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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011413日 旧ブログ掲載記事)
 
201145226分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
太宰府市のだざいふ遊園地で3日午後1時20分ごろ、観覧車のゴンドラから女児(3)が地面に転落。頭にけがをしたが、命に別条はないという。係員が保護者の同伴を指示しなかったといい、警察は園側の安全管理に問題がなかったか、業務上過失致傷容疑で調べている。

警察などによると、女児は母親(34)らと来園し、一緒にいた男児(5)と2人で乗った。ゴンドラが一番高い所から下り、高さ約10mにさしかかった際、外側に約20cm開いた窓から女児の足が出ているのを母親が発見。女児は、そのまま下のゴンドラ2台にぶつかりながら落ちたという。

園では、4歳未満が観覧車に乗る際、保護者の同伴を求めているが、当時の係員(61)から母親らに指示はなかったという。社長は「従業員への指導が行き届かなかった。深く反省している」と話している。

園は太宰府天満宮の敷地内で1957年に開園。年間約11万人が来園している。


http://www.asahi.com/national/update/0405/SEB201104050037.html
 
 

(ブログ者コメント)
 
他所の事故を他山の石として自所の事故防止にいかに役立てるか?そういった永遠の命題について考えさせられる事例だ。
 
他所事例の活用については、本年3月10日、群馬で発生した集団食中毒について所見を述べたばかりだが、あの事例は、調理器具の消毒不足によるサルモネラ菌発生という、岩見沢事例と同じ原因の事故を、1ケ月も経たないうちに再発させた点に問題があった。
 
しかし、今回の事例は、チト様子が違う。もちろん他山の石となる事例は、本年1月31日に起きた東京ドーム遊園地での乗客死亡事故だ。
 
事故直後、国交省から各遊園地に安全確認の指示が出されたが、その指示は落下防止装置に特化したもの。つまり東京ドーム事故の直接原因にだけ対応するものであった。
よって、だざいふ遊園地に安全バーなどを必要とする施設があったなら、その点については安全確認を実施したことだろう。
 
しかし、国交省指示の方法だと、同じ事故の再発は防げても、類似事故は防げない。国交省の対応としては、ターゲットを明確にするという点で今回の方法しかなかったと思うが、乗客の生命に直接の責任を負う事業者側は、それだけでヨシとしてはいけなかった。
 
東京ドーム遊園地事故の本質は、現場に多くの人員を配置できない状況下、乗客の安全を確保するために、どこまでを社員が行い、どの部分を現場のアルバイトに任せるか?といった安全管理システムが構築されていなかったことにあると、ブログ者は考えている。
だざいふ遊園地の安全管理者には、このような観点から東京ドーム遊園地事故の教訓を読み取ってほしかった。そうすれば、国交省に指示された点だけでなく、安全管理上の注意点などを現場第一線のアルバイトに再教育せしめ、もって今回の事故は防げたかもしれない。
 
しかし、これも事故が起きた後だから言えること。間接原因への対応範囲は非常に広いので、どこに焦点を当てて対応するか、そこがズレると、また同じような事故が起きてしまうのだ。
 


(2011年12月22日 修正1 ;追記)

2011年12月21日付の朝日新聞福岡版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

業務上過失傷害で書類送検されていた従業員男性について、福岡地検は20日、不起訴処分とした。
地検は、けがの程度や被害者側の処罰感情、遊園地が再発防止策を講じたことを考慮したと説明した。




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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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