2018年7月18日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府北部を震源とする6月18日の地震は、出勤時間帯と重なった。
事前に決めていた事業継続計画(BCP)や災害マニュアルは、どう機能したのか。
実際の企業の動きと、地震後に朝日新聞が大阪に本社や拠点を置く60社を対象に行ったアンケートから考えた。
6月18日午前7時58分、大阪市北区梅田の路上。
紡績メーカー「シキボウ」の執行役員(現取締役)で、今回のBCP対策本部副本部長だった竹田さんは、歩いて出勤する途中、「ドカーン」という轟音とともに、地面が沈むような感覚に襲われた。
直後、スマートフォンから緊急地震速報が鳴り、地震だと気づく。
急いで中央区の本社へ向かった。
発生と同時にBCPが発動された。
2015年のBCP策定時、「大阪市で震度5強以上」で自動的に発動することを決めていた。
グループ会社を含む社員約400人に、安否確認のメールが配信されたのは発生3分後。
6割近い社員が、約10分後までに返信した。
竹田さんらBCP事務局の中心メンバー6人ほどで、会議を開催。
地震前から準備していた文面をもとに、「指示があるまで自宅待機。通勤途中の人は安全確保を優先するように」と急いで書き直して、社員にメールした。
会社は、BCPで定めた優先順位に従って、取引先への支払いの有無の確認などの仕事を進めた。
一方、非常食の配布や、出社できない社員の扱いなどを判断。
帰宅困難になりそうな社員には、ホテルを手配した。
【出社か待機か戸惑う】
竹田さんにとってBCPづくりは、阪神大震災(1995年)の苦い思い出の延長線上にあった。
当時、社員の安否確認担当だったが、当日は出社すらできず、確認作業に3日かかった。
以来、日本各地で起きた災害の教訓も踏まえて対応マニュアルを更新し、「執念をもってBCPを作ってきた」(竹田さん)。
今回も課題は見つかった。
BCPでは、「勤務中」と「在宅中」の対応をそれぞれ決めていたが、「通勤時」は想定していなかった。
震災時は、本社近くに住む社員を出社させる取り決めだが、自宅待機の指示もあり、戸惑う社員もいた。
大きな地震が起きたとき、社員の安否確認や出社の指示をどのように出せばよいか。
朝日新聞のアンケートでも、初動対応に悩む企業の姿が明らかになった。
BCPを整備している企業でも、多くは「出勤途中の時間帯の対応は徹底できていなかった」(化学)という。
ある製薬会社は、「夜間・休日の発災を想定したマニュアルの見直しを行う」と回答した。
「首都圏などでの代替本部の設置手順を具体化する」(食品)など、関西に本社がある企業が代替機能を再検討するとの答えも複数あった。
BCPづくりを支援するコンサル会社「ミネルヴァベリタス」(大阪市)の松井代表は、「事業継続に最も重要なのが社員で、出社・帰宅させるかどうかの大方針は、事前に決めておくことが重要だ」と話す。
出典
『通勤時の地震、BCPに課題 企業、初動対応に悩み 大阪北部地震1カ月』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13591919.html?rm=150
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。