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2021年4月23日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正5として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11580/
(2021年6月9日 修正5 ;追記)
2021年5月24日16時5分にYAHOOニュース(NEWSポストSEVEN)からは、則武地所が手がけていた物件はほとんどがサブリースがらみの投資用マンションだったなど、背景にも切り込んだルポライターの記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
東京・八王子市の賃貸アパートの外階段が崩れ、住人の女性が転落しした事故は、その施工会社が間を置かずに自己破産を申請したことが非難の的となっている。
そして、他に同じような危険な物件が複数あること、短期間にずさんな工事を繰り返していたことが明るみに出てきた。
なぜ、このような危険な賃貸物件が増えてしまったのか、ライターの宮添優氏がレポートする。
・・・・・
東京都内の建設会社代表・中島孝一さん(仮名・30代)は、これまでにも数棟の則武物件の工事に関わってきたが、この一年ほどの間に、さまざまなトラブルがあったことを明かす。
「則武から入金が遅れる、入金がない、ということが相次ぐようになり、同業者と『大丈夫か』と話していたのですが、工事自体もかなり杜撰になっていました。
建物自体は則武の社員や、則武が契約している大工が担当し、水回りや外壁などを我々外部の事業者が請け負う形。
そして報道にあったように、ありえない場所に木材を使用したり、壁が曲がっていたりしたんですよ」(中島さん)
中島さん自身、あまりに酷い工事現場の様子から、則武との付き合いを考え直さなければならないと思っていたところに起きた悲劇だった。
・・・・・
「則武さんの物件のほとんどは、いわゆる投資用のアパートでした。
この数年の間に、関東エリアで100を超える物件を手がけており、もしかしたら、そのほとんどで同じような問題が起きているかもしれません」
こう話すのは、神奈川県内の建設会社幹部(50代)。
則武地所施工の物件は、いずれもデザイン性が高く、若者を中心に人気だった時期もあったと振り返る。
しかし、「投資用物件」だったからこそ、今回の問題が起きたと指摘する。
「数年前、利回りの良さから不動産投資が加熱したことがありましたよね。
でも、そんな時期も、今は昔のこと。
スルガ銀行、かぼちゃの馬車、それにレオパレスなど、投資用物件やサブリースの問題が次々に明るみに出て、業界は冷え切っていました。
則武も同じような商売をしており、結局、ボロが出たということでしょう」(建設会社幹部)
投資家オーナーが金融機関から融資をうけてアパートを買い、それを事業者にリースする。
事業者は入居者を募り、オーナーは複雑な管理業務に煩わされずにリース事業者から融資の返済金額を上回る収入が得られるというのが「サブリース」の大まかな仕組みだ。
オーナーに対し、家賃保証をうたい文句にした事業者も多かった。
当然、投資家に安定した利益をもたらすと高い人気を誇っていたが、女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」など、サブリース事業を展開していたスマートデイズ社が、投資家にリターンを戻せなくなり、破産した。
そもそも、入居者が思うように集まらず、オーナーの要望を押さえ込んで家賃減額を行いながら、次々に新規物件を建設していた。
その、急いで建てられた物件は、多くが杜撰な工事で建てられていた。
住む人を集められない物件を増やし続けた最後は自転車操業に陥り、結果的に建設資金を融資してもらった、つまり借金をしたオーナーが騙された、という形になった。
かつて破たんしたサブリース業者のアパート建築現場について聞いていた様子と、則武の現場は似たような雰囲気になっていたという。
「質が悪く安い物件をバンバン売って利益を上げるのが、近年の則武のスタイル。
工事現場では、杜撰な工事を見かねた関係者が社員に上申することもありましたが、『誰も損はしない』と聞き入れてくれなかったそうです」(建設会社幹部)
東京都内に住む無職・鎌田さん(男性、60代)は「則武物件」のオーナー。
知り合いの不動産屋を介し、絶対に儲かる話があると言われて紹介されたのが、則武の社員だった。
・・・・・
筆者の調べによると、「則武物件」を動画やブログ、サロンなどで紹介・販売することで「紹介料」を稼いでいるような人々も存在しており、その構造の全容も近いうちに明らかになるのかもしれない。
上記で紹介したような体験をしている建設会社、オーナーは他にも多数存在しており、今後、さらなる混乱が起きることは必至だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8977b42c0eacb4ed0a8f0d58565063eef35e8b1
6月1日11時48分にYAHOOニュース(時事ドットコム)からは、調査対象241棟中、6棟で外階段の木材に腐朽がみられたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は1日、同社が施工した他のアパート6棟で劣化が確認されたとする調査結果をまとめた。
うち4棟は、直ちに崩落などの危険があるという。
調査したのは、同社と、同社社長らが個人名で建築確認を申請した東京都・神奈川県内の計241棟。
劣化があった6棟は鉄製の外階段を木製の踊り場が支える構造で、踊り場の木材に腐朽がみられた。
同省は6棟の所有者に対し、階段を支える柱を仮設するなど改善を指導。
同様の構造だった207棟の所有者にも、建築士などによる詳細調査を要請した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d52d2cd0ef53bbabb9203503c36853ef22e8fce
6月1日12時2分にNHK神奈川からは、241棟中、213棟で外付け階段に木材が使われていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、この会社や関係者が手がけた東京都と神奈川県のあわせて241のアパートについて、自治体を通じて目視による調査を行いました。
その結果、事故が起きたアパートと同じように外付けの階段に木材が使われているとみられる物件が213に上ることが分かったということです。
このうち、現時点で劣化などにより危険性があると判断されたのは6つの物件で、すでに階段を支える仮設の柱を設置するなどの対策を進めているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20210601/1050013987.html
(2021年9月15日 修正6 ;追記)
2021年9月14日18時26分に読売新聞からは、国交省は木造外階段の防腐処理方法について指針を作成するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、木造外階段の防腐処理の方法について、指針を作成する方針を固めた。
有識者による議論を経たうえで、年内に取りまとめる。
木造の外階段は、建築基準法施行令で、防腐処理を施した場合に限って設置が認められている。
防腐処理の具体的な方法は明文化されておらず、新たに指針を作成することで、実質的な基準としたい考えだ。
指針には、一般的な薬剤塗布や防水シートの使用に加え、腐食しにくい材料を使うことやクギ穴の防水措置などを盛り込むことを想定している。
不適切な事例を明記し、注意を促すことも検討している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210914-OYT1T50175/
(2025年2月16日 修正7 ;追記)
2025年2月14日18時19分に毎日新聞からは、実質経営者が書類送検された、事故前には階段腐食などの苦情が10数件、従業員からも一斉点検が必要との声、しかし資金繰りが苦しく作業を優先したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁捜査1課は14日、施工した相模原市の建設会社「則武(のりたけ)地所」(破産)の会長を務め、実質的経営者だった男性(77)を業務上過失致死容疑で東京地検立川支部に書類送検した。
警視庁は、元会長が階段が崩落する危険性を認識しながら、点検や補修を指示しなかったことが事故を引き起こしたと判断した。
捜査関係者によると、元会長は任意聴取に容疑を認め、「他に施工中の物件があり、作業を優先した。資金繰りも厳しく、苦情が入ってから対応すればいいと思っていた」と供述しているという。
踊り場は防腐措置が施されておらず、階段との接合部分の金具の溶接も不十分だったとされる。
事故前には19年9月以降、則武地所が施工した複数のアパートで「階段が腐食している」などの苦情が同社に十数件寄せられていた。
20年7月には施工した相模原市の木造3階建てアパートで外階段が崩落し、住人男性がけがをする事故があった。
従業員からも「一斉点検した方がいい」と指摘されていたという。
警視庁は、施工物件で事故が起きていたことから元会長は危険を予見できたと判断。
踊り場を防腐措置していなかったことから安全対策を怠っていたとみている。
国土交通省は事故を受け、則武地所が施工に関わった東京都と神奈川県の2階建て以上の共同住宅214棟を調査。
うち6棟で外階段に腐食や劣化が見つかり、仮設の柱を設置するなどの安全対策を取った。
都や神奈川県などによると、改修などで安全が確認されたのは97棟にとどまるという。
https://mainichi.jp/articles/20250214/k00/00m/040/194000c
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。