2020年3月12日11時32分に産経新聞westから、下記趣旨の記事が飛沫距離の目安図付きでネット配信されていた。
感染拡大が続く新型コロナウイルスは、接触感染のほか、飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路とされている。
感染者のくしゃみやせきと一緒にウイルスが放出され、周囲が吸い込むことでうつる。
飛沫はどこまで飛び、何に気を付けるべきか。
【せき・くしゃみの場合】
「新型は、人が密集した環境で注意を怠ってしまうと容易に飛沫・接触感染が起きるのが特徴」
新潟大の斎藤玲子教授(公衆衛生・ウイルス学)は、こう語る。
飛沫感染は、感染者がくしゃみやせきをすることでウイルスを含んだつばが飛び散り、ごく小さな水滴を近くにいる人が口や鼻で吸い込んだりすることで起こる。
新型について政府の専門家会議は「空気感染は起きていない」としており、屋外で感染者と黙ってすれ違う程度であれば、感染の危険性は低い。
また、同会議は「手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは感染リスクが低い」とも呼びかける。
注意が必要なのは、
▽歌を歌う
▽大声を出す
▽討論する
といった行為。
これらは普通の会話と違い、強い呼吸を伴うため、ウイルスが増殖する部位の肺胞などからウイルス濃度の高い飛沫が大量に出やすい。
その結果、カラオケボックスなど密閉空間を感染者を含む多人数で共有すれば、患者集団(クラスター)が発生するリスクが高まる。
では、飛沫は具体的にはどのくらい飛ぶのか。
一般的な距離とされているのが、1~2メートル程度。
斎藤氏は、「会話では約1メートル、せきで約3メートル、くしゃみで約5メートル飛ぶこともある」と説明する。
【目や鼻露出なら「マスク効果なし」】
「患者から約2~3メートル以内や患者の部屋に入ったときなどには、マスク着用が賢明」。
こう指摘するのは、クルーズ船のダイヤモンド・プリンセスに政府の依頼で日本環境感染学会のチームを率いて乗船し、感染制御に関する助言を行った岩手医大の櫻井滋教授だ。
ただ、飛沫感染を防ぐには顔全体を覆う必要があり、目や鼻を露出している場合、マスクの効果はないという。
櫻井氏は、「むしろ、手が顔に触れてウイルスが付く可能性が増えるため、直接飛沫が飛ばない距離を保っている場合などは、マスクを着けない方が安全。不特定多数が集合する場所に行かない方が重要だ」と指摘する。
近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)は、「マスクで100%予防はできないが、自分が感染者の場合には、飛沫の飛散を一定軽減することはできる」とし、せきエチケットの大切さを強調する。
「べからず行動を」
櫻井氏は、飛沫感染だけでなく、接触感染の予防も重要とし、日常生活で、
(1)集合しない
(2)密集しない
(3)飛沫を発生させない
(4)食器などを共有しない
(5)接触しない
(6)狭小な場所を時間的に共有しない
の「べからず行動集」の実行を提唱。
「『完璧にできない』と言う前に、感染連鎖を防ぐため、一人一人が努力をするときだ」と話している。
https://www.sankei.com/west/news/200312/wst2003120012-n1.html
2020年3月12日10時58分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
雪解けが進み、春の気配が届き始めている北海道。
歩道に積もった真っ白な雪に、ときおり米粒くらいの大きさの黒い粒が交じっている。
滑り止め用にまかれた「砂」だ。
見た目はよくないけれど、道民や観光客をけがや事故から守る、大事な「砂」。
その正体を、札幌生活3年の記者(29)が探った。
道内各地の交差点などには、滑り止め材の入った「砂箱」が置いてある。
2月下旬、札幌市北区の地下鉄駅前の砂箱から、重さ1.5キロの滑り止め材入りの袋を取り出した。
踏み固められた雪道に少しずつまいてみると、靴がしっかりと止まるのを感じた。
北海道の冬は、気象条件によって道の歩きやすさが変わる。
大雪のすぐ後は「ふかふか」、零下を下回る気温では「サクサク」、気温が高ければ雪が解けて「べちゃべちゃ」。
特に歩きにくいのは、一度解けた雪が凍った「つるつる」の道だ。
記者は、この冬、ジョギング中に角を曲がろうとして、思い切り転んでしまった。
右ひざを打ち、その後数日、ジンジンと痛んだ。
1シーズンに3~5回は、雪道で滑ってしまう。
【もったいない? いいえ「どんどん使って」】
札幌市消防局によると、少雪暖冬といわれる今シーズンでも、雪道で転び救急車で運ばれた人は、3月9日現在で774人もいるという。
記者が滑り止め砂をまいたのは、実は今回が初めて。
自分のために使うのはもったいない気がしていたからだ。
でも、「そんなことは言わずにどんどん使って」と、寒冷地の課題解決に取り組む北海道開発技術センター研究員の永田泰浩(やすひろ)さん(46)に言われた。
同センターは、市内で雪道転倒防止を呼びかけている団体「ウィンターライフ推進協議会」を運営している。
会では、毎年60~70回ほど「砂」をまく。
硬い雪や氷の上で転ぶと、年齢を重ねるにつれ、骨折などの大けがを負いやすくなるという。
永田さんは、「自分の後に歩く人を守るためにも『砂』は大事。『今日は滑るな』と思ったら、ためらわずにまいてほしい」と話す。
【「砂」の正体、実は安山岩の砕石】
ところで、一般的な呼び名ということで、これまで「砂」と紹介してきたが、この滑り止め材、厳密に言えば砂ではない。
その正体は、暗灰色の安山岩を細かく砕いた「砕石」だ。
コンクリートの原料にもなる。
粒径は2.5~5ミリメートル。
地質学の分類では、粒径が0.0625~2ミリの岩石の粒を砂、2ミリより大きいものは礫(れき)と呼ぶ。
分類上は「砂」ではない。
なぜ「砂」と呼ばれているのだろうか。
札幌市によると、かつては山から採ってきた本物の砂を滑り止め用に使っていたという。
だが、車が通ると風圧ですぐに飛び散ってしまい、効果が長続きしなかった。
現在の大きさに改良したところ、滑り止め効果が長時間続いたので、1997年ごろから定着したそうだ。
今も「砂」と呼ばれているのは、昔の名残なのだろう。
【記録的少雪で赤字、でも「事故起こさず済む」】
どうやって作っているのだろうか。
札幌市から滑り止め材の製造を請け負っている同市南区の工場を訪ねた。
工場では、近くの山から仕入れた砕石を使う。
安山岩は表面が粗くざらざらしているため、滑り止めの効果が高いそうだ。
6メートルほどの長さの筒に砕石を入れ、約3分間、筒を回転させながら直火で焼いて、しっかり乾燥させる。
水分が含まれていると、寒い日は石が凍り付いて袋の中で固まり、使いものにならなくなってしまうからだ。
記録的な少雪の影響で、この工場では今シーズンの「砂」の出荷量は、2月末の時点で例年の6割ほどにとどまった。
使われる量が少なければ、当然、収入にも響く。
この会社を経営する男性は「赤字だ」と嘆く。
それでも、工場に仕事で立ち寄る運送業者の運転手らが笑顔でかけてくれる言葉に心が安らぐ。
「助かります」
「おかげで事故をしないで済むよ」
男性は身内を車のスリップ事故で亡くした経験があり、「いっぱい使ってほしい」と話していた。
札幌市は、勾配のある車道沿いを中心に冬季限定で置いていた「砂箱」を、1994年ごろから歩道用にも設置。
今年度は市内3935カ所に置いた。
このうち歩行者用は1684カ所。
市民の要望もあり、設置箇所は年々増えている。
1シーズンで使われる量は7千~8千トンにもなるという。
「砂」をまくのは日本だけではない。
永田さんが15年ほど前に訪れた北欧にも、道に滑り止め用の「砂」があった。
「砂」をまくことで守れるのは、自分だけではない。
そんな学びを得た取材だった。
道民の皆さん、観光で北海道を訪れる皆さん。
つるつる路面に遭遇したら、どんどん「砂」をまきましょう。
https://digital.asahi.com/articles/ASN3C5QKKN3BIIPE00M.html?pn=5
2019年11月2日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10140/
(2020年3月20日 修正1 ;追記)
2020年3月12日付で茨城新聞から、1つの筒で4号玉と2.5号玉を同時に打ち上げたことなどが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
土浦市で昨年10月に開かれた「土浦全国花火競技大会」で打ち上げ花火の一部が地上で破裂し見物客がけがをした事故を巡り、市などでつくる大会実行委員会は11日、原因について「導火線が不良のまま、大小の花火玉が重なり安全距離外まで飛んだ後に破裂したと推定される」とする最終報告を公表した。
同日の市議会全員協議会で報告した。
再発防止策として、打ち上げ場所の変更も検討する。
実行委は原因について、
(1)花火玉の導火線部分に不良があった
(2)4号玉(直径12センチ)と2・5号玉(同7・5センチ)を一つの筒の中で重ねて打ち上げたため、2・5号玉が安全距離外まで飛び破裂した
の2点が重なった可能性があるとしている。
2・5号玉は本来、約80メートルしか飛ばないが、約160メートル飛ぶ4号玉と合わせて打ち上げたため、4号玉に押し上げられて立ち入り禁止区域外の260メートル先の道路上に落下し破裂。
見物客がやけどなどの軽傷を負った。
市商工観光課は「非常にまれな原因による事故」と説明した。
再発防止策として、大会開催基準を見直し、4号玉を筒内に他の玉と重ねて打ち上げることを禁じるほか、導火線不良を防ぐため、自社製造の花火玉を使うよう業者に求める。
打ち上げ場所も東に移動し、安全距離を現在の半径160メートルから200メートル以上に広げる。
昨年は、2018年大会で風に流された花火で11人がけがをした事故を受け、花火数を減らして実施していた。
桟敷席券の払い戻しや次年度の優先販売は行わない予定。
今年は天候が安定する11月7日に開く。
1972年以降続いた10月開催を48年ぶりに見直す。
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15839343050543
2020年3月12日21時20分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時ごろ、横浜市旭区鶴ケ峰1丁目の商業施設のエスカレーターで、点検していたメンテナンス業者の男性(42)がエスカレーターに巻き込まれ、死亡する事故が起きた。
旭署が詳しい原因を調べている。
署によると、現場は施設1階と2階の間のエスカレーターで、男性は点検作業のため停止させた上で、一人で作業中だった。
エスカレーターが何らかの原因で動き出し、男性が巻き込まれたとみられるという。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-297447.html
3月13日0時39分にFNN PRIMEからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
午後3時ごろ、横浜市旭区の商業施設の1階と2階の間にあるエスカレーターで点検作業を行っていた藤沢市の会社員・高橋さん(男性、42歳)が、足から腹部付近までを巻き込まれ、その後、死亡が確認された。
警察によると、点検作業は高橋さん1人で行っていて、事故が起きる直前、高橋さんは2階で作業をしていたという。
https://www.fnn.jp/posts/00433772CX/202003130039_CX_CX
(ブログ者コメント)
以下は、FNN PRIME映像の1コマ。
事故が起きたエスカレーターだと思われる。
2020年3月13日8時35分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後2時50分ごろ、いわき市の磐越道下り線で、県警高速隊の覆面パトカーと大型トラックが衝突した。
けが人はいなかった。
同隊によると、パトカーが走行車線を走行している乗用車を誘導しようと指示を出したところ、乗用車が速度を落としたため、乗用車の後ろを走っていた大型トラックがよけようとして右ハンドルを切り、パトカーに追突したという。
同隊が事故の状況を詳しく調べている。
https://this.kiji.is/610980298969908321?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
単なる大型トラックの前方不注意and or車間距離不足による事故だと思われるが、こういったタイプの事故も起きるのだという、一つの事例として紹介する。
2020年3月12日17時55分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前0時50分ごろ、兵庫県豊岡市城崎町上山のJR山陰線城崎温泉-玄武洞間で、枕木の交換作業をしていた重機がバランスを崩し、運搬中の枕木16本(約500キロ)が線路の約2メートル下をくぐる道路に落下した。
道路に歩行者や車の通行はなかった。
JR西日本福知山支社によると、重機を操作していた下請け業者の男性作業員が病院に搬送され、むち打ちの軽症。
終電後のため、ダイヤへの影響はなかった。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202003/0013187869.shtml
2020年3月11日14時23分に長崎新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐世保市東消防署の救急救命士が昨年12月、心肺停止の70代男性を病院に搬送中、心拍の回復を促すアドレナリンの投与を忘れ、その後、男性が死亡した問題で、医師などでつくる協議会が、医療ミスと男性の死亡との間に因果関係はなかったと判断していたことが10日、分かった。
市消防局によると昨年12月24日、心肺停止の男性を救急車で搬送する際、50代男性の救急救命士が、医師から4分間隔でアドレナリンを投与するように指示を受けたにもかかわらず、失念して14分間投与しなかった。
医師や消防関係者でつくる「県北地域メディカルコントロール協議会」が、死亡との因果関係を検証していた。
遺族によると、2月下旬に市消防局の職員から、「検証の結果、アドレナリンを投与しても、蘇生することはなかったという見解だった」と説明を受けたという。
遺族の男性は、「こういう結果になると思っていた。消防局に対する不信感は残っている。今後、このようなミスがないようにしてほしい」と話した。
市消防局は13日の市議会総務委員会で検証結果について報告する。
https://this.kiji.is/610280430047020129?c=39546741839462401
※トラブル発生時の報道は下記。
(2019年12月28日16時33分 長崎新聞)
佐世保市消防局は27日、市東消防署の50代男性の救急救命士が、心肺停止の70代男性を病院に搬送中、医師から心拍の回復を促すアドレナリンを投与するよう指示されていたにもかかわらず、失念して処置をしなかった、と明らかにした。
男性はその後、死亡した。
死亡との因果関係について検証する。
市消防局によると、24日午前9時10分、男性の家族から「食事中に意識を失った」と119番通報があった。
消防局は救急隊を出動。
ドクターヘリの出動も要請した。
救急隊は18分に到着。
男性は心肺停止で、先に到着していたかかりつけ医が心臓マッサージなどをしていた。
救急隊は自動体外式除細動器(AED)を使った救命処置をしながら31分にドクターヘリとの合流場所に出発。
40分にフライトドクターと接触した。
フライトドクターは救急車内でアドレナリンを3~4分間隔で4回投与。
しかし回復せず、救急車で嬉野医療センター(佐賀県嬉野市)に搬送することになった。
フライトドクターは救急救命士に対し、搬送中にも4分間隔でアドレナリンを投与するよう指示。
しかし、医療センターに到着するまでの14分間、投与しなかった。
医療センターの指摘で発覚。
救急救命士は当初、「指示を受けたかどうかの記憶がない」と話していたが、その後の調査で指示を忘れていたことが明らかになった。
市消防局は26日、遺族に対し救命処置にミスがあったことを報告し、謝罪した。
遺族は、「死亡との因果関係の結果で、対応は変わってくる。1日、2日でも持ちこたえてくれたら、きちんとお別れを言えたのに」と悔しさと無念の表情だったという。
27日に市役所で開いた記者会見で西﨑局長は、「市民の生命を預かり、守る立場にある消防局として、このような事態を招いたことを深くおわび申し上げる」と陳謝。
「再発防止策を徹底して検討する」と述べた。
https://this.kiji.is/583310361318261857?c=174761113988793844
キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2020年3月11日18時46分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前11時55分ごろ、横須賀市鴨居3丁目のパート従業員の女性(51)方で、屋根から火と煙が出ていると近隣住民の男性から119番通報があった。
浦賀署によると、木造2階建て住宅の屋根に設置された太陽光パネルの一部などが焼けた。
けが人はなかった。
署はパネルの配線から出火したとみて、原因を調べている。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-296014.html
(ブログ者コメント)
住宅屋根に設置された太陽光パネルの火災事故については、本ブログでも以下の解説記事を紹介している。
2019年2月4日掲載
『2019年1月29日報道 住宅用の太陽光発電システムで発火などのトラブルが10年で127件発生、うち屋根との間に不燃材のないタイプ7件は屋根側にも延焼、消費者事故調は国に対応を要請した』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9312/
今回の事例を機に調べ直したところ、以下の情報も見つかったので、併せて紹介する。
(2019年2月22日 NHK ; 図解付き)
1月末、「消費者事故調」が、家庭用の太陽光発電システムで火災などが度々起きていることを公表した。
報告されたケースの1つです。
千葉県の住宅で住んでいる方が洗濯物を取り込もうとベランダに出たところ、異臭がしてパチパチ音がしたそうです。
軒先から煙が出ていて、119番通報しました。
消防の調べなどによると、太陽光パネルにつながる配線が過熱して出火したと見られ、パネルだけでなく、屋根や屋根裏まで延焼していました。
▼なぜこうした火災が起きる?
太陽光発電は、太陽の光のエネルギーが半導体のパネルに当たることで電気に変換されて電流が流れる仕組みですが、製造・施工の際に問題があったり、経年劣化が進んで接触不良など電気の流れが悪くなると、そこから発熱するといったことが考えられます。
住宅用太陽光発電は今や200万世帯以上に普及していますが、消費者事故調は、このうちおよそ10万世帯を占めるあるタイプでリスクが高いと指摘しています。
▼どういうタイプにリスクがある?
太陽光パネルは大きく分けて、最初から屋根と一体で作られているような「屋根一体型」と、家を建てた後で屋根の上に置く「屋根置き型」があります。
「一体型」の中には、さらに3種類程あって、その1つの「鋼板等なし型」と呼ばれるタイプがリスクが高いと見られました。
見た目では、一体型か屋根置き型か、ぐらいしかわかりませんが、この「鋼板等なし型」は住宅用太陽光全体の4.5%にあたり、およそ10万棟あります。
実際に火災などを起こしているのは、ほんの一部なので、過剰に怖がる必要はありませんが、万が一にも火災が起きたら大変ですので、そうしたリスクについて知っておいてほしいと思います。
▼火災はどれぐらい起きている?
火災までは至らなかったものを含めて、火や煙が出たという報告は、平成29年までの9年間で全国で127件ありました。
そのうち、調査の結果、屋根などにまで延焼が広がっていたケースは7件あり、この7件は全て「鋼板等なし型」でした。
これは鋼板、つまり不燃性の材料が間に挟まれておらず、しかも屋根と一体で近接しているため、パネルなどから発火した際に木造の屋根板まで火が燃え広がりやすいことが考えられます。
そこで、このタイプについて、消費者事故調の報告書では国に対応を求めています。
▼どんな対応が求められている?
まず経済産業省に対し、メーカーを通じて鋼板等なし型の所有者(住民・消費者)に、他のタイプへの変更を促す、それが難しい場合は、保証期間を過ぎているものは応急点検を促すよう求めています。
また消費者庁には、消費者にこうしたリスク情報などを提供するよう求めました。
さらに所有者にも、自宅の太陽光パネルが「鋼板等なし型」かどうか確認すべきだとしています。
▼消費者側が自分から何かしなくてはいけない、ということ?
これが微妙な所です。
経産省は業界に対し、既に報告書に沿った指導を行っており、メーカーによっては、既にリスクがあるパネルの所有者全てに連絡して点検やパネルの交換を進めている所もあります。
そうした連絡が来た人は、それに対応して点検や交換することができます。
しかし別のメーカーでは、ホームページに情報を載せだだけで直接連絡はしていないとのことで、対応にばらつきがあります。
ですから、家を建てた際に一体型のパネルを付けたという方や心配な方は、メーカーのホームページを自ら確認したり、販売店の窓口などに問い合わせてみるとよいでしょう。
保証書などには「鋼板等なし型」かどうかは、普通、書かれていませんが、型番を言えばどんなタイプかメーカー側ではわかります。
▼「鋼板等なし型」でなければ心配ない?
他のタイプは、今回の火災リスクに関する応急点検の対象ではありません。
ただし、これとは別点検を行う必要があります。
▼全ての太陽光パネルで点検が必要とは?
・・・・・
▼点検するにはお金もかかるのでは?
・・・・・
▼そもそも安全な製品にして欲しい
消費者事故調の報告書でも、経産省に対し、メーカーにより安全性の高い製品への切り替えやきちんとしたリスク評価をするなどの対応を求めています。
パリ協定によって一層の温暖化対策も求められる中で、住宅用の太陽光発電は地域分散型の再生エネルギーとして、さらなる普及が期待されます。
より安全で安心して使えるよう、国や業界は対策を急いでもらいたいと思います。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/314860.html
2020年3月10日23時30分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
滋賀県立総合病院(守山市)は10日、2014年に男性患者=当時60代=のがんの疑いを指摘したコンピューター断層撮影(CT)の画像診断報告書を主治医が見落とし、約3年後に患者がぼうこうがんで死亡した、と発表した。
同病院では15~17年、別の医師による同様のミスがあり、80代だった男性が肝臓がんで死亡した。
一山病院長は、今回の見落としが男性患者の体調に悪影響を与えたことを認め、「亡くなられた患者さま、ご遺族に深くおわびする」と謝罪した。
同病院によると、男性患者は14年、循環器内科を受診した。
40代の男性主治医は下肢の動脈硬化を疑い、CT検査を実施。
放射線診断医による同報告書には「ぼうこうがんの疑い」と記されていたが、主治医は専門外の部位だったため、確認していなかった。
男性は10カ月後、体調不良で泌尿器科を受診し、ぼうこうがんと診断され同病院で治療を続けたが、17年にぼうこうがんで死亡したという。
会見した一山病院長は、「見落としで手術機会を逸した。4例目の見落としで責任を感じている」などと述べた。
同病院は、今後、遺族に謝罪するほか、外部団体に診断の遅れが男性患者に与えた影響を調査してもらう。
同病院は15~17年のミスを踏まえ、同様のミスがないか、14年1月から19年12月の同報告書を調べていた。
https://www.47news.jp/localnews/4601103.html
3月10日21時10分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
病院によると、男性は26年に脚の不調で循環器内科を受診し、下半身のCT検査を受けた。
この際に、検査を担当した医師ががんの疑いを指摘したが、主治医は脚の結果にだけ注目し、指摘を見落としていた。
男性は27年に体調を崩して同病院の泌尿器科にかかり、がんが見つかった。
ミスが患者の死亡に結び付いたかどうかについて同病院は、「影響があったと考えているが、(医療事故調査を支援する)外部団体の意見を踏まえて判断したい」とした。
同院は昨年10月、男性患者3人のがんの見落としがあったと発表。
その後、26~昨年の画像診断報告書を改めて調査し、今回のミスが判明した。
https://www.sankei.com/west/news/200310/wst2003100037-n1.html
3月10日19時48分にNHK滋賀からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
この病院では去年10月、男性患者3人についてがんの疑いを指摘したCT検査の結果が医師の間で共有されず、このうち80代の患者1人ががんで死亡していたことがわかっていて、病院側が去年までの6年間に行った画像診断あわせて22万7000件余りについてチェックをした結果、今回のミスがわかったということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20200310/2060004382.html
(ブログ者コメント)
〇CT検査結果に書かれていた所見を主治医が見落とした結果、患者に影響が及んだ事例は、本ブログでも過去に何例か紹介している。
〇以下は、昨年の見落とし事例発覚時の報道。
担当医は専門分野の所見にのみ注意を向けていた、ということかもしれない。
(2019年10月2日21時49分 時事ドットコム)
滋賀県立総合病院(守山市)は2日、画像診断書に「肝臓がんの疑い」と記載があったのに主治医が見落とし、手術をしなかったため、80代男性患者が死亡したと発表した。
50代と70代の男性患者についても見落としがあったという。
同病院によると、80代男性は2015年9月に泌尿器科を受診し、冠動脈コンピューター断層撮影(CT)検査を受けた。
放射線医は画像診断書に「肝臓がんの疑い」と記載したが、主治医は確認せず、手術をしなかった。
男性は容体が悪化し18年11月に入院したが、既に手遅れで、19年4月に肝臓がんで死亡した。
主治医は循環器内科医で、病院の調査に「心臓の周りに注意が向いていた」と説明したという。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100201199&g=soc
(2019年10月2日23時33分 京都新聞)
・・・・・
同病院によると、死亡した男性は2015年9月、泌尿器科の術前検査で心電図に異常が見つかり、CT検査を受けた。
放射線診断医による画像診断報告書には「肝臓がんの疑いがある」旨が記されていたが、主治医の循環器内科医は見ていなかった。
男性が18年に再入院した際に、この報告書の存在が分かったが、肝臓がんは進行しており、この4月に死亡したという。
会見した一山病院長は、主治医が報告書を見なかった理由は、専門外の部位の異常への注意を怠ったためなどとし、「見落としで手術機会を逸したのは重大なミス。15年のCT検査直後に腫瘍を切除していれば、亡くなることはなかったかもしれない」などと述べた。
男性の遺族には経緯を説明した上で謝罪した。
また、15年と17年、50代男性と70代男性の画像診断報告書に、それぞれがんの疑いが記載されていたにも関わらず、血液・腫瘍内科医や整形外科医が失念したり、見落としたりし、詳しい検査をしなかったという。
2人は現在、同病院で治療中で、一山病院長は「患者さまについては治療に万全を尽くす」とした。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/29325
2020年3月10日19時15分にNHK熊本から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本県が南阿蘇村に完成した治山ダムで、請け負った天草市の業者の工事に不備が見つかり、県が補修を指示しました。
施工の不備が見つかったのは、県がおよそ2億5000万円をかけて南阿蘇村に建設した治山ダムです。
ダムは、鉄板を何枚も貼り合わせて直径12メートルの円柱を5本つくり地中に埋め込んで、大雨の際に大きな岩や木が下流に流れないようにするもので、去年3月に完成しました。
その後、匿名の複数の通報が県に寄せられ、県が調査をした結果、鉄板の長さが設計よりも2メートルほど短かったり、亀裂が入っていたりしたものが複数見つかり、その後の調査で、ダムの構造に影響を及ぼすおそれがあることがわかりました。
このため県は、10日までに、工事を行った天草市有明町のY組に対し、補修工事をするよう指示しました。
補修工事の費用およそ1000万円は業者の負担とし、調査の費用およそ900万円も請求するほか、何らかの処分を検討しています。
県の聞き取りに対し、業者は「地中に石や岩盤があり、工期に間に合わせるため、鉄板を切断した」などと説明しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20200310/5000007672.html
3月10日18時59分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本県が発注した南阿蘇村の治山ダムの工事で契約と異なる工事が行われていた問題で、県は、ダムの構造に影響を及ぼす恐れがあるとして、工事業者に補修工事を命じた。
問題となっている南阿蘇村の治山ダムは、熊本地震の土砂崩れなどで荒れた森林の再生を目的に、県が県内の建設会社に2億5000万円で発注し、去年3月に完成した。
しかし、完成後、工事関係者から県に、『ダムに使われた鋼鉄製の矢板の一部が設計よりも短く切られた』との情報が寄せられた。
県では、これまで現地を掘り起こすなどして事実確認や原因の調査を進めた結果、工事の事前調査で分からなかった大きな石が見つかり、石を避けるために鋼鉄製の矢板の一部を切断したことが分かった。
また、矢板の継ぎ目を適切に継いでいなかったこと、さらに、矢板の打ち込み不足があったことが分かった。
また県では、この業者について『故意または重大な過失があった』として、ダムの補修工事の後に、対応を考えたいとしている。
http://www.news24.jp/nnn/news86816329.html
3月10日19時12分にYAHOOニュース(熊本放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本地震の復旧事業として県が発注したダムで不適切な工事です。
県は業者に追加の補修工事を指示しました。
「ダムの構造に影響を及ぼす恐れがあることから、補修工事が必要であると判断しました」(県の会見)
県によりますと、不適切な工事が行われていたのは、熊本地震関連の工事として南阿蘇村中松で整備が進む治山ダムです。
外部からの情報を受けて県が去年10月、工事を行った業者に掘削調査をさせたところ、地中に打ち込まれた矢板13本が設計より短く切断されていました。
その後、専門家を交えて検討した結果、設計通りの安定性が確保されておらず、補修工事が必要と判断しました。
業者は切断した理由を「固い岩盤などに当たったため」と説明しているということです。
県は業者に対し、補修工事を5月14日までに終えるよう指示するとともに、「故意または重大な過失として」処分を検討することにしています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200310-00000006-rkkv-l43
(ブログ者コメント)
以下は、日テレNEWS24映像の4コマ。
上から2番目のコマは、矢板?を溶断している人物がボヤケ状態になっていることから考えると、実際の切断時の様子なのかもしれない。
2020年3月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が模擬ホームの写真付きでネット配信されていた。
視覚障害者が駅のホームから転落する事故が跡を絶たない。
国土交通省によると、2010~17年度に605件に上った。
転落した経験のある視覚障害者に1980年代から聞き取り調査して、分析結果を公開している人間工学専攻の大倉元宏・成蹊大名誉教授(67)は、視覚障害者のためにホーム上に進路を示すマーカーの設置などを提言している。
――2019年10月に京成立石駅、20年1月にはJR日暮里駅と、視覚障害者の転落死亡事故が相次ぎました。
何が問題でしょうか。
◆事故の原因を徹底的に究明せず、再発防止に生かしてこなかった
ことだ。
警察は事件性がなければ、「なぜ落ちたか」はあまり追及しない。
視覚障害者団体などは事故のたびにホームドアの早期設置や駅員の声掛けなどを求めるが、取り組みはそこで終わってしまう。
国や第三者機関がなぜ落ちたのかを調べ、公表することが必要だ。
――大倉先生が調査・作成している事故原因データベースは、その先駆けですね。
◆国がやらないからやっています。
1980年代から今まで、ホームから転落した視覚障害者に状況を聞き取り、詳細を記録、公開している(https://omresearch.jp/fall/browse/)。
基本的に、視覚障害者が聞き取りを拒んだ場合や、亡くなった事故は聞き取りができないので載せていない。
パラリンピックを前に、去年の9月から英語でも読めるようにした。
視覚障害者は、さまざまな事故データを読むことで同じ目に遭わないでほしい。
見えている人も原因を知り、駅で視覚障害者を見かけたら積極的に支援をして。
――事故原因はどのようなものが多いのでしょうか。
◆25件しか集まっていないので一般化できないが、多くはホームの両端を列車が通る「島式」で起きている。
白杖(はくじょう)を使う視覚障害者の大きな特徴は真っすぐ歩けないこと。
いつのまにか横にそれ、ホームの端に寄ってしまう。
混雑した駅では白杖が人に当たりやすいので左右に振れず、杖を時々路面に触れるだけの人も多い。
そんな時に杖が点字ブロックを飛び越え、ブロックやホーム端を検知できないと落ちることがある。
――どうすればよいでしょうか。
◆ホームドア設置が一番良い。
だが、全駅設置はなかなか進まず、まずはできる対策をするしかない。
視覚障害者が白杖でたどりながらホームを階段や改札まで進むためのガイドとなる「触覚マーカー」をホーム中央に設置するのが有効だ。
ホーム端の点字ブロックに沿って歩くと、ブロック上にスーツケースなどがあった時、避けようとして転落することがあるからだ。
実際、大学内に設置した模擬ホームで実験をした際、触覚マーカーがある方が安定して歩くことができた。
警告用点字ブロックを隙間(すきま)なくホームの端まで敷き詰めるのも一つの手だ。
白杖や足で線路の近くにいることを認知しやすくなるし、比較的安価で設置できる。
――ソフト面の取り組みはなんですか。
◆駅員に手助けをお願いしても時間がかかることがあり、「急いでいると頼まない」という視覚障害者もいる。
駅員の数を増やすのが難しければ、駅にボランティアを配置することも一つだ。
視覚障害者自身も歩行訓練を受け、白杖をなるべく地面から離さず使用することが大事だ。
私は、師事していた視覚障害者の先生と転落事故の研究をしていたが、その先生も転落死した。
未然防止には強い思い入れがある。
少しでも事故がなくなるよう、それぞれができることをすべきだ。
https://mainichi.jp/articles/20200310/ddl/k13/040/007000c
2020年3月12日付で伊勢新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
三重県内で10日深夜、空が赤色に見える現象があった。
記者が目撃し、インターネット上でも同様の投稿があった。
気象台は「地上の光が上空で反射したのでは」とみているが、詳しい理由は分かっていない。
記者は同日午後11時ごろから約3時間にわたり、南側の夜空が赤色になっているのを津市内から目撃した。
短文投稿サイト「ツイッター」でも、同じ時間帯に県内の空が赤く見えたとの投稿があった。
津地方気象台によると、10日の県内は雨で、午後から濃霧注意報が出ていた。
気象台の担当者は、「雨上がりの湿った空気に町の光が反射したことで、そのように見えたのではないだろうか」と話していた。
https://www.isenp.co.jp/2020/03/12/42840/
(ブログ者コメント)
ネットで調べたところ、空が異様に赤くなる現象は、過去にも起きていたようだ。
最近の例では2018年6月と7月。
6月は夕ぐれ直後。
場所は不明だが、東京の日没時間に触れていたので関東かも。
7月は夕焼け時。
場所は関西や北陸の一部。
また、地震と関連付けた投稿もあった。
2020年3月10日19時23分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前11時20分ごろ、金山町本名のJR只見線の復旧工事現場で、北塩原村の会社員、佐藤さん(男性、69歳)が、のり面から落ちてきた岩の下敷きになりました。
佐藤さんは、会津若松市の病院に搬送されましたが、死亡しました。
現場では、9年前の豪雨の影響で崩落した只見線の「第6只見川橋梁」を架け直す作業が進められていました。
JRによりますと、佐藤さんは鉄製のパイプを組んで作った、高さおよそ20メートルの足場の上で、山の斜面をけずる作業をしていたということです。
現場には数人の作業員がいましたが、ほかにけが人はいませんでした。
警察は、岩が落ちた原因や安全管理の状況などを調べています。
JR只見線は、会津川口駅と只見駅の間の27.6キロで不通となっていて、復旧工事は、令和3年度中にも完了する予定になっています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20200310/6050009270.html
3月10日18時47分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR線の復旧工事で山の斜面が崩れ、下敷きになった作業員の男性が死亡しました。
事故があったのは、福島県金山町のJR只見線の工事現場で、10日午前11時ごろ、山の斜面を重機で掘る作業中に約1メートル四方にわたって岩盤が崩れました。
この事故で佐藤さん(69)が崩れてきた岩盤の下敷きになり、死亡しました。
現場では、2011年の新潟・福島豪雨で流された只見線の橋の架け替え工事が行われていました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000178586.html
3月10日19時34分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県警と消防によると、工事で掘削した山肌の一部に亀裂が生じて岩盤が崩れ、近くで作業していた佐藤さんが下敷きになった。
https://www.sankei.com/affairs/news/200310/afr2003100040-n1.html
(ブログ者コメント)
以下は、テレビ朝日映像の3コマ。
2020年3月9日11時0分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
座間市に住む住民有志2人が、地域の樹木に木材腐朽菌と呼ばれる「キノコ」によって倒木する危険性がないかを独自に調査している。
4年ほど前に巨木が前触れもなく倒れ、木材腐朽の危険性を目の当たりにしたのを契機に調査を開始。
これまでに約600本を調べ、うち約15%で腐朽を確認し、管理する県や市に伐採を要請した。
2人は、「樹木を『街角の凶器』にしないために、住民にも関心を持ってほしい」と話している。
調査しているのは小林覚さん(72)=同市入谷西=と岡臣一さん(75)=同市入谷東。
2015年9月。小林さんの自宅近くの市道沿いで、直径約1メートルの樹木が倒れ、駐車されていた車両2台を押しつぶした。
周辺には小学校や高校があり、小林さんは、「児童や生徒ら通行人が巻き込まれていたら大惨事になっていた」と回顧。
「青々とした巨木が風も吹いていないのになぜ倒れたのか、不思議に思って調べ始めた」という。
倒れたケヤキを観察したところ、根元にベッコウタケが生えていた。
小林さんは、切断された根の部分から菌が侵入し、内部が腐朽して強度を失ったためと原因を推定した。
その後、市の生涯学習講座「あすなろ大学」で岡さんと知り合い、一緒に調査することに。
対象を市内の街路樹や公園の樹木に広げた。
2人は、根元付近にベッコウタケなどのキノコ類が生えているかを手掛かりに、腐朽や空洞が見られる箇所に細い鉄の棒を差し込んで内部の状態を探る独自手法を確立。
切り口に保護剤を塗布する予防策を紹介するほか、倒木する危険度を簡易判定する計算式も考案した。
今年2月には「あすなろ大学展」で調査結果を発表。
これまでに613本を調べ、94本で木材腐朽菌が発生していることを確認。
うち24本は倒木の危険性があると判断し、県や市に伐採してもらった。
ただ、危険な樹木が管理者不明の民有地に残っているという。
小林さんは、「近年、台風が大型化し、市内でも倒木被害が目立つようになった。1960~70年代に多く植栽された街路樹は寿命期を迎えている」と指摘。
一方、市道路課は、「街路樹の適正な維持管理に努めているが、予算や人手の制約もあり、十分に対応できているとまでは言えない」と説明。
「住民からの指摘には、専門家に見てもらい、危険性を判断している」としている。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-292869.html
(ブログ者コメント)
樹木が強風などで倒れ、あるいは枝が落ちてきて通行人が死傷したりした事故は、本ブログで多数紹介している。
2020年3月8日10時49分に琉球放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
豊見城市の鉄工所で7日、溶接作業をしていた男性が鉄骨の下敷きになり、間もなく死亡しました。
警察によると、7日午前11時ごろ、豊見城市伊良波にある鉄工所の敷地内で鉄骨の溶接作業をしていた男性が何らかの原因で鉄骨とともに作業台から落下し、鉄骨の下敷きになりました。
男性は心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、およそ3時間後に死亡が確認されました。
死亡したのは那覇市小禄に住むこの鉄工所の従業員、仲村さん(男性、35歳)です。
敷地内で別の作業をしていた同僚が大きな音を聞いて確認したところ、仲村さんが鉄骨の下敷きになっていたということで、警察が当時の状況を詳しく調べています。
2020年3月7日12時50分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前6時45分ごろ、兵庫県伊丹市の製薬会社「N化学工業」から「従業員が作業中に右腕をけがした」と119番があった。
社員の30代男性が右腕を機械に巻き込まれて切断する重傷を負った。
伊丹署などによると、男性は当時、ほかの従業員と2人で板状の薬をベルトコンベヤーで運び、ローラーで粉末状に砕く作業を担当。
もう1人が離れている間に、右腕がローラーに巻き込まれたという。
同署が原因を調べる。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202003/0013174214.shtml
2020年3月6日14時0分に産経新聞westから、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
中国に生息する毒ヘビ「ヤマカガシ」の仲間は、陸生ホタルを食べて天敵から身を守るための毒を蓄えることを京都大などの研究グループが発見し、米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。
日本のヤマカガシはヒキガエルを食べて毒を獲得しており、かけ離れた食性で同類の毒性を獲得していることを明らかにした画期的な発見だという。
【日本ではヒキガエル】
ヤマカガシの仲間は、獲物を捕まえるために牙から出す毒を持ち、自らの身を守る際は首の皮膚の下にある器官から毒を出す。
牙から出す毒は体内で生成するが、防御用の毒は捕食で取り入れており、日本のヤマカガシは毒を持つヒキガエルを食べることで体内に蓄積している。
一方、中国南西部に分布し、ヤマカガシよりあとに進化したイツウロコヤマカガシなど3種は、カエルを食べないのに同類の毒を持っており、どのように獲得するかは分かっていなかった。
研究グループは、野生のイツウロコヤマカガシの毒の成分を分析した結果、化学物質が中国にも生息する陸生ホタルの一種が持つ毒の成分と一致することが判明。
胃の中からはこのホタルの幼虫を食べた跡も見つかり、飼育されているイツウロコヤマカガシに同じ幼虫を与えると捕食したが、毒の成分を持たないホタルの幼虫は与えても食べなかったという。
研究グループの森哲・京大准教授(動物行動学)は、「進化の過程で食性が変化したにも関わらず、異なるエサから同様の毒の成分を摂取していたことは興味深い」と話している。
https://www.sankei.com/west/news/200306/wst2003060018-n1.html
2020年3月7日19時57分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同僚の男性の体内にエアコンプレッサーで空気を注入して重傷を負わせたとして、茨城県警神栖署は7日、鹿嶋市宮中の会社員、高橋容疑者(男性、41歳)を傷害の疑いで逮捕し、発表した。
容疑を認めているという。
署によると、高橋容疑者は6日午後2時ごろ、神栖市内の勤務先で、同僚の派遣社員の男性(32)=同市=に対して、ズボンの上から肛門(こうもん)付近に業務用のエアコンプレッサーのホースの先端を押しつけて、ホースから空気を注入する暴行を加えたという。
男性はその場に倒れ込み、高橋容疑者が119番通報した。
男性は病院に搬送され、重傷で入院中という。
周囲にはほかの同僚もいたとみられ、署が経緯などを調べている。
https://www.asahi.com/articles/ASN376JRDN37UJHB001.html
(ブログ者コメント)
今回事例のいきさつは不明だが、本ブログでは過去に何件か、肛門からエアガンで空気を注入された死傷事故を紹介しており、その全てが悪ふざけ中の事故だった。
2020年3月5日17時40分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年7月に琵琶湖で水上バイクにけん引されたトーイングチューブから男性(56)が落下して死亡した事故で、滋賀県警捜査1課などは5日、業務上過失致死の疑いで、水上バイクを運転していた堺市の会社社長の男(52)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年7月23日午後1時40分ごろ、大津市北小松沖の琵琶湖で、救命胴衣を着けさせずに、男性の乗ったトーイングチューブをけん引。
男性が湖に転落したにもかかわらず、救助せず溺死させた疑い。
トーイングチューブは水上バイクで引っ張って遊ぶ浮体で、人が乗ることができ、マリンスポーツとして近年、人気がある。
県警によると、男は男性の落下には気づいたが、水上バイクの運転を続け、10分後にマリーナ関係者が浮いている男性を発見するまで救護しなかった、という。
https://www.47news.jp/localnews/4584718.html
3月5日16時50分に京都新聞からは、写真と図解付きで下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
トーイングチューブとは、水上バイクなどでえい航して遊ぶ円形の浮体(浮き輪)。
運輸安全委員会によると、「バナナボート」、「トーイングチューブ」などの浮体を水上バイクがえい航中の事故で、10年間で100人以上が死傷。
2016年には木曽川で、水上バイクで4人が乗った浮体を引っ張り走行中、浮体が他の水上バイクに衝突、子どもら2人が死亡する事故もあった。
運輸安全委は昨年春、ロープ長さ20メートルのロープで実験したところ、浮体の速度が水上オートバイの約1.7倍になり、横転し落水するケースがあると報告。
えい航中の事故が急増しているとして、ロープの長さや浮体の大きさを考慮し、旋回や波を越えるときは、十分に減速するよう注意喚起している。
https://this.kiji.is/608195213166478433?c=39546741839462401
2020年3月5日4時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「禁煙」の映画館も、喫煙者らの服や体について持ち込まれた有害物質で充満している――。
米独の研究グループが、そんな調査結果を公表した。
たばこ10本分の受動喫煙に相当する濃度の有害物質もあったという。
たばこ由来のニコチンや有害物質は、喫煙者の髪の毛や衣類、部屋の壁やカーペットに残る。
それらが蒸発したり舞い上がったりしたものを吸い込むことを「三次喫煙(サード・ハンド・スモーク)」といい、研究が進んでいる。
グループは、ドイツの映画館の1室(1300立方メートル)で2017年1月、室内の空気を分析した。
24時間連続で週末の計4日間、有機物質35種類の濃度を測定。
すると、観客が入場する度に、アセトニトリルやアルデヒドなど有害物質の濃度が急上昇していた。
検出された有害物質の濃度を受動喫煙(二次喫煙)の濃度に置き換えると、ホルミアルデヒドであれば、たばこ1本分、ナフタレンは10本分に相当していた。
上映された映画は1日4~5本。
観客は1本あたり約30人~220人だった。
換気システムはあるが、大人の割合が高い夜の映画で、特に濃度が高かった。
大気汚染の研究をする聖路加国際大学大学院の大西一成准教授(環境保健)は、「完全禁煙の空間であっても、有害物質が2次喫煙と同等レベルの濃度まで上がり、3次喫煙が起こりうると示された。禁煙の場所も、これまで以上に、換気設備について考えていかなければならない」と話す。
成果は5日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。
論文はhttps://advances.sciencemag.org/content/6/10/eaay4109で読むことができる。
https://digital.asahi.com/articles/ASN347K21N34ULBJ018.html?pn=5
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。