2019年12月15日17時39分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
中日本高速道路は、年末年始(12月27日~来年1月5日)の渋滞予測を発表した。
ピークは上下線とも1月2、3日の見込み。
東海地方では名神高速道路の一部が最も混雑すると予測しており、「ファスナー合流大作戦」と名付けた新たな渋滞対策を実施する。
同社によると、東海地方で最も混雑するのは名神高速上り線。
1月2~4日のいずれも午後3時ごろ、愛知県一宮市の一宮インターチェンジ(IC)を先頭に、岐阜県養老町の養老ジャンクション(JCT)にかけて最大20キロの渋滞が予想される。
一宮IC付近が渋滞する要因の一つに、手前の一宮JCTで東海北陸自動車道が合流することがある。
名神の走行車線につながる加速車線のいたるところから車が入るため、流れが悪くなっていたという。
このため、同社は11月末までに、先頭の車だけが合流できるように車線を分離するゴム製ポール(高さ80センチ)を2メートルおきに設置。
これにより、1台ずつ車両が交互に合流する「ファスナー合流」を促す。
同社によると、ファスナー合流に着目した渋滞対策は、高速道路で初めてという。
一方、例年激しい渋滞が起きていた東名阪自動車道は、今年3月に新名神高速の三重県区間が開通したことで大幅に緩和する見通し。
新名神では10キロ以上の渋滞は発生せず、東名阪道も3回のみにとどまるとしている。
https://www.asahi.com/articles/ASMCP6S74MCPOIPE033.html
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、2019年8月14日20時10分にJAFのPark blogからも、同じ方式が「ジッパー法」という名前で紹介されていた。
内容は下記。
長期休みは帰省や旅行で高速道路を利用することが多くなり、全国各地で渋滞が発生する。
そんな渋滞時に加速車線から本線へスムーズに合流する「ジッパー法」という方法があるという。
一体どんなものなのだろう。
【高速道路の合流マナー「ジッパー法」とは?】
名古屋高速は8月7日、同社の公式ツイッターにおいて、「お盆休み、ジッパー法で渋滞を少なくしよう」とツイートを投稿した。
その投稿は下記で、図解とともにジッパー法について説明する内容だ。
お盆休み、ジッパー法で渋滞を少なくしよう
ジッパー法とは車線が減少する先頭(いちばん奥)で一台づつ交互に合流することです♪
合流地点では譲り合って、一台づつ交互に合流することを心がけるといいですね。pic.twitter.com/VerTiIBYKU
-- 名古屋高速 (@nagoya_exp_info) August 7, 2019
そこには、「ジッパー法とは、車線が減少する先頭(いちばん奥)で1台ずつ交互に合流することです。合流地点では譲り合って、1台ずつ交互に合流することを心がけるといいですね」と記されている。
つまりジッパー法とは、合流するドライバーは加速車線の途中で合流しようとせず、必ず最後まで行って合流すること。
それと、合流するドライバーと本線を走るドライバーが、お互いに確認しあって、1台ずつ交互に合流するように順番を譲るということなのだ。
この1台ずつ交互に合流するさまが、"ジッパー"が閉まっていくように見えることから命名された方法だという。
そういえば、以前は「ファスナー合流」と言われていたこともあったと思う。
【ジッパー法は本当にスムーズなの?】
ジッパー法は本線が渋滞している時に有効で、本線がスムーズに流れている時は別に考える必要がある。
それぞれの場合について見てみよう。
1.本線がスムーズに流れている時
NEXCO西日本のマナーガイドによると、本線がスムーズに流れている時の合流で重要なのは、加速車線を使って十分に加速し、本線の車の流れを妨げないようスムーズに合流すること。
十分な加速をしないまま合流すると、本線を走行する車がブレーキを踏んで渋滞の原因になったり、追突したりする可能性があるからだ。
しかし同社によると、加速車線の最後で合流できないことを恐れ、早めに合流しようとするドライバーは意外と多いという。
加速しないまま本線を走行する車の直前に入ることを想像すると、大変危険である。
2.本線が渋滞している時
次に、ジッパー法が有効となる、本線が渋滞している時について見てみよう。
上図は、合流する車が特にルールなく合流している様子を表している。
左図の場合、(1)と(3)の2か所で同時に合流しようとする車がいるので、本線を走る(B)の位置では、2台分のスペースを空ける必要がある。
もし、(1)の車の横を後続車(2)がすり抜け、加速車線の先頭で合流しようとすれば、本線を走る車はさらに遅れ、本線側の渋滞は悪化していくことになる。
そのまま右図のように後続車が追い抜いて行けば、(B)の車はほとんど進むことができない。
次に、ジッパー法で合流している上図を見てみよう。
左図では、加速車線の先頭まで進んだ(1)の車が(A)の直前に入る。
その次に、(2)が(B)の直前に入る。
このように秩序を持って合流が進んでいくのが分かる。
本線を走る車も合流する車も少しずつ進んでいくので、どちらかが極端に進まないということが無いのだ。
ルールなく合流した場合、本線の車は(B)までしか進まなかったが、ジッパー法では(F)の車まで進んでいることがわかるだろう。
また交互に進むことをお互いに理解していれば、急な割込みによる危険も少なくなるので、安全面でもプラスとなる方法だろう。
ちなみに、米ミネソタ州運輸省が行った実験によると、ジッパー法で合流することで、渋滞の全体の長さを最大40%短縮、高速道路のインターチェンジの混雑が軽減されたという。
渋滞している本線をしり目に加速車線の先頭まで行き、そこで合流することはズルしているような気分になってしまう人もいるだろう。
しかし、ジッパー法はスムーズかつ安全な合流ができて、渋滞も悪化させない方法なのだ。
勇気を出して実践してもらいたい。
※参考:米・ミネソタ州運輸省「Zipper Merge」 https://www.dot.state.mn.us/zippermerge/
https://jafmate.jp/blog/safety/190816-20.html
(2020年3月13日 修正1 ;追記)
2020年3月12日12時28分に朝日新聞からは、対策により一定の効果が上がったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
中日本高速道路が愛知県一宮市の名神高速一宮ジャンクション(JCT)の渋滞対策に実施した「ファスナー合流大作戦」が、一定の効果を上げていることがわかった。
名神高速上り線の渋滞件数が対策前より約14%減り、この区間の通過時間も3分短縮されたという。
名神と東海北陸道をつなぐ一宮JCTは、年末年始などに頻繁に渋滞が発生している。
東海北陸道から名神の走行車線に合流する加速車線で、車が至るところから入ろうとして、流れが悪くなっていたことが要因の一つだった。
「ファスナー合流」は、加速車線の先頭車両だけを交互に合流させるため、昨年11月末に加速車線と走行車線の間にウレタン樹脂のポールを2メートルおきに設置し、合流できる部分を約4割短縮した。
同社によると、昨年12月からの2カ月間、交通量は前年同期とほぼ同じだったが、名神の渋滞は132件から113件に減少。
一宮JCTを挟む岐阜羽島インターチェンジ(IC)と一宮IC間の平均通過時間は、13分から10分に短縮されたという。
一方、合流する東海北陸道に変化はみられなかった。
同社はこの結果について、「一定の効果が確認できた。他の場所への展開についても検討していく」としている
https://digital.asahi.com/articles/ASN3D3W6KN39OIPE01R.html?pn=4
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。