2019年2月1日18時52分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台市が管理する街路灯のうち、撤去したにも関わらず、長年にわたって電力会社との契約を解約し忘れていたものが1800件あり、必要のない電気料金を少なくともおよそ2億円支払っていたことがわかった。
仙台市が記者会見して明らかにした。
それによると、去年7月、街路灯をLEDに交換する作業をしていたところ、すでに撤去されているにも関わらず、電力契約が続いている街路灯が見つかったという。
このため仙台市が調査したところ、市内の街路灯のうち、撤去した1800件について、電力会社に解約の手続きを行っていなかったことがわかった。
仙台市は、街路灯を撤去した記録を5年しか保管していないため、撤去の時期などはわからないとしている。
ただ、1800件の電気料金を計算すると、損失額は月額でおよそ160万円にのぼるという。
仙台市は、遅くとも平成17年には撤去を始めていたということで、累積の損失額は少なくとも、およそ2億円にのぼると見られる。
今回の事態の発覚をうけ、仙台市は撤去した街路灯の電力契約を解除したが、本来支払う必要のなかった電気料金については返金はされないという。
仙台市建設局の千葉次長は、「市民の信頼を損ね、深くおわび申し上げます。街路灯の台帳を基に電力契約を確実に管理するなど、再発防止を徹底したい」と話している。
(以下は音声情報のみ)
契約解除しなかったのは、主に次のような2つのケース。
①道路改良工事で新たな街路灯を設置した際、電柱に取り付けた街路灯を撤去したのに電力契約を解約しなかった。
②街路灯を水銀灯から蛍光灯に交換する際に、水銀灯の電力契約を解約しなかった。
出典
『街灯撤去で解約忘れ 2億円損失』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190201/0004410.html
2月2日14時48分に朝日新聞からは、台帳に契約情報を明示していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台市は1日、市が管理する道路照明灯について、一部で撤去したのに電力契約を続けていたと発表した。
約1800件で解約手続きを怠り、少なくとも8年間で1億5000万円を余分に払っていたという。
市道路保全課によると、この照明灯は、主に道路の拡張工事などで撤去されたもの。
電力の使用量にかかわらず、設置台数に応じて定額料金を支払う契約で、撤去時に廃止の手続きを取る必要がある。
照明灯の管理台帳には契約の情報を明示しておらず、契約状況を管理できていなかったという。
過払い額は1カ月につき約160万円で、2010年ごろから続いていたとみられる。
照明灯をLEDに替える作業の過程で、18年7月にミスがわかった。
同課は、「深くおわび申し上げる。再発防止に向けて事務のあり方を精査したい」としている。
出典
『仙台市、照明灯撤去後も電力契約継続 1.5億円過払い』
https://www.asahi.com/articles/ASM215QV1M21UNHB00P.html
2月6日付で河北新報からは、職員に弁済は求めないかもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
郡市長は5日、「誰の責任と言いにくい部分がある」と述べ、職員に弁済を求めない可能性を示唆した。
郡市長は定例記者会見で、「事務処理の流れが不統一で、管理の仕組みも整っていなかった。特定の職員の非違行為ではなく、組織的な問題の方が大きい。誰の責任だから弁済してくれとは言いにくい」と述べた。
高橋副市長をトップとし、問題の全容解明や再発防止策の検討、東北電力への返還交渉などを進め、職員の処分も検討する。
郡市長は、「返還請求は約款上、なかなか難しいと思われる。市民には申し訳ないと言わざるを得ない」と陳謝した。
市によると、2005~10年、約3万1000基の水銀灯を蛍光灯に交換した際、水銀灯の電力契約の廃止手続きを忘れたケースを中心に、約1800件の解約忘れが発覚した。
いずれも電気の使用量に関係なく一定額を毎月支払う契約で、損失は少なくとも1億5300万円以上に上るとみられる。
市は調査を継続している。
出典
『<照明灯代解約忘れ>仙台市長「個人の責任問えぬ」 職員に弁済求めない可能性示唆』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190206_11018.html
(ブログ者コメント)
本来は、どうあるべきだったのだろう?
街路灯維持管理要領のようなマニュアルがあると思うのだが、そこに撤去時は東北電力に連絡するなど、書かれていなかったのだろうか?
それとも、朝日新聞の記事から類推すると、管理台帳がマニュアルを兼ねていて、そこに記載がなかったということだろうか?
(2019年2月11日 修正1 ;追記)
2019年2月11日付で河北新報からは、解約手続きを業者まかせにしていた?など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
市内の道路照明灯は約8万6000基。
各区役所の道路課が台帳を作成し管理していた。
台帳には所在地や東北電力が付与する契約者番号などが記され、照明灯を撤去すると台帳からデータを削除していた。
電力契約を誰がどう解除するのか、決まった手順はなかったという。
東北電の認定業者が撤去工事を請け負うことが多いため、工事の発注課や各区道路課の担当者は、解約手続きを業者に任せていたとみられる。
依頼文書を残したケースは皆無に等しく、口頭で頼むことが常態化していた。
業者が実際に解約したかどうか、事後の確認もしていなかった。
電気代の請求書は半年に1度、各区道路課に届いたが、解約漏れに気付くことはなかった。
職務上の失敗で、公務員が個人の責任を問われる例は少ない。
しかし、神奈川県綾瀬市では、市立小学校のプールの給水栓を19日間閉め忘れ、100万円余りの上下水道代が発生した問題で、市教委が1月、教育長や校長ら7人に一部賠償を求めた。
宮城県庁のカラ出張や食糧費の不正支出問題では、浅野史郎前知事の政治判断などもあり、県職員が1996年10月から77カ月かけ、利子を含め約8億4000万円を分割返還した。
仙台市議の一人は、「1800件の全部は無理でも、可能な限り、解約忘れの責任者を特定し、弁償を求める努力をすべきだ。市長や幹部職員の給与カットなど、何かしらのけじめも避けて通れない」と指摘する。
出典
『<照明灯代解約忘れ>仙台市の巨額損失 業者任せチェック怠る』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190211_11020.html
(2019年2月16日 修正2 ;追記)
2月15日付で河北新報からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
市建設局によると、撤去した照明灯のデータが管理台帳に残っておらず、解約忘れの発生時期がはっきりしない。
一方、既に設置されているものの、電力契約が確認できない照明灯も1300基ある。
電気代の未払いがないかどうか確認を進めており、これらも含めて実際の損失額を確定させる。
出典
『<仙台・照明灯問題>市長ら給与削減検討 職員の賠償請求は消極的』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190215_11017.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。