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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202485180分にYAHOOニュース(山陰中央新報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

機関故障で24日に千葉県沖を漂流した東海汽船(東京都)の高速ジェット船と、隠岐汽船(島根県隠岐の島町)が運航する隠岐-本土の超高速船「レインボージェット」(173トン、乗客定員256人)は、いずれも「ジェットフォイル(JF)」の愛称で呼ばれる同型の船だ。

長らく生産がないため、部品が入手しづらいなど、船を維持するための環境が悪化しており、整備士らから懸念の声が上がっている。

JFは、船体を海面から浮上して時速約80キロ程度で航行するのが特徴。

米国のボーイング社が開発し、国内で唯一、川崎重工業(東京都)が製造している。

現在は、隠岐航路を含む5都県で約20隻が走る。

レインボージェットは1991年建造で、2014年に隠岐航路で就航。

隠岐広域連合や隠岐汽船によると、運航中に漂流するような事態はない一方、年1、2回程度、機関故障や電気系統のトラブルで運航を止めることがあるという。

不具合は、日常の定期的な点検に加え、全ての機器をみる12~2月の長期検査で確認する。

船を維持する上での課題は少なくない。

維持保全を担う隠岐汽船テクノの多田整備長は、「必要な時に部品が手に入らないことがある」と明かす。

航空機用のエンジンを転用したガスタービンは、船体を浮かせて推進力を生むための水を噴射する原動力になる欠かせない部品で、JFに2機つける。

これが既に生産中止で、新品は手に入らない。

修理したり、別の中古エンジンの部品などを代用したりすることでしのいでいる。

JFの船体自体、川崎重工業が直近で新造したのは20年で、約25年ぶり。

新船は当初20億~30億円程度だったが、資材価格の上昇などで、現在は約70億円とも言われる。

漂流したジェット船は、建造から40年を超える中、民間会社だけで船の更新が難しくなっている。

22年に改正された離島振興法は、高速船の新造・更新への支援を国の配慮規定として明記したが、具体的な支援を示していない。

島根県交通対策課の佐川課長は、「今回の事故にかかわらず、離島航路を抱える県としてできることを考え、国にも求める」と話す。

具体的な国の財政支援を背景に、5都県や船舶の所有会社などが連携して更新に動かなければ、部品の使い回しだけでは、やがて限界が来る可能性がある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9191e12060f00670e029640227730f1d26e3aff2

 

24日の千葉県沖漂流事故の直後、同様なジェットフォイル老朽化問題に関する解説的記事が報じられていた。

2024726120分 東京新聞)

夏休みスタート早々、釣りやマリンスポーツが楽しめる伊豆諸島の式根島に向かった東海汽船(東京)の高速ジェット船が、故障のため一時漂流した。

えい航され、伊豆大島に着いたのは出発から約22時間後だった。

島国の日本はジェット船の運航が盛ん。

ただ、今回の船を含め、多くが老朽化に直面する。

今後もトラブルが起きる恐れはないだろうか。

 

■水中翼で浮上、時速83キロ

ジェット船は、米航空機大手ボーイング社が軍用技術を転用し、高速旅客船として開発。
「ジェットフォイル」と名付けた。

その名は、ボーイング社から1987年に製造・販売権を得た川崎重工業の登録商標となっている。

世界で現在製造しているのは川崎重工だけだ。

同社のジェット船はガスタービンエンジンで駆動する「ウオータージェット推進機」が、1分間に180トンもの海水を吸い込み、後方に噴射。

船体の前後にある水中翼に発生する揚力で海面上に飛び上がる。

最高時速は83キロになる。
別名「海の飛行機」だ。

 

■油圧系のトラブルでカジが利かず

国土交通省や川崎重工によると、日本では18隻のジェット船が運航されている。

国交省の担当者は、「世界での正確な運航総数は分からないが、主に日本で運航されているだろう」と話す。

東海汽船によると、今回故障したジェット船「セブンアイランド愛」(総トン数約280トン、全長約27メートル)は、24日午前745分に東京の竹芝桟橋を出航したが、房総半島沖で水中翼が油圧系のトラブルのため正常に動かなくなり、かじが利かなくなった。

通報を受けた第3管区海上保安本部の巡視船やタグボートがロープでえい航。

当初24日中に伊豆大島に着く予定だったが、ロープが船のプロペラに巻き込まれたり、海上が荒れていたりした影響で作業が難航。

到着は25日午前545分ごろにずれ込んだ。

東海汽船の担当者は「故障の原因は調査中」としている。

 

■漂流した船は1980年建造のベテラン

ジェット船を巡っては20193月、新潟県佐渡島沖を航行していた佐渡汽船の船が、クジラとみられる物体と衝突。80人が負傷する事故もあった。

国交省の担当者によると、運航中の18隻は、建造からの期間が平均で30年超という。

東海汽船によると、今回故障した船は1980年に造られたボーイング社製で、2002年に東海汽船で就航したベテラン船だった。

同社の担当者は「船は定期的にメンテナンスしていた」と説明する。

全般的に老朽化が進んでいるものの、ジェット船の新造費用は数十億円ともいわれ、簡単に代替わりできない。

 

■高い建造費、新規導入にはデメリットがちらついて

東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は、「建造費が高価な上、燃費の悪さや、大型海洋生物との衝突事故のリスクなどもあるため、新たな船を導入する会社は少ない」と解説する。

ジェット船がこれまで故障した例は少ないと前置きしつつ、「しっかりメンテナンスしていたとしても、金属疲労や経年劣化で目に見えない傷があってもおかしくなく、老朽化の影響による故障が起こる可能性はある」と指摘。

ベテラン船が多い中、故障を防ぐためには「検査体制を整え、確認することに尽きる」と強調する。

また、「離島の衰退につながるため、国はジェット船がなくなることへの危機感は強い。

新造が少ない中で、どう技術を継承し、航路を維持していくかも課題になる」と話した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/342834

 

24日の千葉県沖漂流事例は下記記事参照。
他には、船体が軽いため長時間曳航された際の揺れで多くの人が吐くなどしたという報道もあった。

20247241423分 NHK千葉)

24日午前、東京から100人余りの乗客を乗せて伊豆諸島の式根島に向かっていたジェット船が千葉県の房総半島沖で航行できなくなりました。

これまでのところ、けが人の情報はなく、海上保安部の巡視船などが伊豆大島に向けて船をえい航しています。

第3管区海上保安本部によりますと、24日午前10時ごろ、千葉県の房総半島の南西およそ20キロの沖合で、ジェット船から「油がもれてかじがきかなくなった」と通報がありました。

運航する東海汽船によりますと、ジェット船は子どもを含む乗客116人と乗員5人を乗せて午前7時45分に竹芝桟橋を出港し、伊豆諸島の式根島に向かっていた「セブンアイランド愛」279トンです。

これまでのところ、けが人の情報は入っておらず、体調が悪くなった人もいないということです。

船からは午前9時すぎに「機関故障で一部のタービンが回らない」などと異常を訴える連絡が会社にありましたが、この時には自力で航行できたということです。

その後、航行できなくなって一時、漂流し、海上保安本部によりますと、巡視船など2隻が現在、ロープでえい航していて、伊豆大島の岡田港に向かうとしています。

東海汽船によりますと、「セブンアイランド愛」は1980年に完成した船で、アメリカで運航されたあと、2002年から東海汽船の航路に就航し、伊豆大島、式根島、新島、利島、それに神津島を結ぶルートで運航しているということです。

船の重さは279トン、全長はおよそ27メートル、巾は8メートルほどで、乗客の定員は254人がとなっています。

整備や点検は毎日行われ、24日朝の出発前の点検でも問題は見つからなかったということです。

船長は30年以上の経験があるベテランだということです。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20240724/1080023699.html

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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