2018年5月5日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8310/
(2019年3月28日 修正1 ;追記)
2019年3月21日6時0分に西日本新聞から、韓国政府の調査チームも地熱発電の高圧注水が地震の原因だったと発表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
2017年11月に韓国南東部、浦項(ポハン)で起きたマグニチュード(M)5.4の地震について、韓国政府の調査研究チームは20日、震源地に近い地熱発電所で発電のため地下に高圧で注入した水が断層を刺激して発生したとの見解を発表した。
同発電所は、政府が国費185億ウォン(約18億円)を投入した官民事業で、韓国メディアは「天災ではなく人災」と批判している。
浦項地震は韓国の観測史上2番目の規模だった。
中央日報によると、被災した建物などは約2万7000件に上り、被災者が損害賠償を求めて、政府などを相手に相次ぎ訴訟を起こしている。
賠償総額は数1000億ウォンに達する可能性があるという。
浦項の地熱発電所は12年に着工し、16年に試運転を開始。
地下約4kmの岩盤に高圧力で注水し、地熱に温められて発生する水蒸気でタービンを回して発電する。
施設は震源地から約600mしか離れておらず、調査研究チームは、「地下に高圧の水を注入したことで、地震が起きる可能性が高い断層に刺激を与えた」と説明した。
政府は調査結果を受け、浦項市民への「深い遺憾の意」を表明。
事業を中止して敷地を原状回復するほか、用地選定が適切だったかなども検証するという。
島村英紀・武蔵野学院大特任教授(地球物理学)は、「地熱発電が誘発したとされる地震は米国やスイスでも起きている」と指摘。
日本の資源エネルギー庁は、「日本国内には九州を含め約60カ所の地熱発電施設があるが、浦項のように高圧力で注水する方式は採用していない」としている。
出典
『17年の韓国地震、地熱発電注水が触発 政府チーム見解 国費18億円、メディア「人災」』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/495911/
3月21日11時5分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国政府は一帯を特別災難地域に指定し、現在も復興事業を進めている。
国内外の専門家で構成された政府調査団の調べでは、地熱発電の開発で地下に高圧の水を注入したため、時間の経過によって地震を引き起こしたとみられるという。
10年に国家研究開発課題として地熱発電開発を始めるまで、周辺で大きな地震は発生していなかった。
政府は開発の中断を決めたという。
地下に注水することで地震が発生しやすくなる現象は、シェールオイルの掘削が進む米オクラホマ州などでも知られている。
水によって、地下にかかる力が変化することが原因と考えられている。
出典
『地震の原因、地熱発電の開発だった 韓国政府が謝罪』
https://www.asahi.com/articles/ASM3N5328M3NUHBI01J.html
3月20日20時38分にNHK NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この地震の震源の深さは7kmだったのに対し、注水が行われたのは地中およそ4km付近だったということだが、注水の際に圧力が発生して断層が動き、マグニチュード5.4の地震につながったとしている。
一方で、今回の結果について韓国メディアは、実証実験が十分でないとか、自然に発生した地震の可能性もあるといった見方も伝えている。
出典
『M5.4の地震 地熱発電で地下に大量注水が原因 調査チーム 韓国』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190320/k10011855281000.html
(ブログ者コメント)
今年2月、北海道で起きた地震に関し、鳩山元首相がツイッターで「地震の原因は今回の震源地近くでCO2を高圧で地下に貯留していること」といった趣旨のことをつぶやき、それが警察からデマ認定されて物議をかもした。
調べてみると、当該施設ではCO2を数10~数100気圧という高圧で地下1kmより深い場所に圧入している由。
出典例 (2018年4月10日 17時0分 東洋経済)
『地下3000メートル!「CO2貯蓄施設」の実態 苫小牧の実証実験センターを現地ルポ』
https://toyokeizai.net/articles/-/215829
元首相のつぶやき内容とつぶやいたタイミングの是非はともかくとして、地下への高圧注入という点は同じなので、少し気になった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。