2014年9月26日23時30分にYAHOOニュース(テレビ朝日)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島市西区で26日午前8時40分ごろ、道路が広範囲にわたって陥没しました。
上空から見ると、大きな交差点の中心部が、くぼんでいるのが確認できます。
陥没は、南北40メートル、東西15メートルにわたりました。
広島市によりますと、少なくとも建物8棟で、傾きやひび割れが確認されていて、現場から半径50メートルの範囲が立ち入り禁止となっています。
近隣住民 :
「4階の人が取り残されて、レスキュー呼んだみたい。
Q.傾き感じた?
住民:
「感じなかったけど、玄関は開きづらい。
1回、着替えて出たときには、(ドアが)閉まらない。
多分、傾いている」
交差点から20メートルほどの場所にある住宅。
建物は右に傾き、室内では床が浮き上がっています。
陥没現場の近くに住む菊田さん(男性、60歳) :
「家の中にいたら“異音”が、あちこちからしたので。パキパキとかミシミシとか。
1週間ぐらい前から、夜中、静かなときに地鳴りのような音がしていたんです。
断続的に鳴ったり、ぴたっと止んだり。
なんかおかしいなと思ってたんです」
なぜ、陥没は起きたのでしょうか。
今回の現場は、原爆ドームなどがある広島市の中心地から西に2キロほど離れた場所になります。
当時、周辺の地中では、水害対策として、雨水を流す雨水管を3.5キロにわたって設置する工事が行われていました。
広島市会見 :
「“シールドマシン”と呼ばれる掘削機で、(刃のついた)円盤がありまして、それを回転させることで、前に進みながら土砂を掘削し、下水管を組み立てる工事です」
既存の上水管と下水管の下、深さ30メートルの場所をシールドマシンと呼ばれる掘削機で掘り進めていたところ、大量の水が流れ込んできたといいます。
ほぼ同時に道路が陥没。
破断した上水管から、道路に水が流れ出しました。
広島市会見 :
「どのような理由で大量の水が流れ込んだかはわかっていない。」
Q.雨水管が通る高さには、地中にも水は含まれている?
広島市 :
「当然、地下水が十分含まれている地層になります。
水が抜けたことで、上に陥没が生じたのか。
もともと、空洞部分があって、そこに水が滞水していた可能性も。」
広島市は周辺の55世帯90人に避難を呼びかけていて、小学校には、26日午後7時時点で20世帯約40人が避難しています。
・・・
現場の地下では、どのような工事が行われていたのでしょうか。
広島市中心の市街地は低地で、これまで浸水被害が発生。
安全度を向上させるため、10年に1回程度降る強い雨への対応として、直径5メートルの新たな雨水専用の管などの工事を実施。
トンネル工事にも使われる“シールド機”と呼ばれる機械で、地下30メートル、直径5メートルの穴の掘削を行っていました。
シールド機の工事と道路の陥没に関係はあるのでしょうか。
地盤工学が専門の芝浦工業大学・稲積真哉教授に聞きました。
稲積教授は、「シールド機での掘削では、ごくまれに“土を掘りすぎてしまう”ことがある。土を掘りすぎると、そこにできた空間に土が落ちてきて、上部にある水道管に負荷がかかり、ジョイント部分などが折れるなど、破損する場合がある」と言います。
今回、道路が陥没したのは五差路の交差点です。
稲積教授は、「五差路は、水道管も複数分岐していると考えられる。その分、ジョイント箇所が多くなり、強度が下がることも影響したのでは」と指摘。
「水道管の破損で水が外に出て、その圧力が地面・道路を隆起させ、隆起の周辺では陥没も発生した可能性が高い」としています。
広島市は、道路復旧、そして建物は取り壊すのか・補修するのかなど、今後について「現時点では不明」としています。
補償についても「事故原因の調査とともに、今後、検討する」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8aa7243a8b0799f7db04fedee43876cacdec3174
9月26日21時2分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、地面の隆起の後に水があふれ出してきたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
道路の陥没に伴い、周辺の建物が傾くという緊急事態。
そのとき何が起きたのか。
通報した女性は、「最初はもう交差点が、コンクリートが盛り上がって危ない、車が腹をこするとかいう感じで、すぐ通報した。その間にも全部コンクリートが膨らんできて」と話した。 地面の隆起に続き、みるみるうちに水があふれ出したという。 そして、聞こえてきたのが建物がきしむ音だった。うちの工場もちょっとメキメキとか、壁にひびが入ったりとかして、もう即避難してくださいということで」と話した。
広島市によると、傾きや壁のひび割れは、少なくとも8棟の建物に及んでいるという。
【画像】道路の大規模崩落により付近の建物の白い壁に大きな亀裂が入った
当時行われていたのは、シールドマシンを使っての掘削工事だった。
広島市の担当者:
「水が非常に出てきたということが確認されました。それとほぼ同時期に、地上部分の方で道路が陥没した。」
下水道工事が原因とみられる道路の陥没を、専門家は次のように説明する。
地盤システム研究所・近久博志さん:
「小さく穴が開いたところからどんどん広がっていくイメージがあったが、今回は一気に(範囲が)広がっているので、規模が大きいなと感じた。ここまで広がっているということは下に大きな空洞があるんじゃないか。沈下の場所が広がらないように早く埋めた方がいい。 」
(「イット!」9月26日放送より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/570bc0ce4bd2c4824b548391f1845939c11042b4
9月27日17時52分にYAHOOニュース(テレビ新広島)からは、シールドマシンは軟弱な地盤を対象にした工法、地盤の中に地下水を多く含んだ空洞があった可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の大規模な陥没事故、トンネル工学の専門家はどのように受け止めているのでしょうか。
【広島工業大学(トンネル工学が専門)・岡崎泰幸講師】 :
「シールドマシンというのがもともと軟弱な地盤を対象とした工法で、地下水や地盤変状に影響が少ないといわれている工法なので、そこで今回のことが起きた『なぜだろう』と」
専門家は、今回の工事は安全面に配慮が伺えるとします。
【岡崎講師】 :
「トンネル径が6m。地表面からトンネルの上端まで30mあって5倍あるので安全に掘れるように、できる限り地表面から距離をとろうとしたのかなという印象」
その上で指摘したのは、事前の地盤調査についてです。
【岡崎講師】 :
「(事前の)調査数がもうちょっと多いとよかった可能性もあります。これからはどう改善していくか技術者の課題になっていく」・・・
広島市の見解や専門家によりますと、おそらく地盤の中に「元々存在していた」空洞または「新たに生じた」空洞に地下水が多く含まれていたのではないかということです。
その水がトンネル内に漏れ出したことで、空洞ができ、地表の地盤も沈下し水道管が破断した可能性があるということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe90f8c375b8841234bc755f77ef23c0088e2f71
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。