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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年10月12日20時19分に、東京新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京電力は12日、福島第1原発2号機の格納容器内のガスを引き出して浄化するシステムを接続するため、格納容器につながる配管内の水素濃度を測定したところ、6・5%だったと発表した。
東電は「火気を使用する予定はなく、爆発の恐れはない」としている。

同様のシステム接続を計画中の1号機の配管では、60%を超える高濃度の水素が検出されたため、窒素を注入した上で配管を切断した。

2号機では配管の切断は不要のため窒素は注入せず、システムを接続して処理する。
 

出典URL■■■


ちなみに、1号機の状況については、2011年10月9日20時50分に毎日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

1号機の原子炉格納容器につながる配管から高濃度の水素が検出されている問題で、東電は9日、水素爆発の懸念はなくなったと発表した。
窒素の注入作業を続けたことで、水素濃度が爆発の可能性がある4%を継続的に下回ったため。

これを受け、東電は配管の切断作業を実施。
今後、格納容器内の放射性物質をフィルターで除去する「格納容器ガス管理システム」の設置工事を本格化させる。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

水素の爆発範囲は4~75%。
よって爆発防止のため、1号機は爆発下限濃度の4%を下回るまで窒素パージし、その後、火気工事した。
しかし、2号機は爆発下限濃度以上の6.5%なのに爆発の恐れはないと評価している。
なぜか?火気工事がないからだという説明だけでは説得力に欠ける。

東電評価内容の詳細は不明だが、ブログ者であれば、6.5%水素の爆発危険性を以下のようなシナリオで評価する。

□水素の最小着火エネルギーは0.016mjと非常に小さい。静電気放電の中の最も微弱なコロナ放電でさえ着火源となり得るほどだ。

□しかし、この最小着火エネルギーなるもの、ガスの濃度によって大きく変わる。 水素の0.016mjなど文献に記載された値は、最も着火しやすい濃度で測定したものだ。
そして、最小着火エネルギーは、その値を最下点として、ガス濃度が低くなる、あるいは高くなるにつれ、二次曲線的に上昇する。

□水素の場合、濃度6.5%は爆発下限濃度に近く、その濃度の水素を着火させようとすれば、かなり多大のエネルギーが必要になる。

□ここで、2号機のガスを「格納容器ガス管理システム」に通す場合の着火源について考えると、溶断などの火気を除けば、静電気しか考えられない。

□そこで静電気放電の様々なパターンについて検討し、水素濃度6.5%のガスを爆発させるだけの着火エネルギーを持つ静電気放電が、この「格納容器ガス管理システム」内で発生し得るものかどうか、その可能性を検討する。



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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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