2015年8月13日23時1分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
中国天津市で12日午後11時30分(日本時間13日午前0時30分)頃、化学物質を保管する倉庫で巨大な爆発が発生した。
爆発があったのは同市浜海新区。
13日に記者会見した張勇区長は、「危険化学物質の倉庫で火災が起き、その後、爆発が起きた」と語った。
消火作業中に発生したため、行方不明者の多くは消防士や兵士だという。
爆発は30秒の間に2回発生。
2度目の爆発で高さ数10mのキノコ雲が上がり、中国メディアによると、マグニチュード(M)2~3クラスの地震に匹敵する揺れが確認されたという。
爆風で半径2km以内のマンションなどでは窓ガラスが割れ、外壁が破壊されるなどの大きな被害が出た。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150813-OYT1T50005.html?from=y10
以下、続報のポイントのみ記す。
(8月14日 朝日新聞)
13日会見した同区幹部によると、12日午後11時前、自動車が燃えているとの通報を受けた消防隊が現場に駆けつけると、積んであった多数のコンテナが激しく燃えており、午後11時半ごろ、約30秒の間隔を置いて2度の大きな爆発が起きた。
http://digital.asahi.com/articles/ASH8F5FL1H8FUHBI016.html
(8月13日 AFP)
中国地震ネットワークセンターは、微博の公式アカウントに、1回目の爆発の威力はTNT火薬3トン相当、2回目の爆発は同21トン相当だったと投稿している。
現地のAFP記者によると、爆発現場から3km離れた場所にも、ガラスが散乱している。
http://www.afpbb.com/articles/-/3057266
(8月15日 日本経済新聞)
消防士は、出火物が化学物質と知らずに放水による消火活動を行ったと証言した。
専門家は、放水で化学物質が反応して大きな爆発につながった可能性を指摘。
大量の危険物をめぐるずさんな安全管理の実態が浮き彫りになった形だ。
消防士によると、最初に受けた通報では「コンテナから出火」という内容で、何が燃えているのか理解していなかった。
ポンプ車など4台で現場に到着すると、問題のコンテナからパチパチと発火音がしていた。
コンテナ内に人がいないのを確認して「消火のためポンプ車から2~5分間放水」した。
次第に、燃えているのは化学物質かもしれないとの疑念が湧いたが、化学物質の消火に用いる砂を準備していなかった。
火勢が強くなり逃げたが、最初の爆発で倒れているうちに2度目の爆発が起きた。消火作業開始から約30分間の出来事だった。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15H5N_V10C15A8000000/
(8月16日 朝日新聞)
一部中国メディアは、保管されていたシアン化ナトリウムが700トンに上り、下水道から基準値を超えるシアン化合物が検出されたと伝え、住民は不安を募らせている。
中国の法律は、周囲1kmの範囲に住宅などがある場所に危険化学物質の貯蔵施設を造ることを禁じている。
しかし、人民日報によると、爆発が起きた貯蔵施設には、近くのマンション群が完成した後の2013年に建設許可が出ていた。
近くに民家がなければ、犠牲者の数が大幅に減った可能性は高い。建設許可を出した政府当局の責任に焦点が当たっている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11918232.html?_requesturl=articles%2FDA3S11918232.html
(8月17日 読売新聞)
市当局は17日午前、死者が114人、行方不明者は、消防隊員を含む70人に達したと明らかにした。
空撮写真を見ると、倉庫があったとみられる爆発現場には、直径が100m規模に達するとみられる巨大な穴があいて内部に水がたまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150817-OYT1T50025.html
(8月18日 TBS Newsi、日本経済新聞)
爆発現場となった倉庫には、猛毒のシアン化ナトリウムがおよそ700トン保管されていたことがわかっているが、中国国営テレビが消防幹部の話として伝えたところによると、他に爆薬の原料としても使われる硝酸アンモニウム800トン、硝酸カリウム500トンなどが保管されていた。
確認されているだけで40種類以上、合わせておよそ3000トンの危険化学物質があったということだが、検察当局は、職権乱用や汚職があった可能性も含め、立件を視野に捜査を進めている。
軍関係者によると、倉庫で起きた火災で金属ナトリウムを入れていた容器が破損。消防隊員が化学物質と知らずに放水したことで化学反応が起こり、大爆発につながった可能性を指摘した。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2565464.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H43_Y5A810C1CR0000/
(ブログ者コメント)
○被害範囲を示す図が下記記事中にある。
(8月15日20時36分 産経新聞)
天津倉庫爆発 世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6170824
○現場にあいた巨大な穴は、オッパウ事例を想起させる。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/169/
2回目の爆発のほうがケタ違いに大きかったようだが、それが硝酸アンモニウムの爆発だった可能性も考えられる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。