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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20161228日に掲載した第3報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正3として掲載します。

第3報は下記参照。

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6615/

 

 

(2019年3月24日 修正3 ;追記)

 

20193181145分にNHK首都圏から、学生以外に大学教員やイベント会社社長らも書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警視庁は、展示物を制作した大学生やイベント運営会社の社長らあわせて6人が安全管理を怠ったとして、18日、業務上過失致死傷などの疑いで書類送検した。

書類送検されたのは、展示物を制作した日本工業大学の21歳の学生2人と、学生を指導する立場の39歳の担当教員、イベント運営会社「T社」の70歳の社長や運営責任者ら3人の、あわせて6人。

 

警視庁が安全管理に問題がなかったか捜査した結果、展示物をライトアップするため熱を発しないLED電球を使う予定だったところ、学生2人は屋外で使う白熱電球を投光器として内部から点灯させてしまい、この熱が原因で展示物の中に入れていたおがくずから火が出た疑いがあることがわかった。


担当教員は具体的な指導や監督を行っていなかったほか、イベント運営会社は熱を発するものの使用について注意喚起すべきだったとしている。

5歳の男の子が亡くなった今回の火災。


警視庁は、同じかたちの展示物を作って再現実験を行ったり、同様のイベントを開いている10数社から安全管理の体制を聞き取ったりして捜査してきた。


ジャングルジムは、杉の木を使った45cm四方のキューブをいくつも積み重ねたもので、中には700ℓ分の杉やひのきをかんなで削ったくずやおがくずが敷かれていた。


出火当時、展示物の中にはライトアップするため、夜間作業用の500ワットの白熱電球が置かれていて、再現実験の結果、白熱電球は280℃まで温度があがり、木材の発火点であるおよそ250℃を超え、数秒から2分以内で発火したという。


一方、当初予定されていたLED電球を使った場合、最高温度は40℃ほどだった。


白熱電球はセメントで植木鉢に固定されていて、イベントのあとの解体作業で使うために、近くに置かれていた。


警視庁によると、学生は「暗くなったので、その場のアイデアで白熱電球を置いてしまった」と話し、教員は「指導監督はしていなかった」と説明しているという。


展示物は消防法の適用対象にはあたらず、イベント運営会社は展示物の高さや設置エリアは制限していたが、熱を発するものの持ち込み制限はしていなかった。


警視庁は、巡回などを通じて注意喚起すべきだったとした。


イベント会社の社長らは、「保守管理は学校ですべきだ」と説明しているという。

今回の火災では、木製のジャングルジムは屋外に設置されているため消火器の設置義務はなく、近くに消火器は設置されていなかった。


これについて、東京消防庁のOBで市民防災研究所の坂口さんは、「法令の規制があるなしではなく、不特定多数の人が訪れるイベントを開催する以上は、事故を起こさないという視点で安全対策を講じることは主催者の責任だ」と指摘した。


また、今回のように来場者が展示物の中に入ったり触れたりして楽しむイベントでの注意点としては、「イベントにどんな危険があるのか洗い出すなど、主催者がみずから考え、実行に移すことが重要だ」と述べ、危険性を洗い出すチェックシートなどを作成し、法令だけにとらわれない、幅広い対策を徹底していくことが安全を守る上で必要だと提言していた。

 

出典

男児死亡展示物火災6人書類送検

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190318/0027031.html

 

 

 

(2020年5月2日 修正4 ;追記)

 

20205114分にYAHOOニュース(TBS NEWS)から、遺族が大学などに対し賠償請求提訴した、書類送検された6人のうち大学生2人以外は不起訴になっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

男の子の遺族が出展した大学側と主催した会社を相手取り、損害賠償を求めて提訴しました。

男の子の遺族の代理人弁護士によりますと、訴えでは「投光器を置き続けることで発火の危険性があると予見できた」と主張。

 

学生を指導する立場にあった大学側には注意義務を怠った責任があり、イベントの主催会社は入場者の安全確保の義務を怠ったとして、あわせて1億2000万円の損害賠償を求めています。

この火事をめぐっては、大学生2人が重過失致死傷の罪で在宅起訴された一方、イベント会社の社長らと大学教員が不起訴となりました。

提訴にあたり、男の子の両親は、「この事故が関係者を含め世間からも未解決のまま忘れ去られ、今後の安全対策にも活かされず、風化されてしまうのではと焦りを感じています」とのコメントを寄せました。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200501-00000006-jnn-soci

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

関連情報調査中、法的責任の所在に関する4年前の解説記事も見つけた。

参考までに紹介する。

 

『外苑火災事故、法的責任を問われるのは誰か 免責事項だけでは、主催者は逃げ切れない』

2016119 1134分 東洋経済オンライン;重野真 フリーライター)

 

・・・・・

 

今回の事故について、法的責任は一体どこにあるのだろうか。

 

元検察官の坂根義範弁護士は、「今回の事件では、業務上過失致死傷という刑事責任と、損害賠償を負う民事責任があり、これを分けて考えるべき」と述べ、出火原因がまだ確定していないが、現段階で指摘されている「白熱電球の発熱による木屑の発火」が原因であるという仮定の上で答えてくれた。

 

「まず民事責任について考えると、今回のイベントが遊園地のように料金を支払って入場していることに着目する。これにより主催者には、入場者が安全に楽しめるようにする義務が生じる。これが果たせなかった今回は、民法415条の債務不履行責任を負うことになる。さらに、火事を起こしたことによる民法709条の不法行為責任も生じるだろう」(同)

 

「T社」の展示物に関する安全基準内部資料によると、「展示装飾品は、法令により防炎防火対象物に指定されています」とし、製作者に「装飾資材は、消防法により指定された防炎・防火材を使用する等、日本国における内装制限の諸規則に準じて選定してください」と遵守を促す項目があったようだ。

 

しかし、T社の主催者は、遵守状況をチェックをしていないことを明かしており、結果的に火災が発生していることから、不法行為責任を負う可能性がある。

 

展示物を作成した学生が予定外の白熱電球を勝手に使っていたという事情があるにしても、責任を逃れられるわけではないだろう。

 

【屋外だったため、消防法の適用外】

 

また、今回の事故は屋外で起きていることも重要な事実だ。

 

屋内に関しては、大人数が出入りする場所において、消防法に基づく防火管理者の選任や消防計画の作成などが義務付けられている。

 

しかし、屋外に関しては、消防法の規制外である。

 

消防庁予防課は、「屋外イベントに関しては、都条例により、一定の規模で火気を使用する場合には届出が必要となる」と話す。

 

だが、今回使われたような照明器具では、基本的に「火気」には当たらないという。

 

また、「T社側からは、イベント自体の届出はあったものの、焼失した木製ジャングルジムは届出の対象外であり、消防署によるチェックはなかった」(同)とのことなので、行政機関の監督外だったということになる。

 

では、学生側の責任はどうなるのか。

 

坂根弁護士によると、原則的には「ジャングルジムの設計や製作を指導的に進めた者」と「白熱電球をジャングルジムに設置した者」、「白熱電球の点灯を決定した者」、「白熱電球の点灯のスイッチを押した者」のそれぞれの行為が不法行為者になりうるという。

 

さらに、これら全体をチームとして指揮・監督した者に関しては、ジャングルジム製作への関わり具合によっては、民法715条の使用者責任が問題になるとした。

 

また、法的責任を問うには注意義務違反が必要となる。

 

学生側に危険な結果の予見可能性があり、かつ危険な結果を回避できる可能性があったことが求められるが、これについて坂根弁護士は、「学生が、白熱球使用による熱でジャングルジムの木屑が発火し、さらに燃え広がることをどれだけ具体的に予測できたかが争点になるだろう。一般通常人の経験則上、燃え上がると想定できたとは、一概には言い切れないのではないか」と指摘する。

 

そして、学校側の責任については、「今回のデザインウィークの出展に、どれだけ大学の管理が及んでいたか、その指導や後押しなどの度合いによっては、学校が責任を負うこともありうる」(同)という。

 

報道によると、白熱電球の投光機は当初、使用する予定がなかったものだが、大学が貸し出してジャングルジムの中に設置していた。

 

「素の家」を製作したのは同大学の学生有志で、大学は補助金を出すなど支援し、複数の教員が指導に当たったということだった。

 

このことにより、一定の責任があると判断され、管理監督責任としての損害賠償責任(民法7151項)を問える。

 

製作者である日本工業大学側は7日、記者会見で謝罪している。

その中で、成田健一学長は、「大学の責任の下、出展した。対応が十分だったとはいえない。事故に関する全ての責任は大学にある」と踏み込んでいるが、そこまで言い切れるかは疑問だろう。

 

【主催者の法的責任も見過ごせない】

 

「T社」の主催者は会見で、「消防法に照らして問題がないよう準備してきた。照明など電気を使う場合は電圧に制限も設けており、火災が想定されないかは開催前から十分確認していた」と説明している。

 

今回事故が起きた「素の家」については、学生側が事前に提出した書類で構造は確認していたものの、照明と素材の位置関係など詳しい記載が書類になかったとしている一方で、「作品にとがった部分がないかや、作品の高さなどは確認しているが、全部で600点ある作品の一つ一つを詳しくチェックするのは困難だった」とも釈明している。

 

しかし、T社と出展した学生との間に「事故等の一切の責任は、主催者が一切負わない」との免責事項があったとしても、主催者の責任を問われる可能性は高いと、坂根弁護士は指摘する。

 

「たとえ免責の一文があったとしても、裁判所は、無条件に免責を認めるわけではなく、主催者として果たすべき責任について個別具体的に判断するだろう」(同)。

 

今回の悲惨な事故は、学生たちの不注意で起きたことは確かで、法的責任の程度も大きいはずだ。

 

とはいえ、社会経験が浅い学生たちに「子供の死亡」という重い責任を全面的に負わせるのは酷な部分も多い。

 

学生たちをしっかりと監督、指導できなかった主催者の責任も見過ごすことはできないだろう。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/144178

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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