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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年11月23日付で日本海新聞から、下記趣旨の記事が縁場の写真付でネット配信されていた。また、22日20時44分にNHK鳥取から、23日11時33分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

22日午後1時ごろ、米子西高校で、標本を保存していたホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)入りガラス容器が割れ、ホルマリンが漏れ出した。
生徒と教職員全員が体育館に避難し、消防が中和処理をするなど一時騒然となったが、けが人はなかった。

同校によると、昼休憩の終わりごろに4階の生物教室前の廊下で、男子生徒がじゃれ合っていてオオサンショウウオを保存していた円柱形の容器(高さ約50cm、直径約30cm)が誤って割れ、入っていたホルマリンが4ℓほど漏れて生徒の服に付着したほか廊下に漏れ出した。
生徒に異常はないという。

学校からの連絡で化学処理に当たる大山消防署の特殊災害隊など消防車14台が出動し、生徒と教職員全員を体育館に避難させ、漏れたホルマリンを吸着マットで吸い取って中和剤をまくなど除去作業に当たった。

現場には標本を並べた棚があったが、オオサンショウウオの容器は入らず、十数年にわたって棚の近くの廊下に置かれていたといい、副校長は「危ないと思って室内に入れようとしたこともあったが、容器が床にくっついていて動かせなかった。危険物を廊下に置いたままだったことは反省している」と話していた。

県教委によると、ホルムアルデヒドの水溶液は濃度が1%を超えると劇物に該当するため、施錠して管理し、転倒防止に努めるよう指導しているという。


出典URL■■■
             ■■■



(ブログ者コメント)

□日本海新聞掲載の写真を見ると、あのような場所に置いていると、いつかはこういった事態になることが容易に想像できる。

□実際、過去には危ないと思ったことがあるとのこと。 とすれば、これは危険予知が活かせなかった事例でもある。

□くっついているのを無理に動かして漏れる危険は、今、そこにある危険。 しかし、誰かが蹴飛ばして漏れる危険は、いつあるか分からない、あるいは、ないかもしれない危険でしかない。
そういったことを考えての放置だったのだろうか?

□もしそうだとすれば、これはリスクというものを片面しか捉えていないことになる。
なぜなら、リスクとは「事故が起きる頻度」×「事故が起きた場合の影響」で定義されるからだ。
いつ漏れるか分からないというのは「頻度」の評価。
一方、漏れた場合にどの程度人体に被害が生じるか?というのが「影響」の評価だ。
リスクというもの、「頻度」と「影響」の両面から評価しなければならない。

□ここで、「影響」面を評価すれば、無理して動かして漏れた場合、それは漏れることを想定しての作業ゆえ、保護具など漏れた場合の備えをしている筈。よって、被害は局所的なものに抑えられるだろう。
しかし、誰かが蹴飛ばして漏れた場合は、事前に何の備えもしないままの突然の漏れにつき、目に入るなどした場合は被害は甚大なものになる。

□ことほどさように、同じ漏れるにしても、「影響」の度合いは全く違うのだ。
この学校、今一歩の詰めが甘かったということだろう。



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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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