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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20236292345分に北海道新聞から下記趣旨の記事が、写真と地図付きでネット配信されていた。

29日午前11時半ごろ、後志管内蘭越町湯里(ゆのさと)にある三井石油開発(東京)の地熱資源の調査エリアで、掘削工事中に地中から水蒸気が噴き出した。

現場にいた作業員18人は無事だった。
けが人はなく、周辺への被害もなかった。

水蒸気は高さ約100メートルにも達し、同日午後7時現在、勢いよく立ち上り、周囲にはごう音が響いている。

同社によると、現場では資源量調査のための掘削工事が行われていた。

地下216メートルまで掘り進めたところで水蒸気が噴出した。

同社は緊急対策本部を設置。

今後、水蒸気の成分を調べるほか、噴出を止める対策を検討し、原因も調べる。

「皆さまにご心配をおかけしている。再発防止に努める」としている。

町は防災行政無線で町民に注意を呼びかけた。

当時現場にいた関係者は「爆発音がした。噴出した水から逃げる人もいた」と緊迫した状況を語る。

周辺で目撃した人は「蒸気は当初は灰色で、その後、白くなった」と話した。

付近の温泉施設の利用者や観光客が水蒸気の様子を心配そうに見つめた。

同社は地熱発電所の稼働を目指し、同町と同管内ニセコ町にまたがるエリアで地熱資源を調査している。

道内では昨年8月、渡島管内長万部町の神社敷地内で高さ約30メートルの水柱が現れ、噴出は50日間続いた。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/869828  

 

741216分にNHK北海道からは、当日に弁当配送女性が軽度の硫化水素中毒になり1日入院していた、噴出物は石英を主成分とする鉱物だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

蘭越町湯里にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、先月29日以降、蒸気が噴出していて、掘削を行っていた「三井石油開発」は、噴出物は石英を主成分とする鉱物だとしています。

会社側は、噴出が始まった29日の時点で、体調不良などを訴えている人はいないとしていましたが、4日になって、噴出が始まった日に現場に弁当を配送した40代の女性が体調不良を訴え、病院に搬送されていたことを明らかにしました。

女性は硫化水素による中毒症状と診断されましたが、症状は軽く、翌日、退院したということです。

会社側は、女性が退院した先月30日には事実関係を把握していたということで、「近隣住民の不安をあおることを避けようと公表を控えていたが、かえって不安を招いたことをお詫びしたい」としています。

会社によりますと、当初、掘削現場付近では硫化水素ガスが検出されたということですが、340メートルから590メートル離れた場所で行っているモニタリングでは、これまでに硫化水素ガスは検出されていないということです。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230704/7000058867.html

 

741148分にテレビ朝日からは、弁当配達女性の体験談など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

先月29日、北海道蘭越町にある地熱発電調査の掘削現場に40代の女性が正午前に弁当を届けたところ、ほぼ目の前で蒸気が噴き出しました。

目の前で目撃した女性(40代):
「バリバリって音が鳴って、いきなり煙。
中心は真っ黒でした。
外側は濃い灰色の煙が立ち上がって、硫黄のにおいもすごくて。
現場の人もマスクを着けて逃げて」

その直後、体調に異常をきたした女性は、救急車で病院に搬送され、「硫化水素中毒」と診断されました。

1日入院して回復したということです。

目の前で目撃した女性(40代):
「頭痛と吐き気がすごかった。
2
時間くらい横になったけど、良くならなくて」

掘削を行っていた三井石油開発は、「近隣住民の皆様の不安をあおることを防ぐため公表を控えていました」とコメントしています。

(「グッド!モーニング」202374日放送分より)



https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000305799.html

 

(2023年7月17日 修正1 ;追記)

202377551分にNHK北海道からは、敷地内の水から飲料水基準の1590倍にあたる高濃度のヒ素が検出された、新たに1人から体調不良の訴えがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

「三井石油開発」は6日夜、今月3日と5日に現場の敷地内で採取した水から非常に高い濃度のヒ素が検出されたと発表しました。

このうち5日に採取した水には1リットルあたり15.9ミリグラムのヒ素が含まれていて、これは国が定める飲料水の基準の1590倍にあたるということです。

会社では、これらの水を水道水や農業用水として使われていない近くの沼に放出するなどしているということです。

ただ、現場周辺の川ではこれまでに農業用水の基準の1.8倍のヒ素が検出されていて、会社では噴出している蒸気にもヒ素が含まれているおそれがあるとして、引き続き周辺の住民に注意を呼びかけるとともに、町や消防などの関係機関と対応を協議しています。

また「三井石油開発」は6日、蘭越町が設置している健康被害の相談窓口に新たに1人から体調不良の訴えがあったと発表しました。

会社では「現時点で蒸気噴出との因果関係は不明だ」としています。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230707/7000058959.html 

 

7101158分にTBS NEWS(北海道放送)からは、現場では9日にも基準の2100倍にあたるヒ素が検出された、農業用水などの取水口でも飲料水基準に近いヒ素が検出されているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

掘削現場からは、きのうも飲料水基準の2100倍となる高濃度のヒ素が検出されています。

また、農業用水などに使われる取水口でも1リットルあたり0.008ミリグラムの、飲料水基準に近いヒ素が検出されていますが、ヒ素を含む水の放出を止めるのには2週間程度かかる見通しです。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/592863?display=1 

 

711833分に読売新聞からは、ヒ素が含まれた濁水は1km離れた井戸に移送する方針、噴出は井戸を掘削中に見つかった亀裂をセメントで塞ごうとしていた際に別の熱水亀裂とつながって起きた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

三井石油開発(東京)の原田社長は10日、町山村開発センターで開いた2回目の住民説明会で、8月下旬までに噴出を止める考えを示した。

高濃度のヒ素が含まれた濁水については、今月15日をめどに約1キロ離れた井戸などにホースで移送する方針も明らかにした。

同社によると、井戸の掘削中、深さ約200メートルの地層で見つかった亀裂を塞ぐためにセメントを注入。

その際、何らかの理由で高圧の熱水をためている別の亀裂とつながり、噴出したと考えられるという。

噴出の抑止策について同社の担当者は、鉄製の蓋を噴出口にのせて井戸に注水する方向で検討していると説明。

8月中旬までに必要な資材を調達し、下旬までの沈静化を目指すとした。

説明会に先立ち、原田社長は町役場を訪問。
面談した金秀行町長からヒ素を含む濁水の処理を急ぐよう要請された。

同社はホースを使った仮の配管を敷設して、同社が以前に掘削した深さ約2500メートルの井戸などに移送することを決めた。

説明会には約80人の住民らが出席。
コメ農家から風評被害への対応を求める声などが上がった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230711-OYT1T50095/  

 

7161718分に産経新聞からは、現在、蒸気から硫化水素は検出されていないが、噴出当時は含まれていた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

三井石油開発(東京)が、硫化水素中毒で体調不良を訴えた女性は、噴出した蒸気によるものと因果関係を認めていたことが16日、同社への取材で分かった。

噴出当初、蒸気に硫化水素が含まれていた可能性があるとしている。

同社によると、女性は蒸気噴出が始まった6月29日に弁当を届けるために短時間現場に滞在。

その後、体調不良を訴えて一時入院しており、今後の健康状況なども踏まえて補償を検討する。

現場周辺では6月30日以降、硫化水素は検出されていない。

同社は「29日は測定できておらず、蒸気に硫化水素が含まれていた可能性がある」としている。

https://www.sankei.com/article/20230716-ZSEOM5EENFJ7VCTDTDWBECXL5Q/

 

7161244分にNHK北海道からは、体調不良を訴えている人は15人になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

三井石油開発は、15日の時点で新たに6人がのどの痛みなど体調不良を訴えたと明らかにしました。

会社によりますと、6人のうち4人は蒸気噴出の現場敷地内に立ち入り、のどの痛みと目の違和感などを訴えたということで、現在、症状は改善しているということです。

また、2人については蘭越町が設置した相談窓口に体調不良を訴えているということで、会社は詳しい症状など確認中だということです。

これで地元の住民など、体調不良を訴えた人はあわせて15人となります。

会社は蒸気噴出との因果関係を確認中だとしていますが、作業員以外に業務で敷地内に立ち入り、体調不良を訴えるケースが増えているとして、現場の安全基準の見直しを検討したいとしています。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230716/7000059232.html 

 

 7171937分にYAHOOニュース(HTB)からは、これまで5本掘った井戸の実績から、この井戸では噴出防止装置を深度700mから設置する予定だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

いったいなぜ、蒸気は噴き出し始めたのでしょうか。

掘削を行っていた三井石油開発によりますと、地面を掘り始めたのは先月25日のことです。

地下深くにある地熱が溜まっている層まで掘り進めようとしたところ、200mほどの場所で地下の亀裂に遭遇。

セメントを流し込んで亀裂を塞ごうとしましたが、何らかの理由でこの亀裂が地熱の層とつながり、高温の蒸気などが流れ出したことで突如噴出が始まったとみられています。

会社側は、現在の状況を制御ができない状態にある「暴噴事故」ではなく、「蒸気噴出」だと説明しています。

・・・

日本地熱学会・糸井龍一元会長:
「今回の事例は非常に特異な例。噴出が制御できないのであればある意味、暴噴と言えるかもしれない」

非常に珍しいという、今回の噴出。

作業の安全対策に問題はなかったのでしょうか。

今回の事業に助成金を出しているJOGMEC=独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構は、自主保安指針の中で、蒸気などの噴出の恐れがある場合には噴出防止装置をつけなければならないと定めています。

しかし、装置をどの段階でつけるかの規定はありません。

今回、会社側もJOGMECに対し、噴出防止装置をつけると申請していましたが、深さ200mの時点では、 まだつけていませんでした。

三井石油開発の担当者:
「この井戸では、計画上は700mの深度から設置計画でした。我々の検討が不十分であった可能性もあるかと思っております」

会社側は、この地域ですでに5本の井戸を掘っていて、その実績から地下700m付近まで掘り進めた後に装置をつける予定でした。

専門家も、作業効率や費用の問題から、装置はある程度掘り進めてからつけるのが一般的だとしています。

しかし、それを住民に事前に説明しておくことが必要だったと指摘します。

北海道大学工学研究院・佐藤努教授:
「安全装置を最初からつけられない理由があるとしたら、それも説明して、その理由を理解していただいて、何メートルぐらい掘った時からやりますという理由を説明して、理解してもらうことが重要なのではないでしょうか」

蒸気は一体、いつ収まるのでしょうか。

会社側は、まず鉄板の蓋で蒸気の流れを変えた後、井戸に水を注いで温度を下げて、蒸気を止める計画です。

最終的には、セメントを入れて廃坑にする予定で、早ければ8月下旬には作業を終えたいとしています。

しかし専門家は、簡単な作業ではないと指摘しています。

日本地熱学会・糸井龍一元会長:
「硫化水素の濃度が高いというのは、ちょっと気になりますね。濃度が高いと、(作業員が)危険な状態に陥る場合があるので、安全性に気を付けて作業を進めないといけない」






















https://news.yahoo.co.jp/articles/5c06d6a3992cf1dc9a1893b39e23d5f3703597a3

 

 

(2023年7月23日 修正2 ;追記)

20237201811分にNHK北海道からは、噴出日以降に現場で作業していた作業員が普段と違いガスマスクを着用しなかった18日に体調不良を訴え硫化水素中毒らしいと診断されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

三井石油開発によりますと、今月18日、現場敷地内にいた作業員1人が頭痛や腹痛など体調不良を訴え医療機関を受診したところ、硫化水素中毒の疑いと診断されたということです。

会社によりますと、この作業員は蒸気が噴出した先月29日以降、現場敷地内で作業にあたっていて、これまでにも息苦しさやめまいの症状があったということです。

また、この作業員は主に会社の安全管理基準でガスマスクなどの防護具が不要なエリアでの作業を担当していましたが、普段は自主的にガスマスクを着用していて、18日は着用していなかったということです。

現場敷地内の作業員が体調不良を訴えたのは今回が初めてですが、会社は作業の内容などを明らかにしていない一方、体調不良は蒸気の噴出が原因だとして補償する方針だということです。

これで体調不良を訴えた人は16人になりますが、会社が蒸気の噴出と因果関係を認めたのは2人目です。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230720/7000059322.html

 

(2023年8月29日 修正3 ;追記)

20238191815分に読売新聞からは、8月12日から冷却水の注水を開始し19日には蒸気の噴出がほぼ収まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

蒸気の噴出がほぼ収まったことが19日、事業者の三井石油開発(東京)への取材でわかった。

噴出を抑えるために行った冷却水注入の効果とみられる。

同社によると、蒸気噴出は6月29日に始まった。

注水作業は今月12日に開始し、18日夕頃から効果が表れ始め、19日朝にはほぼ蒸気の噴出が見られなくなったという。

同社では引き続き注水を続け、今月末までに調査井戸をコンクリートで埋め戻す作業を完了させる方針。

この問題では、これまでに近隣住民など19人が体調不良を訴え、同社はこのうち2人について蒸気噴出との関係性を認めている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230819-OYT1T50157/ 

 

8281332分に産経新聞からは、井戸の埋め戻しが完了したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

三井石油開発(東京)は28日、掘削した井戸をセメントで埋め戻す作業が同日午前9時ごろ完了したと発表した。

同社によると、24日から井戸の底で土台となる砂利を投入。

その上にセメントを流し込み、固まったのを28日午前に確認した。

埋め戻しに先立ち、坑内に注水して温度を下げ、蒸気の勢いを抑える作業を26日まで並行して実施していた。

https://www.sankei.com/article/20230828-FUQNETTMUZPBXFDGTJJ7WDUIHU/ 

 

 

  

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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