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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年1月31日付の毎日新聞徳島版から、また同日付の朝日新聞徳島全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

徳島市のS内科病院で10年4月26日未明、男性入院患者(当時79)が食材運搬用リフトに転落して死亡したのは、安全への配慮が欠けていたことなどが原因として、男性の遺族が病院に慰謝料など計3140万円の賠償を求めた訴訟で、徳島地裁は30日、計2870万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決などによると、男性は食事などを配膳するためのリフトの3階の開口部から、1階に止まっていたリフトの屋根に転落。
別の病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。


判決は、リフトの開口部から人が転落すれば危険であったにもかかわらず、鍵がかかっていなかったことを指摘。
廊下に面し、高齢の患者や見舞客が近くを通る状態だったことにも触れ、「リフトには工作物が通常備えるべき安全性が欠如し、設置保存の瑕疵があった」、「リフトは頻繁には使われておらず、転落の防止措置をとる支障は大きくなく、ドアロック機能を付ける費用も高額ではない」と、病院の責任を認めた。


判決を受け同病院は「責任者がいないのでコメントできない」とした。

県によると、10年に、同病院と同型のリフトを使う約10病院に対し、リフトの扉に転落防止措置をとるよう、通知を出した。
昨年6月までに県内全ての病院で、ドアロック機能をつけるなどの事故防止措置がされているという。


出典URL
http://mainichi.jp/area/tokushima/archive/news/2012/01/31/20120131ddlk36040530000c.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
潜在危険箇所に対し、どこまでカネをかけて設備対応すべきか?
安全スタッフや安全に思い入れのある経営者の頭を常に悩ませる問題が顕在化した事例だ。
 
今回の事例は、結果論からいえば、判決のようになるのだろう。
しかし、過去にヒヤリ事例があったのならまだしも、判決理由では何も触れられていないので、おそらくは何もなかったのだろう。
ヒヤリ体験のない場所への設備対応、これは難しいことだ。
 
仮に今回の事故が危険予知されていたとして、病院側は設備対応していたか?
ブログ者は、対応していなかった可能性が高いと考える。
 
なぜなら、同じような潜在危険個所は他にも沢山あるはずだからだ。
全て対応することはできないので、結局、何もしない。そんなホンネの実態は、どこの現場にもあるはずだ。
 
毎年、対策のための予算を計上し、優先順位をつけて計画的に対応する。
それがあるべき姿ではあるが、カツカツの経営をしているところが多い昨今、おいそれとカネが出るわけもなし。
 
この問題に正解はない。永遠の課題だ。

 
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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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