2024年6月25日7時9分にYAHOOニュース(中央日報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京畿道華城(キョンギド・ファソン)の前谷(チョンゴク)海洋産業団地にあるリチウム電池生産工場で24日に大規模な火災が発生し、22人が死亡した。
8人が重軽傷を負い、1人と連絡がつかず、消防当局が行方確認に出た。
火災発生当時、建物には70人ほどがいた。
化学工場の事故としては過去最多の死亡者を出した。
京畿道消防災害本部などによると、火はこの日午前10時30分ごろ、リチウム電池メーカーであるアリセルの工場のうち、完成品を検収し包装する第3棟の2階から出た。
出動した消防当局は現場で心肺停止状態の従業員を発見したが、結局、死亡した。
捜索を通じて行方不明者の遺体を収容した。
死亡者は午後11時基準で22人が確認された。
死亡者は韓国人2人、中国人18人、ラオス人1人、未詳1人だ。
遺体の大部分が火災で損傷した状態だったという。
消防関係者は「2階で死亡者が見つかり、さまざまな場所に散らばっていた。建物内から外に出られる階段が2カ所あるが、ドアがロックされたりしはしていなかったとみられる」と説明した。
火災が起こった第3棟2階は1185平方メートル規模だ。
ここには直径30センチメートル、高さ45センチメートルなど、さまざまなサイズの円筒形リチウム電池3万5000個が保管されていたとされる。
消防当局が防犯カメラを確認した結果、火はリチウム電池から白い煙が出て急激に大きくなった。
◇銃声のように電池が相次ぎ爆発
消防当局は「煙が全体を覆うのに15秒しかかからなかった」と、火災当時の状況を説明した。
京畿道消防災害本部のチョ・ソンホ本部長は、「工場にいた作業者が初めに少し当惑し、消火器を持ってきて消火作業をしたが、リチウムのため消えなかった」と話した。
目撃者が伝えた事故現場は阿鼻叫喚だった。
近くの工場で働く50代の女性は、「ドーンドーンと爆発する音が1時間以上聞こえた。火事が起きた工場の中から火花が出るのが見え、50人以上の全従業員が急いで避難した」と話した。
別の目撃者は、「火事が起きて2階から2人が1階の屋根の上に飛び降りるのを見て、状況が深刻なことがわかった」と話した。
目撃者は「銃声が聞こえた」「原爆が爆発するようだった」など、轟音の発生を伝えた。
スリランカ人労働者は、「大きな音とともに空から何かが飛んできた」として、黒く燃えた鉄片を見せた。
消防当局は午前10時40分に管轄消防隊員と装備をすべて投じる対応1段階を、続いて午前10時54分に3~7カ所の消防署から31~50台の装備を動員する対応2段階を順に発令した。
消防署員ら人材201人とポンプ車など装備72台を動員し、消火に総力を挙げた。
だが、初期鎮火が難航した。
禁水性物質のリチウムの特性上、水や水分を含む消化薬剤に触れると可燃性気体の水素を発生させ爆発の危険が大きくなるためだ。
午後3時10分ごろ大火災が収まり、行方不明者の捜索作業が進められた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/adccc58ea8c250d85b157adf0fdf60be64897c8c
6月24日20時5分にYAHOOニュース(Newsweek)からは、バッテリー1個が爆発するように炎を上げた、1階にいた従業員は全員自力で脱出できたが火災が発生した2階では多くの従業員が逃げ遅れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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午前10時31分に工場2階でリチウム電池の完成品を検査して梱包する作業をしている途中、バッテリー1個が爆発するように炎を上げ、火災が発生したという。
この爆発音は数キロ先からも聞こえたほどだった。
今回の火災では直接水を放水しての鎮火活動ができず、工場の2階に積まれているリチウム電池3万5000個がすべて燃え、自ら鎮火するまで待つしかなかったという。
火災当時、この工場では102人が働いていたということだが、1階で作業中だった従業員たちは火災直後に全員自力で避難できた。
一方、火災が発生した2階では、多くの従業員が逃げ遅れたとみられる。
韓国では1989年、全羅南道麗水(チョルラナムド・ヨス)の国家産業団地内のラッキー化学で発生した爆発事故で死者16名と負傷者17名の事故があったが、今回の火災はそれを上回る事故となった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/240b53334dcad09a55b2b8714cdf3099dab0830f
6月25日18時34分にTBS NEWSからは、防犯カメラに爆発の瞬間が映っていた、死者は23人になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
出火時の状況を防犯カメラが撮影していました。
こちらはきのう、工場から火が出た時の防犯カメラの映像です。
バッテリーから白い煙が出た後、瞬く間に火が広がったことが分かります。
韓国の京畿道・華城市にあるリチウムバッテリー工場の火災は、きょう新たに1人の遺体が見つかり、死者が23人となりました。
2階から避難していた関係者も「バッテリーセル1つから爆発的に燃焼が始まった」と証言していて、警察は130人態勢の捜査本部を設置し、詳しい状況を調べています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1252771?display=1
6月26日7時5分にYAHOOニュース(中央日報)からは、死亡した外国人労働者は派遣社員(社内下請け業者の体裁を整えるための形式的なもの?)だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡者23人のうち18人が外国人移住労働者と確認された。
彼ら全員が会社の直接雇用労働者ではなく、人材派遣業者が派遣した労働者だった。
一部でコスト削減に向けた「危険の外注化」が被害を増やしたという指摘が出る理由だ。
雇用労働部は、この事業所が労働者の派遣を受ける過程で違法性がなかったか確認を進めている。
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人材派遣業者メイセルは1カ月ほど前の5月7日に一次電池製造業を事業目的として設立、登記した業者だ。
この業者の所在地は火災発生現場であるアリセル工場第3棟2階の包装作業場だった。
アリセルがメイセルを通じて派遣形式で人材派遣を受けたのではなく、社内下請け業者の体裁を整えるためのものとみられる。
メイセル関係者は、4月までは「ハンシンダイヤ」という業者名で人材を供給したと話した。
彼は新たな会社を作って住所地をアリセルの作業場としたことについて「だれでもそのようにする。なぜなら労働者派遣許可を受ければひとまず手続きも難しく労働部の点検も多いからだ」と説明した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/35b56440338cc2bf85562430793cd9edb2d1e120
6月25日7時19分にYAHOOニュース(ハンギョレ新聞)からは、リチウムバッテリーは火災が起きるとアッという間に1000℃以上も温度が上昇する、再発火現象も珍しくない、水と接触すると水素を発生するので現場にはスプリンクラーが設置されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
リチウムバッテリーは一度火災が起きればあっという間に摂氏1000度以上も温度が急上昇する「熱暴走」現象が発生し、火災の鎮火が困難だ。
リチウムバッテリー火災の最も大きな問題は「熱暴走」現象だ。
リチウムバッテリーは気温上昇や過充電などで温度が上がると、風船のように膨らみ、バッテリー内部の圧力が高まるが、この過程で分離膜が崩壊し、陽極と陰極が直接接触して火がつき、急激な温度上昇が起きる。
「再発火現象」も珍しくない。
初期に火炎を抑えても、熱が近くの他のバッテリーの熱暴走を引き起こし、連鎖的に発火が始まる。
火災保険協会のキム・ヨンハ火災調査センター長はハンギョレの電話インタビューで、「熱暴走問題に関しては、まだ、これといった鎮火方法がない」と語った。
リチウムバッテリーは水に触れると、可燃性の高い水素ガスが発生するため、普段は水分を統制しなければならず、華城工事の現場にはスプリンクラーが設置されていなかった。
しかし、熱暴走が起きて大型火災に広がった時は、長い時間水を大量に撒かざるを得ない。
バッテリー火災で博士号を取得したカン・ギョンソク九里消防署消防長は、「リチウムメタルが水に触れると水素反応が出るが、安全が統制された状況で圧倒的な量の水を防水することで連続拡散を阻止し、リチウムを酸化させて火を消すことが最も効率的な方法」と語った。
問題は、このような場合、相当な消防力が動員されなければならないという点だ。
電気自動車1台で発生した火災事故を鎮火するのに水が少なくとも1万リットルは必要だが、一般的な消防ポンプ車1台が積むことができる消火用水は約3千リットルだ。
そのため、リチウムバッテリーを扱う現場は事前に「被害低減策」を用意することが重要だ。
慶一大学のイ・ヨンジュ教授(消防防災学)は、「製造工程で火災発生の可能性が比較的高いため、予防と初期対応が重要だ」とし、「法律で定めている消防設備が整っているか、安全な避難通路が作られているかなどを点検する必要がある」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/59fd80193dbc67faadef98b3743e37250a4eda1e
6月26日9時6分にYAHOOニュース(中央日報)からは、2日前にも火災が発生していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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アリセルは事故2日前にもリチウム電池で火災が発生したのに通報していなかった。
警察などによると、第2棟1階で作業者がバッテリーに電解液を注入していたところ、温度が急上昇して火事が起こった。
今回の事故で死亡した女性従業員の夫は、妻とやりとりしたメッセージを公開しながら「当時工場に煙が出て警報音が2回ほど鳴って従業員が慌てたと伝えた。その時措置をしていたならば…」となげいた。
アリセルのパク・ジュンオン本部長は謝罪会見で「22日にも火災が起きたことを認める。
ただ、作業者が不良品を見つけて措置する過程で火事が起こり、適時に鎮圧され問題がないと判断して通報しなかった」と釈明した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/49bb9a36945f283a03f4fae9dd1b112445e885ef
6月26日10時59分にYAHOOニュース(ハンギョレ新聞)からは、危険性の高い軍用リチウム1次電池を製造していた、現場にサーマルカメラなどが設置されていれば事故を防げたかもしれない、2日前の火災は不良セル処理中に発生したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災は、業者が製造していた軍用リチウム一次電池から発生した。
軍用リチウム一次電池は、長期にわたり多くの爆発事故を起こし、国防部が保管マニュアルを整え、代替品の開発に着手したほど危険性が広く知られている。
しかし、軍の保管マニュアルなどは納品業者にまでは届かず、ついに大型惨事につながった。
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事故が相次いだことで、国防部は2020年頃、リチウム一次電池の保管倉庫の温度・湿度を一定に維持するよう恒温恒湿機を設置し、爆発の兆候を事前に捉えるためにサーマルカメラを設置するなどの対策を推進すると明らかにしている。
今回の事故現場にも、サーマルカメラなどリチウム火災感知のためのシステムが用意されていたならば、大型の人命被害を防ぐことができたと指摘されている。
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華城工場では22日にも小規模な火災があった。
電池メーカー「アリセル」のパク・ジュンウォン本部長はこの日の記者会見で「当時、作業者が不良セルと認知して不良品処理用『フードボックス』(覆い付の箱)に入れてあった。
火災に対して安全に対処し、処理した」と説明した。
リチウム一次電池の特性上、小規模な火災はたびたび発生するという意味と思われる。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/aef20d3019f7f765c2a4885f11b63737fa575b0b
6月26日9時6分にYAHOOニュース(中央日報)からは、出入り口に箱が積み上げられていたため従業員は反対側に走った、最近従業員が2倍に増えていた、携帯などに使われる二次電池は危険性が認識されているが一次電池は危険性を見逃す側面があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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出入口側にバッテリー3万5000個を箱ごと積み上げて被害を増やした。
従業員は火を避けようと出入口と反対側に走って行って被害に遭った。
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アリセル従業員は中央日報に「最近勤務者が普段より2倍に増えた。
中東の軍納リチウムバッテリー注文が増加したらしい」と話した。
火災が発生した3階の作業場はアリセルの軍納用一次電池の完成品を検収し包装する所だ。
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今回の爆発・火災を起こした一次電池に対する安全不感症も問題だ。
又松(ウソン)大学消防防災学科のイン・セジン教授は、「二次電池の場合、携帯電話やノートパソコン、自動車によく使われ一般の人たちも爆発や火災の危険性に対する認識がしっかりしているが、一次電池は危険性を見逃す側面がある」と指摘した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/c4cab620baecb329307a111a5ab79c361c84c2d9
(ブログ者コメント)
防犯カメラの映像を見ると、火が出た後、消火器で消火を試みるなど、従業員の方々にはまだまだ余裕があったように見える。
そんな状況なのに23人が死亡。
連鎖的に被害が拡大する恐れのある現場では火が出たら初期消火せず、すぐに避難・・・という教訓的事例だったのかもしれない。
また、それ以外にも、派遣?社員への教育訓練や避難通路の確保など、さまざまな問題点も出てきそうな気がする。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。