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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20211016日付で労働新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京・亀戸労働基準監督署は、プレス機械に安全装置を取り付けるなどの必要な措置を講じていなかったとして、K製作所と同社代表取締役を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで東京地検に書類送検した。

平成31年2月、金属板の絞り加工作業を行っていた同社労働者が左手を挟まれ、親指以外の4指を切断する労働災害が発生していた。

金属板の絞り加工のように材料の形状が複雑で、動力プレスに安全囲いを設けることが難しい場合については、安全装置を設けるなどの措置を講じることが労働安全衛生規則で義務付けられている。

同製作所では、足踏み操作式のプレスを両手押しボタン操作式に切り替えていたが、同労基署は、この対応を「不十分だった」としている。

「足踏み操作式ポジティブクラッチプレスを両手押しボタン操作式のものに切り替えるためのガイドライン」(平成6年7月15日基発459号の2)に沿って、構造規格に適合し、型式検定に合格した手引き式安全装置等を設置して使用する必要があったという。

https://www.rodo.co.jp/column/114279/

 

(ブログ者コメント)

〇K製作所は江東区にある自転車部品製造会社。

〇上記ガイドラインの該当記述は下記。

(中災防 安全衛生情報センター)

  切換えのための起動装置の変更の方法等

  ()  起動装置の変更に当たっての留意事項

  一般に両手押しボタン操作式ポジティブクラッチプレスは、安全距離の確保が困難であり、労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第131条第2項の規定に基づく措置を講じているとはいえないことから、別途、構造規格に適合し、型式検定に合格した手引き式安全措置等を設置して、使用しなければならないこと。

ただし、構造規格に適合し、型式検定に合格した両手起動式安全措置を、安衛則第131条第2項の規定に適合するように設置し、使用することができる場合はこの限りでないこと。

https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-35/hor1-35-8-1-0.htm

〇「両手押しボタン操作式」とは、両手でボタンを押している間だけプレス機が作動するようにするシステムのこと。

 具体的には下記。

(しのはらプレスサービス㈱ HP)

従来のプレス作業では、作業者は2つの起動ボタンを両手でそれぞれ押す必要があります(写真)。

両手押しボタン操作により、スライドは下降を開始しますが、スライド下降中は起動ボタンを押し続けなければなりません。

これは、スライドが下降中は、作業者の両手を押しボタンに拘束させることで、はさまれ事故を防止するためです。

http://www.shinohara-press.co.jp/service/shut.pdf

〇「両手押しボタン操作式」で事故が起きるパターンについては、以下に一例?が紹介されていた。ちょっと分かりにくいが・・・。

(小森安全機研究所 HP)

・・・・・

プレス安全作業の盲点

1.両手操作式安全装置の盲点

・・・

両手操作式の安全装置は通常、図2のような構成になっていて、押ボタンの間隔は300 mm 以上である。

なぜ300 mm なのか。

これは片手の親指と小指で押せない距離である。

それ以上に国際安全規格では厳しく、肘と手が使えない距離550mm以上となっている。

・・・

両手操作式安全装置のー工程一停止、再起動防止は、次に記述した作業を行うことで、その安全を確認できる。

・第1に、片手では絶対動かない。
・第2に、下死点手前までは、押ボタンを離したら必ず
 止まる。(安全一工程)
・第3に、両手を押したままでも必ず上死点で止まる。
 (一工程一停止)
・第4に、第3の状態で片手を離し、再度押しても
 動かないこと。(再起動防止)

これらの一連の動作の中で、第2の下死点手前の位置が問題となる。

上昇無効回路が安全一工程とともに組み込まれており、通常、図3のように角度指示計で170°付近で手を離しても、そのまま上死点で止まるようになっている。

ただ、ここで注意しなければならないことがある。

手を離す位置である。

上昇工程への切替位置は金型の上型と下型の隙間を8mm以下とすべきである。

この位置が8mm以上の位置、角度指示計の150°とか120°だったりすると、金型の上型、下型の間が、ストローク長さにもよるが、大きな空問ができ、押ボタンを離し、製品の位置直しなどを行おうとして手を入れ、被災してしまうことが十分考えられる。

したがって、これらのことも日常点検に組み入れて、毎日確認する必要がある。

・・・・・

https://www.komorisafety.co.jp/cn17/cn5/pg258.html

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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