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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20244231554分にYAHOOニュース(STV)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

北海道旭川市の科学館で420日、実験イベント中にアクリル製の筒が破裂する事故があり、小学生など4人が負傷する事故がありました。

事故があったのは、旭川市科学館サイパルです。

科学館によりますと、420日午後145分ごろ、開催されたイベントで「圧縮発火装置」の実験を行ったところ、アクリル製の筒が破裂し、その破片が観覧していた小学生らにあたったということです。

この事故で、約3メートルの距離にいた子ども3人を含む4人の頬や胸、ひざに破片が当たって出血し、このうち、母親と小学生の女の子が病院で手当てをうけ、軽傷と診断されました。

実験ショーでは、54人が観覧していたということです。

「圧縮発火装置」の実験では、両側にゴム栓をしたアクリル製の筒を立て、棒で上から急激にゴム栓を下に押して内部の温度を上昇させ、中に詰めているティッシュペーパーを発火させます。

この日は、1回目の実験でティッシュペーパーにうまく発火できなかったことから、「フラッシュコットン」という燃えやすい綿を中にいれて再度実験が行われていました。

旭川市科学館は、このフラッシュコットンの量が多かったため過度の発火が起こり、アクリル製の筒が破裂したとみています。

科学館では今後、安全が確認されるまで、火を扱うすべての実験イベントを取りやめるとしています。






https://news.yahoo.co.jp/articles/0da5e71ab28aa8818660c5da69db20df9edf2dd3

 

424643分に読売新聞からは、フラッシュコットンとは濃硫酸などを綿に浸み込ませたもの、実験を行っていた職員はアシスタント経験はあったがメインで出るのは初めてだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

市の発表によると、20日に行われた実験で、ティッシュを詰めたアクリル製の筒(外径2・6センチ、長さ50センチ)内の空気を圧縮して温度を上昇させることで火をおこそうとしたが、うまくいかなかった。

このため、濃硝酸と濃硫酸の混合液を綿にしみこませた「フラッシュコットン」に詰め替えて圧力をかけたところ、アクリル製の筒が破裂。

飛び散った破片が当たった女児や男児(いずれも10歳)、保護者らが打撲や切り傷を負った。

会場では親子ら54人が観覧していた。

ショーは今月、会計年度任用職員として採用された60歳代の男性が担当。

市によると、男性はアシスタント経験はあったが、メインでショーに出るのは初めてだった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240424-OYT1T50031/

 

4231112分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、フラッシュコットンは着火点が低く燃えやすいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

科学館によりますと、420日午後140分ごろ、「サタデーサイエンスショー 燃焼の実験」の際に、アクリル製の筒が破裂しました。

実験は厚さ約5ミリ、高さ約50センチのアクリル製の筒の中に空気を入れ、圧力を高めることで温度が上昇し、筒の中に入れた紙が燃える「圧縮発火装置」を使ったものでした。

科学館の調査では、1回目の実験では中の紙が燃えず失敗したため、2回目の実験では着火点が低く燃えやすいフラッシュコットンを使った際に、必要以上に多い量が入ったことで過度に燃焼。
破裂につながったということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ed3ca939f46babe91542ab0ad717dfcf6a6c3899

 

4231412分に毎日新聞からは、適量の2~3倍のフラッシュコットンを使っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

1回目で失敗し、2回目はティッシュより発火しやすいフラッシュコットンを使用。

適量の23倍を入れたため急激に燃焼し、破裂したという。

実験を担当したのは今月採用された会計年度任用職員で、ショーでの実験はこの日が初めてだった。

https://mainichi.jp/articles/20240423/k00/00m/040/111000c

 

4231442分にNHK北海道からは、アシスタントはついていた、観客席との間に仕切りを置くなどの安全対策はとっていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

ショーのスタッフは今月採用されたばかりで、初めて実験を担当し、補佐するアシスタントがついていたものの、観覧客との間に仕切りを置くなどの安全対策はとられていなかったということです。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240423/7000066490.html

 

4231755分にYAHOOニュース(北海道放送)からは、筒は繰り返し使用されてきたことで割れやすくなっていた可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

フラッシュコットンとは、薬品に漬け込んだ特殊な綿で、発火性に優れていて、マジックにも使用されます。

科学実験に詳しいサイエンスクリエーターの北沢善一さんによりますと、「アクリル製の筒は耐火性に優れている素材ではなく、繰り返し使用したことで割れやすい状態だった可能性がある」と指摘しました。




https://news.yahoo.co.jp/articles/f2aee618fc7758376c4a7ddbe4049a99e518d2ca

 

4232012分にYAHOOニュース(山陽新聞)からは、専門家は初めての条件で実験する場合は事前に予備実験などが必要と指摘しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

北海道旭川市の科学館で行われた科学ショーで20日、アクリル製の筒が破裂する事故があり、小学生を含む観覧客4人がけがをした。

2月には高知市内の四つの小学校で液体窒素を使った実験でも、児童合わせて33人が軽い凍傷などのけがを負った。

子どもたちに驚きや発見を与えてくれる科学実験だが、火や薬品が使われることもあり、常に安全性を考えなければならない。

専門家は、「実験前に必ずリスクを洗い出し、予備実験をするなど、十分な準備をしてほしい」と警鐘を鳴らす。

【写真】圧縮発火装置の綿の適量はこちら  

岡山理科大学(岡山市)教授で、科学ボランティアセンター長の高原周一さんは、地域で科学実験をする学生ボランティアの指導を行っている。

「学生には、いつも、まず実験前に、どんな危険性があるのかリストアップするように伝え、それを回避する方法も考えてもらっている」と話す。

また、「どの実験にも典型的なリスクがある。あらかじめ知識を入れておくようにとも伝えている」と言う。

旭川市の科学ショーで行われたのは、「圧縮発火装置」を使った実験。

密閉した筒の中の空気を急激に圧縮することで温度が上昇し、ティッシュペーパーに着火する仕組みだった。

1回目の実験でうまく火が付かなかったため、2回目は火薬の一種・フラッシュコットンを使用。

しかも、必要以上の量だったという。

高原さんは、「まず、この実験でフラッシュコットンを使うことは考えられない。市販の実験キットを使ったのであれば、説明書に書いてある素材や量を使用しないと、筒の耐圧性能の範囲を超えてしまう」と指摘する。

そして、「もし、1回目の実験でうまく着火せず、別の素材を使うことを思い浮かんだとしても、必ず観客の前で披露する前に、予備実験をしなければならない」と語る。

2月の高知市の小学校で行われた実験は、液体窒素を体育館の床にまき、気化する様子を観察するというものだった。

実験前にテストを行ったものの、本番の体育館ではなく、カーペットの上で実施したという。

高原さんは、「私もこの実験をしたことがあるが、屋外でしかしたことはない」とし、「予備実験は同じ条件で行わなければいけない。液体窒素の広がり方も異なってくる」と言う。  

高原さんは、「子どもたちに科学の楽しさを伝えるための実験やショー。子どもたちはもちろん、自らの身を守るためにも、しっかり安全に配慮してほしい」と話した。



https://news.yahoo.co.jp/articles/347e1c9369847b3c3008665044c54215db8af268

 

 (ブログ者コメント)

〇断熱圧縮を原理とした圧縮発火装置。
調べてみたところ、複数の会社から教育用品として1万円前後で販売されていた。

〇高知市の液体窒素事例は、本ブログでも紹介している。

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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