2016年10月17日3時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省によると、視覚障害者が駅ホームから転落する事故は、2009年度38件、10年度58件、11年度74件、12年度91件、13年度74件、14年度80件、起きている。
転落防止に最も効果があるとされるのが、乗降時以外はホームから出られないようにするホームドアだが、設置は進んでいない。
私鉄で最長の営業距離(約500km)の近鉄も、全286の駅で、ホームドアが設置された駅はない。
また、複数種類の車両がある近鉄では、「編成数やドアの位置が異なるため、技術的に課題がある」との理由も挙げる。
このため、視覚障害者のためには、点字ブロックなどで対応している。
全国に鉄道の駅は約9500あると言われるが、国交省によると、ホームドア設置駅は665駅。
国交省は、11年、10万人以上が利用する都心部の駅で特に危険性が高いとして、20年を目標に、ホームドアを優先して設置するよう、鉄道各社に求めていた。
多くの鉄道会社にとって、ハードルになっているのがコストだ。
1駅あたりの設置費用は数億〜十数億円で、ホームが狭かったり湾曲したりしている場合には、技術的なハードルも高くなる。
そこで、ホームドア設置には、国と自治体がそれぞれ費用の3分の1を補助する制度がある。
国交省は、16年度第2次補正予算と17年度当初予算で、計約67億円をあてる方針。
日本盲人会連合の調査では、事故防止に有効な手立てとして、ホームドアに次いで「駅員の配置」と「周囲の人の声かけ」を挙げる人が多かった。
点字毎日記者で、視覚障害者の転落事故を長年取材している全盲の佐木記者(42)は、「目の不自由な人は、自分のいる場所を勘違いしていることもある。駅で見かけたら、迷っている様子がなくても、声をかけてあげてほしい」と話す。
出典
『線路に転落 視覚障害者の事故 後絶たず』
http://mainichi.jp/articles/20161017/k00/00m/040/081000c
(ブログ者コメント)
本件、下記事例の関連報道と思われる。
(下記事例については、これまで何件かの関連報道を本ブログで
紹介済)
2016年8月21日掲載
2016年8月15日 東京メトロの青山一丁目駅で盲導犬の左側(線路側)を歩いていた視覚障害者がホームから転落し電車にはねられて死亡、点字ブロックに一部かかっていた柱を犬が避けた?
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6196/
一方、今回報道の直近にも、2件の転落事故が起きている。
2016年10月9日 東京都国分寺市 JR中央線
『視覚障害者、ホームから転落して骨折 西国分寺駅』
http://www.asahi.com/articles/ASJBB3TFNJBBUTIL002.html
2016年10月16日 大阪府柏原市 近鉄大阪線
『ホームドアがあれば… 視覚障害者、また転落死亡事故』 ※解説記事主体
http://digital.asahi.com/articles/ASJBK2PNMJBKPTIL002.html?rm=297
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。