2017年10月21日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第6報修正9として掲載します。
第5報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7687/
(2018年4月2日 修正9 ;追記)
2018年3月27日7時18分に朝日新聞から、上下2層の雪雲から違う種類の雪が降ったことが雪崩の原因だったという、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
那須町で登山講習中の高校生ら8人が死亡した原因となった雪崩の発生メカニズムを、気象庁気象研究所(茨城県つくば市)の研究員が解明した。
当時の現場上空には層状の雪雲ができ、上層の雲から滑りやすい雪が降り、その後に下層の雲から短時間に大量の雪が降り積もった結果、雪崩が起きたという。
同研究所予報研究部の荒木研究官が、観測値をもとに250m四方単位でシミュレーションした。
発達した低気圧が関東の南海上にあり、昨年3月27日午前0時前後には、茶臼岳上空約10kmに雪雲が広がり、「板状結晶」と呼ばれる雪が降った。
その後、同日未明から午前にかけて、茶臼岳の北東斜面を上昇した湿った空気が現場上空数100mに雪雲をつくり、上下二層からなる雪雲を形成。
下層部からは大粒の雪が降り、10時間で34cmと、3月としては記録的な大雪をもたらした。
最初に降った板状結晶の積雪は滑りやすく、その上に大量の雪が積み上がり、雪崩が起きたとみられるという。
荒木研究官は、「3月でも短時間で大量の降雪をもたらすことがあり、注意が必要だ」と話す。
出典
『二層の雪雲が雪崩の原因に 栃木・生徒ら8人死亡事故』
https://www.asahi.com/articles/ASL3T4J0LL3TUJHB007.html
(2018年5月22日 修正10 ;追記)
2018年5月16日付で毎日新聞栃木版から、ビーコンが県教委に寄贈されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本山岳救助機構合同会社(東京都新宿区)は15日、登山教育に役立ててもらおうと、「冬山三種の神器」の一つとされる電波受発信器のビーコン20台を県教委に寄贈した。
県教委は、昨年3月に那須町の茶臼岳で起きた雪崩事故を受けて冬山登山を実施していないが、生徒や教諭の研修などで活用する予定。
同社は会員制の山岳遭難対策制度を運営する会社で、昨年秋には、雪崩事故を受けて高校生にビーコンの貸し出しを検討していた長野県教委へも20台を寄贈している。
寄贈されたビーコンは1台約6万円でスイス製。
若村代表社員(76)は、「多くの人に事故への対応やそのための機材を知ってもらうことが私たちの会社の仕事だと思い、寄贈した」と述べた。
宇田教育長は、「雪山でビーコンを使用することは想定せず、研修の場で安全登山を学習するための教材として活用していく」と話した。
出典
『日本山岳救助機構合同会社 県教委にビーコン寄贈 教材に活用』
https://mainichi.jp/articles/20180516/ddl/k09/040/107000c
5月20日11時58分にNHK栃木からは、教員対象の研修会が始まったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
栃木県那須町で雪崩に巻き込まれて高校生ら8人が死亡した事故を受けて、登山部の顧問など高校の教員を対象に、登山の知識や技能を高める研修が始まった。
この研修会は、去年3月、栃木県那須町で登山の訓練中の高校生ら8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故の再発防止策の一環として、栃木県教育委員会が初めて開いた。
高校の山岳部の顧問などおよそ30人の教員が参加し、国立登山研修所で講師を務める瀬木紀彦さんが指導役として招かれた。
参加者は、地形図を読み解いたり、登山の行程をわかりやすく表現したりする方法を学び、生徒を引率して登山に臨む際の注意点について考えていた。
研修会は、今年度、このあと2回開かれ、雪崩に巻き込まれた人などの位置を知らせるビーコンという装置の使い方なども学ぶという。
参加した男性教諭は、「学んだことを生徒たちに伝えて、事故のない登山をしたい」と話していた。
栃木県教育委員会スポーツ振興課の田代課長は、「痛ましい事故を2度と起こさず、部活動での安全な登山に生かしてほしい」と話していた。
出典
『雪崩事故受け 教員対象に研修会』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20180520/1090001785.html
(2018年12月22日 修正11 ;追記)
2018年12月18日19時42分に時事ドットコムから、県教委はスポーツ庁よりも厳しい内容の登山計画立案指針を策定したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教育委員会は18日、安全な登山計画を立てるための指針を策定したと発表した。
スポーツ庁が原則禁止する積雪期の登山に加え、歩行などの雪上訓練も禁止しており、一歩踏み込んだ内容となった。
ただ、積雪や危険箇所がない低山は、ルートを限定した上で登山を認める。
同日までに県立学校に送付し、徹底を求めた。
スポーツ庁は、歩行やテントを張るといった雪上訓練を一定の条件下で認めているが、県教委は、高度な技術を持つ指導者の確保が困難と判断し、全面禁止とした。
一方、冬季でも標高約1000m未満で積雪のない山については、専門家との協議の上、県内や近隣県の14ルートを指定し、登山を認める。
積雪期以外の登山は、登山指導歴5年以上で指導員資格を持つか、県指定の研修などに参加した人の引率を必須とし、生徒10人当たり1人以上置く。
難易度の高い山に登る場合は、アドバイザーの同行を推奨する。
出典
『冬山登山と雪上訓練禁止=雪崩事故受け指針-栃木県教委』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121805124&g=soc
12月18日17時32分にNHK栃木からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
高校生の冬山登山をめぐって、スポーツ庁は原則禁止とする一方、都道府県が設置した専門家などで作る組織が登山計画を承認した場合などは例外的に認めている。
これに対しガイドラインでは、山に雪が積もっている状況では、歩行訓練を含めて高校生の登山を全面的に禁止することを定めている。
そのうえで、雪がない時期の登山の安全対策として、1つのパーティーに指導経験が5年以上ある引率者を最低2人つけることや、難易度の高い山に登る場合は専門的な知識や技術を持つアドバイザーを同行させることなどが盛り込まれている。
栃木県教育委員会学校安全課は、「ガイドラインに基づいた登山の適正な計画作成を行い、安全を徹底させたい」と話している。
出典
『高校生の積雪登山 全面禁止へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20181218/1090003443.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。