2014年12月12日付で大分合同新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月12日19時12分にNHK大分から、12月12日21時44分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時5分ごろ、大分市西ノ洲の新日鉄住金大分製鉄所の構内で爆発があった。
警察などによると、施設の一部が壊れたが、けが人はいないもよう。
爆発音は衝撃を伴って市内の広い範囲に響き渡り、周辺地域の店舗などに鉄製の部品が飛び散るなど影響が出た。
爆発が起きたのは、グループ会社「大分サンソセンター」の工場。
同社によると、現場では午前8時ごろから、酸素などを抽出する装置から円筒形のステンレス製タンクへ、配管を通して液体酸素や液体窒素を移す作業をしていた。
爆発音がしたため確認すると、タンクが破裂していた。
同センターによると、爆発したタンクは、液体酸素と液体窒素などを気化させて大気中に放出するために使われる。
市消防局は、高濃度の酸素が漏れて引火しやすい状態にあるとして、所内でタンクの半径50mを立ち入り禁止にした。
同社の中嶋常務らは、会見で「ご迷惑をおかけしました」と謝罪した上で、「有毒なものではない」と説明、今後詳しい状況を調べるとしている。
警察によると、現場から約600m離れた県道大在大分港線(40m道路)の交差点で信号待ちをしていた軽乗用車に金属片が当たり、車が破損した。
同製鉄所総務部の池上主幹によると、市内の3カ所に鉄製の部品が散乱したのを把握したという。
「部品の用途は分かっていないが、爆発によって落下したものとみて調べている」と話した。
出典URL
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2014/12/12/125150855
http://www.nhk.or.jp/lnews/oita/5073914571.html?t=1418420201301
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141212-OYT1T50133.html?from=ycont_top_txt
12月13日12時25分にNHK大分からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
タンクは直径4m、高さ6mのステンレス製で、一番上の部分には、気体を外に逃すための直径40cmの配管があるという。
爆発は、液体酸素と液体窒素をタンクに移していたときに起きたと推定されていて、タンクの上部が原型をとどめないほど損壊していた。
原因はわかっていないが、会社によると、何らかの要因でタンクが密閉状態になったあと、気化した酸素などでタンク内の圧力が高まり、爆発した可能性があるという。
会社では引き続き、原因について詳しく調べている。
一方、警察では、爆発で飛んだ金属が工場の屋根を破損させるなどの被害が出ていることから、業務上過失激発物破裂の疑いもあるとして、調べを進めている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/oita/5073919221.html?t=1418505140985
12月13日付で毎日新聞大分版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、爆発したのは、空気から酸素や窒素を作る空気分離装置に付属するタンク。
分離装置は5基あるが、事故があった装置は1977年に設置された古いもので、現在は予備的に使われている。
今回は、主要装置の点検に伴って、11月1日から稼働していたという。
タンクは、液体の酸素と窒素をため、自然蒸発させる装置。上部は穴があいている開放タイプで、通常、圧力が高まることはないという。
記者会見では、爆発の原因について質問が相次いだが、同社は「40年近く運転してきたが初めての事故。調査しないと原因は分からない」と繰り返した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/oita/news/20141213ddlk44040527000c.html
(ブログ者コメント)
報道では、「爆発」と「破裂」という2つの言葉が使われている。
事故原因はまだ不明だが、仮に容器内に可燃物があってそれが液体酸素と急激に反応したのであれば「爆発」、単に蒸発速度が速すぎただけであれば「破裂」、ということかもしれない。
(2015年2月11日 修正1 ;追記)
2015年1月24日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)から、容器内部で水が凍ったことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
親会社の大陽日酸が23日、現段階の調査状況を明らかにした。
ステンレス製の容器の内部で凍った水がガスの排気口を塞いで容器内部の圧力が増し、爆発した可能性が高いという。
同社によると、ステンレス製の容器の内部は通常、水が混入しない構造になっているが、事故当時は何らかの原因で容器内に水が入ったようだという。
その水がマイナス190℃前後のタンク内で凍り、気化したガスを放出する排気口を塞いだ結果、容器内の圧力が急激に増して爆発した可能性が高いという。
同社は、今月末までに調査結果をまとめて、県に報告する考えだ。
この爆発事故でけが人は報告されていないが、敷地外に複数の金属塊が飛び散り、工場の屋根を突き抜けて落下したものもあった。
一歩間違えば、近隣住民を巻き込んだ死傷事故になる恐れがあった。
(ブログ者コメント)
○空気中の水分が凝縮して配管立ち下がり部に溜まり、その水が冬場に凍結して配管内を通っている空気の流れが遮断され、設備が停止した事例がある。類似トラブルにはご用心。
○報告書を県に提出したという記事が出るのを待っていたが、未だ目にしておらず、大陽日酸のHPにも掲載されていない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。