても、津波への警戒を呼びかけてきた。
「噴火が続いて成長中の火山島が山体崩壊することが多い。影響を受ける沿岸では津波対策を考えるべきだ」と話す。
出典
『インドネシア津波の原因は山体崩壊 日本でも』
https://mainichi.jp/articles/20181224/k00/00m/040/084000c
(2018年12月31日 修正1 ;追記)
12月30日18時48分に読売新聞から、火山の標高が3分の1になっていたという下記趣旨の記事が、写真付きでネット配信されていた。
400人以上が死亡した津波被害で、津波の原因となる噴火を起こしたアナク・クラカタウ山の標高が、噴火前の338mから110mになったことがわかった。
インドネシア火山地質災害対策局が29日、公表した。
アナク・クラカタウ山は、津波の原因となった22日の噴火後、斜面から岩や火山灰などの崩落が続いている。
インドネシア政府は、アナク・クラカタウ山の大規模噴火の危険性が高まったとして、津波発生後の27日、警戒レベルを2番目に高い「レベル3」に引き上げ、火山の半径5km以内への立ち入りを禁止して警戒を呼びかけている。
出典
『標高が3分の1、110mに…津波原因の噴火で』
https://www.yomiuri.co.jp/world/20181230-OYT1T50067.html?from=y10
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。