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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年7月29日12時18分にmsn産経ニュースから、同日12時31分に朝日新聞から、同日13時39分と18時34分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。


東京メトロは29日、練馬区の有楽町線・副都心線平和台駅で26日午後3時頃、エレベーターが数m落下する事故があり、乗っていた50代の女性が、しりもちをつくなどして尻や肘に2週間の打撲傷を負ったと発表した。

発表によると、事故があったのは、地下1階と地上とを結ぶエレベーター(高低差約7.5m、定員11人)。上昇中に急に落下し始め、非常停止装置が作動して止まったという。
同装置は一定速度以上の降下を感知した際、かごの横からブレーキパッドをあてて落下を防ぐ仕組み。
調べたところ、エレベーターのかごをつり下げている直径1cmの金属製ワイヤロープ3本が全て切れていた。

メンテナンス会社の三菱電機ビルテクノサービスによると、エレベーターは2004年1月に導入。
このエレベーターのロープには昨年9月の定期検査でさびが見つかっていたが、基準に達していなかったため交換していなかった。今月14日の保守点検でも特に異常は見あたらなかったという。
同社は「ロープ全てが一気に切れるという事態は過去に例がない。原因究明に全力を挙げる」としている。

東京メトロは同機種のエレベーター計64台を緊急点検し、同様にロープがさびているのが見つかった4台についてロープを交換した。

国交省は29日、三菱電機ビルテクノサービスが扱っている約20万台のエレベーターについて調査するよう、全国の自治体に要請した。


出典URL ■■■
               ■■■
               ■■■
               ■■■



(2012年1月16日 修正1 ;追記)
 
2012年1月12日18時2分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
国交省は12日、劣化が原因とする事故調査報告書を公表した。

報告書によると、事故はかごを支えていたワイヤ3本すべてが切れ、かごが落下したと断定。
エレベーターの使用回数が1日約1800回と非常に多いため、ワイヤが繰り返し曲がり、断線が進んだと指摘した。

三菱電機ビルテクノサービスは、ワイヤを昨年3月末までに交換する予定だったが、事故当時まで交換されていなかった。

国交省は、定期検査でワイヤの内部損傷などを把握するのが現状では不十分だとして、今年度内に検査方法の規定を見直すという。


出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120112/dst12011218020018-n1.htm
 
 
事故報告書は下記(38ページ、1.7MB)
http://www.mlit.go.jp/common/000188107.pdf
 


(2012年3月24日 修正2 ;追記)
 
2012年3月19日11時27分に読売新聞から、保守管理会社の所長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
警視庁は19日、エレベーターの保守管理を担当していた「三菱電機ビルテクノサービス」練馬営業所の所長(50)や担当者ら4人を業務上過失傷害容疑で書類送検した。
同営業所がワイヤロープのさびを放置したことが、原因だったと判断した。

送検されたのは、同営業所長のほか、エレベーターの管理を担当していた同営業所の係長(47)と元係長(42)、保守担当者(38)の3人。

発表によると、4人は、同駅地下1階と地上を結ぶエレベーター(定員11人)の金属製ワイヤロープ3本(直径1cm)がさびているのに気付きながら放置。
昨年7月26日午後3時頃、ロープの切断でエレベーターを落下させ、乗っていた女性(52)に腰の打撲など2週間のけがを負わせた疑い。

ロープは2007年3月に交換していたが、10年9月の同社の検査担当による定期検査で3本ともさびていることが発覚。交換を指示されたが放置したという。

4人は調べに対し容疑を認め「交換時期の判断を誤った」などと供述している。
一般的にロープ交換の目安は3年とされているという。

同社広報室は「書類送検された事実を重く受けとめ、再発防止に向けて全力をあげています」とコメントした。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120319-OYT1T00391.htm
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
検査担当の指示が放置されたために事故が起きたということだが、一体、検査担当はどのような指示をし、それがなぜ放置されたのか?
その点について、前出の事故報告書から抜粋した経緯は下記。
いろいろな原因が絡み合って事故が起きたようだ。

 
「検査担当による検査結果」

○素線切れはなかった。
※素線切れは内部で先に発生していたため、目視や触診では発見できなかった。
   (内部断線に対応した検査方法なし)


○錆の発生が確認されたため、ロープの交換が必要である旨、社内報告した。
※交換が必要と判断したのは、社内基準で「錆を確認した場合には取替を計画」となっていたため。

○ただ、その錆はウエスでぬぐえばとれるものだったため、錆が著しい場合に必要な「要重点点検の指摘有り」の報告は行わなかった。
※「錆が著しい」という具体的判断基準は規定されていなかった。
 
「検査結果を受けての対応」

○2011年3月31日までに交換するように計画を立てたが、実際には交換されず。
※内部手続きのミスの模様。

○4月に交換しようとしたが、社内システムへの入力が7月に遅れ、9月交換の計画になってしまった。(しかし、7月に事故発生)
 
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魚田慎二
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男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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