2022年3月9日20時10分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年11月に作業員1人が負傷する崩落事故が起きたリニア中央新幹線「伊那山地トンネル」(長野県豊丘村)の工事で8日、コンクリート吹き付け作業中に作業員2人が負傷する事故が起きた。
長野県は9日、同工区での掘削作業を中断し、原因究明と安全管理体制の検証などを実施するようJR東海に要請した。
同社や県によると、8日午後2時半ごろ、切り羽(掘削の先端部)から約15メートルの坑内でコンクリート吹き付け機の配管が詰まったため、配管の一部を取り外して詰まりを解消する作業をしたところ、部材とコンクリートが飛び散り、作業員2人に当たった。
1人は股関節や腕の打撲、もう1人は顔に当たったが目の検査で異常はなかった。
いずれも軽傷という。
リニア工事では、昨年10月に「瀬戸トンネル」(岐阜県中津川市)で2人が死傷し、今月1日には「第一中京圏トンネル」(愛知県春日井市)でも1人が負傷。
愛知の事故を受け、長野県は3日、JR側に県内5工区のトンネル工事を中断し、安全管理を再確認するよう要請していた。
今回の工区でJR側は、7日に工事を中断。
安全対策を確認して工事を再開した当日の事故だった。
https://www.asahi.com/articles/ASQ396QP6Q39UOHB010.html
3月9日23時12分に産経新聞からは、コンクリート吹付け機械の配管の一部が外れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野県は9日、長野県豊丘村のリニア中央新幹線のトンネル工区(坂島工区)で8日午後、コンクリート吹き付け作業中に配管の一部が外れ、作業員に当たる事故があったと発表した。
JR東海は、1人が腕を打撲し、もう1人が顔に擦り傷を負ったと説明。
同工区の工事を中断して原因確認を行っている。
同工区では、昨年11月に1人がけがをする土砂崩れが発生。
愛知県内での事故もあり、工事を2回中断し、今月8日に再開していた。
県は、「安全管理の周知を行ったにもかかわらず、当日に労働災害が起きた。連続して発生しており、極めて遺憾」とする文書をJR東海に渡し、事故の検証と改善を申し入れた。
JR東海によると、8日午後2時半ごろ、トンネル坑内でコンクリート吹き付け作業中に機械の配管の一部が外れ、30代の男性作業員に当たり、右腕打撲などのけがを負った。
また、事故で飛び散ったコンクリートが顔に当たった40代の男性作業員が擦り傷を負った。
https://www.sankei.com/article/20220309-2SYRVUEKWROW7D44AAGGDW4H4Y/
3月10日6時3分に信濃毎日新聞からも同趣旨の記事が、発災場所の地図付きでネット配信されていた。
・・・
JRによると、長さ1440メートルの作業用トンネル(斜坑)の坑口から255メートルの地点で発生。
配管に詰まったコンクリートを取り除く作業をしていて、近くにいた1次下請けの作業員2人に当たった。
このうち36歳男性が腹部を打撲し、44歳男性が顔にすり傷を負った。
昨年11月の事故は198メートル掘り進めた地点で起きた。
・・・
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022030901121
(ブログ者コメント)
作業の内容も、事故の形態も、おそらくは作業していた下請け会社も違うのに、事故は続く時には続く。
また、そういった事例の一つが起きてしまった。
今回のケースでも、再発防止策のとりように苦慮することだろう。
(2022年3月30日 修正1 ;追記)
2022年3月29日8時4分に信濃毎日新聞からは、作業員の経験則に頼った結果、配管が十分に連結されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は28日、「安全意識が不足していた」などとする検証結果と再発防止策を県にオンラインで報告した。
同社は同様の事故が起きるリスクを洗い出すなど安全管理の改善を図ったとし、29日以降に同工区の工事を再開すると説明。
一方、事故の自主的な公表については「県や関係市町村に報告している」とし、住民らへの積極的な公表を求めた県などとの溝は埋まらなかった。
報告によると、事故は8日午後2時半ごろ、坂島斜坑(作業用トンネル)の非常口(坑口)から255メートル付近で発生。
コンクリート吹き付け機の配管に生じた目詰まりを解消するため圧縮空気を送った際、配管の接続部分が外れた。
飛び出したコンクリートが作業員1人の顔に、外れた配管が別の作業員の腹部にそれぞれ当たり、共に軽傷を負った。
JR東海の新美名古屋建設部長らが、県建設部の田中次長らに報告した。
JR側は、作業を作業員の経験則に頼った結果、配管が十分に連結されていなかったと指摘。
現場責任者が作業を監督せず、作業員を退避させるなどの安全管理が不十分だったとし、「目詰まりを早く解消したいという思いが勝り、安全意識が不足していた」とした。
再発防止に向け、同社や元請け、下請けの施工会社社員が機械類の異常発生時のリスクを洗い出し、作業手順書や作業員向けのチェックリストを整えたと説明。
異常時はいったん作業を止め、危険予知活動などを落ち着いて行うことなどを徹底する他、機械を使った訓練を行うとした。
事故は、愛知県春日井市の西尾工区で1日に起きた事故を重く見た長野県の要請を受け、JRが県内工事を一時中断して事故防止策を改めて確認した上で、工事を再開した当日午後に発生。
坂島工区は、昨年11月に作業員1人が軽傷を負った崩落事故に続く2回目の事故だったが、JRは自主的に公表しなかった。
独自に公表した県が「本来はJRが公表すべきだ」と同社に対応を求めていた。
28日も田中次長が「より積極的な公表」を要請したが、新美部長は「必要により、県はじめ関係市町村にも報告してきている」と述べるにとどまった。
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022032801016
3月28日19時22分にYAHOOニュース(共同通信)からは、作業員の経験則に頼り手順が明確になっていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は28日、安全管理体制が不十分だったとする報告書をまとめ、長野県に説明した。
報告書は「作業員の経験則に頼り手順が明確となっていなかった」「責任者が作業を監督していなかった」などと不備を指摘した。
同社は、リスクの洗い出しや安全管理体制の検証をした上で、作業手順をチェックリスト化することなどの安全対策を実施する。
県側は「他の工区で得たノウハウをしっかり共有するなどして全体の安全対策を進めてほしい」と要望した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87622dde8b753777d5d641070b33391aca8a45ef
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。