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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2020226日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が写真や解説図付きでネット配信されていた。

 

海洋プラスチックごみ問題が世界で深刻化する中、多くの衣類に使われているプラスチック製の合成繊維が洗濯で抜け落ちて海洋に流出している実態が浮かび上がってきた。

ファッション業界では新素材の開発などの対策が進む。

 

 

【マイクロプラに】

 

「フリースを洗濯すると最大で1900本以上のプラ繊維が抜ける。海洋で見つかったプラ繊維の大部分が、洗濯による下水に由来している可能性がある」。

 

英豪の研究チームが2011年に発表した内容は、ファッション業界にとっても衝撃的だった。

 

研究チームによると、合成繊維を含むフリースや毛布、シャツなどをそれぞれ家庭用洗濯機で洗った排水をサンプリング調査したところ、全ての衣類で、5ミリ以下の微細なマイクロプラスチックを検出した。

中でも起毛部分の多いフリースが最多だった。

 

衣類に使われる合成繊維はプラスチックを繊維状にしたものだ。

シワになりにくく、型くずれしにくいといった特徴があるほか、速乾性や脱臭などの機能を持たせる特殊加工もしやすいため、さまざまな衣類に用いられている。

 

 

【世界の合成繊維の生産量】

 

日本化学繊維協会の推定によると、世界の合成繊維の生産量は、利便性が高く安価なことから、年々需要は増加。

17年は約6240万トンで、綿など天然繊維の生産量の2倍以上に拡大している。

 

ある大手アパレルメーカーの担当者は、「高機能な衣類など、他社との差別化を図る意味でも、合成繊維は今後も欠かせない素材だ」と指摘する。

 

 

【困難な完全除去】

 

洗濯で抜け落ちた合成繊維を含む生活排水は、下水処理場で浄化される。

沈殿や微生物による分解や吸着、消毒などの工程を経て、河川や海に放流されている。

 

ただ、合成繊維から出た繊維状のマイクロプラは、目視で確認するのも困難なものがほとんどだ。

 

東京都下水道局によると、生活排水に含まれる有機物などの汚物は浄化処理で9割以上を取り除いているものの、全ては除去できないため、一部の合成繊維は海などに流れ出ている恐れがあるという。

 

担当者は、「汚物を全て取り除く仕組みにはなっておらず、全国の下水処理場でも同じ状況だ。ただ、繊維を取り除くには膨大な費用がかかり、水道代の値上げに直結する。すぐに対策を取るのは難しい」と説明する。

 

石油由来のプラスチックは、「生分解性プラ」を除き、自然環境ではほとんど分解されない。

特にマイクロプラは有害物質を吸着する性質があることが分かっており、魚などの海洋生物が誤飲し体内に蓄積させ死ぬなどして、生態系に影響していることが懸念されている。

 

 

【新素材開発の動きも】

 

海洋プラごみの問題解決に向け、世界的な対策が進む中、国内の素材やアパレルのメーカーでも、新素材を開発したり、リサイクル素材を積極的に使用したりするなどの動きが出始めている。

 

アパレル大手「三陽商会」は昨年10月、スペインのメーカーとともに新ブランド「エコアルフ・ジャパン」を設立すると発表した。

3月13日には東京都渋谷区で有名ブランドショップが軒を連ねる旧渋谷川遊歩道路(通称・キャットストリート)沿いに初の店舗をオープンさせる。

 

扱う商品はペットボトルやナイロン、タイヤなどのごみを原料にしたリサイクル素材が中心だ。

春夏シーズンは幅広い世代をターゲットに、コートやボトムなど150種類で400色の商品を展開する計画だ。

 

海に流出しにくい合成繊維の素材開発も進む。

 

繊維原料の開発などを手がける「帝人フロンティア」は、フリースの代替素材となる新素材「デルタTL」を開発。

生地表面の起毛部分を特殊加工し、洗濯をしても洗い落ちしにくい構造となっている。

 

また、リサイクル素材が原料で、長いポリエステル繊維を使うことで繊維が抜け落ちにくい特徴がある新素材「アスティ」を開発した。

 

アウトドアスポーツブランド「ゴールドウイン」とバイオベンチャー企業「スパイバー」は、たんぱく質由来の新素材「ブリュード・プロテイン」を共同開発し、21年以降の本格商品化を目指している。

 

エコアルフ・ジャパンは、21年中に国内の漁業者が海中で回収したペットボトルなどの海洋プラごみを素材として使う商品開発を目指しており、帝人フロンティアの新素材の活用も検討している。

 

エコアルフ・ジャパンの吉井ディレクターは、「環境負荷の低いサステナブル(持続可能)な商品を提供するのが世界の流れ。ファッション業界でその姿勢をリードしていきたい」と意気込む。

 

https://mainichi.jp/articles/20200226/ddm/013/040/020000c 

 

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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