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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20101018日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年10月13日ならびに14日付でデイリー東北新聞社より、10月14日付で河北新報社と東奥日報社より、以下の趣旨の記事がネット配信されていた。
 
(事故の概要)
 2007年11月5日午後7時55分ごろ、第一溶錬工場内の、ステンレス原料を製造する第7号炉(直径約20m、高さ約5.5m)の点検口から、高温のガスとともに原料のニッケル鉱石が数秒間、大量に噴き出し、原料の投入作業中だった3人が死亡した。火傷死とみられる。
 
(事故原因)
科学警察研究所の調査に基づき、警察は、電気炉上部に設置された冷却用ホースが外れて多量の水が漏れ、高温の炉内に入って水蒸気爆発を起こしたものと判断したことが、13日、捜査関係者への取材で分かった。
なお、会社側は、当初、水蒸気爆発については否定的な見解を示し、過熱状態の液体が激しく沸騰する「突沸現象」の可能性を示唆していた。
 
(顛末)
警察は、事故は、現場責任者が水蒸気爆発の危険性があったのに十分な対策を講じなかったことを重視し、当時の製造部門責任者ら数人を、業務上過失致死、労安法違反の疑いで、また会社を労安法違反の疑いで書類送検する方針を固めたことが、12日、捜査関係者への取材で分かった。
 
 

(修正1;2010年10月19日 情報追記)


2010年10月19日付の毎日新聞ネット版、10月18日15時10分にネット配信された東奥日報に、以下の趣旨の記事が掲載されていた。

□業務上過失致死容疑は、炉の冷却管に不具合があり、冷却水が炉内に流れ込む危険を知りながら修理せず放置していたことが理由。
□労安法違反容疑は、多量の高熱物を取扱う作業を行う場所であるにもかかわらず、火傷その他の危険を防止するため、労働者に耐熱服などの保護具を使用させるなどの適当な措置を講じなかったことが理由。
 


修正2 ; 2010年10月28日 情報追記)

2010年10月28日付で、下記趣旨の記事が朝日新聞青森版として、ネット配信されていた。

青森地検は、27日、当時の製造部長代理ら3人を略式起訴したと発表した。
発表によると、3人は、電気炉で給排水ホースの1本を修繕する際、作業員が不十分なつなぎ方をしたのに十分に点検せず、ホース全体を交換させるという指導監督を怠ったとされている。地検は、3人が不十分な修繕が日常的に行われていたのを認識していたことなどから、刑事責任があると判断したという。
事故は、このホースの修繕部分が水圧によって外れ、漏れた冷却水が高熱の電気炉に流れ込んで、水蒸気爆発を起こしたとされている。



(ブログ者コメント)
 
□冷却用ホースの設置状況について別途調査結果、以下のホースメーカー資料に、設置状況を示すと思われる写真が掲載されていた。これを見ると、やはり炉の上方に多数のホースが通っているように見える。このことに対し、最初は、万一のホース水漏れを考えると危険であろうと違和感を感じたが、よくよく考えてみると、化学業界でも加熱炉のチューブ内に可燃性のガスや液体を通している。要は、しっかり管理しておけば大丈夫ということなのだろう。

□太平洋金属は当初、突沸説を主張したらしいが、水蒸気爆発説で納得したのだろうか?場合によっては、いわば素人の科学警察研究所よりも、設備・工程を熟知している会社の言い分のほうが正しい場合もあるのだが・・・。
 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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