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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年9月19日22時47分に、msn産経ニュース神奈川から下記の特集記事がネット配信されていた。御参考まで。

 川崎市バスの運行ミスが収まらない-。
経路誤りや行き先表示間違いなどが相次ぎ、昨年度は72件の運行ミスが発生した市バス。
市交通局は汚名返上に向け、間違いの多い交差点を「指定交差点」とし、同交差点では行き先のアナウンスを運転手に義務づけるなどさまざまな対策に取り組んでいるが、今年度の運行ミスは1日現在で22件。昨年同時期の27件と比べほぼ横ばいの現状に、同局幹部は頭を悩ませている。

■ 「うっかり」増加

 今年度発生したミスは、経路誤りが19件と大半を占める。
そのうち、昨年度に間違いが多く発生した指定交差点でのミスは6件、残り13件は営業所から出庫してすぐに行き先を間違えるなどの単純な「うっかりミス」だという。

 同局では昨年8月、多発する経路誤りを防ぐため、指定交差点の手前では運転手が曲がる方向のアナウンスをするように義務づけた。また、交差点手前の停留所にはアナウンスを指示する標識の取り付けなど指定交差点での再発防止に取り組んだ。  

同局幹部は「指定交差点でのミスは減ってきたが、対策が取られていなかったところでのミスが目立つようになってきた」と説明する。
今月14日に開かれた市議会本会議で、阿部孝夫市長は運行ミスの連続発生を陳謝。その上で、「不注意や思いこみが原因の事例が目立つ。職員の意識の徹底を図る対策強化が必要」と述べた。

実際に経路誤りをした50代の男性運転手は、本来曲がるべき交差点の一つ手前で曲がってしまった。間違えた場所は指定交差点ではなく、男性がよく知るルートだったため、「曲がった瞬間に『あれ、何で』と思った。日頃から経路ミスをしてはいけないと強く思っていたのに…」と首をかしげた。

 元産業能率大学教授で、心理学者の安本美(よし)典(のり)氏は「重大なミスを犯すまいとして注意したため、細かいところへの注意が抜けてしまった可能性がある」と指摘。安本氏は「緊張するときには心理的エネルギーを使う。ミスが起きやすいところでエネルギーを注ぐが、そうでない場面でエネルギーを抜いたときにうっかりミスが起きているのでは」と分析する。  

■全運転手に研修  

同局では昨年6月、運行ミスの多発を受け、営業所内で処理していた簡易ミスも、同局に報告するように指示。そのため、一昨年度は11件だった運行ミスが、昨年度は72件に急増したという。

ある同局幹部は「報告の基準を下げたことが、件数増加の一つの要因」とする。
一方、明治大学名誉教授(経営心理学)の山田雄一氏は「交通局全体がたるんでいるとしか考えられない」と厳しい。「交通局が運行ミスをするのは、水道局が断水しているのと同じ。管理者の日々の管理や人間関係で、手抜かりがあったのではないか」と述べた。

同局では「一部の職員が『自分は大丈夫』と思っているから、ミスが続く」として、先月下旬から全運転手を対象に研修を開始。ルートなどが書かれた運行指示書や行き先表示の確認など、基本動作の徹底を図る対策強化に乗り出した。
「市民からの信頼を取り戻すにも、ミスを減らすしかない。指示したことがしっかりできれば、ミスは無くせると信じている」と同局幹部は力を込める。

 勤続20年以上の男性運転手は、運行ミスが多発した昨年以降、乗客からの運転席への視線が厳しくなったという。男性は「市民に申し訳ないという気持ちは全運転手が持っている」と話す。信頼回復のためにも「運行ミス0」に近づく結果を早急に出すことが必要だ。


 出典URL■■■



(2011年11月10日 修正1 ;追記)

2011年11月7日付で、神奈川新聞から「やまぬ市バス運行ミス」というタイトルで下記趣旨の記事が、また同日21時42分にmsn産経ニュース神奈川から「止まらぬ川崎市バス経路ミス」というタイトルで同趣旨の記事が、ネット配信されていた。

川崎市交通局は7日、運行ミスをした市バスの男性運転手A(54)を停職5日、もう一人の男性運転手B(50)を戒告とする懲戒処分にしたと発表した。
いずれも同日付で、それぞれ22年、27年の運転手歴があるベテラン。

2011年度の運行ミスは33件(7日現在)に上り、ミス多発を受け各種対策を施したが、10年度とほとんど変わらない状況が続いている。

同局によると、運転手Aは、10月13日、所定の交差点を左折すべきところを誤って右折。乗客から間違いを指摘されたものの、営業所への連絡を怠り、自己判断で右折を繰り返して本線に復帰した。
この運転手は昨年10月にも運行ミスをしており、同局の聞き取りに「すぐに戻れると思った。前にもミスをしていたという意識もあって連絡しなかった」などと話しているという。

運転手Bは、10月15日、所定の交差点を右折すべきところを誤って直進した。
同交差点はミスが多発しているため、手前停留所での一時停車と運行表の指差確認が定められていたが怠っていた。

同局はミス防止に向け、民間バスの営業所長経験者を改革アドバイザーに迎えたり、運転手のグループ研修を実施したりするなどしているが、11年度の33件は前年同期比7件減にとどまり、運行ミスによる懲戒処分は今回で6人となった。

同局の担当者は「少しずつ改善はしているものの、指差確認などを徹底していればミスはゼロになるはず。再発防止策に努めたい」と話している。


出典URL■■■
     ■■■



(ブログ者コメント)

この手のトピックスが複数のメディアで取り上げられることは珍しい。また、msn産経ニュースでは2回取り上げているので驚いた。
公営交通のだらしなさということで、特に厳しい目を向けているのだろうか?
それならば、他の民営バスとの比較といった切り口でも報道してほしかった。




(2011年12月2日 修正2 ;追記)

2011年11月30日9時14分に、NHK横浜から、その後の対応に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。

「川崎市バス」で運行経路を間違えるミスなどが相次いでいることを受けて、対策を検討する委員会がきょう初めての会合を開き、来年3月までに提言をまとめることになった。

この委員会は、川崎市バスで昨年度多発した運行経路を間違えるミスなどが今年度もこれまでに35件と相次いでいるため、川崎市が外部の専門家に原因と対策を検討してもらおうと設置したもの。
28日は市役所で初めての会議が開かれ、交通政策や心理学を専門とする大学教授や民間の路線バスの実務経験者ら4人の委員が出席した。

会議では、はじめに市の担当者が、ミスの具体的な事例のほか、経路ミスが多発している交差点で、運転手に対し、行き先を声に出したり経路の指差し確認を義務づけたりするなど再発防止策に取り組んできたことなどを報告した。
委員からは「間違える背景には複雑な路線が多いという状況があるのではないか」といった指摘や、「市の防止策は項目も多く、過剰となっている印象なので、整理するべきではないか」という意見が出され、委員会として来年3月までに提言をとりまとめることになった。

会議の終了後、委員長の東京海洋大学の寺田一薫教授らが記者会見し、「公共交通機関として経路の間違いはあってはならないことだ。原因を詳細に調べて効果的な対策を議論していきたい」と述べた。




(2012年2月23日 修正3 ;追記)
 
2012年2月21日付で毎日新聞神奈川版から、改善委員会の答申の方向性が示された旨、下記趣旨でネット配信されていた。
 
川崎市バスで相次ぐ運行ミスの解決策を模索する第三者委員会「市バス運行管理改善委員会」の最終会合が20日、同市役所であった。
実施しているミス改善策の見直しや有効なものの継続、公表方法の再考などが答申の方向性として示された。
答申は3月上旬に完成、同月内に発表する。


ただ、31路線213系統を持ち、起点と終点が同じでも経由地が異なるなど経路誤りの大きな要因に挙げられた運行経路の複雑さについては、「経路を単純化することでミス発生の確率が下がるが、限られた経営資源で維持するためにはやむを得ない」とし、抜本的なダイヤ改正の必要性には踏み込まなかった。

対策で見直し検討とされたのは、間違いが多発する「指定交差点」(23カ所)のうち10カ所で行われている一時停車。
混雑時など運転手の心理負担につながるとして段階的に減らすことを課題とした。


継続となったのは、出庫時の行き先確認の徹底やミス発生の場所などを盛り込んだハザードマップの更新など。
現場で有効と判断されたものが多かった。


また、ミスを全て即日発表している公表方法について「運転手に過度のプレッシャーを与えている」として再考の余地があるとした。


出典URL
http://mainichi.jp/area/kanagawa/archive/news/2012/02/21/20120221ddlk14040230000c.html
 
 
ちなみに、同日付の神奈川新聞からは、違った切り口の記事がネット配信されていた。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1202200008/
 
 

(2012年3月16日 修正4 ;追記)
 
2012年3月12日付で神奈川新聞から、13日付で毎日新聞神奈川版から、また3月12日21時54分にmsn産経ニュース神奈川から、3月13日7時44分にNHK首都圏から、再発防止策がまとまった旨、下記趣旨でネット配信されていた。
 
同市交通局は12日、今後の運行ミス防止対策を発表した。
ミス発生について「ヒューマンエラーが最大の要因」との認識の下、「安全最優先のバス運行業務に即しているか」など四つの視点に基づき対策の強化を図る。


同局は2011年度、外部委員による「バス運行管理に係る改善委員会」を設置。市バスの運行ミスの原因を検証し、防止策のあり方を検討してきた。

改善委はミス防止対策の基本指針として、
(1)安全最優先のバス運行業務に即しているか
(2)市バスネットワークの特徴を踏まえた体制・対策が取られているか
(3)業務に対する意識の向上を図る仕組みが取られているか
(4)ミス発生後の対応が的確かつその対応が事後の運行に影響していないか

の4点を提示した。

これを受け、同局は新たな取り組みとして、
起点と終点が同じでも経由地が違う系統の運行表に路線名と経由地を記す
335台すべてのバスの運転席にカラー画面の大型モニターを設置して、3つ先までの停留所や間違いの多い交差点でどちらに曲がるかを表示する
経路ミスが多発する「指定交差点」手前で流れる車内放送に限り、運転手への注意喚起のために通常の女性の声から男性の声に切り替える
□厳正な点呼は緊張感をもった業務につながるとの提言を受け、点呼を出車間際に変更
各営業所で運転手をグループ分けしてミス防止について討議や研修を行い、ミスがないと「ほめる」評価を導入
□運行経路や出庫時間の復唱の徹底など、運行への集中力の保持
など35の対策を順次導入する。

一方、市はこれまでミスがあるたびに公表していたが、運転手がプレッシャーを感じているという指摘を受けて、法令違反など悪質なものを除き、1年分をまとめて次の年度に公表する。

 
出典URL
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1203120027/
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20120313ddlk14040178000c.html
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120312/kng12031221550007-n1.htm
http://www.nhk.or.jp/lnews/shutoken/1004551143.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
ヒューマンエラー防止策として、ハード、ソフト両面からの対策が打ち出された。
よく練られている感じだ。
各メディアには、1年後に効果検証報道をお願いしたい。

 
 
 
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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