







(ブログ者コメント)
〇異臭通報があったと報じられている橋口町は図の赤ゾーン付近。
今回漏洩があったプラントの位置は不明だが、「1km離れた」という報道もあることだし、結構広範囲に拡散した模様だ。
〇当日18時頃の大牟田市の風向は東~東南東、風速は3~4m。
つまり、風は橋口町方面に向け吹いていた。
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/hourly_a1.php?prec_no=82&block_no=0793&year=2025&month=7&day=27&view=
以下は今回情報。
2025年7月28日18時23分にYAHOOニュース(九州放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月27日夕方、大牟田市の化学工場から塩素系のガスが漏れる事故が発生し、吸い込んだ住人ら60人以上が病院を受診しました。
警察は、業務上過失致傷の疑いを視野に捜査しています。
この問題は27日夕方、大牟田市浅牟田町の三井化学大牟田工場でガス漏れが発生し、60人余りが気分が悪いと訴え病院を受診したものです。
救急搬送された人は吐き気を催すなどの症状を訴えていたということですが、今のところ、症状の重い人はいません。
三井化学は、大牟田工場のプラントから塩素系のガスが漏れたと明らかにしています。
この影響で、大牟田市内で開催されていた「おおむた『大蛇山』まつり」が中止されました。
祭りの関係者に当時の状況を聞くと。
大牟田祇園六山振興会 相川副会長 :
「事務局のほうから走ってきてガスが漏れたようだから花火は使わないようにと連絡が来ました。びっくりするより、情報が全くありませんでした」
7月28日、警察と消防、労働基準監督署が立ち入り調査に入っていて、福岡県警は業務上過失傷害の疑いを視野に経緯を詳しく調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2e56d4143f4f23ffa88067e2d3869251e9e57a2
7月29日8時46分にNHK福岡からは、工場から1km離れた場所から通報が相次いだなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大牟田市では27日夕方、異臭の通報が相次ぎ住民などおよそ40人が体調不良を訴え、20人以上が病院に運ばれ、通報があった場所からおよそ1キロ離れたところにある三井化学大牟田工場は、プラントから塩素系のガスが漏れ出したと明らかにしていました。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20250729/5010029137.html
7月28日20時31分に朝日新聞からは、橋口町の通行人から異臭通報があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後6時10分ごろ、福岡県大牟田市橋口町の通行人から「硫黄のようなにおいがする」と110番通報があった。
県と市は28日、この問題をめぐって会合を開いた。
県によると、ガスを再利用する施設につながる配管に亀裂が入った可能性が高いという。
https://www.asahi.com/articles/AST7X1FWGT7XTIPE009M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
7月28日17時4分にYAHOOニュース(テレビ西日本)からは、ものすごい臭いがした、吐いた子供もいたと近所の人が話したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三井化学によりますと27日午後5時40分ごろ、工場の敷地内にあるプラントから塩素系のガスが敷地外に漏れ出しました。
近くには住宅街もあり、一時、騒然としました。
◆異臭を感じた男性 :
「ものすごい強いにおい。みんなが口をふさいで、頭が痛いとかせきが出たりとか」
◆子供3人を介抱した女性 :
「2人吐いていて。男の子がいて、ものすごく吐いてせきが止まらなかった。救急隊の方が来ていたので診てもらって」
約2時間後にガス漏れは収まりましたが、周辺の住民ら62人が体調不良を訴え病院で手当を受ける事態になりました。
重症者はいないとみられていますが、少なくとも5人が入院しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f1bc9b1a6a39b9acaa9bda693af4a3d1b979582
7月28日付で三井化学から事故時の状況が下記趣旨でプレスリリース(第2報)されていた。
7月28日20時42分にNHK福岡からは、ステンレス製の配管に穴が開いていた、警察や消防を含む82人が病院を受診し11人が入院中など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三井化学は28日夜、記者会見を開き、ガス漏れは自動車のシートなどで使われるウレタンの原料をつくるプラントで起きたと明らかにしました。
このプラントでは27日午後5時30分ごろに漏えいを知らせる検知機が作動したためプラントの停止や水をまくなどの対応をとり、7時20分ごろまでに敷地内の漏えいがなくなったのを確認したということです。
会社が事故後に調査したところ、ステンレス製の配管に穴が空いているのを確認し、6月に目視で点検した際には異常はみられなかったということで、対策本部を設置して穴ができた原因などを調べるとしています。
また会社で確認したところ、28日午後3時の時点で、対応にあたった警察や消防を含む82人が病院を受診し、このうち11人が経過観察のため入院していると明らかにしました。
いずれも、命に別状はないということです。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20250728/5010029132.html
大牟田市は30日、出動した市消防本部隊員30人のうち26人が2次被害を受け、救急搬送されたり自ら病院を受診したりしたことを明らかにした。
同社は27日午後5時半ごろにガス漏れを覚知したが、消防や警察に情報を伝えたのは約1時間後で、市は「検証して改善する必要がある」とした。
市によると、27日午後6時過ぎから工場周辺から119番が相次ぎ、消防が出動した。
「硫黄臭がする」といった情報があり、隊員は防護マスクをしていたが、傷病者からの聞き取り時などはマスクを外す必要があり、2人が体調不良となって救急車で病院に搬送された。
残る24人もせき込みなどの症状が出て自主的に受診した。
「全員軽症だったのが不幸中の幸い」(市消防本部幹部)だったという。
市や同社は毎年、同工場での事故を想定した合同訓練をし、事故発生時は速やかに119番することを申し合わせていた。
しかし、同社は28日の記者会見で、事故直後は対応に追われて消防や警察へ通報をしておらず、27日午後6時半ごろ、出動した消防隊員らが工場に駆け付けた時にガス漏れを伝えたと明らかにしている。
市の吉田消防長は「発災直後に連絡があれば被害状況は変わっていたのかなと思う」、関市長は「訓練が機能していなかった。連絡体制を強化し、速やかに情報共有する取り組みを進める」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3793ddc6ebf27d9b90dc4866f37be493e2e612d1
7月31日19時6分に産経新聞からは、病院受診者は155人になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三井化学によると、ガス漏れで病院を受診した人は、現場で対応した警察官や消防署員を含め延べ155人になったという。
https://www.sankei.com/article/20250731-J3OLDIXDMNM3PMGQJT4S75E56Q/
(2025年9月8日 修正1;追記)
2025年9月3日19時19分に毎日新聞からは、二重管の内側の管の汚れ部に応力腐食割れが起こり、浸入した工業用水と反応して塩酸が発生した、ガス漏れ検知後に誤報でないか現場確認したため通報が遅れ2次被害が拡大したなどとする報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三井化学は3日、同社大牟田工場(福岡県大牟田市)で7月27日夜に有毒ガスが漏れた事故について、配管に穴が開いたことが原因だったとする報告書を県に提出した。
事故を巡っては同社は警察などへ通報せず、出動した警察官や消防隊員が2次被害を受けており、通報マニュアル改訂など再発防止策も示した。
報告書によると、二重構造の内側にある配管に付着した汚れを起因として応力腐食割れが生じた。
ひび割れから工業用水が流れ込み、塩素系ガスと反応して塩酸が発生。
塩酸の滴が別の配管を腐食させ穴を開け、ガス漏れにつながったとした。
事故で警察や消防隊員を含む延べ234人(8月27日現在)が病院を受診した。
また同社はガス漏れ発生後の対応も検証した。
ガス漏れを知らせる検知器は作動したが、現場の運転員は誤報でないか現場確認を優先するため、宿日直者に自動で警報されるシステムが鳴らないよう操作していた。
このため宿日直者は直ちにガス漏れに気づけなかった。
一方、その後ガス漏れを現場確認した運転員から宿日直者は社内連絡を受けたが、詳しい情報が分からず通報しなかったという。
報告書では配管点検の強化などに加え、自動警報システムが切り替えられないよう改善を明記。
休日や夜間の外部通報は宿日直者の判断に委ねられていたが、今後はガス漏れの連絡を受けた場合、程度に関わらず通報するようマニュアルを改訂した。
同社は8日にも事故後稼働を停止していたプラントを再開する方針。
3日に生嶋亮介副知事に報告書を手渡した岡田常務取締役は「漏えい事故を起こし、誠に申し訳ございません。再発防止にしっかり努め、皆さまの信頼を勝ち得ていきたい」と謝罪した。
https://mainichi.jp/articles/20250903/k00/00m/040/275000c
※以下は事故報告書(概要)に記載されていた腐食の推定メカニズム。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2025/2025_0903/index.htm


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。