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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(1/2から続く)

 

 

また、

「日本船籍の場合は、船長や航海士は、基本的に常雇いだ。

四等~一等航海士を経て船長(1~3級)の免状までとってから、いろんな船の船長を任せられる。

だが、フィリピンやインドネシアなど外国船籍の場合は、マンニング(船員配乗)業者が船員を手配することがよくある。

日本でも20年前から船員の担い手が不足し、船長・機関長以外の船員を確保するために、外国人を多く雇い入れている。

人件費を抑える目的もあり、日本の海運会社が東南アジアに船員養成学校をつくって優秀な外国人船員を主力として雇用する大手もある」

と指摘した。 

 

マンニング業者とは、船舶所有者のために船員を確保する人材派遣業者で、船舶所有者からのマンニング料と派遣した船員の人件費の差額を儲けとしているのが通例だ。

 

船員の需給バランスを見ながら船員コストを恣意的に上下させて、用船料価格を崩してきたことが指摘されてきた。

 

また、コストのかかる常勤船員を減らし、マンニング業者に船員配乗を任せている船舶所有者が増えることで、安全運航にとって必要な適正価格が崩れていることが問題視されてきた。

 

わざわざ、パナマやマルタなど法規制の緩い国に船籍を置く大手海運会社ほど、その傾向が顕著で、近年、大型船の事故が多発していることも無関係ではないといわれる。

 

元大型タンカー機関長の男性は、

「折れているのはレーダーマストで、大きい船ほど(雑音が入りにくい)高いレーダーマストを搭載する。

海図を見て、橋とマストの高さを認識していれば、起こりようがない事故だ」

と述べ、

「日本の船舶免状はかなり厳正だが、途上国はその規制が緩い。

船舶エンジニアをやっていたころ、自分以外全員外国人ということもあったが、分数の足し算や小数の計算もできない人もいて、仕事合間に算数を教えたりもした。

一部では、エンジニアの免状の売買すらあり、そのようにして人件費を削って、安全が二の次になっていることが問題だ」と指摘した。

 

元一等航海士の男性は、

「海上交通安全法の規定を逸脱した、言語道断の事故。

海図さえ見ればわかるのに、船長が自分の船の高さを理解していないということだ。

船長の責任は重たいが、まったく通ったことがない外国人に船長をやらせる海運会社、そのような会社に何100億円もの荷物を任せる荷主も考えなければいけない」

と語った。

 

出典

『大島大橋に巨大貨物船が衝突 船舶関係者らを唖然とさせた前代未聞の事故』

https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/9687 

 

 

1114日付で中国新聞からは、損害の全額賠償は困難かもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

事故を巡り、船長や船員が外国船免許保持者のため、行政処分を決める海難審判は開かれない。

 

一方、県などは、船会社へ巨額の損害賠償を請求する方針だが、海難事故では船主の賠償責任に上限を定めた法律があり、どこまで補償されるのかは不透明だ。

 

インドネシア国籍のヨハニス・ベンジャミン船長(44)は、業務上過失往来危険罪で罰金50万円の略式命令が確定。

 

海難審判所によると、2008年の法改正で、海難事故の原因究明は運輸安全委員会に引き継がれた。

外国船免許は取り消しや業務停止の処分対象外のため、今回の事故で海難審判は開かれないという。

 

また、島全域に甚大な被害を及ぼした事故を受け、県などは、貨物船所有のドイツの船会社側に賠償請求する構え。

 

現時点で、橋や水道管の復旧費は、概算でも総額28億円。

町も、断水と橋の通行規制による給水活動や代替輸送の費用を想定し、いずれも全額を請求する予定だ。

 

民間企業や島民からも、損失補填を求める声が相次ぐ。

ホテルは宿泊キャンセルや休業が相次ぎ、断水で農畜産業も打撃を受ける。

日々の暮らしでも、本来なら不要な出費がかさむ。

こうした経済損失も含めると、被害総額は巨額となる見込みだ。

 

ただ、船舶事故では損害額が甚大な事例が多いため、国際条約には、船主が支払う賠償額を制限する規定が存在する。

国内法も、これに基づき、上限が抑えられる。

 

県などは2日、国に対し、外国船籍の事故での賠償請求手続きの支援を求める要望書を提出。

今後の対応について村岡知事は、記者会見で「庁内に対策チームを設け、弁護士と相談しながら進める」としている。

 

出典

【大島大橋衝突】巨額の損害賠償支払われるか? 船主の責任に上限

https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=480942&comment_sub_id=0&category_id=256 

 

 

11161219分に朝日新聞からは、橋が元通りになるのは来春の予定という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

損傷した橋桁の応急復旧工事が、16日未明、本格的に始まった。

12月上旬には完了する予定。

 

この日は午前0時過ぎから、海上に係留したクレーン船で長さ27m、重さ21トンの鋼材をつり上げ、約3時間かけて橋桁に取り付けた。

 

事故の影響で、橋は片側交互通行となっているほか、風速が平均5m超となった場合は全面通行止めの措置が取られている。

県によると、15日現在、通行止めは計14回に及び、最長で18時間半継続したこともあった。

 

島のほぼ全域約9000世帯で断水が続く町民にとって、本土への唯一の陸路となる橋の通行止めは大きな負担となっている。

 

工事が完了すれば、通行規制は緩和される。

元通りの橋になる本復旧の工事が終わるのは来春の予定だ。

 

出典

貨物船衝突の橋、応急復旧工事始まる 山口・周防大島

https://www.asahi.com/articles/ASLCJ30XBLCJTZNB002.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

事故発生当初、トラックの積み荷が制限高さを超えていたため歩道橋などに衝突した・・・そういった事故と同じだろうと思い、本ブログへの掲載を割愛した。

しかし今回、様々な管理上の問題や人的エラーもあったらしいという情報を入手したので、タイミング的には遅くなったが掲載することにした

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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