2022年8月18日 20時09分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県君津市にある日本製鉄東日本製鉄所君津地区で2019年2月~22年4月、東京湾に面した排水口から有毒物質のシアンが計39回検出されたが、同社はいずれも県に報告せず、公表もしていなかったことが18日わかった。
東日本製鉄所の谷所長が同日会見して明らかにし、「不適切だった」と謝罪した。
同社と県によると、シアンは環境基準では1リットルあたり0・1ミリグラム未満の「不検出」が義務づけられているが、19年2月~22年4月に、特定の排水口での400回超の測定で39回検出されていた。
いずれも県などの行政機関に報告していなかった。
検出されたシアンの最大値は、19年2月5日の同0・6ミリグラム。
同社は同28日に採取し直し、社内で「不検出」と記録していた。
同製鉄所では今年6月、生産工程で生じる「脱硫液」が敷地外に漏れるトラブルがあった。
近くの川で大量の魚が死んでいるのが見つかり、県の調査で周辺の水路からシアンも検出された。
県の行政指導を受け、同社が過去の検査結果を調べていた。
県によると、19年以降、近隣でのシアンによる健康被害は確認されていない。
谷所長は、「ご心配とご迷惑をおかけしており、深くおわび申し上げます。原因究明と再発防止に徹底して取り組んで参ります」と陳謝した。
https://www.asahi.com/articles/ASQ8L6KSNQ8LUDCB00Q.html
8月18日16時7分にYAHOOニュース(千葉日報)からは、水濁法に基づく5回の測定と自主管理のため行った423回の測定でシアンが39回、全窒素が173回基準を超えていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄東日本製鉄所君津地区(君津市)から有害物質シアンが流出した問題で、同社東日本製鉄所は18日に千葉県庁で記者会見し、谷所長は「近隣住民の皆さま、行政、関係者にご心配とご迷惑をお掛けし、まことに申し訳ございません」と謝罪した。
今回新たに判明した「16排水口」から検出されたシアンと全窒素の排出基準超過については、2017~19年に水質汚濁防止法に基づく5回の自主測定、18年2月からことし8月15日までは自主管理の一環で423回の自主測定を行い、うちシアンは39回、全窒素は173回の基準超過があったと明らかにした。
同社は「重篤な事案」との認識を示し、全社体制で事実関係の検証と原因究明、再発防止に徹底して取り組むとした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e609e320837990a2138fb4609097cd52a13a6214
8月19日9時55分に毎日新聞からは、6月トラブル対応で検査した結果についても低いほうの測定値だけを県に報告していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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一方、6月に脱硫液の流出問題を起こした後の情報公開のあり方にも問題があった。
日鉄は7月1日に実施した複数回の水質検査結果について、高い方の検出値(1リットルあたり0・98ミリグラム)は伏せ、低い方の値(同0・5ミリグラム)だけを県に報告。
翌2日に9回実施した水質検査でも、7回シアンを検出したものの、残る2回の結果に基づき「不検出」と県に報告していた。
谷所長は、「高い数値も含めてすべて報告すべきだった」と釈明。
ただ、3年以上もシアン流出を伏せてきた理由については「調査中」を繰り返した。
https://mainichi.jp/articles/20220819/k00/00m/040/030000c
(2022年10月2日 修正1 ;追記)
2022年9月30日23時53分に毎日新聞からは、従業員が法制度を誤認していた、対策として環境防災部を新設するなどとした報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)が工場排水に有害物質のシアンが含まれていることを把握しながら公表していなかった問題で、日鉄は30日、原因や再発防止策などをまとめた報告書を県や周辺市に提出した。
公表しなかった理由を「従業員が法制度を誤認していた」と説明し、意図的な隠蔽(いんぺい)を否定した。
同工場は2017~22年、排水の法定検査でシアンが検出された4回の検査結果を記録に残しておらず、県から水質汚濁防止法に基づく行政処分を受けた。
シアンが出た場合は採水し直して「不検出」となるまで検査を続け、県には「不検出」の結果だけを報告していた。
自主検査でもシアンを41回検出しながら、公表していなかった。
報告書では、法定検査でシアンを検出した事実を県などに伝えなかった理由について、「再採水・再測定で基準内に収まれば行政機関への報告は不要と誤認していた」とした。
また、自主検査については行政への報告自体が不要と考えていたという。
社内マニュアルでは再採水を禁じていたが、担当者が「問題ない」と誤解しており、シアンが検出された事実は上司にも伝わっていなかったという。
今回の問題を受け、日鉄は10月の組織再編で環境と防災を担う「環境防災部」を新設し、再発防止の取り組みを進める。
脱硫液タンクの更新などハード面の対策も強化する。
報告書を提出後、記者会見した同製鉄所の谷所長は、「多大なる心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわびする。万全の対策を実行したい」と改めて謝罪した。
https://mainichi.jp/articles/20220930/k00/00m/040/291000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。