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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202481870分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

消防士を夢見て福岡市の消防学校に今春入学した男性(26)が7月、立ち泳ぎの訓練中に意識を失い、死亡した。

同種の訓練で生徒が意識を失ったり、死亡したりする重大事故は過去10年で少なくとも2件起きており、国は各都道府県や政令市に注意喚起の通達も出していた。

救助のエキスパートである複数の消防士が見守る訓練で、なぜ事故は繰り返されたのか――。

 

■生かされなかった教訓

事故は79日、福岡市西区の市民プールで起きた。

市消防学校(早良区)の水難救助訓練があり、入校3カ月目の初任科生53人(1829歳)が参加。

泳力に差がある生徒が同時に泳ぐと監視しにくいため、事前の自己申告や実際の泳ぎを見て5班に分け、飛び込みや溺れた人を抱えた想定での泳ぎ方などを訓練していた。

泳力に応じて、泳ぐ距離など、訓練の難度も変えていたという。

事故が起きたのは午後4時過ぎ、立ち泳ぎの訓練中だった。

深さ33メートルのプールで立ち泳ぎを5分間続けた後、プールサイドにつかまるなどして約2分間の休憩を挟み、再び1分間の立ち泳ぎを続ける内容。

監視役として水中にダイバー2人、水面に8人、プールサイドに8人の計18人の教員を配置していた。

ただ、他の訓練とは異なり、班分けはせずに52人(体調不良で1人不参加)が一斉に訓練を始めた。

市消防局によると、訓練終了を指示したところで、生徒の岡本さん(26)が沈んでいく様子にダイバーが気付いた。

すぐに水中から引き上げ、心臓マッサージを開始。

その後、岡本さんは救急搬送されたが、8日後に溺水による低酸素脳症で死亡が確認された。

なぜ、立ち泳ぎだけが生徒全員による一斉実施だったのか。

福岡市消防局は、当時は訓練時間を短縮させなければならない事情はなく、監視役の教員数などを考慮して実施したと説明。

岡本さんの泳力は5班のうち、下から2番目に位置するレベルと判断し、全く泳げないわけではなかったとした。

詳しい事故状況は「調査中」としたが、職員10人ほどでつくる検証委員会で訓練方法や生徒の班分けの判断が適切だったかなどを調べており、再発防止策をまとめる方針だという。

総務省消防庁によると、消防学校の訓練内容は各校の判断で決められている。

立ち泳ぎは必須ではないが、救助の際に溺れた人を見失わないことなどを目的に、訓練に盛り込む学校は全国に複数あるという。

ただ、立ち泳ぎの一斉訓練では、生徒の命にかかわる事故が過去にも繰り返されてきた。

静岡県消防学校では2014年、20代の男性2人が溺れ、一時意識不明となった。

山口県消防学校でも20年に、当時21歳だった男性が溺れて死亡した。

いずれの事故も初任科生の訓練で、50人前後で一斉に立ち泳ぎをしていた際に起きていた。

静岡県消防学校の事故について大学教授らがまとめた検証報告書によると、立ち泳ぎは複数の監視役がいても、溺れているかどうかの判断が難しいという。

顔を水面に常に出した状態で泳ぎ続けるのは体力を奪われるため、水中に潜ったり、再浮上して顔を出したりを繰り返すことがあるからだ。

報告書では、大勢いる生徒の安全をどう確保するか、監視者の役割分担が不明確だったことも事故原因の一つだと指摘した。

事故を教訓に、安全対策も見直された。

静岡県消防学校は現在も立ち泳ぎの訓練を継続するが、内容を一部変更。

生徒全員での一斉実施ではなく、ペアを組んだ学生がプールサイドから交互に監視するようにした。

山口県消防学校は事故後、立ち泳ぎを訓練から除外。

クロールや平泳ぎといった基本泳法を重視し、水難救助訓練に一度に参加する生徒数も30人までとした。

総務省消防庁は、山口県消防学校の事故後の20713日、水難救助訓練の関連マニュアルを総点検することなどを求める通達を各都道府県や政令市に出した。

ただ、各校が実際にマニュアルを見直したかなどの追跡調査まではしておらず、水難救助訓練をする際の監視員の人数の基準も定めていないという。

福岡市消防局は毎日新聞の取材に対し、「通達後にマニュアルを再点検し、一部を改定したが、立ち泳ぎの訓練に変更はなかった」と回答した。

静岡大の村越真教授(リスク認知)は、「立ち泳ぎは相当な泳力が必要な上、水しぶきが上がり、1人で複数人を監視することが難しい。静岡県消防学校の事故を検証した際の報告書で生徒同士がペアを組んで監視する安全対策を提案したが、福岡の事故でこの教訓は生かされていなかった。事故情報や改善対策を共有する仕組みが必要だ」と話す。

https://mainichi.jp/articles/20240816/k00/00m/040/070000c 

 

(ブログ者コメント)

2014年の静岡事例と2020年の山口事例は本ブログでも紹介スミ。
(山口事例は修正4と情報量が多い)

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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