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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年11月22日20時19分に読売新聞から、23日7時55分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

神戸市のJR山陽線舞子駅で昨年12月17日午後9時45分ごろ、ホームから転落した主婦が出発直後の電車にひかれて死亡した事故で、運輸安全委員会は22日、異常を知らせる回転灯の設置場所に問題があり、車掌や運転士が転落に気付くのが遅れたと発表した。

委員会から情報提供を受けた国土交通省は、各鉄道事業者に対策を講じるよう求めた。

発表によると、事故では、主婦が転落したことに乗客が気付き、転落場所近くの非常停止ボタンを押し、回転灯とブザーを作動させた。
ボタンの上に設置された黄色の回転灯が作動したが、調査で、約160m離れた電車最後尾の車掌からは、案内板などが邪魔になって回転灯が見えづらかったことが分かった。
異常を知らせるブザー音も、電車が動く騒音で聞き取りづらかった可能性があるという。
ホームには駅員が不在で、異常はすぐに車掌らに伝わらなかったという。

委員長は「直接の事故原因と確定したわけではない」とした上で、「非常装置を運転士や車掌から見えやすい位置に設置するなどの改善が必要だ」と述べた。

運輸安全委は事故後、調査官2人を現場に派遣。車掌が転落に気付かなかった原因などを調べている。


出典URL■■■
     ■■■


以下は、過去の関連記事。

①「2010年12月28日15時00分 神戸新聞」

「舞子駅の非常装置増設へ」

事故を受け、JR西は28日、同駅のホームの異常を知らせる非常ボタンや非常報知灯を来年1月末までに増設するなど当面の対策をまとめた。

JR西によると、女性が転落したのは12両編成の快速電車4~5両目の連結部で、そのまま発車。
連結部は先頭車両同士が向き合っており、転落防止用のカバーがなかった。

舞子駅には現在非常ボタンが14個あり、ボタンを押すと回転灯が光って警報音が鳴り、ホーム端にある非常報知灯が点滅して運転士に知らせる仕組みになっている。
しかし、回転灯は運転士や車掌から見えにくい位置にあり、非常報知灯はホームに入る前の運転士しか見ることができなかった。

そのためJR西は、同駅の非常ボタンを21個に増やし、非常報知灯も2個から6個に増設。警報スピーカーも6個新設する。
さらに、事故現場に転落防止用のステンレス柵(長さ2.5m、高さ1.2m)を設置。 車掌が安全を確認するテレビモニターを設置したり、照明を増やしたりすることも検討する。
全社的な対策としては、先頭車両同士の連結部の運転席を終日点灯させ、連結部があることを分かりやすくする。
先頭車両の連結部の下に警告音を出すスピーカーを設置することも検討する。


■■■


②「2011年6月16日11時25分 msn産経ニュース」

「車掌を書類送検」

兵庫県警は16日、業務上過失致死傷容疑で、JR西日本の男性車掌(49)を書類送検した。
 「人影が見えて2度確認し、大丈夫だと思い発車させた」と一部否認しているという。

送検容疑は、快速電車(12両)に乗務していた昨年12月17日午後9時45分ごろ、ホームでの異常を認識しながら安全確認を怠り、運転士に出発合図を送って発車させたため、女性を死亡させ、助けようとした知人女性(29)を負傷させたとしている。

県警によると、死亡した女性は4、5両目の連結部分から転落し、ホームに上がろうとしたが、動き出した電車に挟まれるなどしたという。


■■■


③「2010年12月28日 朝日新聞夕刊(聞蔵)

「JR西の再発防止策」

JR西は28日、再発防止策として、ホームの非常ボタンと連動する従来の回転灯とは別に、ホームの端や中ほどで点滅する「非常報知灯」を増設することを決めた。

同社はまた、女性が転落した車両連結部付近に固定柵(2.5m、高さ1.2m)を設置する。
このほか、乗客が連結部があることを認識しやすいよう、連結時に使用しない運転室の室内灯を常時点灯する。



④「2010年12月9日 朝日新聞(聞蔵)

「点滅灯の設置思想」

ホーム上に一定間隔で設けられた点滅灯が、非常ボタンを押した地点しか作動しない仕組みであることが、警察への取材でわかった。
警察は、車掌の直近の点滅灯が作動しない仕組みだったため、転落に気付くのが遅れた疑いがあるとみている。

JR西などによると、点滅灯は非常ボタンが取り付けられた鉄柱に設置され、スピーカーから警報音も鳴る。

ホームには14ケ所設置されており、事故時、転落現場に近い2つが押されたという。
警察によると、押された一つは電車最後尾にいる車掌まで約160m、運転士までは約80m離れていた。

点滅灯が、その場所でしか作動しないことについて、JR西は「異常があった場所を乗務員や駅員らに知らせるためのものだ」と説明している。



⑤「2010年12月18日 朝日新聞夕刊(聞蔵)」

事故時の状況(補足) 」

一緒にいた女性が警察に「乗客がホームの非常ボタンを押したので発車しないと安心したら、電車が動き出した」と説明していることがわかった。
一方、車掌はJR西に「非常ブレーキを作動させて停車した後にボタンが押された」と説明しているという。

JR西によると、車両の連結部分には通常、転落防止用のゴム状のガードがついているが、女性が転落した部分は先頭車両が向かい合う形の連結だったため、ガードがなかった。

JR西は、転落を検知して近くの電車を緊急停止させる装置の整備を進めているが、舞子駅は未設置だった。



⑥「2010年12月18日 朝日新聞朝刊(聞蔵)」

「事故時の状況」

JR西によると、発車の際、ホームの乗客が電車を止めるような合図をしているのに気付いた車掌が、非常ブレーキを作動させて停車させたという。
車掌はJR西の調査に対し、「約10m進んで停車した」と話しているという。

JR西によると、舞子駅の駅員は通常、ホームにはおらず、駅2階の改札付近で業務しているという。
当時は2人の駅員がいた。

1階にあるホームの安全確認は、主に車掌がするという。
安全確認後、運転手に相図して発車するが、その際、車掌は窓から顔を出し、「車掌弁」と呼ばれる非常ブレーキのレバーを握り、すぐに停車できる状態にしているという。

今回の事故当時も、発車直後にホームで複数の乗客が手を振って電車を止めようとする合図をしていたのに気付いた車掌が「車掌弁」を下ろして非常停車させたという。
車両は4両編成と8両編成が連結しているタイプ。その連結部分からホームに転落した。




(ブログ者コメント)

□回転灯がどの程度見え難い位置に設置されていたのか、図解でもないかと運輸安全委員会HPを含め調べてみたが、図が掲載された記事は見つからなかった。

□この回転灯は、JRにまだ人的余裕があり、ホームに駅員がいた頃に設置されたものではないだろうか?
もしそうだとすれば、たしかに駅員から見える位置に回転灯を設置しておけばよく、運転士や車掌にとって見え難い位置でも関係はなかったのだろう。

□それが、今ではホームに駅員はいなくなった。
これ、安全をとりまく環境が大きく変わったのに、安全設備は昔の設計思想のまま見直しされていなかったための事故だったのかもしれない。
運輸安全委員会は、こういった切り口でも調べているのだろうか?



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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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