2024年4月16日12時5分にNHK群馬から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月6日、高崎市にある上信電鉄の踏切で、近くに住む9歳の女の子が列車にはねられて亡くなりました。
現場の踏切は遮断機と警報機が共に設置されていない「第4種踏切」で、上信電鉄によりますと、高崎駅と下仁田駅の間の路線に45か所あり、このうち、半分近い21か所が高崎市内にあります。
事故を受け、高崎市は21か所の「第4種踏切」をすべて廃止する方針を決め、来年度以降、5年かけて必要な予算を確保することにしています。
具体的には、地元から廃止の合意が得られれば、踏切自体をなくして通行できなくする一方、合意が得られなければ、遮断機と警報機が共に設置されている「第1種踏切」に変更することにしています。
高崎市は踏切を「第1種」に切り替える費用について、上信電鉄には求めず、国の補助金を使い市が負担することにしています。
高崎市の富岡賢治市長は、「命に関わることなので、速やかに対応することを決めた」とコメントしています。
【斉藤国交相 県内の第4種踏切の統廃合など検討へ】
斉藤国土交通大臣は16日の閣議の後の記者会見で、「お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともにご家族の皆様にお悔やみを申し上げます」と述べました。
そのうえで、「国土交通省としても第4種踏切は安全性の向上が重要な課題であると認識している。これまで全国的に第4種踏切の統廃合の促進、遮断機警報機の整備の支援による第1種踏切化の促進などを関係者と共に進めてきている」と述べました。
そして17日、関東運輸局と関係自治体、鉄道事業者などでつくる協議会を開催し、群馬県内の「第4種踏切」の統廃合や遮断機と警報機の設置を進めるための検討を行う考えを明らかにしました。
斉藤大臣は、「事故原因は調査中ではあるが、運輸安全委員会の報告を待たず事故の概要を共有し、検討を行いたい。引き続き踏切の安全対策を着実に進めていきたい」と話しました。
【踏切は4種類 現場の「第4種踏切」 全国に2408か所】
国土交通省によりますと、踏切は去年3月末の時点で全国で3万2000か所余りあり、設備によって4種類に分けられています。
このうち、事故があった群馬県高崎市の踏切は遮断機と警報機が共にない「第4種踏切」で、全国に2408か所あります。
また、警報機が設置されているものの、遮断機がない踏切は「第3種踏切」と呼ばれ、592か所あります。
「第2種踏切」は、配置された人が遮断機を操作するもので、現在は設けられていません。
そして「第1種踏切」は、遮断機と警報機が共に設置されている踏切です。
「第4種踏切」から「第1種踏切」に切り替えるには多額の費用がかかり、高崎市は1か所当たり1500万円から3000万円程度かかると見込んでいます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20240416/1060016778.html
※今月6日の事故の状況については、4月7日10時10分に毎日新聞から、犬を走って追いかけて踏切に入るのに気付いた運転士がブレーキをかけたが間に合わなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前8時50分ごろ、群馬県高崎市吉井町小暮の上信電鉄馬庭―西山名間にある天水踏切で、同市山名町の小学4年、渋沢さん(9)が下仁田発高崎行きの普通電車(2両編成)にはねられ、死亡した。
県警高崎署によると、事故現場は遮断機と警報機がない「第4種踏切」だった。
上信電鉄によると、運転士は渋沢さんが犬を走って追いかけて踏切に入ったのに気づいてブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
電車に乗っていた約50人にけがはなく、事故の影響で上下線8本を運休するなど約600人に影響が出た。
国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官を派遣し、詳しい事故原因を調べる。
踏切の近くに住む女性(27)は、「この踏切は遮断機がなく、危ないので、子どもの頃は、どうしても渡らないといけないときは大人と一緒に渡っていた。本当にびっくりしている」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20240406/k00/00m/040/072000c
(2024年4月26日 修正1 ;追記)
2024年4月25日20時56分に毎日新聞からは、群馬県は第4種踏切を2029年度までに廃止または第1種踏切に転換すべく、鉄道事業者と道路を管理する市町村に調整を要請したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県高崎市の踏切で女児が電車にはねられ死亡した事故を受け、県は25日、2029年度末までに県内74カ所全てで遮断機と警報機がない第4種踏切を解消するとの工程表を発表した。
廃止か遮断機と警報機のある第1種踏切への転換で対応する方針で、期限を設定して対策を急ぐ狙いがある。
県は、まず、上信電鉄など鉄道事業者と道路を管理する13市町村に、対応の協議や地元との調整を要請。
検討結果を把握した上で、今年7月末までに74カ所の個別の対策案をまとめ、9月末までに最終決定・公表する。
廃止が決定した踏切は工事などに着手し、第1種踏切に転換する踏切は24年度中に国の補助金指定を目指す。
27~29年度の完了を目指すが、地元住民との協議で遅れる踏切が出る可能性もある。
第4種踏切の数は、高崎21▽富岡20▽桐生・みどり各8▽前橋3▽渋川・下仁田・甘楽・東吾妻・みなかみ・嬬恋各2▽藤岡・長野原各1。
みどり市の須藤昭男市長は25日の記者会見で、市内に8カ所ある第4種踏切について基本的に廃止する方向で協議し、住民に理解を求める方針を明らかにした。
https://mainichi.jp/articles/20240425/k00/00m/040/321000c
4月25日19時43分に産経新聞からは、第4種踏切の数が私鉄では最多の秩父鉄道も第4種踏切を廃止する方針だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秩父鉄道(埼玉県熊谷市)は25日、群馬県高崎市の上信電鉄踏切で女児(9)が電車にはねられ死亡した事故を受け、警報機や遮断機のない「第4種踏切」を廃止する方針を明らかにした。
同社によると85カ所あり、私鉄では最多という。
地域からの要望に応じ、警報機や遮断機のある「第1種踏切」への切り替えも検討。
費用負担は、埼玉県や沿線自治体、関東運輸局と協議する。
同社は第4種踏切で、人が近づくと音で左右確認を促す機器の設置を進めており、配備の完了を急ぐ。
担当者は「事故を未然に防止するため、対策を早急に進めたい」と話した。
https://www.sankei.com/article/20240425-K5NIFZ4A45KI7ES3JAV75NBJJA/
(ブログ者コメント)
今後、第4種踏切廃止に向けた動きが広がって行くかもしれないが、特別なものを除き、本ブログでは紹介を割愛する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。