(1/2から続く)
7月17日20時57分に朝日新聞からは、子供は水分をためておく筋肉量が少ないため熱中症になりやすいなど、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
愛知県豊田市で小学1年の男子児童(6)が熱中症で亡くなった。
熱中症への注意を呼び掛ける高温注意情報が発表されていたさなか、太陽が照りつける屋外で校外学習を実施した学校の判断は適切だったのか。
「学校教育の場で尊い命が失われた。深くおわび申し上げます」。
17日夕、男児が亡くなった市立梅坪小の籔下校長と鈴木・市教委学校教育課長が、記者会見の冒頭で謝罪した。
亡くなった児童のほかにも、3人の女子児童が体調不良を訴えた。
会見で2人は、「水分は補給するよう、声はかけていた」、「健康は異常がないか、事前に確認した」と釈明。
これまで、校外学習で大きな問題は起きていなかったという。
籔下校長は、校外学習の目的が「虫捕り」であり、夏に実施した点は「問題はない」としつつ、「こういう結果になったことは、判断が甘かったと痛感している」と、声をつまらせた。
鈴木課長は、「再発防止に努めたい」と語ったが、高温注意情報は夏に出ることが多く、発表後にすべての学校行事を中止するのは現実的に難しいとも。
「まず、十分な安全配慮をするよう、指導していきたい」と強調した。
子どもや高齢者は、水分をためておく筋肉の量が少ないため、熱中症になりやすい。
熱中症に詳しい兵庫医科大特別招聘教授の服部益治さんは、最高気温に5℃足して判断すべきだと指摘。
背が低く路面に近い子どもは、野外で照り返しをまともに受けるうえ、気温が35℃でも、体感温度は40℃近いという。
服部さんは、「午前10時時点で28℃以上で、高湿度で風がないときは、エアコンのある教室にとどまるなど、勇気ある判断をしてほしい」と語る。
環境省は、熱中症予防情報サイトで「暑さ指数」を公表している。
気温や湿度、日射などから算出する指標で、豊田市は17日午前10時から、熱中症の危険性が最も高い「危険」な指数に達していた。
サイトでは、「危険」指数時の運動指針として、「特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき」と明記している。
暑さ指数予測は、2日先までサイトで確認できる。
環境省の担当者は、「事前に参考にして、外での活動を控えるなど、行動を変えてもらいたい」と話している。
出典
『「エアコンある教室にとどまる勇気を」 熱中症の専門家』
https://www.asahi.com/articles/ASL7K5X2RL7KOIPE01X.html?ref=nmail
7月19日15時29分に読売新聞からは、文科省から熱中症防止に関する通知が出されたという、
愛知県豊田市で17日、小学1年の男子児童が校外学習後、熱中症のうち最も重い熱射病で死亡したことを受け、文科省は18日、各都道府県教育委員会などに対し、熱中症の防止のため適切に対応するよう求める通知を出した。
通知では、校外学習や部活動などの際は、気温や湿度に配慮し、活動の中止や延期、見直しを含め、柔軟に対応するよう求めた。
また、活動時には、こまめな水分・塩分補給や健康観察を行い、熱中症と疑われる症状がみられた場合には、適切な応急手当てをすることなどを要請した。
文科省は今年5月と今月4日にも、通知で熱中症防止の注意喚起をしていた。
出典
『学校活動より子供の命…熱中症対策を文科省要請』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180719-OYT1T50051.html
7月21日8時55分に朝日新聞からは、子供は語彙が少ないので要注意など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・・
市教委や学校によると、亡くなった男児は「疲れた」と口にした。
列から遅れ、20代の担任教諭が手をつなぐこともあったという。
午前11時半に学校へ戻り、約20分後に意識を失った。
「どんどん顔色が悪くなった」。
同級生の母親は、男児の帰りの様子を我が子から聞いた。
別の母親も、「帰りにふらふらとつらそうに歩いていたと、子どもから聞きました」。
孫が校外学習に参加した60代女性は、「公園から帰って来る子どもたちを見たけど、みんな顔が真っ赤だった」。
孫も「疲れた」と語っていたという。
市内の小学校に勤める男性教諭(50代)は、困惑を隠さない。
「子どもが『疲れた』と言うことはよくある。そのたびに校外学習や遠足を中止し、保健室へ行かせるのは現実的でない」
市教委や学校は、男児が公園で遊び、学校に戻ると自力で2階の教室へ歩いていったと説明する。
この教諭は、「経験の少ない若い先生が、ほかの子に目配りしながら判断するのは難しかったのではないか」と話す。
「『疲れた』は熱中症のサイン。
6歳ぐらいの子どもや低学年の児童は語彙が少ない。
体が熱い、歩くのが遅い、動きが鈍いなど、普段と様子が違う場合は、すぐ涼しい室内で休ませてほしい」。
小児科医医で、子どもの傷害予防に取り組むNPO法人「Safe Kids Japan」の山中龍宏理事長は指摘する。
6歳ぐらいの子どもには、自分の体の状態を的確に判断し、表現することは難しい。
炎天下で際限なく遊び続けてしまうこともあるという。
・・・・・
出典
『子どもの「疲れた」は熱中症のサイン 小児科医が警鐘』
https://www.asahi.com/articles/ASL7N5HZBL7NOIPE01Q.html
(ブログ者コメント)
熱中症と熱射病の違いは下記記事など参照。
『コトバ解説 「熱中症」と「熱射病」の違い』
(2011年8月1日 13時22分 毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20110801/mul/00m/100/031000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。