2023年3月24日16時51分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥インフルエンザで処分したニワトリを埋めた場所から廃液が漏れ出して汚染されたため池の水について、県は24日、「チッソの値が高いものの、農業用に使っても問題ない」とする考えを地元の住民に伝えました。
住民側は、県は対策工事を今月中に完了するという約束を守っておらず、何らかの補償をすべきだと反発しています。
出水市では、鳥インフルエンザで処分した900トン以上のニワトリなどを埋めた場所から廃液が漏れ出して近くにある農業用のため池が汚染され、周辺の住民が悪臭などの被害を訴えています。
この地区では、5世帯がため池からの水を使って米作りを行っていて、県が当初、約束した今月末までに対策工事が完了するなら、ことしも米作りができるとしていました。
これに対して県は、24日の説明会で、埋め直しの工事や池や水路の洗浄はまだ終わっていないものの、先月、ため池からの水を検査したところ「チッソの値が高いものの農業用に使っても問題ない」とする考えを地元の住民に伝えました。
住民側は、まもなく田んぼに水を引き込む作業が始まる中、汚れた水が入るおそれもあって米作りは難しいため、県に最低限の補償を求めていますが、県は補償は難しいとしています。
地区の自治会の餅井会長は、「米作りがあるから最初に3月までって区切ったのに、のびのびになったら話にならない。僕らが最終的に頼るのは県ですが、その県にそっぽを向かれたらどうしようもない」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20230324/5050022411.html
※2ケ月前、2023年1月9日8時15分にYAHOOニュース(南日本新聞)からは、原則3年間は掘り返すことができない、このような事態は農水省でも聞いたことがないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
出水市野田の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの殺処分埋却地から液体が漏出した問題で、県は鶏41万羽の死骸などを他の場所へ埋め替える方針を固め、地元住民に8日説明した。
液体が近くのため池を汚染したため、抜本的対策として必要と判断した。
既に移設地の選定作業に入っており、決まり次第着手する。
埋却地は、家畜伝染病予防法に基づき、知事の許可がなければ3年間掘り返すことができない。
農林水産省は、「同様の事例は聞いたことがない」としている。
埋却地は発生農場に隣接し、殺処分された鶏など約930トンが埋められている。
しかし、昨年12月8日に防疫措置を終えた直後から、ため池に消石灰混じりの液体が流れ込み、周辺に悪臭を放つようになった。
県は昨年末から、池の水を抜く作業を進めている。
県畜産課によると、現在検討している移設地は発生農場近くにあり、農場の経営会社が所有している。
具体的な作業方法などは決まっていないが、「二度と同じような事態が起きないよう、遮水対策に万全を期す」(田中課長)という。
同課は、このほか、池に沈殿した汚泥の処理、池からつながる川の浄化、一部住民が使っている地下水の水質検査に取り組む方針も示した。
漏出後に大量発生しているハエ対策も進める。
説明会には、発生農場が所属する専門農協の担当者も出席。
「系列養鶏場が発生に備えて確保している埋却予定地について、適地かどうか2月末までに全て点検する」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7b27917fe191f159070e58da8b76f5ce7639e1c
(ブログ者コメント)
遮水シートの敷き方が悪かったのだろうか?
(2023年9月29日 修正1 ;追記)
2023年9月26日10時0分に読売新聞からは、異例の対応となる別の場所への埋め直しが始まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高病原性鳥インフルエンザの発生が昨冬に相次いだ鹿児島県出水市のため池で、殺処分した鶏の埋却が原因とみられる悪臭や白濁が生じ、県は25日、周辺住民の意向を踏まえ、異例の対応となる別の場所への埋め直しを始めた。
県は11月中に埋却を終えたい考えだ。
専門家は「いつどこで起きてもおかしくない」として、再発防止の仕組みづくりを求めている。
【作業に遅れ】
水田や住宅が並ぶ出水市野田町下名(しもみょう) 。
この地域に、木々に囲まれたため池(外周約140メートル)がある。
異変が起きたのは昨年12月中旬。
住民から「悪臭がする」と県に苦情があり、担当者が確認したところ、水面が白っぽい膜状のものに覆われ、腐敗臭がした。
記者が複数回、現地を確認したところ、少なくとも初夏までは、思わず声を上げてしまうような不快な臭いが漂っていた。
近くの養鶏場では昨年11月下旬に鳥インフルエンザが発生。
殺処分された約41万羽の鶏や卵などは、池から約300メートル離れた場所で、ブルーシートを敷いた深さ5メートルの穴に埋められた。
その後、埋却物を含んだ液体が地中を通ってため池に流れ込んだとみられている。
県は今年1月、埋却物を東に約100メートル離れた場所で埋め直すことを住民に通知。
当初は3月、その後も7月までに完了を見込んでいたが、埋却工法の検討などで作業が遅れていた。
県は25日、ようやくこの埋却地を掘り返し、遮水シートや保護マットを敷いた新しい埋却地に重機で移設する作業を始めた。
県畜産課は「早く完了できるように進めたい」とした。
自治会長の男性(65)は、「次の鳥インフルエンザの時期が来るまでには終わらせて、元の状態に戻してほしい」と求めている。
【農家不安】
ため池から小川を通って流れ下った汚水は、近くの川に合流する。
地元の農家5戸は元々、この川から取水してコメを作ってきた。
農家の一人の男性(66)は今季、水質や臭気に不安を抱き、別の小川にポンプを設置。
くみ上げた水は管で迂回させ、5戸の水田に流している。
男性は、「台風などで川の水があふれれば、汚水が田に流入する恐れがある」と話す。
県は、これまで取水してきた川の水質検査を基に「水稲作には影響のない水質」としているが、男性は「ため池の汚泥を全部出してもらわないときれいな水にはならない」と話す。
塩田康一知事は5月に現地を視察した際、住民に謝罪した。
ただ、農家が求めてきた補償については、県は現時点で応じていない。
宮崎県日向市でも今年2月、埋却地近くで濁った水が漏れ出た事例が判明したが、農林水産省の担当者は「埋却物を埋め替える他の事例は承知していない」と話す。
鹿児島大の宇那木正寛教授(行政法)は、「全国どこでも起きうるので、特殊事例として片付けられない。鹿児島は全国有数の畜産県なので、県は率先して、部内や専門家を交えて最終処分のあり方や基準づくりを検討し、再発防止につなげるべきだ」と指摘している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230926-OYT1T50082/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。