2016年9月1日0時21分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風10号による大雨は、死者11人を出す惨事となった。
岩手県では、濁流と流木がグループホームを襲い、静かに暮らしていた高齢者9人の命を奪った。
朝から降り続いていた雨が、強風を伴って猛烈な勢いになった。
30日午後6時すぎ、岩手県岩泉町乙茂のグループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」。
ホームから約5km下流の赤鹿観測所では、普段の小本川の水位は1mほどだが、この日は午後6時からの1時間で2m近く増して5.1mとなり、堤防の高さ(4.87m)を超えた。
午後8時には6.61mに達し、31日午前0時40分ごろまで、堤防を越える水位が続いた。
「楽ん楽ん」と同じ敷地内にある3階建ての介護老人保健施設「ふれんどりー岩泉」の従業員女性によると、施設では雨が激しくなり始めてから10~15分もしないうちに、腰の高さまで水かさが増した。
「ドーン、ドーン」という地響きが聞こえた。
「ふれんどりー」の入所者らは2階以上に避難し、無事だった。
女性は、「もうちょっと上がってきたらダメかなと思った」。
壁には、高さ2mほどまで水位が上がったとみられる泥の跡が、くっきりと残されていた。
一方、高齢の入所者9人と女性職員1人がいた平屋建ての「楽ん楽ん」では、入所者9人全員が死亡した。
それぞれ、居室やキッチンなどで遺体で見つかった。
関係者によると、職員は入所者の1人を抱きかかえながら助けを待ったが、水位が下がる前に入所者は亡くなったという。
「楽ん楽ん」の佐藤事務局長は、「申し訳なく思っている。認識が甘かったかもしれない。2011年の秋に周辺が少し浸水したことがあったが、施設は無事で、今回もそれぐらいだと思っていた」と話した。
「40年以上暮らしていて、これほど水が上がったのは初めて」。近くに住む雑貨店経営の藤田さん(女性、67歳)は振り返る。
30日午後6時半ごろ、気づくと道路が冠水。そのままだんだん水が増え、31日午前2時ごろには床上1.5mほど浸水した。
停電でテレビがつかず、携帯電話もつながらない。
川がごうごうと流れる音が響き、店が心配で一睡もできなかった。
「商品が全て水につかった」と話した。
近くの男性(38)は、トタンやごみが流れてぶつかる「バリバリ」という音を聞きながら、家の窓から外を見たり、1階で床上浸水が進む状況を確認したりして夜を過ごした。
「ほかの家より1mほど高い土地に家を造っているが、今までここに住んでいて、床上まで水が上がることはなかった」と驚いていた。
岩泉町が30日午後2時に避難勧告を出した安家地区。
一人で住む女性(81)は、「数年前の台風でも被害はなかった。今回も大したことはない」と自宅にとどまったが、雨脚が強くなると1時間もせずに1階が浸水。午後7時ごろに2階に避難したが、水が階段の残り2段まで迫り、「この家も水にのみ込まれるかもしれない」と覚悟したという。
「みるみるうちに水位が上がり、道路が冠水して逃げられなかった。生きた心地がしなかった」
出典
『「ドーン」と地響き、濁流と流木一気に 岩手の施設』
http://www.asahi.com/articles/ASJ805TS5J80UTIL048.html
(ブログ者コメント)
今回の台風については、「史上最強クラス」とか「非常に勢力が強い」、「特徴は大雨」といったフレーズが数日前からテレビで繰り返し流されていた。
それなのに、まさかの大惨事。
事故が起きた原因や背景については様々な報道があるが、過去に大きな水害は起きていないので今回も起きないだろうと、関係者が甘く見ていた点が一番大きいような気がする。
しかし、過去に起きたことがないような大災害でも起きることがあることは、東日本大震災時に学んだ筈だ。
特に岩手の人たちは、身に染みていたと思うのだが・・・。
それなのに・・・。
喉元過ぎれば、ということだろうか?
それとも、山間部の人たちにとって大津波のような出来事は、所詮、他人事だったのだろうか?
2016年8月22日18時54分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月22日17時44分に産経新聞から、8月22日16時00分に読売新聞から、8月22日16時33分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
台風9号による強風の影響で、成田空港の管制塔(高さ約90m)にいた管制官約10人が、22日午後2時20分、併設の事務所棟(8階建て)部分に避難し、同空港に2本ある滑走路がいずれも、一時、閉鎖された。
その後、風が収まったため管制官が戻り、同空港の管制機能は回復。滑走路は、午後3時半前に再開した。
管制官避難で滑走路が閉鎖されるのは2011年3月の東日本大震災以来で、強風による避難は1978年の開港後、初めて。
国交省成田空港事務所によると、管制塔の避難基準(平均風速毎時55ノット;約28m/sが2分間)を上回る60ノット;約36m/sの風が吹いたことから、管制官らは管制塔から避難した。
管制塔は大きく揺れていたという。
離陸は直前20分以上前から、着陸は直前1時間以上前から、できない状態だった。
同日午後に強まった風や滑走路閉鎖の影響で、成田空港に着陸する予定だった20便以上が、関西空港や中部空港に目的地を変更するなどした。
成田空港は、通常午後11時までの運用時間を、最大2時間半延長して対応する。
出典
『成田で管制官一時避難=強風で、滑走路も閉鎖』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082200470&g=soc
『強風で管制官が一時避難 成田、滑走路1時間閉鎖』
http://www.sankei.com/affairs/news/160822/afr1608220026-n1.html
『強風で管制塔職員避難、成田の滑走路一時閉鎖』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160822-OYT1T50116.html
『成田空港で管制官が避難 滑走路を一時閉鎖 台風9号』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8Q4WN1J8QUTIL02P.html
(ブログ者コメント)
今回の台風9号は風雨激しく、直近を台風が通過した千葉県のわが家でも、ベランダの床で斜めに跳ね上がった雨水が外壁シールの甘い部分から?侵入して、下の部屋の天井からポタポタ漏れる被害が出た。
翌日、シールが甘そうな場所を探しコーキング処理したが、はてさて、明日接近する、もっと強力そうな台風10号には大丈夫だろうか?
2014年10月7日1時4分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大型の台風18号が6日、首都圏を直撃し、横切った。
大雨の影響で、都市部でも土砂災害や浸水被害が発生。
台風が通過した自治体では避難指示や勧告が相次ぎ、多くの住民が不安を抱えながら通過を待った。
台風の接近・通過に伴い、太平洋側の自治体では避難勧告や指示の発令が相次いだ。
朝日新聞の集計では、12都県で約134万世帯、316万人が避難勧告の対象になった。
「空振りを恐れずに」との国の呼びかけに応じたかたちだが、避難者が限られた地域も多かった。
東京都港区は約2万3千世帯、4万5千人に避難勧告を出した。
オフィス街が集まる都心だが、急傾斜の崖など土砂災害の危険箇所が東京23区内で最多の118カ所ある。
午前9時過ぎに土砂災害警戒情報が発表されたのを受け、すぐに発令を準備。6カ所の避難所を設け、ツイッターなどで周知した。
実際に避難所に来たのは6人だけだったが、担当者は「広島市の災害が頭にあった。空振りでも仕方ないとの判断で動いた」と話す。
神奈川県鎌倉市も、市内の3分の1に当たる約2万4千世帯、5万7千人に勧告を出した。
松尾市長は、「鎌倉は急傾斜地が多く、崖崩れが心配。結果的に何もなくても、対応が遅かったと悔やむよりいい」。
内閣府は今年4月、市町村が避難勧告や指示を出す際の指針を9年ぶりに改め、「空振り」を恐れず発令することを基本原則とした。
昨年10月の伊豆大島の土石流災害で、町が発生まで避難勧告を出さなかったことを受けた措置だ。
内閣府の担当者は、「ハードルが下がり、早めに出す動きが広がった」という。
改訂後に発生した今年7月の台風8号と梅雨前線による大雨の際は、全国で約50万世帯、119万人が避難勧告の対象になった。
一方で、乱発による勧告の軽視を懸念する声もある。
静岡県沼津市は今回、5地区の約8600世帯、1万9千人に避難勧告を出した。
しかし、実際に避難所に行ったのは42人で、1%にも満たなかった。
自営業の男性(58)は母親(87)と2人で避難したが、「あまり勧告が頻発することで、信じられなくなるのも困る」と話す。
千葉県松戸市は6日午前10時20分、人口約49万人の市内全域に勧告を出したが、「台風のスピードが速く、地域を精査する余裕がなかった」と説明する。
内閣府は指針改訂の際、河川水位などの数値基準のほか、発令範囲を事前に定めるよう求めたが、まだ基準を見直し中の市町村も多い。
牛山素行・静岡大学防災総合センター教授は、「空振りを恐れずに出すことは間違ってはいないが、いきなり市内全域に発令するなど、安易な例も目立つ。明確な基準と事前のシミュレーション、丁寧な情報提供が必要だ」と指摘する。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASGB655KKGB6UTIL04N.html
(ブログ者コメント)
「空振りを恐れずに」という言葉の意味はよく分かるのだが、避難勧告の乱発によりオオカミ少年化することとの兼ね合いが難しいところだ。
2013年9月18日20時47分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象庁は18日、列島を縦断した台風18号の接近に伴って、和歌山、三重、埼玉、群馬、栃木の5県で計10個の竜巻が発生していたと発表した。
一つの台風に伴って発生した竜巻の数としては、同庁が組織的に突風調査を始めた1991年以降で最多という。
気象庁の現地調査によると、5県のうち和歌山で3個、埼玉・群馬の県境付近で4個の竜巻が発生していた。
このうち、16日午前1時半ごろに埼玉県滑川町で発生し、熊谷市に移動した竜巻の被害範囲が長さ約13km、幅約200mと最も大きかった。
突風の強さを6段階で表す「藤田スケール」は、最強のもので上から5番目の「F1」(約10秒間の平均風速33〜49m)だった。
過去の台風に伴って発生した竜巻を分析すると、台風の中心の北東約400kmあたりで発生することが多く、今回もほぼ同様の位置で発生していた。
台風の北東は暖かく湿った空気を含む南寄りの風が吹きやすく、さらに地上付近と上空の風向きの違いが渦を作りやすくするという。
同庁は、今回の台風が多くの竜巻を発生させた理由について「台風が通った経路の北東側が、竜巻を起こしやすい場所(平野など)だったためではないか」とみている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130919k0000m040066000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。