2019年7月26日19時48分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西エアポートは26日、関西国際空港にある浄化センターの汚水処理水の一部が、雨水専用排出口から大阪湾に放流される違法状態が、1994年の開港から約25年間続いていたと発表した。
放流された処理水はいずれも国の基準値を下回り、周辺海域の環境への影響はないという。
関西エアによると、消防用貯水池に処理水を活用。
藻の発生を防ぐため、1日10m3をあふれさせていたが、それが雨水専用排出口から放流されていた。
大阪府によると、処理水は水質測定後、府の許可を受けた専用排水口から放流することが法律で定められている。
このほか、10年、17年、18年の一定期間、汚水処理機能の不具合で、雨水専用排出口から国の基準を下回る汚水、計約3000m3分が流れ出た。
また、植栽や工事用水に処理水を許可なしに使用していたという。
違法行為を告発するメールが今年3月までに関西エアと府に送られて発覚。
府は今月5日付で、再発防止と早期是正を求める警告書を関西エアに出した。
関西エアは、今後、処理水排出のための適正な許可申請、貯水池の改修、緊急対応マニュアル改定などをして再発防止に努めるという。
https://mainichi.jp/articles/20190726/k00/00m/040/206000c
以下、は7月26日付の関西エア社プレスリリース。(部分)
1. 事実関係
(1)自主水質管理基準*2を超える中水*3の放流と、処理水*4及び
中水の地下浸透行為
以下の期間、浄化センターにおける汚水の処理不調により、自主水質管理基準を逸 脱する恐れが生じたことから、海域への放流を停止していたが、一定の項目に関し て自主水質管理基準を超過していた中水を、浄化センター前の修景池へ継続して給水していた。
それらの中水は、修景池の構造上、池の壁面から越流した後、雨水排水側溝に流れ、最終的に雨水専用排水口から海域へ放流した。
また、一部の処理水や中水を浄化センター敷地内の地面に散布し、浸透させた他、中水を植栽に散布し、浸透させていた。
さらに、隣接する給油センター内の消防水槽に中水を給水し、水槽から越流した水を周囲の芝生帯に浸透させた。
① 2010 年 5 月 12 日~ 6 月 14 日(34 日間)
② 2017 年 5 月 18 日~ 5 月 31 日(14 日間)
③ 2018 年 1 月 29 日~ 2 月 26 日(29 日間)
(2)放流の許可を受けていない雨水専用排出口からの処理水、
中水の放流行為
浄化センターで処理された処理水の一部について、自主水質管理基準を満たしていたものの、放流の許可を受けていない雨水専用排出口から放流した。
また、浄化セ ンター前の修景池へは繁茂対策として恒常的に 10m3 /日程度の中水の給水を行っており、池の壁面から越流した中水を雨水専用排出口より放流した。
(3)中水の用途外使用
法の許可申請上、中水は浄化センターから各建物等で使用(トイレ洗浄用)された後、浄化センターに下水として戻す、100%循環をするものとして許可申請、許可されていたが、植栽散水、工事用水等の使用は許可申請しておらず、用途外使用であった。
(4)上記行為に伴う汚濁負荷量の測定の不履行
処理水は放流前の監視槽で常時水質を測定し、汚濁負荷を把握する必要があるが、上記行為により、適切な汚濁負荷の把握を行わなかった。
http://www.kansai-airports.co.jp/news/2019/2739/J_190726_PressRelease_Purificationcenter.pdf
(ブログ者コメント)
告発せずとも、関西エア社の担当部署に違法状態だと連絡すれば、その時点で関西エア社は対応をとり、連絡した人は、よくぞ気が付いたと褒められそうに思うのだが・・・。
告発に至った裏に、何があったのだろうか?
それにしても、 貯水池から毎日10m3を違法放流していたことは、設備計画時あるいは建設時に気付かなければ、運転に入ってからでは気付く機会はグンと減ってしまう。、
今回の事例、人命にかかる見逃しでなくて、よかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。