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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年2月3日付の毎日新聞栃木版と読売新聞栃木版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
那須塩原市の「T鍍金(めっき)工業」から2日朝、「保管していたシアン化カリウム(青酸カリ)がなくなった」と那須塩原署に届け出があった。
同署の調べによると、同社で保管していた容器(500g入り)が1本足りなくなっていた。
約2500人分の致死量に相当し、同署は盗まれた可能性が高いとみて調べている。
現在、外部で使われた形跡はないという。

同日午後、同社で説明した社長によると、1月31日の在庫確認の際、15本あるはずなのに14本しかないのに気付いたという。
昨年12月10日に20本仕入れ、残っていた1本と合わせて21本を保管。1月14日に6本使ったのが最後だった。


保管は1階事務室の保管庫で、使用の際は2階事務室の机の中にある鍵を女子事務員から受取り、台帳に使用量などを記載する決まりだ。
使用者は劇毒物取扱主任とペアで保管庫から取り出して使うことにしている。
鍵は1本だけ。引出しに鍵はなく、事務員が不在の時は誰でも入手できた。
先月14日は主任は休みだったが、社内の規定通り課長が代理を務めたという。

保管庫は出入り口の1カ所に鍵が付けられ、他のシアン化銀などの劇毒物と一緒に保管。他の劇毒物の紛失はなかった。
保管庫に監視カメラはない。事務所が荒らされた形跡はない。現場周辺には小中学校がある。

同社は従業員14人で、社内調査でも行方が判明しなかったため届け出た。
社長は「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。従業員は皆知らないと言っている。保管には万全を期していたつもりだった。見つけた場合は触らずに警察に通報してほしい」と話した。

 
出典URL
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20120203ddlk09040233000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20120203-OYT8T00085.htm
 
 
※保管庫の鍵の管理状況に関し、2月3日付の東京新聞には、読売新聞栃木版とは違った記事が掲載されていた。
 
一階にある半畳ほどの薬品室の扉の鍵は二階事務所の机の引き出しに入れて管理していた。「日中は事務所に常時事務員がいるし、夜間は引き出しに鍵をかけている。誰かがこっそり鍵を持ち出した可能性は考えにくい」と社長はいう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20120203/CK2012020302000074.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□机の引出しに鍵がかけられるのとかけられないのとでは、大違い。どちらの報道が正だろうか?
 
□その点以外は、管理状態に特段の問題はなさそうだ。
 
□類似事例として、昨年1月、日光市のメッキ工場で毒物が盗難に遭っている(本ブログ掲載済)。その時は、以前働いていた人間が犯人だった。
事情を知る人間が犯人となれば、盗難を完全に防止するのは困難だ。
 



(2011年3月12日 修正1 ;追記)
 
2012年3月8日2時6分にmsn産経ニュース栃木から、盗難ではなかったらしいとの情報が、下記趣旨でネット配信されていた。
 
県警は7日、メッキ加工に使うメッキ槽の濃度分析の結果、1本分多く使用していたとみられると発表した。
同社の毒劇物のずさんな管理が露呈した格好となり、社長は7日、「管理態勢を強化したい」と話した。


県警によると、同社から2月2日に紛失届が出たことを受け、那須塩原署がメッキ槽を調べたところ、会社側の「1月14日に6本を使用した」という説明よりも多い7本分の濃度が検出されたという。

さらに、2月6日に男性従業員が「保管部屋から6本持ち出したつもりだったが、使用した容器を洗っていたら7本あることに気付いた」と、社長に申し出ていたことが判明。
外部からの侵入の形跡などがないことから、県警は「1本多く使っていた可能性が高い」とみている。


社長は2月2日、報道陣に対して「多く使用した可能性は低い」「(管理は)万全を尽くしているつもりだった」などと説明していた。
しかし、保管部屋から青酸カリ容器を何本持ち出したかさえ正確に把握できていなかったという管理態勢の甘さが問われそうだ。

 
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120308/tcg12030802060001-n1.htm
 
       
 
(ブログ者コメント)
 

盗まれたのではなさそうとのこと。
関係者一同、胸を撫で下ろしていることだろう。
 
しかし、帳簿をつけ間違った従業員は、なぜ社内調査の際に「知らない」と言ったのだろう。
自分が6本も使っていれば、ひょっとして7本?という気が起こらなかったのだろうか?
 
仮に、うすうす気がついてはいたが、ミスを打ち明け難い職場だった・・・そんなことがあったとすれば、安全な職場づくりという点で問題だ。
 
自分のせいでトラブルが起きた時は、ただちに上司などに報告することが大切。
自分のミスを隠し続けたことが大事故の遠因になった事例も、過去にはある。
 
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魚田慎二
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男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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