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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201152886分と2131分に朝日新聞から、また529日付で毎日新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
27日午後9時55分ごろ、JR石勝線を走行していた「スーパーおおぞら14号」(6両編成)後方の1~3号車内で白煙が発生したと、運転士からJR北海道に連絡があった。
後ろから2両目の2号車が脱線しており、列車は全長685mのトンネルの中央付近で緊急停止した。
乗客約240人は歩いて外に避難したが、一酸化炭素中毒とみられる症状ややけどで、乗客乗員計40人が病院に搬送された。いずれも軽症で命に別条はない。
車掌は「異常な振動がし、運転士に列車を止めてくれと言った。止まった時には火が出ていた」と説明しているという。車両はディーゼル列車で、各車両の下部には燃料の軽油を積んでいた。
 
調査結果、エンジンから車輪に動力を伝える「推進軸」の部品が、停止位置の約2km手前で脱落し、脱線跡は約890m手前から続いていた。「推進軸は3日に1回目視検査し、今月25日には異常なかったという。
 
車掌は、緊急停止後、乗客に「出口までどのくらいかかるか見てくる」と告げて車外に出て出口まで歩き、約20分後に戻って避難を呼びかけたというが、乗客からは、「車掌が外に出たので不安になった」、「煙が立ち込めたので外に出ようとしたら乗務員に『待ってくれ』と言われたが、誰かがドアを開けて自主的に逃げ出した」、「JRから避難誘導はなく、自分で逃げなければ死んでいた」といった証言が出ている。
 
 
(ブログ者コメント)
□60歳の男性車掌であれば、これまでイヤというほど緊急時対応訓練を受けてきたはずだが、なぜ、もっと適切な対応をとれなかったのだろうか?その間接原因は?
□今回対応の問題点については、以下のブログで、かなり突っ込んで書いている人がいた。その記事を紹介することでコメントに代える。
http://deepsky.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
 
□「大事故は最悪のタイミングを選んで起きる」といった言葉がある。今回も、トンネル内で緊急停車せざるを得ないタイミングで部品が脱落してしまった。
そういえば福島第一原発も、「福島県に押し寄せた津波は第一原発付近が最大で、高さは15~22m。南に8kmの第二原発付近では11~13mだった」という報道(5/27朝日)があった。
ひょっとして政権も?


 
 
(2011年6月21日 修正1; 追記)
 
その後に報道された主な情報を、まとめて下記する。
 
5月30日7時38分 朝日新聞
乗務員は床下からの煙に気づいたが、出火を確認できず、火災の対応をとらなかったため、乗客の避難が遅れたとみられる。
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY201105290413.html
 
5月30日14時32分  読売新聞
社内マニュアルでは、車両火災として実際に乗務員が炎を目視して初めて、「火災」と覚知することになっていることが分かった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110530-OYT1T00595.htm
 
5月31日23時11分  読売新聞
運転士は、火災ランプが点灯し、火災を検知するブザーが断続的に鳴る音に気づいた。しかし、炎が確認できないことから、車掌と打ち合わせた上で、避難経路を確かめることを優先したという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110531-OYT1T01142.htm

 
6月2日00時15分  読売新聞
事故後に初めて記者会見に臨んだ中島尚俊社長は、「乗客の安全を最優先に考える思想にやや欠けていた」と反省し、謝罪した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110602-OYT1T00016.htm
 
 6月5日 毎日新聞東京版朝刊
JR北海道では火災は目視が必須とされているが、他のJRでは、煙を確認した段階で状況に応じ火災として扱うとしている。
違いについてJR北海道は「分からない」。
他社は
□ディーゼル車の率が高いため、発煙を伴うエンジントラブルが多い
□寒冷地で蒸気と煙の区別がつきにくい
などと北海道特有の事情があると推測する。

http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/06/05/20110605ddm003040147000c.html
 
6月5日 11:時26分 更新 北海道新聞
車両が緊急停車したトンネル内には、保線や電気工事の際の照明があったが、避難時は使用されなかったことが4日、分かった。この照明を非常時に使う規定はないが、使用していれば、より早く脱出できた可能性もある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/297144.html
 
6月9日 毎日新聞東京版朝刊
車内販売をしていた女性客室乗務員が列車の緊急停止直後に窓から火を見たのに車掌に報告せず、同社の非常対応に不備があったことが分かった。
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/06/09/20110609ddm041040165000c.html
 
6月13日 19時05分 NHK札幌
乗客として乗り合わせていたJRの社員が火災に気付いていたにもかかわらず、車掌などには伝わっていなかったことが分かった。
 
6月18日17時6分 朝日新聞
緊急時の乗客の避難誘導について、ある車掌用マニュアルでは、輸送指令員の指示で乗客を降車させるとなっているが、別の車掌用マニュアルには、運転士と打ち合わせて避難させると記載されていた。
複数の運転士用マニュアル間でも、輸送指令員への報告と避難の順序が異なっていた。
JR北海道の社長は、「マニュアルの見直しと実態に即した教育訓練を早急に行い、再発防止に取り組む」と述べた。

http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201106180051.html



 
(2011年7月14日 修正2 ;追記)
 
2011713206分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
JR北海道は13日、トンネル内の照明設備の改善、車掌と客室乗務員への無線機配備などを盛り込んだ避難誘導の改善策を発表した。当初6月中の見直しを予定していた緊急時マニュアルについては、現場の意見を反映させるため、9月まで策定時期を延期した。
トンネル内には工事用照明はあるが普段は点灯していないため、乗客は暗闇の中での避難を余儀なくされた。このため、500m以上のトンネルについては、出入り口までの距離標や列車が入ると自動的に照明がつく設備などを設置する。石勝線では8月までに整備し、ほかの路線も2012年度中に完了する方針。 

[時事通信社]
 
 

(2011年7月22日 修正3 ;追記)

2011年7月22日付の朝日新聞北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

車両床下の部品を固定するためのナットの締め付けに、同社の整備マニュアルに基づく工具が使われていなかったことが21日、JR北海道への取材で分かった。ナットの締め付け力が担当者ごとにばらついていたとみられる。

事故は、エンジンの力を車輪に伝える「推進軸」などの部品が次々に脱落して脱線。後方の1号車と2号車の燃料タンクに亀裂が入り、緊急停止したトンネル内で火災が起きたとみられる。

警察などが事故原因を調べているが、部品を支えるナットの緩みが原因と指摘する専門家もいる。走行時の振動も加わってナットが外れ、部品が脱落したとの見立てだ。

同社の整備マニュアルでは、メーカーの仕様書に沿って、ナットの締め付けには、加える力を設定できる「トルクレンチ」を使い、長さ1mのレンチの先端に49~67kgの力がかかるようにする、と定めていた。 ところが、トルクレンチを使っていなかった国鉄時代のままスパナレンチやハンマーで締めていたという。整備担当の経験に頼ることになり、同社は「締め付け力にばらつきは出ていた」と認める。国交省からも6月、改善指示書で締め付け力の管理について指摘されていた。

ナットの状態は、必要に応じて部品を交換する「要部検査」(4年に1回か、50万km走行ごとに義務づけ)で点検する。今回の事故車両は昨年12月に苗穂工場で要部検査を受けたが、異常は見つからなかった。日常的に目視や打音検査をしているが、仮にナットが緩んでいても気づくことは難しいという。同社はこれまでの整備や点検の方法を見直すため、整備担当の元社員らを交えて議論する方針だ。


出典URL■■■


(ブログ者コメント)

□石勝線の事故以前にも、室蘭線や他のJRで同様な事故が起きていたと報道されていたが、そのうちの何件かは、上記のようなことが原因だったのだろうか?
 
□国鉄時代のやり方を踏襲していたという件だが、長年、整備に携わってきた人が職人的経験とカンで締めつけていた、そのやり方を、経験浅い人が上辺だけ真似してきた、ということはなかったか? そうであれ、そうでなかったにせよ、安全管理者は、マニュアル記載内容の意味するところも、経験浅い人によく教えておく必要がある。






(2011年8月5日 修正4 ;追記)

2011年8月4日0時6分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR九州は3日、豊肥線を走行中の普通列車(2両編成)で、ディーゼルエンジンの動力を車輪に伝達する「推進軸」が落下するトラブルがあったと発表した。乗客約40人にけがはなかった。同社が原因を調べている。

5月にJR北海道で起きた特急の脱線火災事故でも推進軸が脱落しており、この事故を受けてJR九州が行ったディーゼル車の緊急点検では、異常は見つかっていなかった。 事態を重く見た国交省九州運輸局は同日、同社に警告し、再発防止策を報告するよう求めた。
  [時事通信社]

出典URL■■■


(ブログ者コメント)

国交省は、5月30日、JR各社や民間の鉄道会社など63事業者に対し、所有する3344両のディーゼル車を緊急点検し、結果を6月30日までに報告するよう指導しているが、各社、どのように点検したのだろうか?

石勝線事故の後、当のJR北海道で7月5日、「スーパー宗谷2号」の駆動軸につながるボルトが破損し、部品が脱落するトラブルが起きている。
原因は、外から見えるボルトだけを目視や打音で点検したため、点検対象から外れたボルトが破損した、ということらしい。

「外から見える」というのが「車体の下に潜り込むなどして見える」という意味であれば、仕方ないかもしれない。 しかし、潜り込みもせずに車体の斜め下から見える範囲だけの点検だったすれば、再発防止に向けての姿勢が疑われる。

今回の豊肥線トラブルは、石勝線事故と同じ「推進軸」の脱落。潜り込んで点検していれば事前に発見できていた可能性が高い。
どんな点検をしたか、厳しく検証されてしかるべきだ。
なぜなら、事例対応というのは、同じトラブルを二度と起こさないことがMUST、類似トラブルを起こさないことがWANTだとブログ者は考えているからだ。




(2011年8月27日 修正5 ;追記)

2011年8月26日17時35分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故で乗客の避難誘導が遅れたことを受け、JR北海道が作成中の異常時マニュアルに、「乗務員が煙を発見した時点で火災の可能性もあるとして行動する」ことを盛り込む方針であることが26日、わかった。
同社は、9月に事故当時の状況を再現した訓練を夕張市で実施し、新マニュアルの有効性を検証する。

同社によると、従来のマニュアルでは「炎を見て火災と判断」することになっていたため、5月に発生した脱線炎上事故では、車内に煙が充満してからも乗務員が火災と認識できず、避難誘導が遅れた。

同社は9月2日に石勝線の「第1紅葉山トンネル」(夕張市、1040m)で、トンネル内に停車した訓練用車両から約160人の避難の誘導や救護活動を行う訓練を行い、新マニュアルで素早い誘導ができるかどうかを検証する。


出典URL■■■



(2011年9月20日 修正6 ;追記)

2011年9月17日付で、毎日新聞東京版から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR北は16日、特急脱線炎上事故などを受けた事業改善報告書を国交省に提出した。
事故で問題化した緊急時や乗客避難のマニュアルについて、運転士や車掌など職種別にあったものを統一して現場判断を重視する内容に改めたほか、車両整備の厳格化などを盛り込んだ。
同社社長が12日に書き置きを残して失踪したため、会長が報告書を会長名に改めて国交政務官に手渡した。

新マニュアルでは、事故で乗客の避難誘導が遅れた反省を踏まえ、
□煙を確認したら火災として扱う
□乗客に危険が及ぶ場合は運行を管理する指令の指示を待たず乗員判断で避難行動が取れる
と明記。
これまで職種や支社・運転所ごとに20種が作られ、緊急時の対応に整合性が取れていなかったマニュアルを本社作成分に一本化した。


出典URL■■■

※行方不明だった社長が遺体で発見されたと、2011年9月18日21時7分に朝日新聞から報道されていた。

出典URL■■■



(2011年11月10日 修正7 ;追記)

2011年11月8日12時10分にNHK札幌から、新マニュアルに基づいて訓練を実施したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR北海道は、新しい避難誘導マニュアルに基づいた訓練を、8日午前1時から、北斗市のJR江差線のトンネル内で火災が起きたという想定で行い、同社社員ら140人が参加した。

訓練では、新マニュアルに盛り込んだ「現場で必要と判断した場合は、運転指令からの指示がなくても乗客を避難させる」ことなどを確認しながら進められ、火災を見つけた乗務員が乗客役の社員を外に誘導し、およそ500m離れた駅まで避難させた。

函館支社の次長は、「限られた数の乗務員で乗客全員に情報を伝えることが難しかった」と話していた。 JR北海道は、緊急時の乗客への情報の伝え方をさらに検討することにしている。


出典URL■■■


また、2011年11月8日付の朝日新聞(聞蔵)からは、新規に策定した行動計画の社内説明会が進んでいると、下記趣旨でネット配信されていた。

JR北海道は、7日、石勝線の事故を踏まえて策定した「安全性向上のための行動計画」に関する社内説明会を札幌市の本社で開いた。

行動計画は、乗客の安全を最優先する企業に再生するための「会社の憲法」と位置付けられており、この中に書かれた発想の転換や意識・企業風土の改革、業務の刷新の必要性について理解を求めた。
説明会には札幌地区の駅員や苗穂工場、札幌運転所の社員ら約280人が参加。
社長は「JR発足以来24年で、衰退する企業にみられるコトなかれ主義が蔓延しているのではないか。組織ごとにせめぎ合いの議論をしていこう」と呼びかけた。

行動計画は9月に国交省に提出。石勝線事故の反省と教訓を列挙し、企業風土改革や業務執行体制・運営の見直し、人材育成・教育と訓練の実施など、9項目の安全対策を明記している。

JRは道内各地で社員説明会を開いており、各現場からの意見を踏まえ、具体的な実施時期を盛り込んだ安全基本計画を来年3月末までにまとめ、2012年度の事業計画に反映させる方針。




(2012年1月30日 修正8 ;追記)
 
2012年1月26日17時49分に読売新聞から、事故原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故原因について、運輸安全委員会は25日、(吊りピンの落下を防止する『割ピン』があれば、事故の発生はなかったとの見方を示した。

同委員会によると、事故後に油が飛散しているのが見つかった地点から、事故車両の停止地点までの走行時間は約100秒。この間に、列車は4両目後部の減速機の「吊りピン」など金属製の部品を次々と線路上に落下させながら、2度脱線し、炎上したとしている。

同委員会は、吊りピンが落下したことが、脱線炎上事故の引き金となったとみているが、吊りピンの落下を防止するための「割ピン」(長さ14cm、直径8mm)が、いつはずれたのかについては、いまだに不明で、事故後の調査でも、落下した吊りピンを留めていた「割ピン」は見つかっていない。

いつ、どのようにして割ピンがはずれたのかが、今後の調査の焦点となる。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120126-OYT1T00223.htm
 
 

(2012年3月19日 修正9 ;追記)
 
2012年3月15日付で読売新聞から、安全輸送のため体制を強化するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
JR北海道は14日、昨年5月のJR石勝線特急脱線炎上事故など脱線事故やトラブルが相次ぎ、今冬の運休本数が過去10年間でワースト1になったことなどを受け、安全輸送のための体制強化策を発表した。

過去の事故などを分析して再発防止につなげる専門部署を新設するほか、2013年春の採用で現場の技術職を前年の3割増とする。

同社は4月1日付の組織改編で、「安全推進部」内に「ヒューマンファクターグループ」を新設する。
個別の事故やトラブルの背景について、人的要因による問題点などを洗い出し、再発防止策をまとめる。
JR東日本や東海、西日本が設置する専門部署を参考にし、3人を専従させる。


併せて「安全企画グループ」を設け、一連の安全対策の達成状況について検証し着実に成果が上がるよう監視体制を強める。「車両部」内には列車の部品劣化の度合いを確かめる「保全技術グループ」を新設する。

同社の13年春の採用計画では、新卒、中途を合わせ300人程度。うち車両整備や線路の保守点検など現場の技術職の採用枠は235人程度とし、今春採用予定の178人から60人近く増員する。
若手が技能教育を受けられる時間が持てるように人員を拡充し、指導員として社員OBの再雇用も進める。


同社では2月29日に函館線、今月7日に留萌線で脱線事故が発生。石狩、空知地方などの大雪もあり、この冬(昨年12月1日~今月10日)の運休本数は2194本と、過去10年間のワースト1だった03年度の1240本を大幅に上回った。

社長は14日の記者会見で、「昨年5月の脱線炎上事故から1年もたたないうちに2度の脱線を起こし、大変申し訳ありません」と陳謝し、「刻々と変化する現場の状況に対応できず、事故やトラブルを招く事態が続発した。来冬までに対策を講じたい」と語った。

 
出展URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120315-OYT8T00019.htm
 
 

(2012年8月2日 修正10 ;追記)

2012年7月27日付で読売新聞から、吊りピンのワッシャーが小さかったなどの経過報告内容が、下記趣旨でネット配信されていた。

運輸安全委員会は27日、経過報告書を公表し、脱落した「吊りピン」の座金(ワッシャー)に設計図とは異なるサイズの部品が使われていたことを明らかにした。
同委員会では「事故への影響は不明」としているが、不適切な車両整備が事故につながった可能性があるとみて調べている。

経過報告書によると、4両目の車底部から脱落して脱線炎上事故の引き金となったとされる「吊りピン」を留めていたナットや座金、割りピンなどの部品は依然、発見されていない。
ただ、脱線炎上した列車に計12個あった吊りピンに使用されていた円形の座金は、いずれも外径が80mmで、設計図面で指定された座金(外径85mm)より小さかったほか、ナットが「手で緩む状態」となっていた吊りピンも一つ確認された。
座金はボルトを締める際、ナットの下に入れる薄い金属板で、締め付けを補強する役割がある。

JR北海道などによると、4両目の車両について「重要部検査」や「交番検査」、「仕業検査」など各種の車両検査を実施していた同社の苗穂工場や釧路運輸車両所では、検査の際にナットの締め付ける力の基準が順守されていないなど、不適切な整備体制だったことが判明している。
同委員会では「不適切な整備でナットが緩んだまま走行し、吊りピンが脱落した可能性もある」と見て、吊りピンが脱落した経緯や火災発生のプロセスなどを引き続き調査する。


出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120727-OYT8T00889.htm


(2012年8月31日 修正11 ;追記)

2012年7月28日付の北海道新聞紙面に、吊りピンが脱落したことの間接原因などが、下記趣旨で掲載されていた。

事故は、車両下にある駆動装置「減速機」を台車に連結する部品「吊りピン」が脱落。支えを失った減速機が下方に垂れ下がり、地面に激しくぶつかるなどして脱線につながったとみられる。

吊りピンは6両編成の列車に計12ケ所固定されており、残る11ケ所のうち10ケ所について調査した結果、3両目の吊りピン1ケ所でナットがしっかり締め付けられておらず、手で緩められる状態だった。

JR北によると、ナットの締め付け具合は3ケ月に1度、ハンマリングで調べているという。
ただ、点検整備部門のある社員は、「点検時間は限られおり、緩みが十分確認できず、見逃されていた可能性はある」と打ち明ける。

一方、トルクレンチが社内規定に反して使われず、現場では一般的なスパナが使われていたことが、事故後の調査で判明した。
このため、締め付けが不十分だったとの見方もある。


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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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