(2024年1月23日 修正1 ;追記)
第2報(修正1)として、第1報で記載漏れだった情報や、その後に報じられた気になる情報などを紹介します。
第1報は下記参照。
(1/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/13644/
(2/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/13645/
【戦闘機スクランブル発進ではナンバー1と指示されることもある】
(2024年1月15日 6時0分 YAHOOニュース;週プレNEWS)
元航空自衛隊302飛行隊隊長の杉山氏(元空将補)は、軍民共用の沖縄・那覇空港からF-4戦闘機で何度もスクランブル(外国機などに対応するための緊急発進)をした経験があり、その際も管制から「ナンバー1」の指示を受けていたという。
「今回のようなケースでは、ナンバー1という言葉は単に離陸順を示しているだけではありません。
通常のシークエンス(順序)に従って離着陸を続ける民間機の合間を縫って、空自機や海保機の任務をどう実現させるか、管制官はさまざまな判断を迫られる。
その中で、ナンバー1という言葉には、『大変でしょうけど、任務を頑張ってください。できる限り融通を利かせます』という管制官からの配慮や思いやりが込められているわけです。」
・・・
杉山氏:
「離陸の優先権をいただくと、自分は特別な任務をしている、早くしなければ、という気持ちがどうしても湧き上がってくる。
今回のケースも一刻を争う被災地への支援ですから、気がはやったとしても無理はありません。
ナンバー1の指示を受けた後、頭の中で『滑走路に入って離陸を待つ』と〝思い違い〟をしてしまっていた可能性もあるでしょう」
実際、2018年に那覇空港で、スクランブル任務中の空自F-15戦闘機2機が似たような勘違いをし、滑走路に誤進入したケースがある。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/0c95ccd172c12c1b501ab22fa39cf5dcca5010d3
【機体は制御不可状態、操縦士も避難誘導した、機長は最終確認後に脱出】
(1月14日5時0分 毎日新聞)
両機は炎上し、JAL機は約1キロ先の滑走路右の草地に停止。
この間の状況についてパイロットは、「機体は滑っているという感覚で、機長がブレーキ、尾翼の方向舵(だ)、車輪の向きを変えるハンドルなどを操作したが機能せず、アンコントローラブル(操縦不能)だと認識した」と話した。
その後、機長、副操縦士2人と客室乗務員(CA)がどうやって乗客を脱出させたのかについても詳細に報告している。
機体停止後、操縦室内は真っ暗だった。
パイロットは「すぐに避難が必要だと認識したが、エンジンに消火剤を散布したことを示すライトは点灯せず、操縦室からCAに緊急脱出を指示する装置も機能しなかった」と述べた。
客室から乗客に落ち着くよう呼びかける声が聞こえ、CAの責任者(チーフ)が操縦室に来て状況を報告した。
その前後に、どこかから火が出ているという声も聞こえた。
そして、機長が大声で緊急脱出を指示。
八つある非常ドアのうち、一番前にある左右の二つから脱出用シューターが降ろされた。
副操縦士2人は、前方の客に荷物を置いて前から脱出するよう大声で誘導した。
1人は拡声器を使って、後方の乗客に前から逃げるよう呼びかけた。
機長は後方へ移動し、しゃがんでいる乗客を見つけて前へと誘導した。
その後、乗客が残されていないかを再び確認しながら後方へ移動。
後方では乗客を捜すCAの声がしていたという。
前方の避難が落ち着くと、副操縦士2人は後方に向かった。
後方は煙が充満しており、1人が防煙マスクを取りに戻ろうとした。
その際に乗客を発見し、前方へ誘導。CAと機長がいる後方に向かった。
機長は前方から2人の声が聞こえたが、後ろに来ると危ないと感じ、2人とも前から逃げるよう指示した。
そして、副操縦士2人とチーフは前方左側から脱出。
機長も後方に乗客がいないことを確認し、後方左側から脱出したという。
https://mainichi.jp/articles/20240113/k00/00m/040/197000c
【滑走路手前の停止線灯は休止中】
(1月6日 19時00分 朝日新聞)
誤進入を防止する目的で滑走路手前に設置されている「ストップバーライト(停止線灯)」が事故当時、メンテナンス中で運用を停止していたことが国土交通省への取材でわかった。
ただ、羽田空港では、視程が600メートル以下、または、管制官が必要と判断した場合に使われる。
管制官が進入を許可した際、手動で停止線の点灯を消し、進路を点灯させるという。
国交省の担当者は、「仮に運用中だったとしても、事故当時は視程が5千メートル以上だったため、条件に当てはまっていなかった」と話す。
https://www.asahi.com/articles/ASS165W1CS16UTIL00J.html
【地上移動管制と飛行管制は異なる周波数ゆえ着陸情報を知らなかったかも】
(1月6日 20時54分 毎日新聞)
地上管制と飛行場管制の周波数は異なるため、周波数を切り替える必要がある。
同じ周波数なら、他の機体とのやり取りを聞くことができるが、異なる周波数だった場合は内容は把握できない。
JAL機は飛行場管制との交信を2日午後5時43分2秒に始め、同44分56秒に管制から着陸許可を受け、同45分1秒に復唱した。
これ以降はやり取りがなかった。
一方、海保機が飛行場管制と最初に交信を始めたのは10秒後の同45分11秒だった。
この10秒間に海保機が周波数を切り替えたのか、他機の動きをどこまで把握していたのか、運輸安全委員会や警視庁は詳しく調べる。
https://mainichi.jp/articles/20240106/k00/00m/040/208000c
【離着陸兼用のC滑走路は世界的にみても異常】
(1月9日16時12分 YAHOOニュース;文春オンライン)
現役管制官が「週刊文春」の取材に対し、事故が起きた羽田空港のC滑走路について、以下のように語った。
「羽田空港にはA~Dまで4本の滑走路があります。
事故当時は北風が吹いていましたが、この場合、B滑走路は使用せず、A滑走路が着陸、D滑走路が離陸専用となる。
ところが、C滑走路は常に『離着陸兼用』の運用なのです」
「混雑ランキング1位のアトランタ空港、2位のドバイ空港はもちろん、関西国際空港も離着陸ごとに滑走路を分けている。
そうした実態を踏まえると、羽田のC滑走路は“異常”な運用と言えます」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c486da5ba15a5092e6a39c8a4ffdf1a93a7a3e1
【機体位置情報受発信装置(欧州では義務化)を海保機は未設置】
(1月15日 6時12分 YAHOOニュース;乗りものニュース)
空港では、管制塔から離陸許可が出ていても、誘導路から滑走路へ入る前に、別の航空機が同じ滑走路への最終進入コースにいないことを目視で確認する決まりがあります。
海保機は、この一瞬で済む動作を怠った可能性があります。
・・・
航空機側に衝突を未然に防ぐ装置が存在するのかというと、2つのシステムが実用化されています。
1つは「TCAS(ティーキャス)」と呼ばれる接近警報装置。
モードSを搭載した航空機が信号を発信しながら近づいてくると、この装置はパイロットに注意を促してくれるのです。
これをさらに進化させて、自機の位置を緯度経度の座標情報を含んだ信号で、周囲にいる他の航空機に発信するシステムが「ADS-B」。
「TCAS」と「ADS-B」、これら2つのシステムは多くの国で採用されていて、ヨーロッパなどでは「TCAS」に反応するモードSの発信機を搭載していない航空機は混雑空域を飛ぶことができません。
さらにヨーロッパでは、2020年より総重量5.7t以上ある全ての航空機にADS-Bの装備が義務付けられました。
ところが日本では、TCASやこれに反応するモードSの導入は進んでいますが、ADS-Bは義務化されていません。
海外メディアは、今回の事故を起こした海保機は、モードSこそ搭載していたものの、ADS-Bは未搭載であったと伝えています。
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海保機にADS-Bが搭載されていれば、JAL機はコックピットから視認できなくても気が付いた可能性は高いでしょう。
パイロットの目の前にある計器盤の画面上には、滑走路上の海保機をはじめ近くにいる他機の位置が表示されていたはずです。
つまり、今回の事故は、少なくとも海外では回避できた可能性がといえるのです。
海外メディアはこの点に注目していますが、国交省はこれに関して一貫して説明を避けています。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/584655d8f5d9255b9245e9f228d6055e7d605fc2
(1月5日18時15分 YAHOOニュース;まいどなニュース)
事故後、付近にいたANAのグランドハンドリング(グラハン)のスタッフ約10人がすぐさま駆け付けました。
ふだんは貨物を運んだり、機体を誘導する地上業務です。
グラハンのスタッフは避難誘導した後、乗客のケアに努めました。
何人かが「トイレに行きたい」と話したため、同社の整備士に連絡。
偶然、近くにANAの小型機が駐機していたため、整備士の誘導で乗客数人がトイレを利用しました。
混乱のさなかでしたが、ANAの広報担当者は「小型機にはボーディングブリッジ(搭乗橋)がついており、整備士が乗り込んだのち、すぐに電源を入れました」と、迅速な対応であったことを明かしました。
このエピソードがXで披露されると、15万を超える「いいね」が寄せられるなど話題に。
空の仲間の危機に駆け付けたANAスタッフの行動を称える声があがっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e9021282c44b3d912d027f24cd1c727451b09ab
(1月17日7時0分 YAHOOニュース;ABEMA TIMES)
元成田空港主任航空管制官のタワーマン氏は、
「全日空のターミナルビルに近い滑走路を使っていた。
そこで日本航空の事故が起きた。
通常であれば、他社が手助けすることは起こり得ない。
何か違うミスが起きてしまった場合、それはそれで新たな問題が生まれる。
にもかかわらず今回、他の会社がお手伝いされた。
ルールに定まっているというより、その瞬間やらなきゃいけないことを考えて、助けることを最優先ということをやられた」
との見方を示した。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/34934387a7f1d63df23df87f9531a184d2ecdaa1
【海保機は東日本大震災で津波に巻き込まれていた】
(1月10日17時32分 YAHOOニュース;FNN PRIME;仙台放送)
海保機は2011年3月11日、定期検査のため仙台空港近くの整備工場にいた。
東北の沿岸部を襲った津波に巻き込まれたが、機体の流出は免れた。
仙台空港周辺にいて唯一、生き残った機体だったという。
しかし機体の損傷は激しく、神奈川県内で修理が行われ、翌年2012年3月29日、東京の羽田航空基地で業務に復帰した。
当時、第三管区海上保安本部への取材によると、津波で被災した航空機が復活したのは、「世界で初めて」だったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c4ebb652258a2eb0e476ed2629b9d15e6d0e512a
【JALでは機内連絡不可時を想定した訓練も実施】
(1月11日 6時32分 YAHOOニュース;TBS NEWS)
日本航空 元客室乗務員 代田さん:
「電気系統がだめ、キャプテンからの連絡がだめだった場合は、何も連絡も来ないのでずっと待っているのではなく、客室乗務員それぞれが判断するという想定で訓練をしています」
代田さんによると、一人が一秒遅れるだけで後ろの乗客の命に関わるため、躊躇している乗客がいた場合、背中を押してでも脱出させることがあるという。
今回の乗客が撮影した映像からも、脱出用シューターから次々と乗客が滑り降りている様子が分かる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e623391ab29358007a13af93a125c4a61bc81696
【CAは非常時対応の鉄則どおりに行動、乗客の声掛けも支援になった】
JALの元客室乗務員の香山氏:
「今回のような突発的な事故の場合、CAも状況が分からない中、まずは『大丈夫、落ち着いて』と呼びかけるのが鉄則。
事故時の機内の動画を見てもそうした鉄則が守られており、煙が充満すると『姿勢を低くして、鼻と口を押さえて』と指示できていた」
元外資系CAの小澤氏:
「救難の際は笑顔を見せず、大声で叫ぶ、敬語を使ってはいけないなどのルールがあり、適切に守られていた印象です」
乗務員の呼びかけに呼応するように、周囲に「落ち着いて」と声をかける男性客の姿もあった。
小澤氏:
「CAが現場の状況判断などに奔走している中、乗客が協力的で、落ち着いて声をかけ合っていたこともパニックコントロールに繋がりました。
今後の教訓にすべきだと思いました」
・・・
呼吸も苦しくなるこのタイミングで、乗務員同士が大声で確認し合う声が響いた。
「R3開けません」
「L3ダメです!」
この時、8人の客室乗務員は「どの非常ドアから脱出するか」を冷静に見極めていた。
香山氏:
「機内に8か所ある非常ドアのうち、今回は安全な3か所のドアを開けてお客様を誘導しました。
非常ドアは一か八かで開けるのではなく、炎や燃料漏れがなく、スライドスペースが確保できるかを目視で確認して判断します。
乗務員同士が情報を共有し、脱出直前に適切な確認作業ができていたのです」
脱出劇は「奇跡」ではなく、まさに日頃の訓練の積み重ねの成果だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2b1bdd4bc54cc3f73c24b8235dc7be3e1740133
【CAの半分は23年入社の新人だった】
(1月12日8時4分 YAHOOニュース;現代ビジネス)
JAL社内では、あるニュースが駆け巡っている。
「じつは、事故に遭った航空機に搭乗していたCAの約半数が'23年春に入社したばかりの新人だったのです。
このニュースに、社員は驚くとともに、称賛を贈っています。
実際に、ここまで深刻な事故を経験したCAは社内にほとんどいません。
本当は自分たちも怖かったはずなのに、冷静な対応を見せた彼女たちは真のヒロインです」
(JAL・現役CA)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba8396e143b4a6fcb5c8417ac4b18353ea374dd7
【茨城空港臨時バスは通常運行を終えた運転手が要請に応じ運転した】
(1月10日7時2分 YAHOOニュース;トラベルwatch)
この日は正月三が日の最中であり、近隣の路線バスは休日よりさらに少ない「特別ダイヤ」で運行。
出勤している運転手も通常時より少ない状態であった。
そのなかで、市内のバス路線での運転を終えて帰ってきた運転手に次々と声をかけ、茨城空港への連絡バスを受け持つ「関鉄グリーンバス」(関東鉄道の子会社)の石岡営業所を中心に、いすゞ「エルガミオ」(58人乗り)を2台、ほか2台で、計4台のバスならびに運転手を確保したという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7817c470665547d8b180c971532ca173721d98a
2024年2月3日0時32分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、消火用水が不足したので「スーパーボンバ-車」を使い海水を汲み上げて放水したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鎮火まで8時間を要した消火活動では水が不足し、東京湾から「海水」をくみ上げて放水を続けていたことがFNNの取材でわかった。
この事故では国直轄の消防部隊のほか、東京消防庁から115台の車両が出動した。
消火栓からの水に加え、空港地下の「防火水槽」からおよそ300トンの水が使われたが、残量が低下したため10トンの水槽車が2台出動した。
さらに水の不足が続いたため、「スーパーポンパー」という車を出動させ、東京湾の海水をくみ上げて放水を続けていたことがわかった。
この車は東日本大震災で、福島第一原発への冷却作業の際にも使われたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f87cd12ddd5be9435ee0a73e5146a8ecbd6e675
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。