2021年11月9日19時46分にYAHOOニュース(大分放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県佐伯市の住宅地で、工場用の大規模な送水管が真下に埋められていることが発覚しました。
老朽化や地震などによる大きな事故が心配されていて、住民と事業者による法廷闘争にまで発展しています。
大分県佐伯市の番匠川にかかる水管橋。
この送水管を利用しているのがKライフサイエンスです。
この企業は1953年に大分県佐伯市東浜でパルプ工場を操業。
製造過程で必要な水を確保するために、およそ70年前、大規模な送水管を設置しました。
送水管は地下や水道橋を通って、水源地から佐伯工場まで繋がっています。
全長およそ7キロの送水管が住宅地を通過していることが問題となっているのです。
(佐藤さん):
「うちはど真ん中を通っている。ここから玄関の横までど真ん中」
大分県佐伯市新女島区の佐藤さん(男性)。
2015年に佐伯市の道路工事がきっかけで、自宅の地下1.5メートルほどの深さに直径1メートルを超える送水管が通っていることを知りました。
(佐藤さん):
「この辺は全部畑だったと思うんですよね。だれも知らないまま、分譲住宅を買ったり土地を買って家を建てたのが現状」
(田辺記者):
「こちらでは施設を建てる計画が、送水管があるために計画変更を余儀なくされました」
(福祉施設の理事長):
「送水管があるのは知らなかった。なぜこちらが負担しないといけないのか」
「ここ、ど真ん中。こっちは斜めです」
およそ70年が経過し、老朽化も懸念されています。
「水が漏れて吹き出ているでしょう。吹き出ているということは、かなり出ていて、行き場がなくなっていると思う」
こうした問題を受けて、送水管の存在を知らなかった住民ら53人が地権者組合を設立。
佐藤さんが組合長を務め、会社側や市と協議を進めてきました。
(佐藤さん)
「地震があるときに下がどうなるか見えないから、もし送水管が外れたら心配」
協議を続けても解決の糸口が見えなかったため、佐藤さんら組合員9人は2018年、裁判に踏み切りました。
土地の所有権を侵害しているとして、送水管の撤去とおよそ920万円の損害賠償を求めています。
(山本洋一郎弁護士):
「制度に則った手続きを踏んでいない。私達が知っている範囲では、全国の工場で、こんな大規模で地下の地役権の登記をやっていない例はない」
自宅で安心を確保できないもどかしさに、佐藤さんの思いは。
(佐藤さん):
「あまりしたくないけど、だれかがやらないと、このままずっと放置して、事故があったときに知らないというわけにはいかない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5dcac910052d054969f2c3f5d7a0b5159e4fc80c
(ブログ者コメント)
地役権ならびにその登記について調べたところ、以下のような情報が見つかった。
当然、当時の土地所有者とは合意に達し、もしかすると行政も絡んだ上で送水管を埋めたと思うのだが、なぜ、登記しなかったのだろう?
当時の企業側担当者の知識不足?
それとも・・・・?
(リクルート社 SUUMOのホームページ)
『地役権って何? 登記は必要? 注意点は? わかりやすい地役権の基礎知識』
「地役権」とは、「ある一定の目的の範囲内で、他人の土地を自分の土地のために利用する権利」のこと。
でも、他人の土地を自分のために利用するってどういうこと?
なぜ、そんな権利が必要なの?
地役権に詳しい司法書士の清水さんに教えてもらいました。
【地役権とは?】
地役権とは、一定の目的のために、他人の土地を利用する権利のこと。
どんなときに地役権が使われるかというと、「一番多いのは、他人の土地を通ったほうが駅に出やすいなど、通行のために他人の土地を利用する場合に地役権を設定するケースです」と清水さん。
・・・
【地役権は登記が必要】
【地役権を登記しないとどうなる?】
当事者同士が合意できたら、地役権設定の登記を行います。
「登記をしないと、例えば承役地の土地所有者が売買などで変わった場合、それまでの合意内容を新所有者に対抗できない(地役権が設定されていることを主張できない)ケースがあります」。
登記をすれば、要役地・承役地とも次の所有者は、(期限内であれば)引き続き、設定されている内容を順守しなければなりません。
つまり、土地の所有者が変わったから通行できなくなる、あるいは今まで通行料をもらっていたのに支払われなくなった、といったことを防げます。
逆に言えば、購入した土地の登記簿に地役権が設定されていた場合、それを順守しなければなりません。
・・・
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/chiekiken/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。