2021年11月12日8時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前3時15分ごろ、北海道三笠市本町の道道岩見沢桂沢線で「運転中に車が穴に落ちた」と、運転していた会社員男性(26)から110番通報があった。
道によると、穴は道路が陥没してできたもので、深さ最大約6メートル、広さ縦約7メートル、横約7メートル。
車は転落し、男性の20代の姉が骨盤骨折などの重傷、10代の妹と男性は軽傷を負った。
岩見沢署によると、事故発生前の11日午前3時ごろ、現場を通りかかった別の車の運転手から「道路が陥没している」と110番通報があり、警察官が現場に向かっていた。
転落した車の男性は自力ではい上がり、後部座席の姉妹は、まもなく救急隊員らに救助された。
男性は取材に「暗くて穴は見えなかった。落ちた瞬間は土砂崩れでも起きたのかと思った。もし、ほかの車も落ちてきていたら死んでいた。誰も死ななくてよかった」と話した。
隣り合わせに座っていた姉と妹は、落下の衝撃で場所が入れ替わっていたという。
気象庁によると、三笠市に隣接する岩見沢市の9日夕からの24時間降水量は90ミリで、同市の11月としては観測史上最多だった。
救助活動をした三笠消防署員は、「穴のふちの土がぼろぼろ落ち、地盤がゆるんでいる感じがあった」と言う。
道路を管理する道建設部は11日夕、会見を開いた。
陥没の原因は降水による可能性もあるとしつつ、現時点で土砂の流出が確認されていないことから、地下にもともと空間があったか、地盤が沈下して空間ができた可能性もあるという。
岩見沢桂沢線は1976年に道道に指定され、84年に改良工事が行われた。
陥没した場所の付近では7~8年前に舗装の補修工事が行われた。
これまで、同線のほかの場所で陥没は確認されていないという。
事故を受け、現場から西に2・5キロの区間が通行止めになった。
付近の地盤がゆるんでいるため、重機を入れると再び陥没する危険があり、車両の引き上げや埋め戻しのめどは立っていないという。
https://www.asahi.com/articles/ASPCC734BPCCIIPE00M.html
11月11日17時51分にYAHOOニュース(北海道テレビ)からは、現場をストリートビューで見ると、鋪装し直したような跡があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転していた男性:
「ここは街灯も少ないし、きのう雨降っていて、路面も反射していて。暗いかどうかって、道路暗いんですよ。だから穴開いているってこともわからなかった。気づいた時には落ちていたって感じですね」
男性は転落する5分ほど前に、友人を送るため反対車線を通ったばかりだったといいます。
運転した男性:
「1回こっちから来て、帰り、同じ道を通って帰った。その時に落ちたって感じです。反対車線を見た時に、穴かどうかわかんなくて。普通に道あるだろうと思って、僕はそのまま走って帰ったら、今回事故っていう感じで」
今回の事故現場をストリートビューで見ると、四角く舗装し直したような跡が確認できます。
地盤の災害に詳しい専門家は、陥没の原因についてこう推測します。
室蘭工業大学大学院工学研究科・木幡行宏教授:
「地中の水を通す管が破損していたので水がそこから漏れた。管の周りが侵食されて、知らないうちに道路の下に空洞ができていて、地表面まで来て、あるところでぽんと穴が開いた」
現場周辺の道路はおよそ2.5キロにわたって通行止めとなっていて、復旧のめどは立っていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1bb735068b029e8dc16c03b2cf3df2a2ec9e70e1
11月12日19時0分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、よく道路を直していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場では地中の調査が始まり、埋設物や水道管の位置などの確認を行いました。
一方、付近の住民は以前から不安を抱いていました。
付近住民:
「2年前まで車乗っていたけど、でこぼこしていて沈むような感じがあった。よく道路を直していた」
一体、当時現場で何が起きたのか?
専門家は、ある原因を指摘します。
道総研 エネルギー環境地質研究所 広瀬亘さん:
「直前の大雨というのがトリガー(引き金)になっていると思います。道路の下の地盤に染み込むことで、泥のような細かい粒子を移動させてしまったのだろう。道路の直下の部分が空洞になり、あまり土の詰まってない部分ができて、上のアスファルトの部分が崩落したのではないかと考えている」
「三笠市の方は山間ですので岩見沢市より降っている可能性がある。雨が降っている最中や直前に大雨が降った場合は、陥没や道路崩落の可能性も考え、十分気を付けて行動するのが良いかと思う」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3eea939d2837cd0e2cc18497dad94a6e106d1a66
11月14日18時40分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、道路の下には7~8年前に埋設した排水管が3本あるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道路を管理する札幌建設管理部は、原因調査のため掘削作業を続けています。
陥没した場所の真下には、深さ約10メートルの範囲で3本の排水管が道路を横切るように埋設されていて、陥没の原因となった可能性も含めて調査を行うとしています。
排水管は内径15センチメートルのポリエチレン製で7、8年前に新設されていました。
札幌建設管理部は掘削作業を続け、原因を究明する方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/43e17fb7c0e3f4f7a5ead84c78d55de2019f9772
11月15日19時50分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、道路の下には炭鉱操業時代の排水施設がある可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場の下に炭鉱が操業していた時代の排水施設もある可能性があり、陥没の原因の1つと考えられることが分かりました。
札幌建設管理部によりますと、陥没場所から約130メートル離れた幾春別川の付近で、縦横約90センチの配水管が見つかりました。
配水管からは水が出ていて、陥没場所の下を通っているとみられるということです。
この配水管は、道路が市道から道道になった1978年の資料にはない昔の配水管とみられ、炭鉱が操業していた時代の排水施設である可能性があることがわかりました。
札幌建設管理部は、これらの古い施設に土砂が流れ込み陥没した可能性もあるとみて調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bb47ba24d87da633dc01fe5e08393fb30a9b7a7
11月16日7時10分にNHK北海道からは、一度に大量の土砂が流出した痕跡は見当たらなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
これまでのところ、陥没した穴の付近には一度に大量の土砂が流出した痕跡は見当たらず、道は、何らかの理由で、長期間にわたり、道路の下の土砂が徐々に流出し、空洞ができた可能性もあるとみて、今後数日かけて穴を掘り進め、原因の特定を急ぐことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211116/7000040238.html
(2021年11月26日 修正1 ;追記)
2021年11月25日18時36分にNHK北海道からは、炭鉱時代のコンクリート製排水管が破損していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
25日、陥没の原因について調査する道の会合が開かれ、地盤工学の専門家などが出席しました。
この中で道の担当者は、これまでの現場での調査の結果、付近の地下11メートルほどの場所に道路と交差する形で、炭鉱が栄えていたころにつくられたとみられるコンクリート製の昔の排水管が埋まっていて、複数の破損が確認できたと明らかにしました。
また、陥没した場所から130メートル離れた場所にある排水管のはけ口周辺には、陥没した道路の地下の土と性質が似た土が、扇状におよそ100立方メートル積もっていることが確認できたとということです。
これを受けて専門家は、土砂は破損した排水管を通じて流出したとみられるとして、今後、排水管の中に色がついた水を流すなどして、はけ口まで通じていることを確認するよう求めました。
北海道大学大学院の萩原亨教授は、「長期にわたって破損した排水管から土砂が流出して地中に空洞ができ、今月9日と10日の雨で道路下の残りの土がどんと落ちたと考えている。今後の調査で確かめたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211125/7000040556.html
11月25日18時38分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、大雨によってアーチが支えられなくなりドンと落ちた可能性ありという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道大学大学院工学研究院 萩原亨教授:
「(仮説として)雨によってアーチが 支えられなくなってどんと落ちた。引き金は雨じゃないか」
現場では事故直前の9日から10日にかけて、11月の平均降水量の8割に相当する雨が降っていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d314c2852c4e1020d52b22d660b8ec22b2ba582
(2021年12月6日 修正2 ;追記)
2021年12月3日5時0分に北海道新聞からは、7年前に空洞を見つけた時には原因を究明しなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
同じ現場で2014年3月に深さ2・1メートルの陥没が発生し、道路管理者の道が十分な調査を行わずに砂利などで埋め戻して、道路の使用を再開していたことが2日、道などへの取材で分かった。
道は当時、今回の陥没の原因の可能性がある地下の古い排水管の存在にも気付いていなかった。
道によると、14年3月の陥没は、道がパトロール中に路面のへこみを確認。
アスファルトをはがして調べたところ、路面下に幅1・2メートル、長さ1・9メートル、深さ2・1メートルの空洞ができていた。
道は、陥没箇所に砂利や土砂を入れ、その上に厚さ1センチ程度の鉄板を敷設する復旧工事を実施。
その後、沈下が確認されなかったため、約5カ月後に鉄板を外して路盤を舗装し、利用を再開した。
道は、この際、原因究明の調査を行っていなかったといい、理由を「復旧工事後に沈下が収まったため」と説明。
当時、「地下の古い排水管の存在にも気付かなかった」としている。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/618513/
(2021年12月16日 修正3 ;追記)
2021年12月15日20時50分にNHK北海道からは、排水管の破損部分から色のついた水を流したところ、はけ口まで通じていることが分かったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道は、これまでの事故原因の調査結果をまとめ、15日、専門家でつくる検討会で報告しました。
それによりますと、現場の地下を通る古い排水管の中に土砂がたまっていたことや、排水管のはけ口の辺りに積もっていた土砂が現場付近の土砂と同じ性質だったことが確認されたということです。
さらに、排水管の破損部分から色のついた水を流したところ、はけ口まで通じていることが分かったということです。
こうしたことから道路の陥没は、長い年月をかけて現場付近の土砂が破損した排水管を通じて流れ出した結果、起きたとみられるとしています。
先月の検討会では専門家から同じような見解が示されていて、今回の調査結果は見解を裏付ける形となりました。
道は来年中に破損した排水管を撤去して、新たな排水施設を設置することにしています。
北海道大学大学院の萩原亨教授は、「道内のほかの場所でも、大雨のあとに排水管のはけ口から出ている水の量を確認するなど、点検することが重要だ」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211215/7000041230.html
12月16日8時41分に毎日新聞からは、崩落メカニズムに関する下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
排水管は長さ27・6メートルで、道道を横切る形で埋設されていた。
一部は損傷が激しく、排水機能が低下し、雨水などが地中を流れるようになり、排水管の穴から長い年月をかけて土砂を流出させた。
地中の空洞化が進行し、陥没前日まで続いた雨の影響で地中上部の強度が低下、路面ごと崩落したと結論づけた。
https://mainichi.jp/articles/20211216/k00/00m/040/032000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。